奇怪な墜落美談?「民家避け」を狭山署は否定
1999.11.22「入間基地所属のT33ジェット練習機墜落炎上、乗員2名が死亡」
1999.11.24.mail再録。
東海村臨界事故の奇怪な「中性子は屋内で数分の一」(『朝日新聞』1999.11.4.夕刊ほか)報道などの追及も終わらぬ内に、またまた、アメリカ製の日本軍ジェット戦闘機の墜落、送電線切断、80万世帯ほかの甚大な被害を生んだ1999.11.22.月曜日の恐怖の事故に関して、驚くべき「殉職美談デッチ上げ」報道の製造経過を暴かなくては、ああ、ならなくなってしまったのです。ああ、また敵が増える。しかも、今度は軍隊そのものまで含むとなれば、ああ、命がいくつあっても足らなくなりそうです。
で、一番ホットなWeb雑誌『憎まれ愚痴』電話取材結果は、現地の狭山警察署、自ら積極的に名乗った斉藤副署長による大手新聞報道否定の言明であります。
『毎日新聞』(1999.11.23)14版の1面トップ記事には、「入間基地所属のT33ジェット練習機が墜落、炎上し、同機に乗っていた乗員2名が死亡した」事件に関して、「狭山署の調べでは、………。同署は、同基地との交信などから、同機が住宅街を避けようと飛行し、墜落したとみている」とあります。
この部分を論理的に読めば、狭山署が、「同機が住宅街を避けようと飛行し」ていたことを立証するに足る「交信」記録を所持していることになりますが、斉藤副署長は、そのような記録の保持はもとより、そのような「広報は行っていない」と言明しました。
さらに私が、各紙の記事や写真から推察して、「送電線に引っ掛かって炎上し、バラバラになって墜落していなければ、河川敷を飛び越えて、50メートルほど先の住宅街に突っ込んだのではないか」と聞いたところ、直ちに、わが推測に同意しただけでなく、さらには、事故を目撃した地元の住民が、「低いところを飛んでいるので住宅街に突っ込む危険があると思った」との主旨の証言までしているというのです。
私は、狭山署に電話をする以前に、質問の材料を集めていました。読売新聞社と防衛庁に電話をして、『読売新聞』(1999.11.23)記事「民家避け脱出遅れる?」の根拠となっている以下の部分の取材経路を質しました。
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事故機が住宅街を避けるように河川敷に向かったことに防衛庁や目撃した住民たちは「被害の拡大を回避するため、ぎりぎりまで操縦したのでは」と話している。
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なお、『朝日新聞』(1999.11.23)記事にも「住宅避け脱出遅れる?」と言う同主旨の小見出し部分があり、そこは、つぎのようになっています。
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防衛庁側は「2人は機体の向きを密集地から離すため逃げ遅れたのではないか」と話している。
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読売新聞社の交換台は、事情を話すと、「読者室」につなぎました。そこでまた事情を話すと、社会部のデスクに回してくれました。そこでまた話すと、「担当者から電話させます」というので、電話番号を伝えたところ、何分も待たずに電話があり、案の定、「取材源は明かせない」と言いました。私は、「内部告発者などを守るために取材源を明かさないのは認めるが、一番肝心の事故発生責任を負う防衛庁の発表は別じゃないか」と説得したのですが、案の定、駄目でした。
防衛庁の広報の方は、意外に正直で、「あの部分は、記者会見の終わりに、防衛部長が感想を聞かれて、名前は出さない約束で個人的に語ったもの」と認めました。主旨としては、「公式の言明ではなくて」、同じ航空機乗りとして、「そうあってほしい」という気持ちを込めたものだったというのです。さらには、交信記録などに、その様な解釈の根拠となる部分はないことも認めました。
これらの電話取材後に、これまでの経験では一番ガードが固い朝日新聞社に電話をしました。時刻は21時過ぎで、広報の勤務時間は終了しています。そう言って断ろうとする交換台の女性に、事情を話して粘ると、やっと、社会部デスクにつないでくれました。結果は、読売新聞社の社会部と同じ答えでした。
他にも、『東京新聞』(1999.11.23)が、やはり、1面トップ記事で、「民家避け脱出遅れる?」の小見出しで、つぎのように報じています。
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空自は操縦不能になった場合、操縦士に「すぐ脱出しろ」と指導する一方、「民家などは避けるように」都も伝えており、過去の事故でも脱出が遅れて死亡したとみられる例があるという。
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同日付けの『産経新聞』と『日本経済新聞』には、上記の主旨の記述は発見できません。テレヴィ放送に関しては、また聞き情報のみで、チャンネルも特定できませんが、「ながら視聴者」から、上記の主旨の解説を「何度も繰り返していたけど、何で、そんなことを強調するのか、不自然に感じた」との感想が寄せられています。
関連情報があれば、お知らせ下さい。
取り急ぎ以上。
3. NHKも埼玉県警否定の奇怪な美談デッチ上げへ
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