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2002年 8月31日 元西陣小学校にて 西陣プロジェクト |
第4回のテーマは「めいど いん じゃぱん にこだわる!」 8月31日、第4回目の西陣での会議を開催しました。昨年11月以来、実に9ヶ月ぶりです。 今回のテーマは、西陣の糸屋さんを営んでおられる Savage Blue さんのホームページで開設されてる掲示板「めいど いん じゃぱん にこだわる!」の実際の会議の場として設定しました。 久々の開催だったにも関わらず、予想を上回る多くの方においでいただきました。いつも来てくださる西陣在住の方、職人の方だけでなく、産業振興の立場から西陣を考えておられる方、西陣で活動する学生NPO の方など、さまざまな立場の方が同じテーブルの上で、「Made in Japan」にこだわるものづくりについて語り合いました。 |
"Made in Japan" に携わる作り手の立場から ここしばらく、電気機器の業界では中国進出に関するニュースが賑やかですが、西陣でも同じ考え方で安い労働力を求めて西陣の外でものづくりをしています。はじめは丹後、そこから韓国へ行き、中国へ。最近では、北朝鮮へ仕事を出しているところもあるとのことです。 そんななかでも、会議に参加してくれた織屋の方は、日本で「うちでしかつくれないものをつくり続けている」と。効率や安さだけでなく、「それ」を求めてくださる方のために、常に新しいものづくりをされているとのことでした。 安いものを求めるだけでなく、「生活を豊かにするものを作る時代に入った」とうい声もありました。たしかに、買い手からすると、惚れ込んで買った物は高くても惜しくありませんよね。 |
人から人へ伝承する技術 でも、「新しいものづくり」は、今までの商品や技術の上に生まれてくるもの。その知識なくしてできるはずもありません。 西陣織を支えてきた職人の技術は、すべて「人から人へ、言葉で伝えられてきた」し、「体で覚える」しかありませんでした。マニュアルなんてありません。それは、徒弟制度や家業を継ぐなかで自然と行われてきたことです。しかし、生計が立てられず、家業を継ぐことができない家庭が多く、その技術が途絶えてしまうところがほとんどです。中国で作ってしまっては、技術は伝えられません。 きものの良し悪しについても、風合い、色合いなどは家庭で伝えられてきたもの。今はその機会もないし、必要もなくなってしまっています。職人の方が「ほんまもんを見て育ってほしい」と切に訴えておられました。 |
使い手にとって、"Made in Japan" とは... 着物を着て来られた方が、使い手の立場から"Made in Japan"を語ってくださいました。その方は、ご自分の持ち物、着ているものにすごく愛着を持っておられました。着物や帯だけでなく、巾着や下駄についても、「これは福岡産のXX織で...」と熱く語ってくださいました。 会議のその日も、百貨店の職人の仕事展で、職人さんのお仕事を実際に見て、じっくり話して、下駄を購入してきたとのこと。 こんなふうに、身近なところに作り手の方がおられて、実際に、作っている人とコミュニケーションがとれるというのは、使い手の方にとってはすごく大きな魅力なのではないでしょうか。 どこで作られたのかわからない工業製品ではなく、その人がこうして作ってるんだ、ということがわかる「顔の見えるものづくり」は、なにものにも換えがたい力を持っているような気がします。 |
参加者のみなさまの声 最後に、参加してくださったみなさんに一言づつおうかがいしました。 まず、西陣のマーケティングについて、「今までは作り手の立場でいいと思ったものを作って、それを市場に出していたけれども、これからは作り手が市場のなかに入っていって、多彩な市場のなかから対象を絞り込んでものづくりをしていくべきなのではないか」という意見がありました。 また、インターネット販売なども流行っていますが、「それでは売れない」ことも指摘されていました。「実際に見て触ってわかる」ことはネットでは伝えられませんからね。 最後に、学生の方が「若い世代は意外と和に敏感」ということを言われてました。それに対し、「よいものを伝えたいという職人さんが教えてくださる場」を作りたいと言ってくださっているので、そういった場を活用して若い世代の方にも伝えていくことができるのでは、という意見もありました。 |
京都ものづくり塾では、今回の会議の内容を踏まえて、「作り手と使い手がつながる場づくり」を新たに進めていこうと思います。 第4回目の西陣会議は終わりましたが、今回、参加できなかった方も、「めいど いん じゃぱん にこだわる!」についてご意見、思いを聞かせてください。以下の掲示板でいつでも受け付けています。 http://www.savageblue.com/nishijin/project.htm |
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