有事法制、イラク特措法成立、イラク派兵、多国籍軍参加以後の動き 2004年11月 (次)(戻る)
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2004年11月
2004年11月1日
■イラクの首都バグダッドで30日夜、首を切断された男性の遺体が見つかり、日本政府は指紋などから、人質となっていた香田証生さんと確認。イラクでの日本人犠牲者は5人目。遺体は星条旗に包まれ、日米両国に強烈なメッセージを突きつける形で放置されていたとの報道。
■1日、サウジアラビアの会社に所属していた米国人1人とネパール人1人、アラブ人1人がイラクの首都バグダッドで武装集団に拉致される。
■イラク中部のラマディで1日、米軍と武装勢力との間での激しい戦闘があり、現場を撮影していたテレビカメラマンのディア・ナジム氏らイラク人3人が死亡。
■イラク・バグダッド南部のドーラ地区で1日、カリム・バグダッド州副知事が武装した集団に自動車から銃撃され死亡。
■05年1月に行われる予定のイラク国民議会選挙の有権者登録と立候補受付などが1日、全国で一斉にスタート。
■イスラエル最大の商業都市テルアビブの商店街で自爆テロがあり、自爆範囲外にイスラエル市民ら3人が死亡、約30人が負傷。
2004年11月2日
■2日、「イラク聖戦アルカイダ組織」が香田証生さんの殺害を認める声明をウェブサイトで発表
■2日、イラクの首都バグダッドの教育省庁舎脇で自動車爆弾が爆発、女性2人を含む少なくとも6人が死亡、8人が負傷。
■イラク・サマラで路上に仕掛けられた爆弾が爆発し3人が死亡、3人が負傷。
■イラク北部モスルで2日、国家保安隊の車列を狙った自動車爆弾が爆発、隊員2人が死亡、4人が負傷。
■イラク北部キルクークで油田と精油所をむすぶパイプラインが3カ所で爆破される。
■2日の記者会見で細田博之官房長官は政府がサマワ周辺を依然として、非戦闘地域と判断していることについて「明らかに今(事態が)変化して、新たな動きが起こったと見るには、その確たる証拠はまだない」と説明。イラク復興支援特別措置法は、自衛隊の活動を非戦闘地域に限定。活動地域が要件を満たさなくなった場合、防衛庁長官は活動中断を命じなければならない。
■2日、衆院本会議で、イラク日本人殺害事件に関する政府側の説明と自民、民主両党による質疑が行われた。この中で小泉首相はサマワの治安について「総合的に判断すれば、被弾によって非戦闘地域の要件を満たさなくなったとは考えない」と強調。
■ブッシュ政権継続の是非を問う2004年米大統領選の投票が2日始まる。
■新潟県中越地震で2日、新たに男性一人が死亡。死者は計37人となった。
2004年11月3日
■公明党と支持母体の創価学会が連絡協議会を開く。創価学会の原田光治副会長はイラクへの自衛隊派遣など国際貢献について「国民的な理解や議論が進んでいない側面がある」と指摘し「国民に説明責任をしっかり果たしていただきたい」と注文を付けた。
■共同通信社が3日に実施した全国緊急世論調査に寄ると、イラクで活動している自衛隊の派遣期間を延長することに63.3%が「反対」、「賛成」の30.6%を大きく上回った。
■防衛庁は3日、イラクに派遣している陸上自衛隊の部隊を交代させるため、週内にも第4次イラク復興支援群の編成命令を出す方針を固めた。11月中にイラクに出発する予定。
■ハンガリーのジュルチャーニ首相は3日、来年3月末までにイラク駐留のハンガリー軍約300人を撤退させる考えを明らかにした。
2004年11月4日
■パレスチナ自治区ガザで住民とパレスチナ警察との銃撃戦があり、20人が負傷。
■大野功統防衛庁長官は4日、陸上自衛隊第4次イラク復興支援群に編成命令を出した。
■国際的な非政府組織(NGO)「国境なき医師団(MSF)」は4日、「スタッフの安全が保証できない」と、治安悪化を理由にイラクでの活動を停止する方針を表明。MSFはイラクの治安が急速に悪化していることを指摘。数日中にも撤退する方針。
2004年11月5日
■大野功統防衛庁長官は5日、陸上自衛隊第4次イラク復興支援群に派遣命令を出した。第4次群は陸自第6師団(司令部・山形県東根市)を中心に約500人で編成。イラク派遣部隊は約3ヶ月で交代するのが原則。12月14日、で期限を迎える自衛隊派遣期間が延長されれば、第4次群がそのまま活動する。
2004年11月6日
■イラク中部サマラで6日、視聴者や警察署などを狙った自動車爆弾や迫撃砲による同時多発攻撃があり、地元警察官ら少なくとも37人が死亡、62人が負傷。(ロイター)
■ヨルダン川西岸やガザ地区で6日、、イスラエル軍部隊の攻撃などで少年を含むパレスチナ人7人が死亡。ガザ地区南部でイスラム聖戦の活動家2人がイスラエル軍ヘリコプターの攻撃で2人死亡。ガザ地区とイスラエル境界付近で軍事封鎖区域にいたパレスチナ人1人が射殺される。西岸の自治区ジェニンでは軍兵士が14歳の少年を射殺。自治区カルキリアでは車が爆発し3人が死亡。
■コートジボワール北部ブアケに駐留するフランス軍は6日、政府軍の空爆を受け8人が死亡、23人が負傷。
2004年11月7日
■イラク暫定政府のアラウィ首相は7日、北部のクルド人自治区をのぞくイラク全域に「非常事態」を宣言。今年7月に施行された国家安全法に基づく措置で、夜間外出禁止令や公共施設の利用制限、多国籍軍への支援要請などが認められており、ロイター通信は「戒厳令と同等」としている。暫定政府と駐留米軍は1万人以上の兵力でファルージャでの掃討作戦を行う体制を取っており緊張が高まる。アラウィ首相は期間について60日間としているが延長も可能とされている。
■小泉首相は7日、埼玉県で行われた自衛隊の観閲式の訓辞で「既存の体制、装備などの抜本的な見直し、効率化を図りながら、テロや大量破壊兵器の拡散などの荒種脅威への対応を着実に進める」と述べた。
■イラク中西部のハディーサとハクラニヤで7日、武装勢力が爆弾などで警察署を襲撃、警官ら22人が死亡。(AP通信など)
2004年11月8日
■8日夜(日本時間9日未明)イラク中部のファルージャを包囲していた米軍が市街地への総攻撃を開始。米軍はこの総攻撃を「幻の憤怒」作戦と名付けている。
■陸上自衛隊は、海外派遣やテロ対処の実動部隊となる「中央即応連隊」を宇都宮駐屯地(宇都宮市)に新設する方針を固めた。またPKOに派遣する隊員を教育する「国連平和教育活動センター」を駒門駐屯地(静岡県御殿場市)に新設するとの報道。
■政情不安が続く西アフリカのコートジボワールで起きた政府軍とフランス軍部隊との戦闘で新たにフランス軍兵士一人と米国の民間人一人が死亡したことが分かったとの報道。
2004年11月9日
■小泉首相が9日、イラクで米軍が行っているファルージャ総攻撃について「成功させなきゃいけない。治安の改善がイラク復興支援のかぎだから」と発言。民主党の岡田代表は首相がファルージャ総攻撃を支持したことについて「退避していない一般市民もたくさん残っている。テロリストやフセインの残党がいるからといって、町ごと攻撃を加えるやり方に、全面的に賛成だというべきでない」と批判。
■イラク駐留米軍による中部ファルージャへの総攻撃が始まったのを受け、イラク暫定政府に参画するイスラム教スンニ派のイラク・イスラム党が9日、政権離脱を表明。
■イラク、バグダッド北東のバクバで9日、武装勢力が警察署を襲撃。警官ら45人が死亡、32人が負傷。このほかバクバのすぐ南の警察署にも同様の攻撃があり20人の死者。
■イラク北部の米軍基地に9日、迫撃砲が撃ち込まれ米兵2人が死亡。
■9日付の英紙タイムズ掲載の世論調査で「イラク戦争は誤りだった」とする回答が57%に上り昨年4月の調査開始以来再考に達した。
■ダム建設による立ち退きに反対する中国四川省の農民により10月以来、10万人規模の暴乱が続き、8日までに農民と警官の4人が死亡、100人が逮捕。人民解放軍が鎮圧に乗り出すとの報道。
2004年11月10日
■小泉首相が10日の党首討論でイラク特措法に基づく非戦闘地域の定義をめぐり「自衛隊が活動している地域は非戦闘地域だ」と答弁。(11日に、この答弁について「適切ないい答弁だった」と述べた)
■イラク中部のファルージャで制圧作戦と続ける米価兵隊のピッコリー少佐が市内の70%を支配下に治めたと述べる。
2004年11月11日
■11日、パレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長死去。
■11日、民主、共産、社民の野党3党がイラク復興支援特別措置法を廃止する法案を3党共同で衆院に提出。
■11日、米、イラク両国部隊が中部ファルージャに空爆や砲撃を続ける一方制圧した地域の住宅を捜索し武装勢力の拘束、殺害を続ける。
■イラク首都バグダッド中心部で自動車爆弾が爆発、民間人ら17人が死亡。
2004年11月12日
■政府は12日、日本領海を侵犯した潜水艦を中国海軍の原子力潜水艦と正式に断定。防衛庁は防衛会議を開き、潜水艦が再び日本領海に戻ることはないと判断。大野功統防衛庁長官は海上警備行動を解除。
■町村信孝外相は12日の衆院外務委員会でに中首脳の相互訪問ができない現状について「最大原因は小泉首相の靖国神社参拝問題にあるのは明確だ」と述べた。
■オランダのカンプ国防相は12日、陸上自衛隊が駐留しているイラク南部サマワのオランダ駐留軍約1350人を、当初予定通り2005年3月中旬に撤退させることを明らかにした(ロイター)。
2004年11月13日
■13日、米軍が制圧作戦を展開するイラク中部ファルージャでの目撃者の話として中東の衛星テレビアルアラビーヤは「路上にたくさんの遺体が横たわっている」と悲惨な状況を伝えた。
■米軍当局者が13日、ファルージャ市内全域を「占領した」と発表。
■米軍部隊とイラク軍部隊が中部ファルージャの制圧作戦6日目の13日、完全制圧に向けた攻略を続ける。イラク暫定政府のダウード国務相は同日の記者会見で制圧作戦でこれまでに武装勢力約1000人を殺害、約200人を拘束したと発表。
■中東の衛星テレビアルジャジーラは13日、イスラム教シーア派反米指導者ムクタダ・サドル師の側近による声明として、中部ファルージャ制圧作戦に抗議しサドル師派は2005年1月の国民議会選挙に参加しないと伝えた。
■パキスタン軍幹部は13日、同国北西部の部族地域で展開しているアルカイダなどの武装勢力掃討作戦でこの1週間で30−40人を殺害したことを明らかにした。
■13日、インドネシア東部のポソで公共バスに投げ込まれた爆弾が爆発し5人が死亡、6人が負傷。
■13日タイ南部の市場で爆発があり、1人が死亡、7人が負傷。
■13日、サマワに駐留する陸上自衛隊の派遣部隊が、迫撃砲弾対策で持ち込んだ無人ヘリコプターを、夜間だけでなく日中も、宿営地周辺に不審者が以内かどうか監視に使用していることが分かったとの報道。
2004年11月14日
■パレスチナ自治政府の中央選挙管理委員会は14日、アラファト前議長の死去に伴う議長選挙を2005年1月9日に行うと表明。
■米、イラク両国部隊のイラク中部ファルージャでの制圧作戦に反対する数百人規模のデモが14日、中部ブフリズで行われ、デモ隊は米軍が民間人を「大虐殺」したと非難(AP)。
2004年11月15日
■15日、米国務省当局者はブッシュ政権内の数少ない穏健派として人気のあったパウエル長官が12日に辞表を提出したことを明らかにした。(後任はライス大統領補佐官)
■米軍は12日のイラク中部のファルージャ制圧作戦で米兵がモスクに取り残された非武装のイラク人負傷者を射殺したとして戦争犯罪の疑いで捜査を始めたことを15日、明らかにした。ロイター通信によると米海兵隊部隊が12日に武装勢力の拠点だったモスクをを攻撃し、中のイラク人10人を殺害、5人が負傷。
2004年11月16日
■米国務省当局者は16日、アーミテーゼ副長官が15日、パウエル長官に辞表を提出したと語った。
■フランスのシラク大統領は16日付けの英紙タイムズなどとの会見で「英国はイラク戦争で米国を支持したものの、その見返りを得られたとは思えない」と述べた。
2004年11月17日
■17日の党首討論で小泉首相が「自衛隊を撤退させろというが、じゃあ米軍も引きあげろというのか」との理屈で民主党の岡田代表の撤退要求に反論。
■自民党の憲法調査会が17日、憲法改正案大綱の素案を発表。素案は現行憲法9条1項の「戦争放棄」を堅持する一方で@「自衛軍」の創設A集団的自衛権の行使と国際貢献のための武力行使を容認B非核三原則などを盛り込んでいる。
■イラク駐留米軍が16日から17日にかけファルージャで武装勢力の残存部隊の摘発を続ける。
■イラク北部バイジで17日、米軍戦車への車爆弾攻撃などがあり少なくとも10人が死亡、20人が負傷。バグダッド南約40キロのイスカンダリヤで国家保安隊の車列を狙った爆弾が爆発、隊員2人が死亡、3人が負傷。
2004年11月18日
■与党の安全保障プロジェクトチームは新「防衛計画の大綱」をめぐる協議で、武器輸出三原則を存続させた上で、日米共同開発・生産の武器やテロ対策のための武器輸出などは例外として認める方針を打ち出すことで大筋合意。
■衆院イラク復興支援特別委員会は18日、19日に予定していたイラク派遣自衛隊員に対するテレビ電話調査を中止することを決めた。民主党の鉢呂吉雄国対委員長は記者会見で「イラクの状況把握のためなのに、なぜ圧力をかけるのか甚だ疑問」と対応を批判。
■世界自然保護基金(WWF)日本委員会などは18日、バンコクで開かれている第3回世界自然保護会議で沖縄県辺野古での米軍基地建設で「ジュゴンの餌場が減少するうえ、航空機の離着陸により生息不可能になる可能性がある」として建設計画の再考を訴えた。
■ブレア英首相とシラク仏大統領の首脳会談が英首相官邸で18日、行われた。イラク問題をめぐっては見解が対立。
■ドイツのシュレーダー首相は18日販売の独週刊誌ツァイトとのインタビューで「部隊の追加派兵では、イラクの治安は保障されない。イラクの運命はイラク人の手にゆだねるべきだ」と述べた。
■イラクの首都バグダッドで18日、自動車による自爆テロがありイラク人2人が死亡、5人が負傷。また北方のバイジでも道路脇爆弾が爆発しイラク人4人が死亡。北部キルクークでも道路脇の爆弾が爆発しイラク人2人が死亡、3人が負傷。
■18日、イスラエル軍の戦車が砲弾発射し、エジプト人警官3人が死亡。
2004年11月19日
■政府は19日、イラク南部サマワで活動する自衛隊の派遣延長を控え派遣の意義などを宣伝する広報紙「にっぽんNOW」の特別号を作成し全国で配布する方針を決めた。「にっぽんNOW」は通常月2回、約190万部を刷り、新聞折り込みで都市部を中心に配布している。今回は1500万部以上を刷りイラク特措法の自衛隊派遣期間である12月14日の直前の同月6日に配布する予定。
■イラクの首都バグダッドの東部ザユナ地区で19日、車による自爆テロがあり、警官と住民それぞれ3人の計6人が死亡。2人が負傷。
2004年11月20日
■チリ訪問中の小泉首相は20日、サンティアゴのホテルでブッシュ米大統領と会談。12月に期限が切れるイラクへの自衛隊派遣の延長に前向きな姿勢を示した。
■訪米中の大野功統防衛庁長官は20日、ワシントン市内のホテルで同行の記者団に対し、他国が弾道ミサイルを発射した場合、ミサイル防衛(MD)による迎撃を可能とする自衛隊法改正案を、次期通常国会に提出する考えを明らかにした。
■弾道ミサイル防衛(MD)システムに関連し、米国が日本と共同で技術研究をしている海上配備型ミッドコースシステム用の迎撃ミサイル(SM3将来型)を来年度から生産に着手する意向を日本政府に伝えたことが分かったとの報道(20日付)。
2004年11月21日
■イラク独立選挙管理委員会のヒンダゥイ委員長らは21日、バグダッドで記者会見し、フセイン政権後初の直接選挙となるイラク国民議会選挙を2005年1月30日に実施すると発表。
2004年11月22日
■22日、民主、共産、社民の3党は靖国神社参拝にこだわる小泉首相に参拝中止を求める考えを表明。
■イラク支援国閣僚会議出席のためシャルムシェイクを訪れた町村外相はイラク暫定政府のジバリ外相と会談。同外相は自衛隊イラク派遣の延長問題について「政治プロセスが完了するまでとどまってほしい」と要請。
■国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は22日、イランのウラン濃縮活動停止を確認したことを明らかにした。
■欧州連合各国の国防相による非公式会合が22日、ブリュッセルで開かれ2007年までに創設される「戦闘集団」と呼ばれる緊急展開部隊の陣容を固めた。合意によると戦闘集団は各千から千五百人の13部隊、計約1万6500人になる見通し。英国、フランス、イタリア、スペインはそれぞれ自国の兵士からなる部隊を創設。その他は各国の合同部隊となる。
2004年11月23日
■イラク復興をめぐり、日本を含む主要国(G8)と周辺国の外相らがシャルムシェイクに集まった支援国閣僚会議は23日、国民議会選挙などイラクの今後の政治日程に「より幅広い政治勢力の参加」を実現させるため、イラク暫定政府に対し「政治勢力と市民社会の代表者の早期召集」を求める声明をまとめ閉幕。フランスは今回の会議に、暫定政府の方針に反対する勢力も招待するよう主張していた。
■自民党の阿倍晋三幹事長は23日、講演で小泉首相の靖国参拝問題について「首相が国のために殉じた方々のためにお祈りするのは一国のリーダーとして当然のことだ。外国から行くなといわれる筋合いはなく、今後も続けるべきだ」と発言。
■イラク駐留米英軍とイラク部隊は23日、首都バグダッド南方のジャベラに計約5千人の兵力を投入し、武装勢力掃討作戦を開始した。同作戦は中部ファルージャ、北部モスルに次ぎ3カ所目となる大規模作戦。
■韓国政府は23日、今年末までのイラクへの韓国軍派兵を1年間延長し、2005年末までとする「派兵延長同意案」を閣議決定した。
2004年11月24日
■24日、防衛庁の大古和雄運用局長は自衛隊の宿営地・サマワの安全性にいて「迫撃砲を数十発撃たれれば別だが、数発撃たれても危険だとは判断しない」と現時点では撤退する状況にないことを強調。この発言に自民党の古賀誠元幹事長は「われわれも平和ボケだが、あなたたちはわれわれ以上に平和ボケだ。命をかけて自衛隊員を派遣している真剣さが聞こえてこない」と批判。
2004年11月25日
■25日行われた衆院イラク支援特別委員会で小泉首相は自衛隊派遣が12月24日に期限切れとなることに関して「自衛隊は(現地・サマワの)市民に歓迎されている。(期限切れで)撤収する理由はない」と強調。またこの委員会での岡田民主党代表の質問に自衛隊が駐留しているサマワの治安状況について「将来は100%安全だと断言できないが、だから戦闘地域という理由にはならない」「日本は今が平和だから永遠に平和だと断言できる人がいるのか。(岡田氏の質問は)おかしい」と語気を荒げて反論した。
■第3回世界自然保護会議は最終日の25日、沖縄の米軍普天間飛行場移設計画をめぐり「ジュゴンなど希少生物の生態が脅かされる」として保護強化と環境影響評価の見直しを求める勧告案を採択し、閉幕。
2004年11月26日
■イラク暫定政府与党を含むイスラム教スンニ派アラブやクルド勢力など17政党が26日、2005年1月30日に予定される国民議会選挙を6ヶ月延期するよう求める声明に署名した。ジョルディース内閣報道官も27日、「より多くの有権者が参加できる方がイラクの国民世論を反映した選挙になる」と語り、暫定政府内部にも延期論が広がっているもよう。
2004年11月27日
■ウクライナ最高会議は27日、12月21日の大統領選決選投票に不正があったとして選挙を無効とする決議を採択した。
■イラクの首都バグダッドで27日、3カ所で爆弾が爆発し、5人が死亡、10人以上が負傷。
2004年11月29日
■東南アジア諸国連合首脳会議が29日ラオスのビエンチャンで行われる。域外からは日本など6カ国の首脳が集まる。自由貿易協定(FTA)締結に向けた協議などが行われる予定。
■ラオス訪問中の小泉首相はビエンチャンでアロヨ・フィリピン大統領と会談し同国との自由貿易協定(FTA)を含む経済連携協定締結について基本合意。
2004年11月30日
■30日、国連改革に関する「高級諮問委員会」報告が公表される。報告書は自衛権を定めた国連憲章第51条を書き換えたり、解釈を変えるべきでないと指摘し、切迫した事態以外での攻撃を許すべきではないとした。武力行使は「平和に対する脅威や侵略行為に関する行動」を定めた憲章第7章で安保理が認めた場合に限られる。
■橋本龍太郎元首相は30日、日本歯科医師連盟から自民党旧橋本派への一億円ヤミ献金事件について一億円の小切手の授受について認める。