『亜空間通信』342号(2002/08/18) 阿修羅投稿を02.12再録

朝日5ヶ月遅れ報道仏911謀略説ベストセラー:11年遅れ湾岸水鳥誤報反省なし

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『亜空間通信』342号(2002/08/18)
【朝日5ヶ月遅れ報道仏911謀略説ベストセラー:11年遅れ湾岸水鳥誤報反省なし】

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 転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 昨日(2002/08/17)、阿修羅戦争14掲示板に、以下のわが略称、朝日「仏911謀略説ベストセラー」記事の投稿が現れた。ああ、これで助かった。この「2002年8月13日付」の記事の切り抜きを、私は、わが電網宝庫読者から、その当日に届けて頂いていた。しかし、なにせ暑さぼけ状況甚だしく、脳内微少物質枯渇、スキャナー読み込み、校正の意欲が、まったく沸かなかったのである。ああ、頂き!

http://www.asyura.com/2002/war14/msg/535.html
「反米」下地に謀略説 公式説明の不信突く フランス(朝日新聞) 投稿者 誰がために金は成る 日時 2002 年 8 月 17 日 10:10:07:

「反米」下地に謀略説 公式説明の不信突く フランス
(2002年8月13日付 朝日新聞 連載コラム『テロに襲われた世界1』から)

米国での同時多発テロの犯人はイスラム原理主義者ではない。実は、米軍内の右派勢力と軍需産業が国防費増額をねらって仕掛けた謀略だ--。そう主張する本がフランスでベストセラーになった。インターネットのニュースサイト代表、チエリ・メサン氏(45)の「恐るべきペテン」だ。

米国防総省(ペンタゴン)に激突したのは旅客機ではなく米軍のミサイルだ、という途方もない話から始まる。ニューヨークの世界貿易センターに突っ込んだ2機にもテロリストは搭乗しておらず遠隔操縦だった可能性がある、と続き、公表資料などから、自説の裏付けと見える部分をつないでつづっている。

ビンラディン氏自身が犯行声明に近い発言をしているではないか、とメサン氏に聞いてみると、「彼も米国側の手先で、いっしょになってイスラム・テロ説をでっち上げている証拠だ」と答えた。自説への反証さえ補強材料にしてしまう。

3月の出版以来、22万部売れた。時事問題の本としては異例で、スペイン語などの翻訳の売れ行きも快調という。アラブ首長国連邦のシンクタンクに招かれ講演もした。人気の理由を、本人は「高慢な米国の公式説明では、すべてを知らされていないと人々は感じていた。私の本はそこを突いた」と説明する。

大事件に「謀略説」はつきもの。持ち合わせの知識で理解できない複雑な出来事を前にすると、人は「情報機関の仕業」といった安易な説明に引かれる。だが、「フランスで謀略説がこれほどヒットしたのは初めて」と、週刊誌ルポワン記者のジャン・ギネル氏(50)はいう。反論の書「恐るべきウソ」を記者仲間と出版した。現場に出向きペンタゴンに激突する旅客機の目撃者たちにも会って証言を集めた。

「仏大統領選で極右が伸びたのと同じ背景がある。政府やメディアなどのエリートたちへの不信感だ。彼らの説明は信じられない、というわけだ。フランス特有の反米感情もあるだろう」

パリ第8大学講師(社会学)のパスカル・フロワサール氏(34)は「広告の効果」と見る。新聞でこの本への批判記事が相次ぎ、テレビ番組は著者インタビューまでした。「宣伝効果は絶大」。その結果、人々はスパイものの娯楽小説として「消費したのだ」という。「読者は本の内容を信じているわけではないと思う」

テロ以降、アフガン空爆を経て今度は対イラク攻撃へ。どこからも納得のいく説明がないまま引きずられているような感覚。読者は「結局、悪者は米国だった」という筋書きの物語で留飲を下げているのかもしれない。(パリ=大野 博人)

 以上で引用終わり。

 さてさて、以上の朝日記事は、以下、わが電網宝庫記事の所在を示すが、阿修羅戦争掲示板報道およびわが報道から数えると、何と、5ヶ月遅れの報道なのである。

http://www.asyura.com/2002/war13/msg/158.html
『亜空間通信』282号(2002/06/24)
【フランス人を911謀略説が捉え20万部ベストセラーとニューヨークタイムズ報道】

http://www.asyura.com/2002/war12/msg/980.html
『亜空間通信』272号(2002/06/15)
【ペンタゴンの激突跡疑惑の情報源錯綜すれどわが特筆は米大手ABC報道にあった】

[中略]フランスでThiery MeyssanというジャーナリストのEffroyable Impostureという本が今年の3月に出されて、たいへんな話題になった[後略]。

http://www.asyura.com/2002/war10/msg/206.html
『亜空間通信』183号(2002/03/09)
【9.11.ペンタゴン航空機突入映像に航空機の影も形も破片なしABC放映疑惑情報】

 昨日(2002/03/08)、日本国内において[中略]入手した情報は、本文は英語で、電網宝庫はフランス、ああ、いかにも国際電網時代の疑惑満載であった。[後略]

 以上で引用終わり。

 ところで、先に記したように、この記事の切り抜きを届けてくれたわが電網宝庫読者は、同時に同じ日付の記事、「『正義』を訪ねて」の切り抜きをも届けてくれた。主要な題材の写真の説明は、以下のようである。

 湾岸戦争では有名な油まみれの海鳥の写真。米側は「イラクによる環境テロ」と非難したが、実態は「環境テロ」ではなかった=ロイター

 ああ、この実に軽やかな「検証記事」の方は、実際に起きた事件とその報道から数えてみると、何ともはや、11年遅れなのである。ただし、私は当初から「海鳥」ではなくて「水鳥」と表現した。なぜかと言うと、分類では「海鵜」とされるあの鳥は、鴎のような海専門の鳥ではなくて、川や湖にも住む近縁の仲間がいる水鳥であることを、図鑑で確かめたからである。

 日本の大手報道は、以下に拙著の記述を引くが、ほとんど「環境テロ」派であった。朝日も怪しかった。その誤報の反省は、いまだに、まったく無しなのである。

gulfw-06.html
『湾岸報道に偽りあり/隠された十数年来の米軍事計画に迫る』

[中略])無反省の裏側に圧力の匂い。「環境テロ」か「言論テロ」か [中略]NHKは、[中略]イラクが流した「とされている」原油はまだクウェイト沖に広がったまま、サウジの海岸に流れついたのはカフジのものと判明した、と涼しい顔で報じた。早トチリについては、ワビの一言もなかった。[中略]

 朝日新聞は一貫して「流出」で通していた(★この部分は点検不足の間違い。やはり途中から「放出」に切り換えていた)。翌日の社説を比較すると、「放出」と「流出」の意味の違いは一層明らかになる。

 朝日新聞(91・1・27)の社説の題は「戦争が引き起こした原油流出」であり、次のように両当事国の主張を並べて論じている。

「原因について、アメリカは『イラクが意図的に石油積出し基地から流出させた。これは環境テロだ』と非難している。イラクは『米軍機がイラクのタンカーを爆撃し、原油が流出した』と、アメリカ非難の書簡を国連本部で配った。戦争には、宣伝がついて回る。いまの時点では、どちらの言い分が正しいのか、断定はむずかしい」

 毎日新聞(91・1・27)の社説の題は「卑劣なイラクの原油放出」であり、イラク側の主張は紹介もせずに、「『聖戦』の仮面を自ら剥ぐ、卑劣な反地球的行為」とまで決めつけている。

 読売新聞(91・1・27)の社説も「許せない『原油放出作戦』」と題し、一応はイラクの主張を紹介しているが、「故意に原油を海に流した疑いが濃厚だ」という判断を示している。こちらも「放出」派である。

 油にまみれた水鳥の写真の使い方は、大同小異なので、いちいち取り上げない。イラクの原油「放出作戦」の直接の結果として「罪もない鳥が殺された」「サダム・フセインが殺した」「残虐極まりないサダム」「九〇億ドルぐらいは出さねばならぬか」……という総ジャーナリズム状況であった。[後略]

 以上で引用終わり。

 このような「総ジャーナリズム状況」は、当時、日本国内だけのことではなくて、世界中を覆っていた。今も続いている。湾岸戦争当時、すでにソ連は崩壊していた。ソ連にも問題は多かったが、議会政治を例に取れば、いかに腐敗堕落していようとも、与党と野党の競争があれば、少しは真相暴露が行われるものである。ソ連の崩壊は、国際政治の舞台でみると、「ちと待て、その話、怪しいぞ」という古今東西の初歩的かつ法則的な真相解明への足掛かりの喪失でもあった。「毒を以て毒を制す」ことさえ不可能になっていたのである。

 今、国際政治の舞台で、野党の役割を果たし得る組織、個人は、どこにいるのか。アメリカの元司法長官、ラムゼイ・クラークが代表の国際行動センターなどが、今後の足掛かりであろうか。

 以上。


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