5月末、ラテンアメリカ諸国からなる「リオ・グループ」は、コロンビア内戦への対処法を議論した。コロンビアの大統領アレバロ・ウリベ・ベレスは、コフィ・アナンにFARC---コロンビア最大のゲリラ---に対する最後通告を発するよう求める宣言をリオ・グループが発するよう求めた。この最後通告は、FARCが交渉の場につくか、さもなくば・・・・・・その、さもなくば、の内容は特定されていない。ベネスエラのウーゴ・チャベス大統領は、その最後通告には反対を表明した。チャベス大統領は、そうした宣言は、コロンビアへの多国籍軍介入を準備する効果を持つことにしかならないと述べた。ウリベは、最後通告が与えられようが与えられまいが、ラテンアメリカの将来は、対テロ戦争及び対麻薬貿易戦争にあると述べた。
ウリベは、それから、6月の一カ月、あらゆる類の暴力を進める指揮をとり、すべての段階で、暴力を激化させるような意志決定を行った。
最初の決定事項の一つは、1998年以来発効した恐ろしいまでに不十分な労働組合員保護規定を変更することであった。コロンビア内戦の中で、準軍組織の暴力により、数千人の労働組合員が殺されてきた。今年に入ってからだけで、35人の労働組合活動家が殺されている。2002年に殺された労働組合員は150人であった。ウリベの代替案の前の規程では、労働組合員は護衛を付けて良いことになっている。新たな計画では、護衛を政府が指名することになっている。準軍組織の力が軍及び警察とのコネクションから来ていることを考えると、労働組合員に政府使命の護衛を付けることは、鶏小屋の護衛にキツネを雇うようなものである。
労働組合員に対する現在の保護規定がどのようなものであれ、それは、ウリベの声明の2週間後に失敗を露呈した。6月16日、ククタの宝くじ販売職員組合のルイス・H・ロロンとタメの保健労働者組合のモレリー・グイエンが殺され、6月17日、バジェデュパルの公務員組合のオルランド・フェルナンデスが殺されたのである。
労働組合員を罰するためにウリベ政権が考え出したもう一つの作戦は、「改善と能力のためのプログラム」で、これは、労働組合員を「指導官」のもとで孤立して「働かせる」ものである。この「指導官」たちが仕事を割り当て、毎週評価し、職場への復帰を禁止する。
5月に「爆破による私営化」プログラムを試みたウリベ政府は、国営企業の解体を大規模にエスカレートさせた。6月14日(3名の労働組合員が殺された数日前)、政府はコロンビア電話網を運営するTELECOMの私営化を発表した。組合は、1万人の仕事が失われると推定している。英国−コロンビア連帯キャンペーンのコミュニケが、TELECOM解体の背景を提供している。
決定的な圧力はワシントンから来た。CUT(コロンビア労働連盟)の公共部門ディレクタであるミグエル・カロが指摘したように、「米国は、米州自由貿易地域の交渉にコロンビアを含める条件として、米国企業との間で一方的な「リスク共有」契約を適用すべしと主張した」のである。けれどもTELECOMは端緒に過ぎない。私営化の対象として名前を挙げられているものは数百あるが、その中には、社会保障、国営石油企業ECOPETROLがある。ECOPETROLは1948年に創設されたもので、創設自体が、労働者の闘いによるものであった。資産は80億ドルにのぼり、年間20億ドルの収入がある。石油労働者組合USOは、コロンビアで最も戦闘的で組織された組合であり、最も攻撃を大きく受けている組合でもある。ECOPETROLの施設は、私営化を前にして軍事化された。
「リスク共有」と間違った名前を付けられた契約は、全くリスク共有といった類のものではなく、単に、海外の多国籍企業が公共部門を盗み取るための手段にすぎない。1993年、TELECOMは、多国籍企業6社と、200万の電話回線提供の契約を結んだ。これらの企業は、180万回線を設置したが、115万回線しか熟れなかった。投資は国家予算からきたが、「リスク共有」は、回線がいくつ売れるかにかかわらず、多国籍企業の利益を保証するものである。NORTELや他の企業は、20億米ドル相当の契約締結を要求している。コロンビアの前政権は6億ドルを提案したが、これはNORTELにとっては十分でなかった。NORTELは、米国議会に対し、自分の要求が満たされるまで、包括的な貿易投資協定を阻止するようロビー活動を行っている。ウリベはそれを受け入れ、それゆえ、ミグエル・カロによると「今一度コロンビア政府が米国の帝国主義的権力にひざまずいたことを示す」TELECOM解体と売却となったのである。
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