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有事法制、イラク特措法成立、イラク派兵、多国籍軍参加以後の動き 2004年6月    ()(戻る


2004年6月

2004年6月1日

■イラク暫定政権の人事を協議していた国連、連合国暫定当局(CPA)、統治評議会は1日、大統領にイスラム教スンニ派のガジ・アジル・ヤワル同評議会議長を指名した。ガジ・アジル・ヤワル統治評議会議長を推す同評議会が、パチャチ元外相を雄国連、米国を押し切って決着した。ヤワル氏は「米軍駐留長期化に反対」「イラク人による石油収入支配」などイラク独自性確立が持論。

■1日、首都バグダッドで爆弾テロが相次いだ。大統領や閣僚など暫定政権の人事が発表されたのに合わせたテロ攻撃とみられている。バグダッド中心街のクルド人政党・クルド愛国同盟(PUK)の党本部前で自動車が爆発。少なくとも25人が死亡。米軍は3人死亡、20人以上が負傷。またバグダッドの北にあるバイジの米軍基地でも自動車を使った自爆テロがあった。イラク人11人が死亡。

■秋山収内閣法制局長官は1日の参院イラク復興支援・有事法制特別委員会などで、国連決議にも戸津騎手権威上戸のイラクで変性が予定されている多国籍軍への自衛隊参加問題に関連して、自衛隊が武力行使を行わないことなどの条件が確保されれば「武力行使を伴う任務と伴わない任務の両方が与えられる多国籍軍に参加することは、憲法上問題ない」と明言した。政府は1980年、政府答弁書では「目的・任務が武力行使を伴うものであれば、自衛隊が参加することは憲法上許されない」としてきた。

2004年6月2日

■三菱自動車は2日、17車種、計最低17万台の乗用車で、部品の欠陥があることを明らかにした。リコールの件数は26件に上る。

■公明党の神崎武法代表は2日の記者会見でイラクの主権移譲後に編成される予定の多国籍軍への自衛隊参加問題について武力行使を伴わない人道・復興支援などが任務なら、自衛隊の参加を容認する考えを示した。

■石破防衛庁長官2日の参院イラク復興支援・有事法制特別委員会で第三国商船への停船検査について「自衛権行使に伴う措置として第三国は受任すべき立場にある。国連憲章上も憲法上も適法だ」と主張。

■イラク・バグダッド北部で自動車が爆発、少なくとも5人が死亡、35人が負傷。

■イラク中部のナジャフ近郊の街クーファで反米抵抗勢力と米軍の戦闘がありイラク人4人が死亡。

■ブラヒミ国連事務総長特別顧問はイラク暫定政府の人選への米国の関与に対する批判に関し、「『ブレマー(連合国暫定当局=CPA=文民行政官)はイラクの独裁者だ』。私がこう言っても彼は気にしないと思う」と述べ米国がなおイラクの支配者であることを強調した。

■アフガニスタン北西部バドギス州で「国境なき医師団」のメンバーでベルギー人の女性とオランダ人、スイス人男性が待ち伏せ攻撃に遭い死亡。

2004年6月3日

■自民党憲法調査会の憲法改正プロジェクトチーム(中谷元・座長)がまとめる健保いう改正草案の原案となる論点整理案の全容が3日明らかになる。焦点の9条については集団的自衛権を明記すべきだと指摘している。基本的人権の尊重については「行きすぎた利己主義的風潮を戒める」とし、平和主義についても「一国平和主義の誤りを正す」としている。

■イラク・バグダッドで3日、イタリア大使館に向けた迫撃砲による攻撃があった。この攻撃で大使館近くにいてイラク人2人が死亡。大使館員にけがはなかった。

■ブッシュ米大統領は3日、テネット中央情報局(CIA)朝刊が7月中旬に辞任すると発表。対イラク開戦のきっかけとなった大量破壊兵器保有に関する偽情報問題での事実上の引責辞任とみられている。

■年金制度改革関連法案が3日、参院厚生労働委員会での締めくくり質疑の途中、自民、公明両党が採決を強行し、両党の賛成多数で可決された。

2004年6月5日

■石破防衛庁長官は5日シンガポールの国際会議で予定していた講演の全文を明らかにした。その中で海外での海賊行為やテロに対する軍事力行使を「警察権的な利用」と位置付け、自衛隊の活用の検討を進める考えを表明した。

■フランスのシラク大統領と訪欧中のブッシュ米大統領がパリ市内の大統領府で会談。イラク問題についてフランス側は「主権移譲は(建前でなく)イラク人が自らの命運を決められる完全なものでなくてはならない」と主張。

■ラムズフェルド米国防長官は5日シンガポールで開催中の「アジア安全保障会議」で演説し、世界的な米軍再編に関して安全保障政策の主要4原則を示し、「米国は太平洋国家であり、この地域には近代化し抑止力を持った米軍部隊を維持し続ける」と強調。4原則は@同盟国などとのパートナーシップを強化、イエメンやウズベキスタンなど新たな友好国と協力するA予期せぬ出来事に対応するため、柔軟性を高めていくB多くの兵を海外店化するより、緊急展開する軍事力を強化する。C国境を持たない教委に対応するため、計画段階での地域的な縦割り体制を撤廃する−というもの。

■来年2月の中部国際空港開港後の名古屋空港の周辺環境対策について、国に変わり設置管理者となる愛知県は、航空機による騒音影響区域を約7分の1に縮小した上で、区域内の民家の防音工事など4事業の女性を続ける方針を決めた。助成費の総額は現在の約20億円から1億円になる見通しとの報道。また着陸帯を共有する航空自衛隊小牧基地の自衛隊機の着陸料について主要機のC130輸送機(重量71トン)で1回当たり約8万円とすることを決めた。防衛庁が支払う年間の着陸料は計約6億6千万円となる見通しで、県営空港の年間運営費約10億円の過半数を占める。

■5日、レーガン元米大統領死去

2004年6月8日

■第30回主要国首脳会議が8日から3日間米国ジョージア州の大西洋岸の保養地、シーアイランドで開かれる。イラクの主権移譲、米国提唱の「大中東構想」、原油問題などが討議される。

2004年6月9日

■与党の幹事長、政調会長らで構成する「与党・教育基本法改正に関する協議会」は9日、同法改正案策定に向け下部機関の「与党・教育基本法改正に関する検討会」が提示した中間報告案について議論、公明党が「愛国心」盛り込みで事実上同意したことで改正案に「愛国心」明記固まる。

■9日、自衛隊が活動するイラク・サマワを州都とするムサンナ州政府当局者らはサマワの施設警護隊のアハメド・アリリ大佐ら警護隊員5人がバグダッド南方のマハムディヤの国道8号で武装グループの銃撃を受け殺害された。

2004年6月10日

■主要国首脳会議(シーアイランド・サミット)は10日、議長総括を採択し、3日間の討議を終了、閉幕した。議長総括はイラク暫定政権を主要国(G8)が結束して支援する方針を打ち出した。

■イラク・ナジャフで9日から10日にかけ民兵組織と地元警察の間で交戦があり警官と民兵の計5人が死亡、27人が負傷。

2004年6月11日

■石破防衛庁長官は11日の衆院安全保障委員会で主権移譲後のイラクで編成される多国籍軍への自衛隊参加をめぐり守屋武昌防衛事務次官が示した「多国籍軍の指揮権のもとにはない、ということが確保されなければならない」との見解について「(参加の)条件を言ったものではない」と指摘。

■アフガニスタン・カンダハル周辺でタリバン側に米軍が攻勢を強め、9日までの一週間でタリバン兵73人を殺害したとの報道。

2004年6月12日

■イラク・バグダッド北部アザミヤ地区で12日イラクのバッサム・クバ外務次官が来るまで出勤途中銃撃を受け死亡。運転手も負傷。

■アフガニスタンに駐留する米軍主導の連合軍スポークスマンは12日の記者会見でアフガニスタン南東部ザブル州デーチョパン地区を中心に過去3週間に行われた戦闘で米海兵隊が過激派とみられる80人以上を殺害したことを明らかにした。

■サウジアラビアの首都リヤドで12日、米国人一人が自宅付近で武装グループに銃撃され死亡。

2004年6月14日

■14日、参院イラク復興支援・有事法制特別委員会は国民保護法案など有事関連7法案(国民保護法、米軍支援措置法、改正自衛隊法、外国軍用品海上輸送規制法、特定公共施設利用法、捕虜取り扱い法、非人道的行為処罰法)の採決を行い、自民、民主、公明などの賛成多数で可決。その後の参院本会議で可決、成立した。また、北朝鮮への適用を想定した特定船舶入港禁止特別措置法も参院本会議で、自民、公明、民主の賛成多数で可決、成立した。

■14日、小泉首相は主権移譲後のイラクで編成された多国籍軍への自衛隊参加問題に関し、米軍などの物資を輸送する「安全確保支援活動」について「今までと同じだ」と述べ、多国籍軍参加後も継続する意向を表明した。

■イラクの首都バグダッドで14日、電力施設の復旧事業を請け負っていた外国人の車に対して自爆テロがあり、英国人2人とフランス人1人を含む外国人5人を敗目、少なくとも計13人が死亡、数十人が負傷。

2004年6月15日

政府は15日、「自衛隊はわが国の指揮に従って活動し、(多国籍軍の)統合された司令部の指揮下にはいることはない」「非戦闘地域の要件を満たす地域で活動する」「イラク特措法、基本計画に規定された活動を継続する」ことを根拠に、他国の武力行使とは一体化しないとして多国籍軍への参加を行うとする見解をまとめた。

■民主、共産、社民の野党3党は15日、小泉内閣不信任決議案を衆院に共同提出したが不信任案は自民、公明両党の反対多数で否決された。

マクラーレン大統領報道官は15日の記者会見で、自衛隊が主権移譲後のイラクに展開する多国籍軍の中で活動するもの、統合された司令部の指揮下に入らないとする日本政府の見解を尊重する考えを表明。しかし「多国籍軍全体は米国人司令官が統括する」と強調。

2004年6月16日

■第159通常国会が会期を終えて閉幕。

■政府は16日、多国籍軍の自衛隊参加で15日に与党に示した政府見解の一部を修正。参加の理由について「多国籍軍の一員としてではなく、イラク暫定政府より個別に(部隊の)受け入れ同意を得ることは事実上不可能」と指摘。「活動を継続するためには、新たな多国籍軍の中で同意を取付、法的地位を確保することが必要」として参加を正当化。またイラク特措法の基づく活動方針に反する要請を受けた場合の拒否権について、原文では「断ることができる」としていた部分を「断る」と断言した。

■自民、公明両党は16日、イラクの多国籍軍への自衛隊の参加を認める党内手続きを終え、了承した。

■米中枢同時テロをめぐる米国の対応を検証する独立調査委員会は16日、「イラクのフセイン元大統領と国際テロ組織アルカイダに協力関係はなかった」とする報告書を発表した。ブッシュ政権が主張した「イラク戦争の大義」の根拠は、ますます希薄になった。

■イラクの石油当局者は15、16日、イラク南部の石油パイプラインに対して破壊活動があり、イラクの石油輸出量の大半を占める南部のペルシャ湾岸からの輸出が全面停止したことを明らかにした。

2004年6月17日

小泉首相は17日首相官邸で記者会見し、自衛隊によるイラク復興支援について「多国籍国参加する形で、イラクの安定した民主的政権のためにお手伝いする」と述べ、人道復興支援活動を継続する方針を表明した。同時に航空自衛隊による米兵輸送などの「安全確保支援活動」についても続行する方針を明らかにした。(イラクへの主権移譲後に国連安全保障理事会の決議1546に基づいて新たに編成される多国籍軍に自衛隊が参加するために、政府は@派遣の根拠として決議1546の加えるイラク復興支援特別措置法の施行令改正A支援継続の必要性を加えるなどの基本計画改正を閣議決定する。施行期日は2004年6月30日。)

■イラク・バグダッドにある新生イラク軍の志願兵募集センター前で自動車を使った自爆テロがあり応募の列に並んでいたイラク人35人が死亡、約140人が負傷。

■イラク・バグダッド北方のイエスリブにある市評議会付近で爆発が起き、イラク人6人が死亡。

2004年6月18日

政府は18日の閣議で、イラクで編成される多国籍軍への自衛隊参加を正式に決めた。小泉首相が8日、ブッシュ米大統領との首脳会談で事実上の「参加」を表明後、わずか、10日間でのスピード決定。

2004年6月19日

■イラク・ファルージャで19日、米軍機が住宅街を複数のミサイルで攻撃し約20人が死亡。死者には数人の女性や子土が含まれているとの情報もある。

■イラク・サマラで19日、米軍と武装勢力が交戦し、イラク人警官6人、民間人4人の計10人が死亡。

2004年6月20日

■政府は20日、北京で23日から始まる北朝鮮の核開発問題をめぐる第三回6カ国協議の際、北朝鮮側と個別に接触し、安否不明の拉致被害者10人の再調査について、早急に調査結果を出すよう求める方針を固めた。

2004年6月21日

■ロシア南部イングーシ共和国で21日から22日未明にかけ、ロシアからの独立を求めるチェチェン独立派とみられる武装勢力が治安期間への一斉攻撃を行う。死者は少なくとも57人、負傷者は約60人。

■イラク・ラマディで21日、米兵4人が反米武装勢力の攻撃を受け死亡。また、バグダッドではイラク保安隊の隊員がパトロール中、爆弾の爆発で2人が死亡。

2004年6月22日

■アラブ地域の22の国・機構が加盟するアラブ連盟(本部・カイロ)のアムル・ムーサ事務局長(67)は22日、イラク南部サマワに展開する日本の自衛隊について「占領軍は混乱の原因。自衛隊も撤退すべきだ」「外国軍の存在がイラク国内の混乱の原因であることは誰の目にも明らかだ」と述べた。

■三菱重工業(東京)が建造し、昨年3月に就役したばかりの海上自衛隊の最新鋭護衛艦「おおなみ」(基準排水量4600トン)のマストに溶接ミスから亀裂が入っているのが見つかり、ドック入りして修理していたことが22日分かった。

■カタールの衛星テレビアルジャジーラは22日、イラク中部ファルージャで武装グループに拉致された韓国人の貿易会社社員金鮮一(キム・ソンイル)氏が首を切られて殺害されたと報じた。武装グループは韓国軍がイラク駐留を取りやめなければ、21日夜までに金氏を殺すと脅していた。

2004年6月23日

■23日、自民党の阿倍幹事長はイラクでの韓国人男性殺害事件について「事件は大変残念だが、韓国政府はテロリストの要求に応じないという決断をした。敬意を表したい」と述べ、韓国政府が追加派兵方針を変えなかったことを評価した。

■米国務省は23日、労働ビザ(査証)や貿易ビザなどで米国に滞在する外国人に対し、米国内でのビザ更新を停止すると発表。ビザ発行西門などの政体識別(バイオメトリックス)情報を導入することに伴う措置で、7月16日から実施する。

2004年6月24日

■イラク北部、中部の各地で24日、地元警察署への爆弾テロなどの攻撃が続発し、米兵3人を含む約75人が死亡、250人以上が負傷。(92人死亡との情報もあり)

■外務省の藪中三十二アジア大洋州局長が24日、北朝鮮の金桂冠(キム・ゲグアン)外務次官と会談。拉致被害者・曽我さんと家族の早期再開に向けて調整することで一致。

小泉首相は24日のNHK野報道番組でイラクの自衛隊について「(活動範囲を広げる)可能性は充分ある」と述べ、自衛隊の多国籍軍参加後、サマワ以外での活動を行う可能性があるとの認識を示した。

■24日、第20回参院選が公示される。7月11日投開票。年金制度や自衛隊のイラク派遣と多国籍軍参加の是非、憲法改正が大きな争点。

■24日、米ブッシュ大統領が26日から宿泊する予定のトルコ・アンカラのホテルで小包爆弾が爆発。

2004年6月25日

津曲義光・航空幕僚長は25日の記者会見で、米兵輸送などを踏まえ「部隊を構成して戦闘に参加するということが見受けられ、武力行使と一体化になることが予測される場合は断る」と述べている。しかし、空自の活動実態が国民に開示されていないため、活動が武力行使と一体化しないかどうかの疑問は消えない。

イラク駐留米軍が25日、ファルージャを空爆。19日から3回目の空爆。駐留米軍は空爆で20−25人が死亡と発表。

■25日、EU首脳との会議でアイルランドを訪問したブッシュ大統領が米国のイラク政策に反対する抗議のプラカードで出迎えられる。

■先の国会で成立した金融機能強化法(公的資金注入新法)の審議で、金融庁が、地域金融機関の不良債権額を実際より700億円近く多く計算するなど18金融機関分、27カ所の間違いがある財務資料を作成していたことが25日分かった。

2004年6月26日

■イラクで米協力企業の撤退を求めるグループがトルコ人3人を拉致と中東の衛星テレビアルジャジーラが報道。

■26日、イラク中部ヒッラーで2台の自動車に仕掛けられた爆弾が爆発し23人が死亡、58人が負傷。イラクでは今月に入って反米武装勢力による自動車爆弾の攻撃が20件以上発生、30日の主権移譲を前に混乱が続いている。

■ブッシュ米政権を痛烈に批判したマイケル・ムーア監督の話題作「華氏911」が初日(6月25日)の興行成績が約9億円に達したことが26日明らかになった。

■26日、イスラエル軍がパレスチナ自治区ナブルスで大規模な掃討作戦を展開。「アルアクサ殉教者旅団」の地元司令官を含むパレスチナ人8人が殺される。

■26日、北朝鮮の核問題を話し合う第三回6カ国協議が閉幕。

2004年6月27日

小泉純一郎首相は27日、NHKの参院選党首討論番組で、憲法改正問題に関し、「日米安保条約で日本を守るために米軍が戦っている時に米軍と共同行動できず、集団的自衛権を行使できないのはおかしい。憲法を改正して米軍と行動できるようにすべきだ」と述べ、憲法改正によって集団的自衛権行使を明記すべきだとの考えを強調した。

■石破防衛庁長官は27日、航空自衛隊入間基地で開かれた空自の創立50周年記念式典で訓示し、「侵略を受けた場合は必ず撃退する力を持たないとならない」「陸、海、空の三自衛隊を統合すること、日米安保体制をさらに強化することで、いかなる抑止力を果たすか、憲章が必要だ。今までに比べさらに困難な作業となる」などと述べた。また来賓のワスコー米第5空軍司令官(兼在日米軍司令官)は日米同盟について「米軍が矛、自衛隊が盾の関係にあるのは変わらない。共通の敵である国際テロに、日米同盟は堂々と対処した」と述べた。

オーストラリア軍のC130輸送機が27日、バグダッド国際空港を離陸した直後、銃撃を受け乗っていた1人が死亡。

■イラク駐留米軍のキミット准将は27日、ナジャフ近郊での戦闘で米軍が計64人の武装勢力を殺害したことを明らかにした。

2004年6月28日

■米国主導の連合軍暫定当局(CPA)からイラク暫定政府に主権が移譲される式典がバグダッドで開かれる。テロを警戒し当初予定されていた30日から2日前倒しされ、昨年4月9日のフセイン政権崩壊から約1年3ヶ月ぶりにイラク人に主権が戻された。式典後アラウィ首相は「来年1月2日に、予定どおり国民議会選挙(総選挙)を行う」と話した。

■政府は28日夜の持ち回り閣議で、イラク暫定政府への主権移譲が前倒しされたのを受け、新政府を承認すると共に、イラク南部のサマワに駐留する自衛隊の多国籍軍参加を28日に繰り上げる手続きも合わせて行った。1991年の湾岸戦争後、機雷除去のため掃海艇がペルシャ湾に派遣されたのを皮切りに始まった自衛隊の海外活動は、政府自身が以前は憲法上できないとしてきた多国籍軍参加まで踏み込んだ。自衛隊の多国籍軍参加の根拠となるイラク復興支援特別措置法の改正施行令と、基本計画変更の施行期日は、主権移譲日に合わせて30日となっていたが前倒しされたため自衛隊の法的地位に2日間の空白が生じることから、政府も急遽、施行期日を2日繰り上げた。

■北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が2日間の日程で28日トルコのイスタンブールで開幕。主権移譲が実現したイラク復興では、イラク治安部隊の訓練への協力を盛り込んだ声明を採択。イラク関与に慎重だったこれまでの姿勢から関与強化に踏み出した。

■7月から海でのテロ対策を目的とする改正海上人命安全条約(SOLAS条約)が発効するのに伴い、第四管区海上保安本部が28日、、愛知県常滑沖の伊勢湾で、不審船の取り締まり訓練を行った。

2004年6月29日

■29日、イラクで米軍などに対する攻撃が続発し、米兵ら計7人が死亡。

2004年6月30日

日本が2001年、自衛隊の装備などを中心に1億5千百万ドル(約165億円)相当の小型武器を輸入し、金額で世界第4位の小型武器輸入国だったことが30日、スイスのジュネーブ高等国際問題研究所が発表した04年版の「小型武器概観」で分かった。民間用の猟銃など小型武器輸出額でも世界第9位(約7千万ドル)。日本が国連では小型武器軍縮を推進しながら世界のトップクラスにある実態が浮かび上がった。小型武器には短銃やライフルなどの「小火器」と、重機関銃、迫撃砲などの「小型武器」がある。国別では米国が輸出入とも1位で、輸出ではイタリア、ベルギー、ドイツが続く。輸入ではサウジアラビアが2位、3位はキプロス。

■イラク南部サマワのムサンナ州警察本部の脇で自動車が爆発。警官3人を含む4人が負傷。陸上自衛隊宿営地から数キロの地点。

■イスラエル最高裁は30日、政府がパレスチナ過激派のテロ防止の名目でヨルダン川西岸に建設している分離フェンスのうちエルサレム北西部の一部区間約30キロについて「パレスチナ住民の人権を侵害する」として、建設差し止めを命じた。


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