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有事法制、イラク特措法成立、イラク派兵以後の動き 2004年2月    (次)戻る


2004年2月

2004年2月1日

■イラクへ派遣される陸上自衛隊本隊の隊旗授与式が1日、北部方面隊第2師団のある北海道旭川市の旭川駐屯地で行われた。式には、人道復興支援を行う「イラク復興支援群」と自衛隊の警察にあたる警務派遣隊を合わせた約500人が迷彩服に小銃を持って整列した。石破防衛庁長官は「諸君は日本国の誇りであり、イラクの人々が日本のような国になろうという思いを強めるための使者だ」と訓示した。小泉首相は「戦争に行くのではありません。イラク人が希望を持って自らの国を再建するお手伝いに行くわけであります。」と訓辞。

イラク北部のクルド人自治区アルビルで1日、クルド人政党の事務所2カ所がほぼ同時に自爆テロ攻撃を受けた。駐留米軍は、少なくとも56人が死亡、200人以上が負傷したと発表。

イラク中部カルバラ付近で1日、連合軍が管理している弾薬庫が爆発、弾薬を持ち出そうとしていたと見られるイラク人約20人が死亡。

サウジアラビア・メッカ郊外で1日、イスラム教の聖地巡礼者が巡礼行事中に折り重なって倒れ、計244人が死亡した。

■イラク南部サマワで活動中の陸上自衛隊先遣隊は本隊の到着に備え現地の連合国暫定当局(CPA)敷地内にコンテナハウスを置き、1日に事務所として完成させた。

2004年2月2日

■イラクへ派遣される陸上自衛隊本隊の第一陣となる設営部隊約80人のうち、第2師団所属の隊員34人が2日、旭川駐屯地から出発。

■政府は2日、有事における国民の避難、救援措置を定めた国民保護法案に、大規模テロへの対応を新たに章立てして書き加えることを決め、各都道府県の担当職員に説明した。有事関連7法案として月内にも国会に提出する。

■ブッシュ米大統領は2日、歳出総額2兆4千億ドル(約252兆円)にのぼる2005会計年度(04年10月−05年9月)の予算教書を議会に送付した。「テロとの戦い」の継続のため国防費国土安全補償費を”聖域”として大幅な伸びを容認。

2004年2月3日

■空自が物資輸送に使用する予定のバグダッド国際空港にロケット弾2発が撃ち込まれた。けが人や航空機などの被害はなかった。

イラク派遣の陸上自衛隊本隊の第一陣約90人が3日午後、北海道千歳市の新千歳空港から政府専用機で出発。現地で使用する武器や車両、装備品などを乗せたアントノフ輸送機2機も、空港に隣接する航空自衛隊千歳基地からクウェートに向けて出発。第一陣は4日にクウェートに到着し、米軍キャンプで射撃訓練などをした後、8日にも陸路でイラク南部のサマワ入りして先遣隊と合流する予定。

■イラク復興支援でクウェート北西部のアリ・アルサレム空軍基地に駐留している航空自衛隊の派遣部隊の輸送機C1301機が3日、基地上空でテスト飛行を行った。

■イラク復興に派遣される陸上自衛隊が南部のサマワに作る宿営地に迫撃砲弾を防ぐ地下壕を掘ることが分かったとの報道。着弾して飛び散る派兵を防ぐため居住テントの間には土のうを並べ、升目の区画を造る。すでに自爆テロ対策として外周に折りを造り、さらに土盛りして「砂漠の要さい」とすることを決めているがさながら野戦陣地となる。

小泉首相は3日、参院の予算委員会で自衛隊のイラク派遣について「イラク、中東が安定すれば、エネルギーの多くを依存している日本にとっても利益になる」と述べ日本のエネルギー確保に役立つとの認識を示した。

2004年2月4日

■防衛庁は4日、イラク南部サマワの陸上自衛隊の宿営予定地で2日に対人地雷一個が見つかり、オランダ軍の協力を得て爆破処理したことを明らかにした。公表が丸2日後になったことについて、防衛庁側は「地雷発見は驚くことでなく、オランダ軍の了承も必要と考えたので結果的に時間がかかった」と説明。

■陸上自衛隊本隊が近く到着する予定のイラク南部サマワ中心部で2日、ごみ集積コンテナの中から対戦車ロケット砲26基が見つかっていたことが4日分かった。サマワではほとんどの家庭が自衛のため拳銃や自動小銃、時にはロケット砲なども自宅に備えているという。

2004年2月5日

小泉首相は5日の参院イラク復興支援特別委員会で、自衛隊イラク派遣に慎重な対応を求める高校生の署名活動に対し、「国際社会は複雑だと先生は教えるべきだ」などと発言

■イラク・バグダッド国際空港と近くにある米軍補給基地に迫撃弾が撃ち込まれ米兵1人が死亡、1人が負傷。同空港は、自衛隊によるイラク支援の基本計画で、空自輸送機が輸送支援を行う場所の一つとされている。

■中部電力は5日、運転中の浜岡原子力発電所2号機の原子炉建家内で液体廃棄物浄化関連のポンプ付近で計8リットルの水漏れが見つかったと発表。外部への放射能の影響はないという。

2004年2月6日

■参院イラク復興支援・有事法制特別委員会で、石破防衛庁長官は6日、サマワで活動中のオランダ軍が攻撃された場合の対応について、「武器は使用できないが、オランダ軍が安全に避難できるように支援することは法的に可能だ。例えば、車などの物品を間に入れて、相手の射撃を遮断することはできる」と述べた。

モスクワ中心部の地下鉄車内でチェチェン独立派による自爆テロが起き、39人死亡、約120人が負傷。

イラクの日本大使館を攻撃対象にしたテロ情報が寄せられたことを受け政府が日本大使館から館員を一時退避させたことが6日分かった。政府はすでに昨年12月バグダッドに滞在している日本人に対し、日本大使館に近づかないように呼びかけている。

■2005年2月の中部国際空港開港後、国内では初めて小型機中心の県営空港として愛知県が設置管理する名古屋空港で、同空港に就航しているコミューター航空2社の内、日本航空グループの「ジェイ・エア」が2005年以降、同空港とし、機能を拡大して残留する方針を固めた。

2004年2月7日

■防衛庁は、テロ事件や国際貢献活動に機動的に対応できるよう、陸海空三自衛隊の統合的な運用を強化する方針を固め、7日、組織改革などに関する原案をまとめた。全自衛隊を指揮するポストに「統合幕僚長」を新設。三自衛隊の統合部隊を常設することも検討する。2005年度末の新体制以降を目指す。

■自衛隊のイラク復興支援で、在クウェート日本大使館と陸、海、空の自衛隊の「連絡調整会議」が7日クウェートで発足した。クウェートでは陸自と空自の広報活動などの連携の悪さが指摘され、米軍関係者から「まるで別の国の軍隊のようだ」との声が上がっていた。

イスラエル軍がパレスチナ・ガザ地区を空爆。2人が死亡、約10人が負傷。

ドイツのフィッシャー外相は7日、ミュンヘンで開かれた安全保障国際会議で、ドイツは北大西洋条約機構(NATO)軍のイラク派兵を拒絶しないが、自国の兵を送る意志はないことを強調した。

2004年2月8日

8日、イラク派遣の陸上自衛隊本隊第一陣の隊員約60人がサマワ入り。

2004年2月9日

■イラク北部のキルクークとモスルを結ぶ道路で9日、爆弾が爆発し、車で走行中のイラク人男性1人が死亡。

■イラク、バグダッド南方約30キロの道路上で爆弾が爆発し駐留米軍の兵士1人が死亡。

イラク北部のモスルで9日、処理中の爆発物が爆発し、米兵2人が死亡、6人が負傷。当局者は爆発は事故によるもので、反米勢力による攻撃が原因ではないとの見方を示している。

■日本単独で北朝鮮への経済制裁を可能にする改正外為法は9日の参院本会議で自民、民主、公明各党などの賛成多数で可決、成立。実際の発動は、北朝鮮の核開発問題をめぐる6カ国協議が25日から開催されることなども踏まえ、慎重に判断する考え。共産は反対。社民は投票ボタンを押さず棄権。外国への送金や輸出入の規制、資産凍結などの制裁措置を発動する場合、これまでは、国連決議などの国際的合意を必要としていたが、今回の外為法改正で閣議決定すれば日本だけの制裁が可能になる。

■イラク復興支援特別措置法に基づく自衛隊のイラク派遣承認案が9日、参院本会議で採決され、自民公明両党などの賛成多数で可決された。これにより派遣承認の国会手続きが完了。民主、社民、共産は反対した。イラク特措法は、防衛庁長官が自衛隊に派遣命令を出した後、20日以内に国会の承認を求めるよう首相に義務づけている。首相は陸海空の各自衛隊に対する派遣命令について一括承認を求め、1月27日に衆院で審議入り。31日に衆院を通過し、参院では2月4日から審議が行われていた。

イラク復興支援費を盛り込んだ2003年度補正予算案が9日の参院予算委員会で採決された後、派遣承認案と共に参院本会議に上程され、自公両党などの賛成多数で可決、成立

■9日、イラク派遣陸上自衛隊本隊第一陣は自前の宿営地検説のため什器などを隣国クウェートから搬入。サマワでの本格的な活動を開始。

2004年2月10日

■イラクの首都バグダッド南方約40キロにあるイスカンダリヤの警察署前で10日、自動車爆弾による自爆テロがあり、約50人が死亡、数十人が負傷。

■イラク駐留米軍当局者は首都バグダッド西部のアブクレイブで12日、パトロール中の米兵らの近くで爆発があり、米兵1人が死亡、2人が負傷。

10日、イラクへの自衛隊派遣によって「日米安保の対象範囲」が「極東超えて世界に拡大」との報道。日米安保条約は1951年、調印されたが、他国への戦争拡大に利用される懸念があったため、その範囲は、同条約で「極東」と定められ「極東」の範囲は「フィリピン以北、韓国、台湾を含めた日本周辺との解釈が定着していた。しかし、周辺事態法(99年)で政府は日本周辺の有事の範囲をぼかし、テロ特措法(2001年)では、インド洋への自衛官派遣を可能にした。今回の派遣では、日米同盟を根拠に極東を越えて自衛隊が米軍を支援する前例ができたとの解説。

■日本の陸上自衛隊本隊のイラク入りに対し、アラブの識者の間で「いよいよ日本も戦場に足を踏み入れた」との深刻な受け止め方が多いととの報道。エジプトの弁護士モンタセリ・アルザヤト氏は「残念なことだ。アラブ民衆は日本の軍の派遣を望んでいなかった」と民衆の落胆を代弁。その上で「戦場に足を踏み入れた以上、日本政府はあらゆる事態への覚悟が必要だ。標的は軍だけにとどまらないだろう」と警告。また自衛隊への攻撃の可能性について「外国人すべてが攻撃対象。狙いやすい対象から狙われる。日本だからということはない。」と指摘。エジプト国立アハラム政治戦略研究所主任研究員ハラ・ムスタファ氏も「イラクの治安は極度に悪化しており、アラブ人であっても外国人はあぶない。攻撃対象はイラク人も多く、予想以上に広がっている」とした。アラブ圏主要紙アルハヤトのカイロ支局長のムハンマド・サラッハ氏は「日本に対する”脅し”がある以上、彼ら(アルカイダ)は実行するということだ。真剣に受け止めたほうがいい。しかし、日本国内で実行する能力はないと思う」と語った。との報道。

■野沢太三法相は10日、重大犯罪への罰則強化を内容とする刑法・刑事訴訟法改正要綱案を法制審議会に諮問した。有期懲役の最高を現行の20年から30年に引き上げる。殺人などの公訴時効を15年から25年に延長する。新たに「集団強姦罪・同致死傷罪」を設けるなどが柱。

小泉首相は10日午後の衆院予算委員会で靖国神社へのA級戦犯合祀について「(合祀に)抵抗感がない。とやかく言う立場にない」と述べ、さらに「日本には死者にまでむち打つ感情はあまりない。戦没者に追悼の誠を捧げるのは自然な感情だ。よその国にああしなさい、こうしなさいといわれて気持ちを変える意思はまったく持っていない」と述べた。また憲法改正について「できればすっきりした形の改正によって(自衛隊の存在や海外派遣が)条文の解釈で合憲、違憲にわかれる状況はなくしたほうがいい」と述べた。

2004年2月11日

■イラク首都バグダッド中心部にあるイラク軍の志願兵採用センター前で自動車による自爆テロがありイラク人47人が死亡、50人以上が死亡。

■イラク首都バグダッド西部で11日、道路脇の爆弾が爆発し、車両でパトロール中だった第1機甲師団の米兵2人が死亡、1人が負傷。

イスラエル軍は11日、ガザ地区北部でパレスチナ人に対する軍事作戦を展開。パレスチナ人12人が死亡、約30人が負傷。ガザ地区南部のラファでもパレスチナ人2人が射殺された。

2004年2月12日

■バグダッドの米軍基地に迫撃弾8発が撃ち込まれ米兵3人が負傷

■イラクを含む中東全域で米軍の指揮を執るアビザイド中央軍司令官の一行が12日、イラク中部のファルージャを訪問中、武装勢力からロケット弾攻撃を受けた。司令官、米兵に死傷者は出なかった。

2004年2月13日

■北朝鮮による日本人拉致事件などを協議するため、平壌を訪問している外務省の田中均外務審議官と藪中三十二アジア大洋州局長は13日、北朝鮮の金正日総書記の側近である姜錫柱第一外務次官らと会談。被害者家族の帰国問題を含む拉致事件の解決に向け、政府間協議を継続することで合意した。

■米商務省が13日発表した2003年の米貿易赤字はモノとサービスの取引を合計した国際収支ベースで2年連続で過去最大を更新。貿易赤字の増大は内情が力強さを増し、輸入が急増したことが背景にある。

■韓国の国会は13日、韓国軍のイラクへの追加は兵道慰安を賛成多数で可決。追加派兵は約3千人で、4月末に派遣される見込み。すでに派遣されている部隊と併せるとイラクに展開する韓国兵は米英に次ぐ規模の3千600余人で、千等兵は800人。イラク北部のキルクークを「責任地域」とし、現地の警察や軍を指導して同地域の治安維持にあたるほか再建支援を行う。

2004年2月14日

イラク中部のファルージャで14日、反米武装グループが警察署や保安隊の施設、行政機関などを一斉に襲撃。警官や市民ら少なくとも22人が死亡、35人が負傷。

■モスクワ市南西部のヤセネボにある大型娯楽施設「トランスバーリー・パーク」で14日(日本時間15日)屋内プールの天井が崩落し28人が死亡、110人以上が負傷、10数人が行方不明。

イラク中部の古代遺跡バビロンからタクシーでバグダットに向かっていた米国の民間人グループが14日、別の車に乗った何者かに銃撃され1人が死亡、3人が負傷。

アフガニスタン西部のファラー州で14日、地雷除去活動に当たる非政府組織(NGO)の車が襲われ、メンバーのアフガン人3人が死亡した。

2004年2月15日

■15日付の香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、中国重慶市で昨年12月に起きた天然ガス噴出事故の補償金をめぐり「地元政府に搾取された」と訴える住民千人以上が1月に暴動を起こしたと報じた。

2004年2月16日

■中国は昨年末16省庁の時間給幹部を集め対日政策を集中討議し、靖国参拝問題がネックとなっている小泉首相の訪中問題で当面、訪中を招請しない方針を示したと中国筋が明らかにしたとの報道。

■愛知県は徳山ダムの事業費の大幅増に伴い水道用水として使う利水要領を真以上4トンから同2、3トンへと減らすことを決めたとの報道。

■政府はイラク南部のサマワに建設している陸上自衛隊の宿営地に、本格的な浄水場を政府開発援助(ODA)で建設する案の検討を始めたとの報道。

■イラクの首都バグダッド中心部で16日、路上に仕掛けられた爆弾が走行中の米軍車両の近くで爆破し、米兵1人が死亡、1人が負傷。またバグダッド北東約60キロのバクバでも路上の爆弾で米兵1人が死亡。

■イラクの首都バグダッド市内の小学校の校庭で16日、爆弾が爆発、2人が死亡、3人が負傷。死亡したのは2人とも子どもと伝えられている。

■オランダ政府は16日までに、イラク南部サマワに部隊108人を増派することを決めた。

■ロシア国防省の当局者は16日、核戦争を想定して今月初めから始めた大規模軍事演習がロシア全土で本格化していることを明らかにした。

2004年2月17日

■防衛庁はイラク復興支援特別措置法に基づいて自衛官が武器を用いて防護できる対象の「自己の管理下に入った者」について、「安全確保で自衛官の指示に従う者」との見解をまとめた。具体的には、通訳や土木作業員ら、自衛隊が現地で雇ったスタッフのほか、取材登録を行った報道関係者、部隊を視察に来た政府関係者、部隊を視察に北政府関係者や国会議員、復興支援で協力する外国政府職員や国際機関の職員が含まれる。一方、外国軍兵士、取材登録をしていない記者、日本政府や国際機関とは無関係に独自の支援活動を行う非政府組織(NGO)関係者らは防護対象にならない。防衛庁はすでに、防護対象となる報道関係者向けに一定の制約条件を付けた取材登録を行っている。

イラク暫定内閣の貿易省当局者は17日、同省財政局のフセイン・アブドルファタハ・シンタフ局次長が15日、銃撃され死亡したことを明らかにした。

2004年2月18日

■連合国暫定当局(CPA)の報道官によると、イラクの首都バグダッドの南約100キロにあるヒッラーにある駐留ポーランド軍に基地で18日、トラック2台による自爆テロがあり、少なくともイラク人11人が死亡、ポーランド兵ら連合軍兵士を含む64人以上が負傷。

■赤十字国際委員会は18日、イスラエルがヨルダン川西岸に建設中の分離フェンスについて「国際人道法に違反している」との声明を発表した。

■自民党の阿倍晋三幹事長は18日、外国報道機関との記者海kんで、自民党が今国会への提出をめざしている特定船舶入港禁止法案について「北朝鮮の国以外は対象にならない」と述べ、法案が貨客船「万景峰92」など北朝鮮の船舶だけを念頭に置いていることを明言した。

■日本企業連合とイランが進めていた同国最大級のアザデガン油田開発交渉が日本時間19日未明、基本合意に達した。テヘランの石油省で18日夜、覚書に調印する。

2004年2月19日

■イラク駐留米軍によると、首都バグダッドの西方約60キロのハルディアで19日、道路脇の爆弾が爆発、米兵2人とイラク人1人が死亡、米兵1人が負傷。

■福田康夫官房長官は19日の記者会見で、陸上自衛隊が活動しているイラク南部サマワ周辺で昨年末、イラク戦争で米軍が使用したとみられる劣化ウラン弾をオランダ軍が発見していたことを明らかにした。オランダが米国に紹介したところ米国から「(イラク戦争で)劣化ウラン弾はサマワ周辺のいくつかの場所で使用されたもようだ」と回答があったとのこと。

■社団法人「日本歯科医師会」の政治団体「日本歯科医師連盟」が2001年9月に自民党の中堅衆院議員側に現金1千万円を提供したと、内部の文書に記録していたことが19日、関係者の話などから分かった。

■時事通信社は19日、2月の世論調査結果をまとめた。陸自本隊派遣について「正しい判断」と答えた人は46、8%で、「誤った判断」は33、0%、「分からない」は20、3%。

2004年2月20日

■イラン国会の総選挙が20日、投票が締め切られ、開票が始まった。21日午後までの開票で保守派が圧勝、4年ぶりに国会の過半数を獲得し、主導権を奪回するのがほぼ確定的となった。

■アリスティド大統領の辞任を求める反政府勢力と警官隊が衝突して少なくとも60人の死者が出ているハイチについて国連は20日、総会を開くなど事態収拾に乗り出した。2月5日から大統領辞任を求めるデモが激化、16日には中部のアンシュが反政府勢力に制圧されるなど、11都市の警察署が占拠されて内戦状態が続いている。

■衆院予算委員会で20日、石破防衛庁長官が2月1日に行われた陸上自衛隊のイラク派遣本隊の隊旗授与式に出席するため、地元・鳥取県の航空自衛隊美保基地から北海道の千歳基地まで空自の輸送機を利用したことが明らかにになった。防衛庁側は経費として燃料費など約47万円がかかったことを説明。

2004年2月21日

■第2回6カ国協議で北朝鮮首席代表を務める(キム・ゲグァン)外務次官が2月7日−10日に訪中した際に現在の核凍結提案に続き、核凍結を確認するための査察受け入れを提案することを示唆、ウラン濃縮による核開発も協議の展開によっては「疑念を解消する必要性」に理解を示していたことが分かったと、複数の協議筋が21日、明らかにした。

イラク派遣の陸上自衛隊の主力部隊約140人が21日夕、クウェートに向け政府専用機で航空自衛隊千歳基地(北海道千歳市)を出発。トップの番匠一佐は「50年、100年後の後輩たち、日本人から『よくやった』と言われるような仕事をしたい」とあいさつした。

■民主党の菅直人代表は21日、鹿児島県での講演でイラクへの自衛隊派遣に関して既成事実の積み重ねが太平洋戦争につながったと指摘した上で「現状追認がよいことなのか、歴史をきちんと思い起こす必要がある」と述べ、政府の姿勢を強く批判した。

■イラク復興を統括する連合国暫定当局(CPA)のブレマー文民行政官は、21日放映のテレビ番組で「イラクでの選挙実施までには、一年から15ヶ月が必要」と述べ、主権移譲の6月までの実施は困難との見方を示した。

■イラク駐留米軍などによると、首都バグダッド南西約30キロのハスワで21日、銃で武装した集団が米軍兵士らの乗った一般車両3台を襲撃し、イラク人の通訳1人が死亡、米兵1人が負傷。

2004年2月22日

イラク派遣の陸上自衛隊の主力部隊約140人が22日朝、クウェート市国際空港に隣接するムバラク空軍基地に政府専用機で到着した。部隊は数日間、クウェートの米陸軍キャンプで訓練した後、陸路でサマワ入り、先遣隊などと合流する。

■22日、イスラエル・エルサレムで市内を走るバス車内で自爆テロがあり、少なくとも8人が死亡、約60人が負傷。

■アフガニスタン南部で22日、米国の建設会社の作業員らが乗った民間ヘリコプターが地上からの攻撃で撃墜され少なくともオーストラリア人か英国人の操縦士1人が死亡し、米女性1人が重体。タリバン政権報道官を名乗る男が犯行声明。

■川口外相は22日、来日中のアナン国連事務総長と都内の外務省飯倉公館で会談。アナン氏は北朝鮮について「食料などの人道問題を懸念している。特に3月以降を心配している」と指摘。北朝鮮の経済問題を話し合うため、モーリス・ストロング国連事務総長特使を団長とする代表団を、3月後半に北朝鮮へ派遣することを明らかにした。

■自民党の中川秀直国対委員長は22日、栃木県塩原町で講演し、イラクに派遣されている次栄太員に犠牲者が出た場合の小泉首相の対応について「すぐにイラクに飛ぶべきだ。万一棄権が予想されたら活動を停止してでも隊員の安全を確保したほうがいい」と述べた。

■中国の李肇星外相は22日、訪中した逢沢一郎外務副大臣との会談で小泉純一郎首相の靖国神社参拝について「アジア各国から理解される可能性はない」と強く批判した。逢沢副大臣が「平和を祈るという総理の素朴な心情を理解してほしい」と述べたことに対しての答。李外相はまた「日本の現職指導者がA級戦犯が祭られている神社を参拝することは認められない」「世界における日本のイメージに関わる問題だ」とも指摘した。

2004年2月23日

■ラムズフェルド米国防長官が23日、米軍機でイラクの首都バグダッドを訪問。

■イラク北部のキルクークの警察署で自爆テロがあり、少なくともイラク人警察官13人が死亡、約50人が死亡。この日はラムズフェルド米国防長官が事前の発表なしにイラクを訪問、そのタイミングを計ったとの見方も出ている。

■フィリピン国軍と米軍は23日、米比定期軍事演習「バリカタン04」を3月7日までの予定で開始した。

■オランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)は23日、イスラエルがヨルダン川西岸パレスチナ自治区に建設中の分離フェンスの合法性を問う審理を始めた。決定に法的な拘束力はないが、今後の和平交渉に影響を与える可能性がある。

■アリスティド大統領の辞任を求める反政府勢力の暴動で内戦状態のハイチに23日、米政府は海兵隊50人を送り首都ポルトープランスの米国大使館に配置することを米政府当局者が明らかにした。

■25日から北京で開かれる朝鮮民主主義人民共和国の核問題をめぐる第2回6カ国協議を前に、日米韓の首席代表らが23日、ソウル市内の外交通商省で意見調整を行った。参加国は連携と協力を強めて6カ国協議に臨む方針をあらためて確認し、すべての核開発計画の廃棄を求めるとの原則で一致。

■23日、イラクへの自衛隊派遣は憲法に違反するとして、愛知県内の非政府組織(NGO)の役員や弁護士らの呼びかけに応じた全国の市民1262人が、国を相手に差し止めや原告一人あたり1万円の慰謝料などを求める訴訟を名古屋地裁に起こした。

■小泉純一郎首相は23日夜、来日中の国連事務総長と首相官邸で会談。アナン氏はイラクへの主権移譲に伴う直接選挙について「今年の終わりか来年早々に行う用意がある」と述べ、年内にも実施可能との認識を明らかにするとともに、早期に選挙準備にはいる考えを示した。

■米農務省は23日、テキサス州で高病原性インフルエンザに感染した鳥を発見したことを明らかにした。

2004年2月24日

■政府は24日、有事関連7法案の要綱を決定。日本が武力攻撃を受けた場合、自衛隊と共に反撃にあたる米軍に対する支援策が伝い敵に明記された。「米国追従」と指摘される小泉外交のカラーが強く反映された。

■自民、公明、民主の3党は24日、テロや大規模災害など緊急事態全般に対応する「緊急事態基本法」のsうぇいていに向けた協議機関を設置することで合意。

■米農務省は24日、カリフォルニア州の食肉会社が在日米軍基地向けなどに出荷した冷凍牛肉が病原性大腸菌に汚染されているとして、同社が約4万トンの回収に乗り出したことを明らかにした。

■アリスティド大統領の退陣を求める暴動が激化しているハイチの反政府勢力は24日、国際外交団が示していた調停案を拒絶すると表明。

■小泉首相は24日、都内のホテルで奥田碵日本経団連会長、イトーヨーカ堂の鈴木敏文会長ら財界人約10人と会談。財界人側からイラク復興に絡み「現行の自衛隊法では日本企業が人材を派遣しても自衛隊が守ってくれない」「欧米政府に比べて日本政府のイラク情勢に対するリスク調査力が不足している」などとして、日本企業の進出の困難さを指摘する声が相次いだ。

2004年2月25日

■バグダッド西方の地域で25日、米軍ヘリコプターが墜落、乗員2人が死亡。

■イラク北部モスルで25日、現地の警察副所長が出勤途中に武装集団に銃撃され、死亡。

■川口外相は25日、来日中のブラヒミ国連事務総長特別顧問と外務省で会談。イラク復興に関し「米国が治安確保のため強硬な戦術をとりすぎている。イラク人に受け入れられるようにすべきだ」と批判。

■イラク派遣の陸上自衛隊の主力部隊約140人が25日、クウェート北部の米陸軍キャンプ・ユダーリ近くの砂漠で、実弾を使い射撃演習を行った。150−200メートル離れた鉄のゴミ箱をめがけ、隊員の小銃や装輪装甲車の重機関銃、無反動砲など約7700発を撃った。また同日、航空自衛隊も拠点にしているクウェートのアリ・アルサレム空軍基地でC130輸送機の飛行訓練を初めて公開。イラクのがバグダッド上空まで約3時間かけて往復した後、基地の滑走路上空数百メートルから約5メートルまで7−9度の急角度で一気に降下する「ローアプローチ」という訓練と着陸を披露。

■アフガニスタンの首都カブール北東のカピサ州で25日、非政府組織(NGO)の車両が真つぶせ攻撃を受け、アフガン人スタッフ5人が死亡し、1人が行方不明、2人が負傷。このNGOは、アフガン人の自主的な国土復興を支援する目的で、世界銀行などが設立下基金などで活動している。

■北朝鮮の核開発問題をめぐる6カ国協議開幕。初日の25日の全体会合で、北朝鮮首席代表の金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官が、すべての核開発計画の「完全で後戻りできない、検証可能な放棄」をいう日米韓3カ国の要求に対し、「受け入れる用意がある」と発言。

■北朝鮮の核開発問題をめぐる6カ国協議に出席している日本代表団は25日、北京の釣魚台迎賓館で、北朝鮮側と会談。日本人拉致事件などに関する2国間協議を行った。日本側は、拉致被害者5人の家族の無条件帰国などを要求したが、北朝鮮側は原則論を主張し、平行線に終わった。

■徳山ダム建設に伴い、旧徳山村民が集団移転した同県本巣市の文殊団地で地盤対策の対象外の地域でも家屋の損傷の被害が出ているもんだについて、国土交通省中部地方整備局の事業評価監視委員会の網中委員長は25日、ダム事業を進める水資源機構に説明を求める考えを明らかにした。

■インターネット接続サービス「ヤフーBB」の顧客情報460万人分を入手したとして親会社の「ソフトバンク」から現金20億円−30億円を脅し取ろうとしたとして3人が逮捕される。

2004年2月26日

■北朝鮮の核開発問題をめぐる第2回6カ国協議の第2回全体会合が26日北京で開催。北朝鮮が「核兵器計画の凍結」を提案し、参加各国は核廃棄に向けた「第1段階」として歓迎の意向を表明した。北朝鮮が核計画の最終的な放棄に着手する見返りとして韓国がエネルギー支援を提案したことについて他の5カ国は合意もしくは支持を表明。

■防衛庁の守屋武昌事務次官は26日の記者会見で、防衛庁の報道担当者として新たに審議官級の「報道官」をおくと発表。

■ヨルダン川西岸のパレスチナ人の村、ビドで26日、イスラエルの分離フェンス建設に反対するデモ隊とイスラエル軍が衝突、イスラエル紙イディオト・アハロノトによると、パレスチナ人3人が死亡した。

■イラク警察当局者によると、首都バグダッド北方の町バクバで26日、爆弾が爆発、イラク人の警官1人が死亡、警察官5人と市民2人の計7人が負傷。

■イラク国民の多数派を占めるイスラム教シーア派の最高位聖職者シスタニ師は26日、文書による声明を出し、今年末までに直接選挙を行うよう求めた。同師は、今年6月末までを期限としたイラク側への主権移譲に関連し、間接選挙を元に暫定政権と作るという米国の計画に反対している。

■瓦力元防衛庁長官ら自民党の国防関係議員が防衛庁の省昇格を目指す議員連盟「防衛庁を『省』にする会」を発足させた。

2004年2月27日

■地下鉄サリンなど13事件に関与したとして、殺人罪などに問われたオウム真理教元代表麻原彰晃被告の判決で東京地裁は27日、求刑通り死刑を言い渡した。

■北京で開かれている朝鮮民主主義人民共和国の核問題をめぐる6カ国協議は28日、次回協議を6月末までに北京で開催する。準備のための作業部会を設置する−ことなどで合意、議長国・中国が文書化した「議長総括」を発表して閉幕。

2004年2月28日

■イスラエル軍が28日、ガザ市内でヘリコプターからミサイルを発射。イスラム聖戦の戦闘員3人が死亡、通りかかった子供ら15人が負傷。

■バグダッド北西部で28日、道路脇に仕掛けられた爆発物が爆発しパトロール中のエストニア軍兵士1人が死亡。

2004年2月29日

■反政府暴動が激化していたハイチのアリスティド大統領が29日、辞任し、出国した。


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