第2巻 「火砲」の戦国史
ヨーロッパ列強の資料に基づく著作は、根本的に再検討されなければならない。
ハリウッド映画では、もっぱら裸で槍一本しか持たない野蛮人として描かれ続けてきたアフリカ人が、実は大量の火砲を操って、ヨーロッパ人の侵略と戦っていた。アフリカ人自身が築いた大帝国がいくつもあった。
歴史学の通説批判を楽しみ、知的好奇心をそそる歴史読本。
誤解と曲解に満ちている近代ヨーロッパ系学者のエジプト古記録の解釈。その問題点をえぐり、古代エジプト文明の謎を解く。
(第1巻は、1975年に鷹書房より『古代アフリカ・エジプト史への疑惑』のタイトルで刊行され、全国学校図書館協議会選定図書として好評を得た。)
第2巻 「火砲」の戦国史 目次紹介
アフリカ諸王国、諸帝国は、ヨーロッパ諸国の侵略に対して、果敢な抵抗闘争を続けた。結果として負けたから、その真相は隠ぺいされたが、それは産業革命の一世紀野後まで、収束することはなかった。
序章 既成概念を覆すアフリカ諸帝国の興亡史 13
●なぜ「火砲」を強調するのか 15
●キリシタン禁令が日本を救った 16
●秀吉のキリシタン禁令と人身売買 16
●中南米におけるカトリック司祭、ラス・カサスの告発 20
●アフリカ人は火砲がなくても果敢に戦った 21
●『二つの黒人帝国』ではエチオピアよりもサモリの帝国を優先 22
●エンゲルスの誤解 23
第一章 アフリカ諸国を破壊し尽くしたコマンド戦略 27
1 偽りの第一頁 29
●先住権争い 30
●最初の衝突から友好政策へ 33
●黒色のアフリカ人 36
●自由移民と奴隷制 37
2 剣と戦争の権利 38
●和平交渉 38
●五年間のケープ戦争 40
●天然痘の流行? 41
●宣教師の役割 43
●雌伏の三世紀 44
3 特攻ゲリラ隊 45
●狩猟民族の領有権 45
●コマンドの定義 46
●夜明けの襲撃 48
●幼児狩り 49
●雄々しき玉砕 50
●歴史からの抹殺 53
第二章 さかさまの近代史 57
●視点をどこに置くか 59
1 ヨーロッパの近代奴隷制 61
●奴隷供給源の神話 61
●浮浪者狩り 63
●世界帝国の制度 65
2 副王コロンブス 66
●ローマ教皇が認めたスペイン、ポルトガル両国による新世界分割 66
●カリブ海の赤色人奴隷 67
●北アメリカでも 68
3 白色人奴隷狩り 70
●プランテーションの労働力 70
●プア・ホワイトの先史 71
●白い奴隷船の恐怖 72
●「鬼」の横行 73
●流刑囚の乱造 74
●奴隷狩り戦争 75
●法律上の逆転 77
●ブラック・パワーの先史 78
●ブラック・パワーとレッド・パワーの連帯 80
第三章 火砲の近代史 83
1 辺境ヨーロッパ 85
●火砲伝来 85
●長弓隊から鉄砲隊へ 86
●軍需産業の育成 88
●戦艦と海上帝国 89
●無敵艦隊 89
●機械化蛮族の時代 90
2 アフリカ諸帝国 91
●火砲史のミッシング・リンク 91
●チャドのボルヌ帝国 92
●マリのガオ帝国 94
●モロッコ軍襲来 95
●果たして外人部隊か? 97
●ポルトガル王国の大敗北 98
●逆転はならず 99
第四章 「鬼畜アフリカ」宣伝戦 101
1 ゴードン常勝将軍の敗北 103
●一三年目の報復 103
●スーダンの火砲 104
2 死の商人たち 106
●ヨーロッパ製火砲の伝来 106
●初期の通商 106
●ヨーロッパに近すぎたアフリカ 107
●奴隷商人の安全な商売 108
●コンゴ王の抗議 109
●戦争のやり方 111
●小銃一挺に奴隷一人 112
●貿易ルートをめぐる戦争 114
3 アフリカ大帝国の悪名 115
●奴隷狩りの始祖は? 115
●戦争挑発者 116
●アフリカ諸王の抵抗 118
●大帝国の役割 121
●モノモタパ帝国の崩壊 121
●他人の不幸は 125
第五章 産業革命の黒い影 129
1 戦争は戦争を養う 131
●侵略の哲学 131
●近代産業と兵器 133
2 奴隷貿易自由化運動 137
●大英帝国の商売 137
●女王陛下の奴隷狩り師 138
●王立独占会社 141
●我らに奴隷貿易の自由を! 142
●莫大な利益 144
●アシエント(奴隷供給権)争奪戦 145
●イギリス貴族の正体 146
●いわゆる本源的蓄積の秘訣 147
3 最後の独立大陸アフリカ 148
●シュヴァイツァー神話 148
●暗闇延長作戦 149
●一九世紀末という時期 152
●アシャンティ連合王国の一〇〇年戦争 154
●華やかな戦士の装束 156
●イギリス流の外交戦略 157
第六章 南アフリカ一〇〇年戦争 159
1 コサ王国の決戦 161
●オランダは先進国 161
●小競りあい 163
●ゲリラ戦の拡大 164
●マカンダの逆襲 164
●「コイ」と「バンツー」の共同戦線 165
●一〇〇年戦史のために 166
2 ボーアの不純な動機 166
●北方への移動 166
●奴隷制の存亡を賭けて 168
3 ズールー帝国の最後 168
●先発隊の斬り込み 168
●ズールー戦争 171
●名君の誉れ 172
●大英帝国の戦い 173
第七章 アフリカ縦断・横断・斜断の分割競争史 177
1 ベルリン会議体制 179
●ビスマルク外交 179
●ドイツの潜行作戦 181
●獅子の分け前 183
●保護とは何か? 184
2 フランスのアフリカ横断戦略 186
●エリート将校の「戦争商売」 187
●自分の王国をつくる構想 190
3 サモリ皇帝の大移動(焦土)戦略 191
●アフリカ解放の輝ける星 192
●束の間の繁栄 196
●近代的な軍隊 198
●都市を捨てる 199
●未曾有の領土移動作戦 200
●乾いたギロチン 201
●神話の作者たち 202
引用・参考文献リスト 205
あとがき 220
2019.1.11 第2巻の目次を分離新設しました。
➡ 第1巻 古代文明の母 案内 へ戻る