「イスラエルの核保有問題」インターネット情報の現況

イスラエル核疑惑国って何?


 以下、1998.6.1のわがmailと関連mailの一部を再録・転載する。

 臍曲り「字字」の木村愛二です。

 地元の土地疑惑『武蔵野市民オンブズマン』作成が重なって、予告した核問題HP入力がまだ一部なので、焦っていたところ、本日、amlで島川さんの長いmailにイスラエルの核保有問題が出ていたので、ひと安心。

 以下の( )内は、上記の「島川さんの長いmail」の中の「イスラエルの核保有問題」転載(句読点、改行など一部、読みやすくするために当方が改変)

([前略]エルサレムからは:

「インドに対抗してパキスタンが28日、イスラム諸国初の核実験実施に踏み切ったことで、残る潜在的核保有国とされるイスラエルの対応に国際社会の関心が集まっている。イスラエルは南アジアの核実験競争を受けてイラン、イラクなど中東のイスラム諸国で核開発機運が加速する事態を懸念しているが、当地の軍事専門家の間では『イスラエルは実験には追随せず、核保有を肯定も否定もしない従来の核政策を堅持する』との見方が有力だ。」

 と始まり、NPTの無期限延長決定前後にイスラエルは核弾頭を 200発保有と報じられたことがあり、イスラエル政府はこれまで「核保有を肯定も否定もせず」という政策をとっていて(どっかで聞いたことがあるなあ、日本に持ち込まれる核兵器を否定も肯定もしないというのはアメリカのロジックではないか。)、

 イギリスの軍事情報専門誌ジェーンズ・インテリジェンス・レビューは昨年の夏に「イスラエルが保有している核弾頭は 400発以上」と書き、

 イスラエルのエルサレム・ポストさえも今年の3月に「実戦配備可能な核弾頭は 100発」と報じていることを引用。

 イスラエルとしては軍事的にも意味のない実験を強行する愚は犯さず、これまでと同じように核戦力を実戦規模で配備したままで相手側を威嚇し続けることになるというわけです。

 当然ながらアラブ諸国にとってイスラエルは核武装国であるわけで、中東の核拡散はイスラエルを軸に動いています。今は断念したとされるエジプト、現在も続行中と見られるイラク、イラン、最近参入の気配のあるシリアなどは全てイスラエルとアメリカを睨んでいます。

 パキスタンの実験は1面的にはインドとの対抗ということになりますが、インドがパキスタンと中国の2正面をにらんだものだったように、パキスタンもインドと中東のイスラエルなどを睨んだものであることは確かで、その背景にはイスラム諸国の核武装にあるわけです。

 中東の核拡散を防ぐ唯一の手段があるとしたら、NPT体制などといったおためごかしの「コップの中の議論」などでは無意味で、CTBTも効力はなく(何しろ加盟していないんだから)ゴラン高原とガザ地区とヨルダン川西岸地区からのイスラエル軍の全面撤退と湾岸からの英米など多国籍軍の撤収以外にないでしょう。そして未来永劫中東に軍事介入しないとでも宣言しなさい>アメリカ

 それと対になるのは、当然ながら核兵器に転用可能な全ての原子力技術の移転阻止と、原子力技術開発の凍結、停止です。イスラエル=アメリカ・ドイツ、イラク=フランス・ソ連、パキスタン=中国・フランス・オランダ・アメリカ・イギリス・ドイツ、インド=アメリカ・カナダ・ソ連という技術移転が無ければ核武装は出来なかったわけですから。

 しかもほとんどの場合「平和的な原子力利用」の名目で合法的に援助、輸出されているのです。(この項についてはあとでじっくり検証してみます)

 核保有国の責任というのは、毎日の報道にも現れていて、インド、パキスタンはコンピューター・シミュレーションによる模擬実験や未臨界実験をめざしているが、アメリカとロシアは核兵器を高度化するために密室で出来る模擬実験に移行していて、インド、パキスタンがその段階に至れば「これでインド、パキスタンが包括的核実験禁止条約(CTBT)に署名、CTBTが発効しても核の拡散は抑えようがない。

 中国がパキスタンに、ロシアがインドに、そして米国がイスラエルに情報を提供したら世界は一体どうなるのか」(西側軍縮筋の話)という懸念が広がっているとのこと。ちなみに中国が96年に「CTBTが発効するまでの間も核実験を中止する」と宣言した裏には、ロシアからのコンピューター情報提供の密約があったとされるそうです。またこの分野で圧倒的優位に立つ米国は、ネバダ実験場を共有していた英国に情報を提供しているともいわれるそうです。

 現実問題としてCTBTで未臨界実験が抜け道になった段階で条約の実効性は大きく損なわれてしまったわけで、今年後3回、アメリカは予定通り未臨界実験をするんだろうかというあたり注目に値します。常識的にはもはや絶対出来ないはずです。

 ま。CTBTさえあれば核拡散は阻止できるなどとは誰も信じていませんが。)

 以上で転載終り。

 昨日、図書館で5紙を見比べ、明日にはHPに入力[本HPでは前の頁]するが、典型的な事態は「エセ紳士」こと朝日の実に短い扱い方。「右」の読売、「財界紙」の日経の方が詳しくて、「イスラエルへのダブル・スタンダード」問題を指摘している。

以下、次頁へ続く。若干の加筆あり。


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