有事法制、イラク特措法成立、イラク派兵、多国籍軍参加以後の動き 2004年10月 (次)(戻る)
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2004年10月
2004年10月1日
■イラク駐留米軍は、イラク治安部隊とともに1日未明、中部サマラで行った掃討作戦で、武装勢力109人を殺害し、市内をほぼ制圧したと表明。地元病院には47遺体が運ばれた。うち23人は女性と子供、年配の男性で、非戦闘員の市民とみられる。全体の死傷者数は不明、米兵も1人が死亡、4人が負傷。
■小泉首相は1日、都内で講演し、米軍再編問題に関連して、沖縄県の負担軽減に向け米軍基地の本土移転を検討する考えを表明。移転を進めるに当たっては、候補地の選定夜間掲示地帯の調整を日本政府主導で行い、地元の同意を得た上で、米軍側に移転先を提示していく考えを明らかにした。
■中東のテレビ・アルジャジーラは1日、アルカイダの副官、アイマン・ザワヒリ氏とみられる人物の音声テープを放送。メッセージの中で「イスラム諸国の政府ガザ区退化し、十字軍に屈服している今こそ抵抗の時だ」と主張。攻撃対象として米英両国などイラク戦争を主導した国やポーランド、韓国、フランスとともに日本を名指しし、「世界中にあるこれらの国の利益」を攻撃するよう主張。
■パキスタン東部の都市シアルコットのイスラム教シーア派モスクで1日、金曜礼拝中に爆発があり、少なくとも25人が死亡、50人以上が負傷。(ロイター)
2004年10月2日
■イラク駐留米軍は2日、米軍とイラク治安部隊が中部サマラで行っている武装勢力掃討作戦で、1日からの2日間で武装勢力計125人を殺害、88人を拘束したことを明らかにした。戦闘で多数の市民が犠牲になった。赤新月社は2日までに、女性や子どもを含む負傷者79人を収容したが市内の病院がいっぱいのためティクリートの病院に搬送した。また米軍が1日夜に実施した中部ファルージャ空爆で病院によると子ども2人、女性2人を含む7人が死亡、14人が負傷。AP通信によるとサマラの掃討作戦には米軍約3千人にイラク治安部隊約2千人が加わり計5千人規模。遺体が散乱しているが、狙撃兵がいるため収容できないと住民が話したとのこと。
■インド北東部ナガランド州の都市ディマプルで2日、駅と市場で3回の爆発があり、少なくとも26人が死亡、86人が負傷。隣のアッサム州でも武装グループが市場で銃を乱射するなどして18人が死亡。
■イスラエル軍が2日、戦車と装甲車計約200両などでガザ北部に侵攻。パレスチナ自治政府は2日、ガザ地区に非常事態を宣言。2日までのパレスチナ側の死者は計45人に上った。
2004年10月3日
■イラク駐留米軍高官は3日、同軍とイラク治安部隊による中部サマラの武装勢力掃討作戦がほぼ終了し、同地域を制圧したと述べた。作戦は1日に始まり、米軍は反米武装勢力125人を殺害、88人を拘束。米軍は市民への被害は最小限に食い止めたとしているが、現地の病院は女性や子どもを含み20人以上の市民が死亡したとしている。米軍は来年1月に予定のイラク国民議会選挙に向け、武装勢力の影響下と見られる地域で掃討作戦を進める計画で、サマラはその第一歩に位置づけられている。
■2日に爆破テロや銃乱射で44人が犠牲になったインド北東部のナガランド、アッサム州で3日もテロが相次ぎ、2日間の死者は53人、負傷者161人。
■エジプト人民議会のフェキ外交委員長は「イスラエルはイラク北部で、イランとシリアに対するスパイ活動をしている」と述べた。
■ニューヨークの原油先物相場が急騰、米国産標準油種が初めて1バレル=50ドルを突破、1983年の取引開始以来の最高値。
2004年10月4日
■4日、ポーランドのシュマイジンスキ国防相は訪問先のパリでイラクに派遣しているポーランド軍部隊を来年(05年)12月に撤退させる考えを表明。国防相は「イラク安定のためには2年半の駐留で十分。私の考えでは国連安保理決議が執行する来年末が撤退時期になる」と撤退理由を説明。
■4日、イラクの首都バグダッドで軍関係施設や暫定政権の官庁が集中している地域で2件の自爆テロがあり、イラク人21人が死亡、90人が負傷。
■小泉首相の諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長・荒木浩東京電力顧問)は4日、今後の防衛力整備のあり方などに関する報告書をまとめ、首相に提出した。「多機能で弾力的な防衛力の整備を打ち出し、日米同盟を世界規模での協力関係に格上げする日米安保の再定義などを検討するよう提言。【報告書のポイント】▼テロリストなど非国家主体の驚異に対処する安保政策が必要▼安保戦略の目標は「日本防衛」と「国際的安保環境の改善」▼「基盤的防衛力」を「多機能弾力的防衛力」に転換▼日米同盟の信頼性を高める必要。新「日米安保共同宣言」を策定▼武器輸出三原則を見直し米国への禁輸を緩和▼自衛隊の国際平和協力業務を「本来任務」に格上げ▼「攻防の基本方針」【1957年】の考え方を含む新たな安保戦略を新防衛計画大綱で提示▼集団的自衛権行使に関する憲法論議を早期に整理
■4日、沖縄近海の上空で米空軍のF15戦闘機同市が接触する事故。2機は主翼や尾翼を破損し、嘉手納基地に緊急着陸。
2004年10月6日
■イラク北西部アナの国家保安隊施設で6日、車爆弾の自爆攻撃があり、16人が死亡、24人が負傷。
■アフガニスタン北部バダフシャン州で、6日、大統領選でカルザイ大統領の副大統領候補となったアフマド・ジア・マスード氏の車列近くで爆弾が爆発し、2人が死亡、同州副知事ら2人が負傷。
■「イラク国内に大量破壊兵器がなかった」と米政府調査団の最終報告書が結論づけた6日、ブッシュ大統領は報告書に直接言及せず、「戦争を正しいと信じなければ、戦争に勝つことはできない」と戦争の正当性を重ねて強調した。
2004年10月7日
■イスラエルと国境を接するエジプトシナイ半島の保養地タバで7日、3件の爆弾テロが起きる。イスラエル群島強者の話とし、少なくとも28人が死亡、約30人が行方不明と伝えた。「イスラム一神教旅団」と「世界イスラム集団」を名乗る組織が犯行声明を伝えたが真偽は確認されていない。
■イラクの大量破壊兵器を捜索していた米政府調査団(チャールズ・ドルファー団長)が6日(日本時間7日朝)に最終報告書を議会に提出するとの報道。報告書はイラク戦争開戦当時、フセイン旧政権は核、化学、生物兵器を所有しておらず、開発する具体的な計画もなかったと結論づけた。大量破壊兵器をめぐる脅威は、国連査察団が去った1998年当時より低下していたと指摘する内容となっている。
■金融庁は、7日、UFJ銀行が昨秋の金融庁検査で融資先の財務資料を隠していたとして、同行と元常務ら3人を銀行法違反容疑で東京地検特捜部に刑事告発した。
■ベトナム訪問中の小泉首相は7日、ハノイで同行の記者団と懇談し、在日米軍再編問題に絡む沖縄の負担軽減について「抑止力も含めて国外移転はあっていい」と述べ、沖縄の米軍基地の国外移転を検討するよう米側に提案していく考えを明らかにした。
■イラクの首都バグダッド中心部で7日、シェトランホテルと、隣接するパレスチナホテルに向けて少なくとも2発のロケット弾が打ち込まれ、火災が発生。死傷者がでたかどうかは不明。(ロイター)
2004年10月8日
■8日、イラク・サマワの日本イラク友好記念碑が爆破される。記念碑(高さ約5.3メートル)は日本の費用で建立。イスラムの象徴である星と、日本をあらわす灯籠(とうろう)を組み合わせたデザインで、9月15日に完成の式典をしたばかりだった。壊れたのは灯籠部分。
■ロイター通信は8日、イラクの武装組織に拘束されていた英国人ビジネスマンが首をはねられるビデオ映像をロイターの記者が確認したと伝えた。
■政府は8日の拉致問題専門幹事会で、次回の日朝実務者協議の席上、北朝鮮への経済制裁を求める国内世論が強まっていることを伝える方針を決定。
■ベトナムを訪問中の小泉首相は8日、ハノイ市内の国際会議場でシラク仏大統領と会談。両首脳は国連改革野常用性を確認するとともに、改革実現に向け協力していくことで一致。大統領は「フランスは日本の安保常任理事国入りを全面的に支持する」と表明。
■8日、ノルウェーのノーベル賞委員会は、今年のノーベル平和賞をアフリカの植林運動の先頭に立ち、森林破壊に立ち向かってきたケニアのワンガリ・マータイ環境副大臣に授与すると発表。
2004年10月9日
■北朝鮮による拉致問題などを話し合う日朝実務者協議が11が中旬に平壌で行われることになったとの報道。
2004年10月10日
■ラムズフェルド米国防長官は10日、イラク中部アンバル州の砂漠にあるアサド空軍基地を電撃訪問。国防長官野同国訪問は6月末の主権委譲後初めて。
■イラクの首都バグダッド東部にある石油省の近くで10日朝、自動車による自爆テロがあり、同省報道官によると、17人が死亡した。死者の中に自爆犯が含まれているかどうかは不明。現場近くには警察学校と警察の募集センターがあった。
■パキスタン東部ラホールのイスラム教シーア派のモスクに10日、男が乱入し自爆、子供を含む少なくとも5人が死亡、7人が負傷。
■9日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、米国の大手石油会社や個人が1996年から2003年にかけて、イラクのフセイン政権から計1億1千100万バーレルに上るイラク産原油の販売権の割り当てを受けていたと報じた。利権を得たとされるのは、シェブロン、モービル、テキサコ、ベイオイルの各社(社名はいずれも当時)と、米国人実業家のオスカー・ワイアット氏ら3人。
■パレスチナ自治区ガザ筑北部に侵攻中のイスラエル軍は9日、ジャバリ難民キャンプなど2カ所で武装グループと交戦、パレスチナ人3人が死亡。また同地区南部ハンユニスでは、ヘリコプターのミサイル攻撃でパレスチナ人2人を殺害。ジャバリや難民キャンプでは、ヘリコプターのミサイル攻撃でパレスチナ人1人が死亡。
2004年10月11日
■国民年金の保険料を2003年度までの2年間に一ヶ月以上納めなかった「督促対象者」が加入者の45パーセントに当たる約1千万人に上ることが会計検査院の調べでわかったとの報道。滞納額は少なくとも約1300億円に上る。
2004年10月13日
■経営再建中の大手スーパー、ダイエーは13日、民間主導の自主再建を断念して、UFJ、三井住友、みずほコーポレートの主力三銀行が主張する産業再生機構の活用を決め、同機構に支援を要請した。
■小泉首相は13日の所信表明演説に対する各党代表質問への答弁で北朝鮮に対する経済制裁発動について「(日本人拉致被害者のうち)安否不明者の真相解明のため鋭意、方策を検討している。経済制裁も可能な手段の一つではある」と述べた。
■在日米軍基地の再編問題について、町村外相と大野防衛庁長官、細田官房長官が13日、首相官邸で会談し、11月にチリで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)での日米首脳会談や、外務省防衛当局の閣僚級による日米安全保障協議委員会の開催を通じ、政治レベルで解決していくことを決めた。
2004年10月14日
■イラク中部ウルズガン州で米兵を狙った爆弾による襲撃があり、米兵2人が死亡、3人が負傷。
■核燃料サイクル開発機構東海事業所(茨城県東海村)の再処理施設で、低レベル放射性廃液の処理中の放射性ヨウ素129が大気中に放出されるトラブルが14日起きる。(明らかになったのは10月17日の新聞報道)核燃機構は「ヨウ素が放出された」とだけ広報して放射性物質とは説明せず、警報が鳴ったことも伏せていた。
■小泉首相が14日、ブッシュ大統領に「頑張っていただきたい」と述べた。
■アフガニスタン大統領選が9日行われれる。
2004年10月15日
■イスラエルからの報道によると、パレスチナ自治区ガザ南部のラファで5日、通学中の少女イマン・アルハムスさんがイスラエル軍の発砲により死亡する事件があり、軍指揮官がイマンさんに連射してとどめを刺したとの内部告発があったとの報道。
■アラブ諸国は15日までに、イスラム教で最も神聖な月とされるラマダンに入った。
■15日、イラク駐留米軍がザルカウィ氏一派への攻撃と称しファルージャへの空爆を続行。AFP通信によるとファルージャで14日以降、5人が死亡、16人が負傷。
■15日、バグダット南部の警察署近くで自爆テロがあり、イラク人10人が死亡、少なくとも10数人が負傷。
■15日、ガザ地区北部で大規模侵攻作戦を展開していたイスラエル軍がパレスチナ自治区から撤退し17日間に及ぶ作戦が終結。
■パレスチナ自治区ガザ北部のジャバリヤ難民キャンプにイスラエル軍がヘリコプターでミサイル攻撃を行いパレスチナ人3人が死亡。ロイター通信の集計によると9月29日以来のイスラエル軍の攻撃で14日までにパレスチナ人の死者は100人に達した。イスラエル、シャロン首相は「イスラエル人に犠牲者が出る限り作戦は継続する」との意向を示している。
■イラク西部のカイム付近で15日、パトロール中の米兵を標的とした自動車爆弾での自爆攻撃があり米兵4人が死亡。(16日イラク駐留米軍幹部が明らかにしたとして17日新聞報道)
■熊本、鹿児島両県から関西に移り住んだ水俣病の未認定患者30人と死亡患者15人の遺族が、国と熊本県に損害賠償を求めた「関西水俣病訴訟」の上告審で、最高裁第2小法廷は15日、「国と県が被害の拡大を防がなかったのは著しく合理性を欠き違法」として国と県に賠償を命じた大阪高裁判決を支持する判決を言い渡した。
■自民党の武部勤幹事長が15日、接戦となっている米大統領選について「ブッシュ大統領でないと困る。ケリー氏は北朝鮮と2国間で交渉をやろうとしている。とんでもない話だ」と述べた。
■国連総会は15日、2005年から任期2年間の安産保障理事会非常任理事国選挙を行い、日本など5カ国を選出した。
2004年10月16日
■イラク西部カイムで16日、迫撃砲による攻撃があり、イラク人4人が死亡、約30人が負傷とロイター通信が地元の医師の話として報道。
■16日、バグダッド南西部で米軍ヘリ2機が墜落、米兵2人が死亡、2人が負傷。
■16日、イラク首都南方ラティフィヤでは警官9人が攻撃され死亡。
■町村信孝外相は16日、沖縄県庁で稲嶺恵一知事と会談し、米軍普天間飛行場の名護市沖への移設方針を堅持する考えを強調した上で「10年近くかかると言われる建設工事を技術的にはやめるよう取り組みたい」と述べ工期短縮で早期実現に努力す考えを示した。
■町村外相は16日、沖縄県宜野湾市で起きた米軍ヘリ墜落事故現場を視察し、視察後「被害が重大にならなかったのは(米上院の)操縦技術も上手だったと思うが、よく最小被害にとどまった」と述べ、苦言批判の声が上がった。
2004年10月17日
■韓国の聯合ニュースは17日、韓国政府が今月末までのイラクへの韓国軍派遣時期を一年間延長して2005年末までとする方針を決めたと伝える。
■イラク駐留米軍は16日夜から17日にかけて、中部ファルージャを軍用機や戦車で攻撃。ロイター通信によると数十軒の家がはかされ、7人が死亡、17人が負傷。
■イラク・バグダッドでサドルシティー地区をめぐる停戦交渉で武器買い上げ場所に指定された運動場と外国人が宿泊するホテル付近に迫撃砲による攻撃を受けた。運動場では国家保安隊員2人と市民一人が死亡。
■防衛庁は12月に閣議決定される「防衛計画の大綱」の改訂を受けて、海外派遣やテロ対処の司令部になる「中央即応集団」を陸上自衛隊に新設する方針を決めたとの報道。海外派遣の専門隊員約200人で新規編成する「国際待機部隊」を持ち、地方にある5個方面隊の持ち回りで1千人程度の派遣要員を指定する。自衛隊は専守防衛から海外活動へと大きく軸足を移すことになる。2006年までの編成を目指す。
2004年10月18日
■米ケーブルテレビ有料放送のイン・デマンド社が大統領選前日の11月1日に予定していたマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「華氏911」の訪英が突然中止となったとの報道。
■ミャンマー軍事政権のキン・ニュン首相が18日、解任され自宅に軟禁されていることが分かった。ミャンマー軍事政権は声明で「首相は健康上の理由で引退した。新首相には(軍政強硬派の)ソー・ウィン第一書記を任命した」と発表。
■フーン英国防相が18日、下院議会に出席し、イラクに駐留する英軍部隊の活動範囲を南部以外にも拡大するよう米国から要請を受けていたことを認める。
■中国重慶市で18日、市当局者が市民を殴ったとの噂が広まり、市民数万人が政府庁舎を包囲してパトカーに放火するなどの争乱が発生、警察が催涙弾やゴム弾を発射して鎮圧する事態となった。
2004年10月19日
■19日、イラク国家保安隊施設に対し数発の迫撃府が撃ち込まれ、イラク国防相報道官によると4人が死亡、約80人が負傷。
■イラク、バグダッドで19日、米軍基地に迫撃砲が撃ち込まれ、米軍の契約業者の民間人1人が死亡、米兵1人が負傷。
2004年10月20日
■日米両国政府が、在日米軍再編に伴う地元の負担軽減策として、沖縄に駐留する約1万7000人の米海兵隊の訓練を海外に移して実施する案も検討していることが20日、分かる。
■大野功統防衛庁長官は20日の参院予算委員会で、米側が在日米軍の再編の一つとして、アジア太平洋地域を管轄する米陸軍第一軍団司令部(ワシントン州)を「キャンプ座間」(神奈川県)に移転することを検討していることに関し、在日米軍の活動範囲を極東に限っていた日米安保条約の「極東条項」との関係では問題はないとの見解を示した。
■イラク駐留米軍が中部ファルージャを軍用機で空爆、住民によると民家が崩壊し、子ども3人と女性2人を含む一家6人が死亡。
2004年10月22日
■イラク、ファルージャで21日から22日にかけ米軍と武装勢力が交戦し8人が死亡、2人が負傷。
■イラク、ファルージャ郊外で22日、住民の車が米軍の攻撃を受け女児2人が死亡、母親と別の子供ら4人が負傷。
2004年10月23日
■23日午後5時56分頃、新潟県中越地方で震度6強の地震が起きる。
■防衛庁陸上幕僚監部は23日、イラク南部サマワの陸自宿営地近くで現地時間22日(日本時間23日)、爆発音が聞こえた際、ロケット弾1発が宿営地に着弾していたと発表。負傷者はなかった。4月2日、の陸自宿営地開設以来、宿営地周辺に対しては7回目の攻撃。
■イラク中部ラマディの治安当局と米海兵隊が共に使用する基地近くで23日、自動車爆弾が爆発、米軍やイラク警察に酔うrと、警官16人が死亡、約40人が負傷。これを含めてこの日は各地で襲撃が相次ぎ、全土で計24人が死亡。
■政府がイラク復興支援と陸上自衛隊の安全確保を目的に、イラク南部のムサンナ州に政府開発援助(ODA)による無償資金供与を本格開始する方針を固めるとの報道。
■イラクからの報道によると、イラン国境から約10キロのマンダリー村付近の道路で23日、イラク軍新兵約50人が射殺され手いるのが見つかる。同国内務相などが明らかにした。ゲリラ組織の待ち伏せにあい、路上で処刑されたとみられる。
2004年10月24日
■新潟県中越地方を襲った地震の被害は24日、確認作業とともに拡大、県警の調べで死者は23人に上り、負傷者は2千100人を超えた。
■航空自衛隊小牧基地は24日、C130輸送機1機で乾パン2.5トン(約1万6千400食分)を新潟空港に空輸。陸上自衛隊守山駐屯地の約35人とかすがい駐屯地の14人が24日、新潟へ出発。
2004年10月25日
■タイ南部ナララティワット県タクバイ地区で25日、政府が供与した武器を地元住民でつくる自営組織の6人がイスラム過激派に渡した疑いで逮捕されたのが発端で住民らが釈放を求めて警察署に押しかけ警官隊と衝突。住民84人が死亡。
■AP通信によると中国でもっとも貧しい省の一つである安徽省の蚌埠(ぼうふ)市で、退職した工場労働者ら1万人以上が22日から、25日まで4日間にわたり、年金支給額の引き上げを求めてデモや道路封鎖など大規模な抗議行動を行った。でも参加者は一時、数万人にふくれあがり、公安当局に数人が拘束された。
■政府は25日、東シナ海の天然ガス田開発をめぐる初の局長級協議を北京市内で開催、日本は中国が日中中間線付近の中国側で進めるガス田開発の鉱区データの提供を改めて強く要求したが、中国側からは具体的な情報提供はなく大きな進展はなかった。
■日本とフィリピンの自由貿易協定(FTA)を中心とした経済連携協定交渉で、焦点の看護師と介護福祉士の日本側受け入れ案が概要が25日明らかとなり、資格取得後は無期限で就労できるほか、看護師については来日、1年目から国家試験の受験ができるなど、就労しやすい条件が整えられた。合意すれば2006年度には、病院や介護の現場で本格的な外国人労働者の受け入れが始まる見通し。
■イラク駐留米軍などによると、バグダッド中心部のオーストラリア大使館近くを走っていた同国分の車列付近で25日、自動車爆弾が爆発し、周囲にいたイラク人3人が死亡、6人が負傷。同軍兵士も3人負傷。オーストラリア軍報道官によると同軍車両が攻撃を受けたのは始めて。
■国際原子力機関(IAEA)のリクウッド報道官は25日、バグダッド近郊のフセイン政権時代の軍事施設から、核兵器の起爆剤にも使える強力な爆薬350トン以上が行方不明になったと今月イラク暫定政府から通告を受けたことを明らかにした。
2004年10月26日
■在日米大使館のゲッティンガー安全保障課長は26日、外務省の四方敬之・日米地位協定室長に対し、8月に沖縄県宜野湾市で墜落した米軍のCH53D大型輸送ヘリと同型機3機を28日に同市の普天間飛行場から米軍岩国基地(山口県)に移動させると伝えた。
■イラクの「アンサール・スンナ軍」を名乗るイスラム武装勢力は26日、イラク国家保安隊員11人を拉致したとの生命をウェブサイトで出した。
■韓国北部の江原道鉄原郡にある非武装地帯の鉄さくの一部が破られていたことについて、26日、民間人とみられる何者かが韓国側から北朝鮮側に向かったと断定し警戒態勢を解除した。
2004年10月27日
■イラクの日本人人質事件で、イラク・イスラム聖職者協会幹部ムハンマド・ファイジ師が27日、中日新聞の取材に「各方面から人質解放に向け助力を求められた。しかし、われわれは断った。申し訳ないができないからだ」「人質を拉致したグループは(スンニ派ではあるが)『原理主義者』として知られ、協会のいうことに耳を傾けない。呼びかけは無意味である」「(自衛隊の撤退に応じないという)小泉首相の27日の態度は、グループに『早く首を切れ!』と言っているようなもの。グループのメンバーは若く、彼らの”言葉”を理解できる人間が相手をすべきなのに、首相は逆にメンバーを憤慨させた」と述べた。
2004年10月28日
■タイ南部ナラティワット県で28日、爆弾テロで住民2人が死亡。
2004年10月29日
■中東の衛星テレビ局アルジャジーラは29日、ブッシュ政権を強く批判し、新たな対米テロの可能性を警告するアルカイダの指導者ウサマ・ビン・ラディン氏のビデオを放映。
■政府は29日、12月14日で期限切れとなる自衛隊のイラク派遣期間を延長する閣議決定を12月3日までの今国会終了後に先送りする方針を固めた。
■29日、パレスチナ自治政府のヤセル・アラファト議長がフランス・パリ南部のクラマール市のペルシー軍人病院に入院。
■カンボジアのシハモニ新国王が父親のシアヌーク前国王から正式に王位を受け継ぎ戴冠式が行われる。
2004年10月30日
■イラクの首都バグダッドで30日、中東の衛星テレビ、アルアラビーヤの支局が入っているビルの前で自動車爆弾が爆発、同テレビは職員を含む7人が死亡、16人が負傷と伝えた。
■イラク駐留米軍は当局者は30日バグダッド西方案張る州での同日の戦闘で、米海兵隊員8人が死亡、9人が負傷と述べた。
■政府は30日、在イラク米軍がバグダッド北方のバラドで発見したと通報してきた遺体はイラク武装勢力の人質となった香田証生さんとは別人だと発表。(この遺体とは別に30日夜に発見された遺体は11月1日政府は指紋などから人質となっていた香田証生さんと確認。イラクでの日本人犠牲者は5人目。人質とされた後に殺害されたのは初めて。遺体は星条旗に包まれ、日米両国に強烈なメッセージを突きつける形で放置されていた。日本政府がこの日朝に発見された遺体をもとに「香田さんとみられる遺体発見」の情報を流したことを受け犯人グループが”罠(わな)が仕組まれていると勘違いして殺害時期を早めたとの指摘も出されている。またバグダッド大のアブダルジャバル・アハメド教授は人質を死亡させた日本側の「失敗」について「最大のミスは小泉首相が犯した。フランスは自国民が人質となったとき、外相らをエジプト、ヨルダンなど中東諸国に派遣し交渉させた。しかし、小泉首相は熟慮せず、すぐに挑発的な声明を出してしまった」と指摘。)
■30日、気象庁は10月23日午後5時56分に起きた新潟県中越地震の本震で、震源に近い川口町の深度系が深度7を観測していたことを発表。
■中曽根康弘元首相は30日、都内で講演し小泉首相が主導する郵政民営化に関し、「自民党だって一生懸命(反対論議を)やるから総務会を通らない。参院だってどうなるか分からない。小泉君の『大統領方式』はある程度限界に来ている」と述べ、首相の政治手法を批判した。
■自民党の平沼赳夫全経済産業省は30日、京都市内で講演し、憲法改正について「党が総力を結集すれば、憲法改正も必ず成る」と述べた。
■新潟県中越地震から1週間、18市町村で避難勧告・指示が出ており約8万4千人が避難所や車の中での生活を強いられているとの報道。死者は29日現在で36人。
2004年10月31日
■香田証生さんの殺害を受け小泉首相は31日、事件について「(事件は)直接(自衛隊派遣期限の延長に)影響しない。総合的に判断しなければならないが、イラク復興支援の国連決議もあるし、日本としてできるだけの支援をしていかなければならない」と駐留継続の必要性を強調。また大野功統防衛庁長官は31日、イラクで香田証生さんが殺害された事件の自衛隊派遣への影響について「テロ事件と自衛隊派遣はまったく別の問題だ。断固たる決意で復興支援に取り組む」と述べた。
■イラク南部サマワの陸上自衛隊宿営地内に31日、ロケット弾が着弾。ロケット弾は地面に衝突した後、爆発せずに、倉庫として使っているコンテナを貫通し、宿営地外に飛び出したとみられる。宿営地内に落下したのは10月22日に続いて2回目。少しずつ隊員の居住区に近づいている。サマワではオランダ軍部隊が襲撃され、兵士一人が死亡した事件が起きた8月以降、被害は自衛隊に集中。10月8日には日本イラク有効記念碑が爆破され、22日には宿営地内の空き地にロケット弾が着弾した。
■イラクで拉致された香田証生さんとみられる遺体が見つかったとの報道を受けイラク識者は小泉首相が「テロに屈することはできない」と語るなど、テロに対する強硬姿勢が突出した感の日本政府の対応を疑問視する声が相次いだとの報道。イラクの主要政党の一つイラク・イスラム党幹部のソハイブ・ラウィ氏は「小泉首相は当然ながら犯人側の要求を受け入れるなどとは言えない。しかし、あんなに強い調子で言う必要はなかった」「『人質を殺すな』と強調する声明も出せたはず。それと同時に、フランス政府のように水面下で交渉のチャンネルを開くよう努力することは可能だ」と述べた。またイスラム聖職者協会幹部のサバハ・ジャセム氏も「小泉首相の発言は賢明でなかった。もし、犯行グループが身代金目的なら、あれで問題ない。しかし、今回はとても過激な姿勢で知られるグループだ。彼らを挑発する必要はない」「前回の日本人人質事件では、広範なイラク人が人質の側に同情にしていた。しかし。小泉発言によってイラク社会からの同情を失った。今回の事件だけでなく、イラク人の日本人を見る目が変わるのが心配だ」と話した。また、バグダッド在住の政治アナリスト、ワリード・ゾバディ氏は「イラク人の間では経済大国で文明国の日本が、自国の市民の命を冷淡に扱うのか、という疑問が広がっている。この事件で、日本に対するイメージは完全に変わったと思う」と述べた。
■台湾宜蘭県の劉守成県長(知事)が新聞社の取材に応じ、日本や中国などと領有権問題がある尖閣諸島(釣魚島)に関し、「台湾の漁民が(島に)近づくと日本政府の船舶に追われ、生活に関わるとの苦情が殺到している」と明らかにしたとの報道。