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『亜空間通信』469号(2002/12/29)
【壮大なる「アフガン民衆法廷」企画にもの申す熟年「憎まれ愚痴」の堪えきれず】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
ああ、ああ、またしても、敵が増えるのかな、それとも、「動物園のゴリラの飼育係り」に見習う熟年の大人の「威嚇」戦法が功を奏し、すぐに「切れて」無謀にも刃向かってくる「全共闘」世代風の小児病患者の敵が、少しは減ってくれるのかな。
ああ、ああ、ついにたまりかねて、ついに、堪えきれずに、あ、あれ、何か、あの、いかにもどん臭い「一本杉の」とか何とかの歌の台詞のようになってきたが、私は、よくある「メディア製著名人崇拝者」の多い某「ミーハー」型の平和運動に対して、ついに「堪えきれずに」、以下の投稿を発してしまったのである。
なお、以下は、上記の某「ミーハー」型の平和運動の電子手紙広場への投稿であるが、この投稿に対して、以下の中の「ユーゴネットの仲間」は、この問題をネットを覗きにきた「松井やより」さんに詳しく説明したのに「松井さんは無視したと言うのです」という部分に関して、即座に、「人づての話で他人を批判するのは木村さん自身の人間としての品格・信用にかかわりますよ」という返信が戻ってきた。発信者は、これまでの経過から、「松井やより」の熱心な崇拝者だと分かっている。
私は、気の毒だが、これに対して、あえて、以下のように返信した。
[以下、引用]
私自身が長期間、真剣にかかわったユーゴネット」の熟年の何人もの「仲間」たちが、メディア関係者である私に何度も訴えたことを「人づて」というのなら、すべての情報は信用できなくなりますよ。
皆さんも、どこかの集会で、「著名人」の話を聞いては、それを「報告」していますが、それも「人づて」情報でしょう。私は、むしろ、それらの「著名人」の危険性を、身を挺して指摘し続けているのです。
もっともよく知られた危険な「著名人」の代表は、スターリンでした。かつては、「スターリンかく語りき」で、すべての「民主的」な運動が、時には日本国内での武装闘争にまで駆り立てられたのです。そういう時期に某組織の指令で「殺人」まで犯してしまった先輩の死を、私は、末期の病床で看取りました。
これは、単なる「批判」ではなくて、「著名人」崇拝の危険に関する重要な「警告」なのです。
他の人が、気付きながらも、遠慮して言わないことを、若気の至りで何度も奈落の底を見てきた私は、あえて身を挺して、言うことにしているのです。
私の資本論勉強会の導き手は、もう30年も前に亡くなりましたが、ある時、ふと、「こういうことは、長年積み上げてきたことを、すべて失った経験がないと、分からないもんだよ」と呟きました。
「良薬は口に苦し」「諫言は耳に痛し」
[引用終わり]
以下の引用は、若干訂正、いわゆる「公人」扱いの著名人を除き、記述の意味の理解に不必要な個人と組織名は、頭文字の仮名とする。
[以下、引用]
武蔵野市の「憎まれ愚痴」屋の木村愛二です。
私は、「民衆法廷の件」の投稿者のSさんとは、湾岸平和訴訟以来の仲ですが、Sさんの「アフガン民衆法廷」との連携に関しての「受け皿となる団体がしっかりしないとダメ」というご意見は、まさにその通りだと思います。
そこで、いささか、熟年の年齢相応、早い内に率直に言って置いた方が、後々のためだと思い、憎まれ役を買って出て、私自身の数多くの失敗経験をも踏まえながら、いくつかの忠告を述べて置きます。
平和訴訟の運動は、私の経験に基づく考え方では、いわば平均的な最近の日本の市民運動の典型の一つでして、かなりの複雑な問題を抱えてきたのです。組織的にも個人的にも、不十分なところだらけでした。「アフガン民衆法廷」も、似たようなものです。
私は、この「I」団が合宿に呼んだゴラン高原訴訟の事務局役のYさんとは、湾岸平和訴訟はもとより、それよりも昔の30年前の争議時代からの仲ですが、彼は、私とは対照的に、苦労人の温厚な人柄なので、本当の裏舞台の実情までは語らなかったでしょう。
Sさんは、湾岸平和訴訟の事務局や訴訟準備には参加していませんでしたが、それでも、湾岸平和訴訟からカンプチア訴訟グループが割れて出た当時の激烈な揉め事の一部は、ご存じのはずです。たとえ一講師としてでも、これから「アフガン民衆法廷」にかかわるのなら、泥にまみれる覚悟を決めて置くことです。あえて言うなれば、いわゆる「知識人」が、無辜の庶民を集めて「思想教育をほどこす」ことになるのですから、綺麗事では済みません。後々のことも考慮に入れないと無責任になります。
日本の市民運動も政党政派の運動も労働組合の運動も、大は旧・ソ連、小は現・北朝鮮、世界中の反体制運動と同様に、およそ反体制の運動に付き物の弱点、気持ちばかり、口ばかりで、足腰が弱く、事後も「あとは野となれ山となれ」の無責任な場合が多いのです。そのことが、今、運動参加の経験者を無気力にさせ、思想的な退廃に追い込み、一般市民の支持を失わせる主たる原因になっています。だからこそ今の今、いわゆる反体制は、あの滅茶苦茶な体制側の暴虐に蹂躙されているのです。
私は、あの「アフガン民衆法廷」の初日の12月15日の日曜日にも、実行委員会にかかわった旧知のユーゴネットの仲間の数人が熱心に誘うので、一応、覗きに行きました。賛同人にも2000円出して加わりました。(もっとも半分は、自称「道場破り」です)。そこで持参した新著39冊(うち1冊は旧知の前田朗さんが購入)などが売れたり、他の旧知の仲間にも沢山会えたりして、非常に有り難かったのですが、正直言って、組織や個人の程度と比べて話が大き過ぎるので、今後が心配です。
自称「地獄耳」の私は、舞台裏の実情をかなり詳しく知っています。あの「アフガン民衆法廷」運動の発火点は関西です。実行委員会の事務局の中心になっている団体、現在の名称は「M」とは、30年前の争議中から知り合っていましたし、カンプチアPKO出兵反対運動の時から各地の講演を頼まれましたが、関西が中心の運動で、関東では神奈川がほんの少し、東京の勢力は少ないのです。
「共同代表」になっている前田朗さんとは、8年ほど前、カンプチア訴訟の時に初めて会いました。当時は成り立ての新品の助教授でした。彼には、私の知る限りでは、組織運動や事務局活動の経験は、まったくありません。率直に言うと、別に悪人ではないようですが、かなりのオッチョコチョイですから、大事を任せると、他の日本の反戦運動にも悪影響を及ぼす可能性があるので、要注意です。
簡単な実例を言うと、つい先日、武蔵野市とは隣同士の杉並区の憲法集会の案内が手元にきて、アフガンとかイラクとかあり、午後に「前田朗講師」とありました。
すぐ近くなので、午前10時に行ってみると、プログラムの最初の「アフガン写真展」の写真がなくて、実行委員会が平謝り中、代理に私が、自分の本を売る携帯組み立て台の上に取り付けて宣伝するために作って持っていた911疑惑の写真を見せて、しばらく無料で弁じました。
そのアフガンの写真は、実行委員会の説明によると、前田さんが「クロネコヤマト」に託したのだそうですが、集会の最後まで、ついに「行方不明」のままでした。
午後の「講演」の中で、前田さんは、「公聴会」に関する早口の情報過多ぎみの説明の終わりに、「アフガン空爆の際、自衛隊が英米軍に4割の空中給油をした」と「報告」しましたが、これは、まったく聞いたことのない話なので翌日、徹底調査したところ、やはり、全くの間違いで、防衛庁は「空中給油機の予算請求」の段階です。
彼は、補給艦による海上での給油と間違えているのです。まさに「天と地」の違いです。私は、彼の記憶力を疑います。これでは、本式の裁判なら、反対尋問の一発で粉砕され、原告側は大恥を掻くでしょう。私が経験した労働争議なら、いたたまれず、海外にでも夜逃げするしかないでしょう。
ことほど左様、上記のように、「実行委員会にかかわった旧知のユーゴネットの仲間の数人」が、私を「熱心に誘う」状況になったのは、彼らが、Hネットの一環としての要請を受けて、「実行委員会主催の集会に参加」したものの、「どうも心配な感じ」と思ったからです。私は、彼らから直後に電話を受け、前田朗さん個人と当日配られた「T」(上記の「Mの機関紙」)について、何か知っているかと質問を受けたのです。彼らには、長い人生経験と職業経験に加えて、かなりの組織運動の経験があるので、即座に「何かおかしい」と直感して、集会の終了後に話し合い、私に聞いてきたのです。
前田朗さんは、確かに現在、デザイン学校が大学になった東京造形大学の教授、ではありますが、文部省の認可を得るための「一般教養」として憲法などを教えているだけであって、法学部の教授ではありません。もともと、どこの大学でも、教授になるのには公的な資格は必要ではないのです。
ところが、私に助言を求める外国人記者から送られてきた英文の記事では、以下のように、当該の大学自身が対外的に公式には、
tokyo zokei university
としているのに、
professor of international criminal law at the Tokyo University of Art and Design
となっており、外国人が前田さんを、国際的にも有名な「東京大学」の「国際法」の教授で、「国際法上の戦争犯罪法の専門家」と間違えそうな表現になっているのです。
誰が、そういう英語になるような広報をしたのでしょうか。
[以下、引用]
Citizens to launch tribunal against Bush on AfghanistanTOKYO, Dec. 10 Kyodo
A group of citizens in Japan said Monday they will launch a mock
tribunal to try U.S. President George W. Bush on war crime charges
over military attacks on Afghanistan last year in retaliation for
last year's Sept. 11 attacks on the United States.
The organizing committee for the ''International Criminal
Tribunal for Afghanistan'' will hold public hearings in some
locations in Japan, beginning with one in Tokyo next Sunday, before
handing down a ''ruling'' on Dec. 13 and 14 next year, the group said.
The group, co-chaired by Akira Maeda, professor of international
criminal law at the Tokyo University of Art and Design, said it will
deliver the ruling to the White House.
It said it has visited Afghanistan three times to look into war
damage there.
Former U.S. Attorney General Ramsey Clark, who organized a
similar tribunal in New York in 1992 against then U.S. President
George Bush over the 1991 Persian Gulf War, is a special adviser to
the upcoming tribunal, they said.
[引用終わり]
運動の参加者を増やすために誰かを講師に招いて話を聞くだけなら簡単なことで、それほど害は流さないとも言えますが、いやしくも今の今、国際的に知られるような広報を流しながら、「アメリカを裁く民衆法廷」などと名乗るのなら、「あの反動的な」裁判所に笑われないような運動にしなければ、自己満足どころか、逆効果、疲れ果てて、有害無益、笑いもの、今までの様々な運動の成果を無駄にしかねません。
「受け皿となる団体」は、別途、実行委員会、事務局会議を積み重ねて、平和に関する理論も含めた議論、調査、証拠資料の収集、分析、資金計画などを綿密にしないと、「アメリカを裁く」のが、口だけで終わり、折角始めた運動の組織が混乱したりする心配さえあります。
湾岸平和訴訟では、最初、ラムゼイ・クラークを呼んで大集会をやりましたが、やはり、その時も場当たりの取り組みで、その時のヴィデオの版権問題で内紛が起き、カンプチア訴訟に取り組む時には、分裂騒ぎ、日本テレビ出身の私は、元「映像関係者」として参考意見を求められ、ついつい、間に立って苦労しました。その後も問題は多かったのです。
それでも、運動の最初の中心は、ヴェトナム反戦運動以来の長い経験を持ち、自前の事務所も持つP企画だったり、その後は、書記局や会議室を持つM労組だったりしたので、どたばたしながらも、ともかく運動が続いたのでした。
もう一つの「アフガン民衆法廷」の重大な問題は、上記のように、「実行委員会にかかわった旧知のユーゴネットの仲間の数人」が、一番強く問題にしている「ユーゴ戦犯法廷」の評価のことです。
この法廷が、アメリカ主導であることは、ユーゴ問題の関係者の間では常識中の常識ですが、前田朗さんは、この法廷の規則を熱心に推奨しています。
ユーゴ戦争に関して私は、前田朗さんがかかわる以前に、以下の詳しい電網報道をしました。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/yugo.html
緊急:ユーゴ問題『憎まれ愚痴』記事一括リンク
(2002.12.29.現在のヒット数は5,310)
目次の一部:
基本的提言:熟年・非武装・無抵抗・平和部隊
10号:「戦争報道」の政治的位置付け温故知新
16号:「モニカ戦争」コソボ空爆の歴史背景疑惑
17号:好戦報道を疑うための「3題話」
18号:セルビアはファッショか否か論争に一言
20号:アムネスティ報告に曲訳?!
20号:誤爆報道で消えた「民族浄化」?
21号:BBC-NHKユーゴ特集が立証する民族浄化の嘘
22号:検証(1):ユ-ゴ「民族浄化」の定義と真相(1)
22号:コソボ難民支援で税金2億円の行方?
22号:ユーゴ「戦争」の用語表現を巡る雑談
23号:一方的報道(『ボスニア戦記』)による悪魔化
23号:旧ユーゴ国際戦争犯罪法廷の規則(英文)
23号:国際戦争犯罪法廷に起訴されるべきはNATOだ!
23号:前例・ニュルンベルグ裁判所
問題の「旧ユーゴ国際戦争犯罪法廷の規則」は、以下に入っています。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/ron-23-sta.html
23号:旧ユーゴ国際戦争犯罪法廷の規則(英文)
STATUTE OF THE INTERNATIONAL TRIBUNAL
私は、この問題では、ニューヨークのラムゼイ・クラーク代表「国際行動センター」主催の「NOTOを裁く独立戦争犯罪法廷」(実質は規模の大きな寄せ集めの市民集会)にも参加しました。
「国際行動センター」は、「旧ユーゴ国際戦争犯罪法廷」を厳しく批判していますし、ラムゼイ・クラークは、ミロソヴィッチの弁護を買って出ています。
「国際行動センター」は、日本の平和運動よりも規模の大きな緩やかなネットワーク型ですから、気楽に日本の「アフガン民衆法廷」に賛同しているのでしょうが、前田さんが「旧ユーゴ国際戦争犯罪法廷の規則」を基本的に推奨するような紹介をしていることや、それと合わせて、ユーゴ戦争と同時期に開かれながらも、「ユーゴ空爆反対」の決議が出来なかった怪しげな「ハーグ平和会議」の流れで、アメリカ主導、アルバニア系支援につながる「バウネット」の運動の一環として故「松井やより」さんが日本の運動の代表になった「従軍慰安婦」問題にかかわったことなどは、まともに議論すれば大騒ぎになることなのです。しかも、ユーゴネットの仲間は、この問題をネットを覗きにきた「松井やより」さんに詳しく説明したのに、松井さんは無視したと言うのです。
私とても、今は亡き「死者を鞭打つ」のは嫌ですが、やはり、この問題を重視していますから、率直に言って、松井さんも、所詮、普通の大手メディアの「朝日」新聞記者、実は「大企業社員」でしかなかったと評価します。女性の読者に受ける「女性問題」を中心に据えれば、それだけで女性の間で評価が高いという日本の現状は、他の女性「ライター」の問題をも含めて、日本の女性、または、いわゆる「反体制」の水準の低さの証明にもなります。
最後に、実に言い難いことですが、私の1960年安保闘争で「人生が狂って」以来の40有余年の下積みの経験から率直に言うと、要するに、ほとんどの平和運動は、無責任で「好い加減な運動」の人寄せキャンペーンなのです。そこに集まる「「善意」の人々は大事にしないといけませんが、大は旧・ソ連、小は現・北朝鮮、様々な反体制は、今、要注意なのです。
特にアメリカでは、tax exempt(免税)の特典により、巨大企業が市民運動に、ふんだんに金を恵むので、市民運動は、かなり怪しくなっていますから、そこから、やはり「金持ち国」の日本にも毒が回るし、厳重に監視しないと、非常に危険なのです。
[引用終わり]
以上。