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☆ 書籍紹介 『マニュファクチャリング・コンセント マスメディアの政治経済学』(トランスビュー 2007年)
経済学者エドワード・ハーマンとの共著によるメディア批判の決定版。自由市場におけるマスメディアが、その構造からして必然的に支配層の利益を擁護するプロパガンダ装置の役割を果たすことを「プロパガンダ・モデル」を用いて説明し、このモデルの有効性を検証するために、中米の対米従属政権やベトナム戦争の報道など多数の事例を挙げて、じっさいのメディアの行動とその政治的意図を鮮やかに解き明かしています。膨大な脚注には圧倒的な量の参考文献が載っいますが、そこにもまた興味をそそられるものがたくさんあります。2002年の改訂で70ページ超の序章を加筆して、アップデートされました。
最近のパレスチナ・イスラエル情勢をめぐる、けっこうきわどいインタビュー。現在の時点でバイナショナリズムを提唱することの是非や、ジュネーブ合意の妥当性をめぐる議論は、とても興味深いものがあります。
チョムスキーの二冊の中東本のうちの一冊を翻訳しました。第三次中東戦争後の最も初期のころのエッセイと、90年代のオスロ体制の頃のエッセイを合わせたものです。膨大な引用と参考図書には圧倒されますが、これが本来のチョムスキーらしさといえましょう。最近は、どうもあきらめきったような発言が目立つのですが、初期の頃のバイナショナリズムを説く熱い口調はなかなか新鮮です。
ホロコースト否定論者のであっても、その言論の自由は断固として守らねばならないと主張して、フランスで物議をかもした「フォリソン事件」について。自分が嫌悪する主張を、他人が公言する自由をみとめることこそが「言論の自由」の擁護だと、チョムスキーは述べています。もういつ訳して載せたのかもわからないくらい古い文章。
上記書籍の一部。 もとは2002年4月に訳したもの。
ついに日本でも公開されることになりました。チョムスキーの思想と行動、それを扱うメディアの反応を通して、マスメディアのもつ問題点が浮き彫りになります。マスメディアのつむぎだす虚構の網にからめとられ、孤立化され、無力化され、消費するだけの存在に貶められた、民主主義社会の中の大衆。これに対処するには、どうしたらよいのか?完成から15年もたっているのに、少しも古びたところはありません。
カナダで作られたチョムスキーのカルト映画。なんとかこれの上映会をやりたいものです。映画はまだ見ていないので、「解説本」やWeb上の記事をもとにこんな感じかなという映画の概要を作ってみました。実は、英語版はホームビデオが出ていてあわや買いかけたのだけれど、2月26日にはDVD版が発売されることがわかり、そちらを待つことにしました。 日本語の字幕つきかどうかは不明です。
東京国立での上映会は、予想外の大きな反響にびっくり。あらためて、この映画は今こそ上映する意味のあるものだと感じました。実際に16ミリフィルムで観た印象は、コンパニオンブックやビデオを観て創造していたものとはかなり違います(ずっといい)。というわけで、他にも上映会をやろうという人たちがでてくることを期待しつつ、実際に観た映画を踏まえて上映会の総括と会場で配布した資料をアップしました。
最近のパレスチナ情勢悪化(といっても、ここ半年ほど悪化の一途なのですが)をうけて、2002年4月2日にZNetが行なった短い緊急インタヴュー。
9−11事件についてのインタビューのひとつ。 このほかにも各所で精力的に発言しており、それらは最終的に「9−11」として一冊の本にまとめられて出版されました。日本でもほぼ同時に(なにを勘違いしたものか文芸春秋社から)翻訳が出版されました。