送信日時 :2001年 10月 4日 木曜日 8:32 AM
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『亜空間通信』28号(2001/10/04)
【アフガンにガン[眼、銃]つけカスピ海石油争奪戦の経済誌記事目録紹介】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
さる9月27日深夜、アフガン侵攻の狙いに石油利権を疑う質問の電子手紙が転送されてきていたので、質問者に直接、以下の情報提供をした。
以下、再録
本日、四ッ谷の主婦会館での緊急講演集会で、旧知の中東史の専門家、東大名誉教授の板垣雄三さんが、今回のアメリカの動きには「中央アジアの制圧」の狙いを見ると語られましたが、私は早くから具体的にカスピ海周辺の石油資源が争奪の的であり、 それを運び出すパイプラインの経路の制圧と見るべきだと主張してきました。
わが電網宝庫に以下の2年半前の記事が入っています。
ron-29-jin.html
(2017.11.17追記:『ユーゴの次はロシア分解で狙うカスピ海底油田』)
yugo-11.html
(2017.11.17追記:『(11)「米ロ覇権争い」カスピ海石油の報道状況』)
yugo-12.html
(2017.11.17追記:『(12) カスピ海石油争奪戦の経済誌記事』)
yugo-13.html
(2017.11.17追記:『(13) 森は愚か木も見ぬ風評報道の代表:朝日新聞』)
yugo-12.htmlには、専門誌の関係記事を網羅してありますから、ぜひ御研究下さい。
以上で自分の電子手紙の一部引用終わり。
私は湾岸戦争以来、あらゆる方面からのカスピ海石油争奪戦が展開されていると主張し続けてきたが、今回やっと反応が出始めた。あれだけの衝撃を与えられないと、ほとんどの普通の人の頭は自己回転せず、まるで気付かないのである。
なぜか、その主たる原因は、彼らが得る情報が普通紙とかテレヴィこと電気紙芝居から以外にはないからである。金儲けを業とする連中は本音の狙いを隠すのが当然なのに、しかも自分達も似たようなことを日常茶飯事としているのに、こんなことを見 抜けなくなるというのは、やはり、エンツェンスベルガー著『意識産業』のむべなる かな、大手メディアの恐ろしさか、馬鹿らしさか、ああ、やんぬるかなか。
以下、ここで、2年半前に発表した上記のyugo-12.htmlの全文を再録する。
ユーゴ人道介入の口実「虐殺」デッチ上げ
(その12)カスピ海石油争奪戦の経済誌記事
前回も、チェチェン攻撃の背景にカスピ海の石油資源争奪戦ありと報ずる『日本経済新聞』記事を引用したが、その後、インターネットに転載されるチェチェン関連記 事を見ると、まるで石油の匂いがしない。やはり、経済紙ならではの報道例なのであろう。しかも、それさえも非常に珍しいのだから、メディア報道には受け身の一般人にとって、本音の現代史が理解し難くなるのは無理がない。
以下も、その非常に珍しい記事の一例である。
『日本経済新聞』(1999.9.25)
ロシア軍/チェチェン空爆続行
[前略]
ロシア政府軍は24日、チェチェン共和国の首都グロズヌイを空爆した。
[中略]
プチン首相は同日「国際テロ組織がロシアの領土と豊富な天然資源奪取を目的に我々への戦争を仕掛けた」と表明。
[中略]
チェチェンにはカスピ海沿岸の油田地帯から黒海沿岸のノボシビルスクに抜ける石油の基幹パイプラインが通っている。
つぎの記事には「石油」が出てこないが、「国際的なイスラム原理主義組織」の関係だけを、紹介しておく。この問題の理解と本誌編集部の見解に関しては、次回に述べる。
『日本経済新聞』(1999.9.28)
悩めるロシア/イスラム原理主義勢力台頭
[前略]
ロシア内務省のズボフ次官によると、国際的なイスラム原理主義組織が9月 にパキスタンで会合を開き、チェチェンの武装勢力によるダゲスタン侵攻を支援する 決定を下した。
[後略]
以下は、前回予告したカスピ海の石油に関する「経済誌記事」リストである。
カスピ海石油争奪戦の経済誌記事
1995.8.『DECIDE』:21世紀の石油動脈めぐって激化する「米ロ覇権争い」/カスピ 海の石油運搬ルートをめぐる
1995.8.5.『週刊ダイヤモンド』:ANKARA/カスピ海油田パイプラインはトルコ経由か/アゼルバイジャン共和国が進めるカスピ海バクー沖の油田開発
1996.9.『選択』:注目されるカスピ海周辺石油
1997.5.21.『ニューズウィーク日本版』:石油開発/カスピ海の大油田争奪戦/政府の強力な援護を受け、着々と地歩を築く欧米の大手石油資本/技術と資本力で劣るロシアはイランと組んで反撃に出る
1997.9.『DECIDE』:資源の宝庫/中央アジア利権企業に天下る米政府高官たちの計算/カスピ海周辺諸国には、2000億バレルの石油資源
1997.9.『選択』:「カスピ海」石油争奪ゲームの地政学/眼色変える米国と近隣諸国
1997.11.8.『週刊ダイヤモンド』:バクー/過熱するカスピ海の原油・天然ガス争奪戦
1997.11.26.『ニューズウィーク日本版』:カスピ海沖油田/ますます燃え上がる争奪戦/ロシアとアメリカのつばぜり合いに中国が乗り込んできた/原油輸送ルートをめぐる争奪戦
1998.1.『DECIDE』:埋蔵量300億トン。カスピ海石油をめぐって始まった「第2の大国ゲーム」の勝者
1998.1.1.臨時増刊号『中央公論』:原油争奪戦でにぎやかなカスピ海/大国の思惑や新興国の期待、経済的・政治的戦略が絡まって
1998.2.『ビジネス・インテリジェンス』:「米・イラン」関係に変化!?/エネルギーの宝庫「カスピ海」をめぐるパワーゲーム
1998.2.25.『SAPIO』:「中央アジア狂騒」/米国、ロシア、中国、イランほかが虎視眈々/「カスピ海」は大国が衝突する石油利権紛争の発火点だ
1998.4.6.『ニューズウィーク日本版』別冊/カスピ海油田/アメリカ対ロシアの争奪戦に中国も名乗りを上げた
1998.5.19.『財界』:激化する沿カスピ海のエネルギー資源争奪戦(上)
1998.6.2.『財界』:激化する沿カスピ海のエネルギー資源争奪戦(下)輸送路獲得めぐり塗り替えられる国際関係地図
1998.6.17.『ニューズウィーク日本版』:カスピ海/油田開発派お先真っ暗?/世界3位の埋蔵量の産油地帯が石油ブームに沸く日は遠い
1998.8.7.『フォーブズ』:石油大手の油田開発で窮地に立たされたOPEC/下降続く原油価格に勢いをそがれた加盟国/カスピ海とイラクの原油が今後の焦点に
1998.7.『フォーサイト』:激化するカスピ海資源争奪戦/膨大な石油や天然ガスを埋蔵するカスピ海周辺。その資源をめぐって各国が凌ぎを削る。その内幕とは
1998.9.『DECIDE』:米国vs.イスラム過激派“死闘”の陰に「カスピ海原油」の存在/米国がアフガニスタンに、ケニア・タンザニア米大使館同時爆破事件の報復爆撃
1998.9.『世界』:ロシアとカザフスタン/カスピ海海底資源の分割協定へ
1998.10.26.『AERA』:カスピ海石油/ユーラシアで再現されるグレート・ゲーム/日本に求められる一層の地域交流/パイプライン施設
1998.11.『ビジネス・インテリジェンス』:カスピ海湖底分割利権に蠢く大国/カスピ海の地下資源をめぐる各国の対立
1998.7.『フォーサイト』:ルーマニアとブルガリア、パイプライン争奪戦に参入/カスピ海原油の輸送ルートをめぐる問題
1998.11.4.『ニューズウィーク日本版』:油田/カスピ海の宝探しが熱い/カザフスタンの石油資源をめぐる争いで、アメリカはロシアとイランの先を越そうと必死/カシャガン油田、米国のパイプライン計画
1999.1.6.『ニューズウィーク日本版』:中東/カスピ海油田/ねじ曲がるパイプライン/原油価格の低迷と利害対立で立ち往生
1999.2.『論座』:カスピ海資源とOPECの教訓/カスピ海周辺諸国の豊富な石油・天然ガスによる経済ブーム、OPEC加盟諸国の興亡
1999.5.『フォーサイト』:カスピ海に漂い始めた「暗雲」/社会、経済不安の拡大に加え、トルコ、ユーゴ情勢の余波も……/カスピ海沿岸、油田開発、中央アジア地域をめぐる情勢
1999.7.『財界展望』:熾烈/カスピ海沿岸の海底油田をめぐり大手商社が権益ほしさに駆け引き展開