アル・ヒオルダニョ
2004年6月1日
ナルコニュース原文
イスラエルの日刊紙ハアレツは次のように報じた:
コロンビアの右翼準軍組織指導者カルロス・カスタニョが、最近イスラエルに密入国したと、火曜日(6月1日)AFPフランス通信は報じた。けれども、イスラエル外務省と内務省の官僚は、このニュースをチェックして、カスタニョがイスラエルに入国した証拠はないと発表した。しかしながら、両省は、偽名を使って入国した可能性はあると述べた。
カスタニョがコロンビアから姿を消したのは2月16日、準軍組織が政府と解散で合意した後のことである。39歳のカスタニョは米国の保護のもとでまずパナマに向かい、それからイスラエルに送られたとAFPは報じている。コロンビア政府はこの報道を確認も否認もしていない・・・・・・
ハアレツは続ける:
どうやらカスタニョがコロンビアを出国したのは、コロンビアの不法麻薬ビジネスと闘う米国の政策に関係し、命を狙われたためである。同じように米国に協力したと疑われた別の準軍組織指導者が、数日前に殺されている。
カルロス・カスタニョは、コロンビアの準軍組織「死の部隊」AUC(コロンビア自警軍連合)の創設者で、虐殺や暗殺、麻薬取引その他の犯罪を今日のラテンアメリカで誰よりも多く行なっているボスである。
彼が米国で何らかの証人保護プログラムのもとに置かれているという可能性が報じられたが、これは、彼の証言により捕まえることのできる人物で彼を「凌ぐ」犯罪者など全く一人もいないことを考えると、異常なことである。カスタニョこそがボスであり、20世紀末から21世紀にかけてのコロンビア最大の戦争犯罪者である。
カスタニョは米国とコロンビアの両方から指名手配されている逃亡者である。彼の組織は米国国務省の「国際テロリスト組織」リストに名前を載せられており、コロンビアにおける虐殺と人権侵害の85%を行なっている。コリン・パウエルが2001年、カスタニョの組織はテロ組織に分類されると発表したとき、それがメディア対策パフォーマンスに過ぎないと考えた者は多かった。カスタニョはずっと、コロンビアで、社会運動に対するワシントンの汚い戦争のために汚い仕事を実行してきたのである。
実際、カスタニョはブッシュ・ドクトリン(「我々の味方でなければ、テロリストだ」)の創始者でもある。彼は、ワシントンが彼をテロリストと宣言する前から、麻薬貿易のボスでもあった(カスタニョはこのことを指摘したナルコニュースをAUCのウェブサイトで攻撃し、我々ナルコニュースを「麻薬メディア」と呼び、人によってはナルコニュースの記者暗殺を示すと思われるような言葉を使った。いずれにせよ、ナルコニュースは報道を続けた)。
2003年4月、調査型記者ジェレミー・ビッグウッドがナルコニュースに、カスタニョが長い間イスラエルと関係を持ち援助を受けていたという報告を掲載した。カスタニョは、2002年に出版された自伝の中で、「私は準軍組織のコンセプトをイスラエルからコピーした」と述べているのである。
事情を知る人々にとっては、彼がイスラエルでの亡命生活を楽しんでいたとしても、驚きではない。
けれども、AFPが報じたように、その亡命が米国政府により組織され、その保護下で行われたとすると、米国政府がカスタニョとその組織を「国際テロリスト」と考えているという主張は嘘であることになり、さらに、「テロリスト」とされた者たちへの物質的援助を禁ずる米国自身の法を犯していることになる。
もう一度問う必要がある。ここでテロリストなのは、誰か?
他に、関連記事として、米国とコロンビア・テロリストとの関係もお読み頂けると幸いです。コロンビア第二のゲリラ、民族解放軍(ELN)がメヒコを仲介とするコロンビア政府との和平交渉に乗り気です。とはいえ、コロンビアにおける真の争点は、あたりまえの生存・生活を求める人々の運動とそれを弾圧する政府・準軍組織との間にあり、その中で武装左派ゲリラは、少なからぬ場合、人々を暴力的に弾圧する立場にあります。
ブッシュ政権は、「我々は民主主義と自由がイラクに実現するまでイラクに駐留する」と述べました。この発言のロジックは単純で、恐ろしいものです。イラクで拷問や虐殺、弾圧、不法拘留、強姦を含む行為を続けている米軍(およびそれに追従する少数の国の「連合軍」:自衛隊はその一部)がイラクに留まる限り、民主主義も自由もあり得ません(たとえばアラブ「改革」:米国の戦略をご覧下さい)。
したがって、ブッシュ政権の宣言に従えば、永遠に米国はイラクを占領し続け、そこから逃れる術は、全くないことになります。
数々の嘘の上に進められた不法な侵略、不法占領下でのファルージャ虐殺やアブグレイブでの拷問・殺人・強姦をはじめとする数々の残虐行為、戦争犯罪を犯している米軍主導のイラク占領。自衛隊は、この不法占領軍に参画していることになります。
イスラエル軍が再びラファに侵攻しました。有事7法案の衆院通過、公立校での日の丸君が代の強制、イスラエルによるパレスチナ人の虐殺、イラクでの占領と人権侵害の継続など、矢継ぎ早に無茶苦茶なことが起きています。いくつか少しでもできることについての情報を、下記にリストします。なお、ジャーナリスト志葉玲さんが、ブログでイラク最新情報を発信しています。
- 有事7法案をめぐる緊急アクションの提案。「国民保護法案」という名の抑圧法案概要については、こちらを。
- 東京都の「日の丸・君が代」強制については、こちらを。板橋高校の件についてはこちらを。
- イスラエルが不法に占領しているパレスチナの領土で続けている残虐行為については、パレスチナ情報センターおよびP-navi infoを参照して下さい。また、米国にイスラエル軍への軍事援助を止めるよう求める要請への署名ページがこちらにあります(提出先はブッシュ米大統領と米国議 会)。
- 米英のイラク不法占領と日本の占領加担等については、イラクからの自衛隊の即時撤退を求め、憲法改悪に反対する意見広告運動第三期が始まりました。イラクをはじめ様々な報道の問題については、おかしな報道には抗議しよう日記が参考になります。