コカコーラ製品のボイコット

アンディ・ヒギンボトム
2003年7月22日


「我々はコカコーラに殺人を止めるよう・・・・・・
そして皆さんにコカコーラ社製品を飲むのを止めるよう求める」
 カルロス・フリア SINALTRAINAL、コロンビア


末尾に日本で簡単にできる協力についての案内があります


コカコーラ社に対する国際的なボイコット・キャンペーンが7月22日(火曜日)から始まった。主要な目的は、最近、コロンビアのコカコーラ労働者8名を殺害したような、労働者に対する暴力的対処方針を止めさせることにある。このボイコットは、コロンビアの食品飲料労働者組合SINALTRAINALが呼びかけ、コロンビアの労働組合連合CUTと世界社会フォーラムが賛同したものである。

SINALTRAINALは、コカコーラ社が準軍組織「死の部隊」と協力して労働組合活動家を排除し、それによって工場から労働組合を無くそうとしていると述べる。批判の中心は、アンティオキア州のカレパ工場における、1994年から1996年の5人の労働組合員殺害に関してである。

組合員と暗殺されたコカコーラ労働者の家族は、他に、米国外国人不法行為法に基づき、民事裁判を提起しており、それはマイアミの法廷で審理中である。2003年3月31日、米国地方裁判所判事ホセ・E・マルチネスは、コロンビアのコカコーラ・ボトラーズ・パンアメリカン・ベバリッジ社(パナムコ)とベビダス・イ・アリメントス(ベビダス)のために準軍組織が犯した人権侵害の訴訟審理を進める判断を下した。

英国のコロンビア連帯キャンペーン事務局アンディ・ヒギンボトムはロンドンで先週末、次のように述べている。

「弁護士たちは、米国法廷の判断の重要性を指摘している。法廷は、原告の主張は、準軍組織がコロンビア政府と有機的な関係を持ちながら行動しているという状況に基づき、審理を進めるに十分なものであるとしている。コロンビアの現大統領アレバロ・ウリベは当時アンティオキア州知事であった。そして、カレパ事件は、多くの点で、彼が現在全国的に適用しようとしている政策の性格を明らかにするものである」。

SINALTRAINALとその支援者たちは、一連の要求が満たされるまで、コカコーラ製品全てに対する1年間のボイコットを呼びかけている。その要求の主なものは、これ以上の暗殺を止めること、コカコーラ社が自社製品に殺害された労働者のメモリアムを印刷すること、犠牲者の家族に対する完全な補償である。組合はまた、コカコーラに対して、多国籍企業労働者の人権に関する年次フォーラムを支援するよう要求している。

SINALTRAINALとその支援者たちは、昨年、3回にわたって国際公聴会を開催した。初回は米国ジョージア州アトランタのコカコーラ本社外で2002年7月20日に行われ、次いで10月10日ブリュッセルの欧州議会で、最後に2002年12月5日コロンビアのボゴタで行われた。コカコーラ社製品不買キャンペーンはボゴタといくつかの欧州諸国の首都、そして米国で同時に開始される。

コロンビア連帯キャンペーンのオーガナイザーであるダビッド・リス−ジョーンズは、英国では「全国の多くのグループがキャンペーンに参加を表明している。コカコーラ社製品が至るところで販売されているという事実は、コロンビアにおける同社の不当行為が多くの人々に聞き届けられることを意味している」と語った。

コロンビア連帯キャンペーン PO Box 8446, London N17 6NZ.
E-mail: colombia_sc@hotmail.com
Web site: www.colombiasolidarity.org.uk


暗殺されたコカコーラ労働者

アベリノ・アチカノイ・エラソ

コロンビア南東部のパスト市にあるエンボテヤドラ・ナリニェンセSA−コカコーラ[ナリニョ・ボトラーズ社]社員。彼は1990年7月30日、企業がSintradingascol(コロンビア発砲飲料全国労働組合)との交渉を拒絶したことにより労働者たちがストを行なっている際、右耳を撃ち抜かれて暗殺された。アベリノは組合の役員であり、スト委員会の委員でもあった。

ホセ・エレアサル・マンコ・ダビッド

アンティオキア州ウラバのカレパ市にあるベビダス・イ・アリメントス・デ・ウラバ−コカコーラ[ウラバ飲料食品]の労働者。コロンビア北西部の豊富なバナナ生産地域である同地域のSinaltrainal指導者。1994年4月8日に暗殺された。

ルイス・エンリケ・ヒラルド・アランゴ

カレパ市にあるベビダス・イ・アリメントス・デ・ウラバ−コカコーラで17年働いていた。Sinaltrainalのメンバー。ルイスは1994年4月20日に暗殺された。

ルイス・エンリケ・ゴメス・グラナド

やはりカレパ市にあるベビダス・イ・アリメントス・デ・ウラバ−コカコーラの労働者。組合の地方委員長。彼は1995年4月23日、カレパの自宅の玄関で、妻と子供が見ている中、暗殺された。

イシドロ・セグンド・ヒル・ヒル

カレパ市にあるベビダス・イ・アリメントス・デ・ウラバ−コカコーラの労働者。暗殺される前のSinaltrainalにおける立場は組合の総書記長で、1996年11月30日に雇用者側に組合の要求を提出した交渉団のメンバー。この交渉を雇用者側は拒絶した。彼はカレパ工場の仕事上の持ち場で、1996年12月6日に暗殺された。彼の弟マルチン・エミリオ・ヒル・ヒルはこれらの交渉でSinaltrainalのアドバイザーだった。マルチンは殺害脅迫を受け続けたため、同じ会社の仕事を放棄しなくてはならなかった。2000年11月18日、イシドロ・セグンドの妻アルシラ・デル・カルメン・エレラ・ペレスが、アンティオキア州ウラバのアパルタドの自宅から引きずり出され、数ヤード離れたところで暗殺された。

ホセ・リバルド・エレラ・オソリオ

1996年12月26日午後5時頃、カレパのコカコーラ社で働く65歳のエレラ氏は、準軍組織と思われる重武装した男たちにより暴力的にコカコーラ社工場から連れ出され、チゴロド墓地の近くで暗殺された。エレラ氏は技術メンテナンス部の部長として働いていた。

ギレルモ・ゴメス・マイグアル

エンボテヤドラ・ナリニェンセ「エンボナル」社−コカコーラ[ナリニョ・ボトラーズ社]社員で、Sinaltrainalの役員だった。彼は、同社社員と家族が直面していた経済的困難に悩んで、1998年4月20日、社内で服毒自殺を遂げた。この状況が引き起こされたのは、1996年6月1日に、コカコーラ社がエンボナル社とのフランチャイズ契約を破棄したことによる。コカコーラ社はこれにより工場の閉鎖と150人の労働者の解雇を引き起こし、団体合意とパストの組合組織を解体した。ジレルモの服からはメモが発見されたが、そこで彼は、自分が置かれている「全面的な危機」状況により自殺を決断したと述べている。労働者たちは2年以上にわたって自分たちの労働に対する未払い金の支払いを求めて工場にとどまった。労働者が工場を明け渡した後、工場はパナムコ・コロンビアSA−コカコーラ社が馬鹿げて低い価格でこれを買い取り、より低賃金の、労働組合も団体合意もない臨時雇い労働者を雇って、工場を再開した。

アドルフォ・デ・ヘスス・ムネラ・ロペス

アトランティコ週バランクィジャのコカコーラ社元社員。彼はバランクィジャ市「エル・ボスケ」地区の母親の家の玄関で、2992年8月31日午後7時頃、暗殺された。彼は、コカコーラ社の雇用者に目を付けられた結果、政府軍により自宅を捜査された後、1997年4月6日のコカコーラ社を解雇されていた。1997年には、ブカラマンガでSinaltrainalの指導者数名が投獄された。コカコーラ社が、彼らに、テロリズムと反逆を行なったとのレッテルを貼ったからであった。ムネラ・ロペスが暗殺された際、これらの指導者たちは解放された。

オスカル・ダリオ・ソト・ポロ

エンボテアドラス・ロマンSA−コカコーラ社(ロマン・ボトラーズ)のコルドバ州モンテリア工場の労働者。彼はコロンビア飲料産業労働者全国組合Sinaltrainbecの指導者で、組合とSinaltrainalのために雇用者に対して労働者の要求を提示する使節団のメンバーだった。彼は、2001年6月21日、これらの要求交渉を行なっている際、モンテリアで暗殺された。


2003年7月22日補記:ボゴタ・トトネス・世界発ニュース

2003年7月21日夜、コロンビアの首都ボゴタで、食品飲料労働者組合Sinaltrainalの委員長ハビエル・ルイス・コレアが演説し、次のように述べた。

「私たちが呼びかけたコカコーラ製品のボイコットに対する国際的な反応に大きく勇気づけられています。ボイコット開始は世界的なものです」。

米国では、ボイコット開始活動が、ニューヨークのコカコーラ本社とジョージア州アトランタの米国生産の中心地、そしてサンフランシスコ、ワシントン、シカゴで行われる。オーストラリアでは、アデレード、ブリスベン、メルボルン、シドニーでボイコットが開始される。大陸ヨーロッパでは、22日、ドイツのベルリン、スイスのベルン、ベルギー、スペインのマドリッド、サラゴサ、ビポロア、イタリアのローマとペリージャで開始される。南アフリカでも行動が開始され、ブラジルとチリ、ベネスエラの組合からも支援を受けている。

Sinaltrainalはコロンビア最大の労働組合連合CUT及び一連の組織と共同で、コロンビア国内のボイコット・キャンペーンを開始している。ボゴタのコカコーラ社主要瓶詰工場前でデモが行われる予定であり、メデジン、カリ、バランカベルメハ、ブカラマンガ、ククタといった州都でも行動が予定されている。バランカベルメハの状況はとりわけ緊張している。というのも同市は準軍組織が我が物顔で制圧している中で、市民ストが24日に予定されているからである。

英国では、様々な支援団体が22日からブリストル、リーセスター、トトネス、デボン、ロンドンでボイコットを開始する。既にトトネスでは、2軒のカフェ・レストランがコカコーラ製品を売らないと約束したという小さなブレークスルーもあった。26日土曜日には、他の多くの地域で、店や消費者に対してリーフレットが配布される予定。

ハビエル・ルイス・コレアは労働組合と社会運動そして人々の国際的な支援を求めている。「私たちがこれを行なっているのは、私たちの組合員の命を救うためである」と。8人の労働組合員とコカコーラ労働者の妻が、これまでに暗殺されている。


よろしければご協力をお願いいたします

コロンビア関係については情報紹介だけでまとまった活動をしてきたわけではないので、難しいのですが、ボイコットとその旨の通知は、簡単にできるので、よろしければ是非ご協力下さい。ボイコットの手紙を米コカコーラ本社に出すやり方については、こちらをご覧下さいませ。日本コカコーラ社Webページはwww.cocacola.co.jpに(見物です)にあります。また、消費者相談窓口はフリーダイヤルで0120-308-509、カスタマーサービスのメールアドレスは、shop@cocacola-station.ne.jpです。

コカコーラ関連会社のコロンビアにおける行為について以下の文章が追加の説明を提供しています。



益岡賢 2003年7月24日
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