『亜空間通信』330号(2002/08/09) 阿修羅投稿を02.12再録

イラク攻撃情報乱れ飛ぶ背後に米ロ石油連合とユダヤ資本の歴史もある世界戦略

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『亜空間通信』330号(2002/08/09)
【イラク攻撃情報乱れ飛ぶ背後に米ロ石油連合とユダヤ資本の歴史もある世界戦略】

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 転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 イラク攻撃に向けて生々しい情報の急展開が続いている。アメリカの国内世論と同時に国際世論を操作する目的の意図的情報漏洩、湾岸危機の時と同工異曲のサダム挑発が、かなり含まれていると見える。

 以下、時系列では順序が少し入れ替わるが、攻撃開始の号砲としての口実の「難癖」、「テロリスト支援」「査察拒否」、サダム後の政権構想、軍事的準備状況、イラクの反応、アメリカの国内世論、国際世論、背後の石油戦略的状況を伝える情報を、羅列的に紹介する。

http://www.asyura.com/2002/war14/msg/340.html
イラクがテロ訓練実施か 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 8 月 06 日 21:18:17:

08/05 23:29 イラクがテロ訓練実施か  外信94

 【カイロ5日共同】五日付のクウェート紙アッライ・アルアームは、複数のクルド人筋の情報として、イラクがバグダッド近郊の「サルマン・ベク」と呼ばれる訓練キャンプで国際テロ組織アルカイダのメンバーにテロ訓練を施していると報じた。

 訓練の責任者はフセイン・イラク大統領の二男クサイ氏で、中東地域の米施設などに対する攻撃を想定し、レーザーや消音装置をつけた兵器を使った暗殺のほか化学・生物兵器を弾頭に装着したミサイル攻撃の訓練などが続けられている。

 訓練を受けているのはシリア人、ヨルダン人、エジプト人、イエメン人のほかパキスタンのイスラム原理主義組織のメンバーら計百八十―二百人に上るという。

(了)  020805 2328  
[2002-08-05-23:29]


『日本経済新聞』(2002.08.06)
「査察問題/イラクの正体に難色/国連事務総長/無条件受け入れを/議員への招待/米側も拒否」(以上の見出しのみ紹介)[後略]

『日本経済新聞』(2002.08.08.夕)
「ダイジェスト」欄「イラク反体制派と会談へ

【ワシントン支局】リーカ-米国務省副報道官は七日の記者会見で、グロスマン国務次官(政冶担当)とファイス国防次官(政策担当)が九日にイラクの反体制派組織の指導者と会談することを明らかにした。イラク攻撃などについて協議するとみられる。


http://www.asyura.com/2002/war14/msg/339.html
イラク攻撃:米中東軍司令官が作戦計画を大統領に提出[毎日新聞8月6日] ( 2002-08-06-18:34 ) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 8 月 06 日 19:18:59:

【ワシントン布施広】フランクス米中東軍司令官は5日、イラクを攻撃する場合の作戦計画をブッシュ大統領に提出した。これが最終的な作戦かどうかは不明だが、米軍は既に攻撃計画の大筋を固めた模様で、攻撃に踏み切る時期や条件などは大統領の決断に委ねられたとの見方が強い。

イラク攻撃について国防総省は当初、91年の湾岸戦争に準じた20万~25万人の兵力が必要と見ていたが、兵力蓄積の時間を2週間程度に短縮するため、5万~7万5000人の地上兵力を動員する「中規模」攻撃案が検討されているとの報道もある。

また、海兵隊や特殊部隊、中央情報局(CIA)工作員らを動員して、イラクの北、南、西の3方向から攻撃するとの見方もあるが、国防総省は作戦計画を一切明かしていない。米軍単独の攻撃とするか、英国など一部同盟国との共同作戦とするかどうかも不明だ。

英紙などは「10月攻撃説」を流しているが、ブッシュ大統領は6日から長期休暇に入るほか、攻撃の拠点となる周辺アラブ諸国との協力内容も固まっていない。また、11月の米中間選挙を控え、ブッシュ政権は政治的冒険は避けるとの見方が強く、米軍が年内に何らかの行動を起こすかどうかは微妙な情勢だ。


http://www.asyura.com/2002/war14/msg/367.html
米の脅迫に恐怖感じていない、攻撃撃退の用意ある=イラク大統領[バグダッド8日ロイター] 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 8 月 08 日 19:17:31:

イラクのフセイン大統領は、米国による脅迫に恐怖を感じていない、と述べた。また、イラクはいかなる攻撃も撃退する用意がある、とも表明した。演説のなかで述べたもの。

イラン・イラク戦争終結を記念する演説で、同大統領は、国連安全保障理事会に対し、イラクが最近示した一連の質問への回答を要求した。

同大統領はまた、イラクによるクウェート侵攻後の1990年にイラクに科された制裁措置をめぐる義務を国連は果たすべき、とも述べている。


http://www.asyura.com/2002/war14/msg/369.html
「イラク国民は戦う用意できている」フセイン大統領演説〔朝日新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 8 月 08 日 19:28:29:

(回答先: 米の脅迫に恐怖感じていない、攻撃撃退の用意ある=イラク大統領[バグダッド8日ロイター] 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 8 月 08 日 19:17:31)

イラクのフセイン大統領は8日、国民に向けた演説で「イラク国民は戦う用意ができている」とする一方、対等の立場での話し合いなら応じると述べた。米国の対イラク攻撃に欧州諸国をはじめ各方面から懸念の声が強まる中、米国を牽制(けんせい)する狙いとみられる。
イラン・イラク戦争の「戦勝記念日」としているこの日、同大統領は国営テレビを通じ「アラブ、イスラムを攻撃する者は歴史の教訓を免れない」と述べ、米国の名はあげないものの、挑発するような内容だ。そのうえで「平和を望むなら他国の権利を尊重し、対等な立場での話し合いを」と発言。国連は大量破壊兵器の査察受け入れに関し、イラクが示す制裁解除などの条件にこたえるべきだと述べた。
(18:49)


http://www.asyura.com/2002/war14/msg/372.html
ハンチントン氏が反対表明 米の対イラク攻撃 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 8 月 08 日 20:29:18:

08/08 11:20 ハンチントン氏が反対表明 米の対イラク攻撃  外信46

 【サンティアゴ7日ロイター=共同】著書「文明の衝突」で知られ、米政府や保守勢力へも影響力を持つサミュエル・ハンチントン米ハーバード大教授は七日、米のイラク攻撃に反対する考えを表明した。チリでロイター通信に語った。

 教授は、米国のイラク攻撃について「攻撃は中東地域に大きな変化をもたらすものであり、極めて望ましくない」と言明した。

 しかし「なんらかの策を講じなければ、フセイン(大統領)は権力の座に居続けるだろう」と指摘。さらに「問題は米欧やアラブ諸国がどうやって(フセイン政権打倒を)達成するかだ」と述べたものの、具体策には言及しなかった。

 一方、パレスチナ問題についても、イスラエルを支援する米政府を非難し、米政府はバランスの取れた政策を追求すべきだと注文を付けた。
(了)  020808 1119
[2002-08-08-11:20]


http://www.asyura.com/2002/war14/msg/349.html
米のイラク攻撃へ金も兵も送らず…独与党 「YOMIURI ONLINE」 投稿者 ほくめん 日時 2002 年 8 月 07 日 03:34:47:

【ベルリン6日=宮明敬】シュレーダー首相率いるドイツ社会民主党(SPD)は5日、米国が対イラク攻撃を決定しても、派兵も資金援助もしない、との姿勢を鮮明にした。連立与党である緑の党のフィッシャー外相も「武力で(イラクの)政権交代を図るのは誤り」と語っており、昨年9月の米同時テロ以来、米国との「限りない連帯」(シュレーダー首相)を表明してきたドイツは、米国の対イラク戦略と明確に一線を画すことになった。シュレーダー政権の米国からの離反は、イラク攻撃に反対するドイツ国民が多いことを考慮した選挙戦術とも見られているが、もともとイラク攻撃に懐疑的な欧州諸国を刺激し、大西洋間の亀裂を深める恐れがある。

 シュレーダー首相は5日、ハノーバーで開始した総選挙最終キャンペーンで演説、ますます現実味を帯びる米軍のイラク攻撃について、「サダム・フセインに査察を受け入れるよう圧力をかけるのは賛成だが、私が首相である限り、軍事的冒険には加わらない」と語った。首相はまた、「(湾岸戦争時に派兵せず、代わりに180億マルクの資金を供出した)コール前政権のような小切手外交はもはや過去のもの」とも述べ、米国が現状のままでイラク攻撃に踏み切れば、派兵も資金協力も拒否する姿勢を示した。

 ドイツ政府はこれまで、ドイツ軍派兵の必要条件として、国連安保理決議とドイツ連邦議会の承認を挙げてきたが、ミュンテフェリングSPD幹事長は5日、さらに進んで、「国連決議があれば派兵するというわけではない」と語り、安保理が承認し、他の欧州諸国が米国に追随しても、イラク攻撃には参加しない、との見通しを示した。

 シュレーダー首相は昨年9月の米同時テロ後、米国との「限りない連帯」を表明、与党内和平派の反対を押し切って、特殊部隊を含む3900人の兵をアフガニスタンに派遣した。しかし、国民の間では、これ以上の戦線拡大に反対する声が強く、帰国した特殊部隊員からも「我々は、対テロ共同戦線の政治的象徴として使われたに過ぎない」との不満が出ていた。

 欧州では、対イラク経済制裁の緩和を主張してきたフランスが攻撃にも懐疑的なほか、英サンデー・テレグラフ紙などによれば、ブレア英首相が米国に「イラク攻撃決定前に中東紛争収拾努力を倍加すべきだ」と要請したのに対して米国が拒否するなど、緊密な米英の同盟関係にもきしみが生まれているとの観測もある。

 ただ、今回のシュレーダー政権の方針転換は、9月22日の総選挙に向けた大衆迎合的な集票戦術との指摘もある。SPDは支持率で保守系野党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)にリードされ続けているからだ。シュトイバー・バイエルン州首相を連邦首相候補に据え、「米国とのより強い連帯」を唱えるCDU・CSU陣営は、「選挙のために外交を乱用している」とシュレーダー首相を非難した。

(8月6日21:48)


http://www.asyura.com/2002/war14/msg/363.html
イラク攻撃に国土使わせない サウジ外相(CNN) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 8 月 08 日 13:09:25:

(回答先: 「サウジは最危険な敵」 専門家の極秘報告が波紋 投稿者 Ddog 日時 2002 年 8 月 08 日 08:48:24)

イラク攻撃に国土使わせない サウジ外相
2002.08.08
Web posted at: 09:47 JST
- AP
サウジアラビア・ジッダ(AP) サウジアラビアのサウド外相は7日、米国がイラク攻撃を開始した場合、サウジアラビアを攻撃拠点として使わせないと言明した。AP通信のインタビューに答えたもの。

サウド外相は、イラク攻撃に際して「サウジの土地を使用させたくない旨を米国にすでに伝えた」と述べた。一方で、米国がサウジ国内の基地を拠点に行っているイラク飛行禁止区域の監視は、今後も認めるという。

ブッシュ米大統領がイラクの政権交代を求めていくと表明したことについて、外相は「軍事攻撃は対策としてふさわしくない。特に米国が言うように、イラクに核査察要員復帰の国連決議を順守させるのが攻撃の目的だとしたら、イラクが決議を履行する方向で動いている今、攻撃はふさわしくない」と批判。イラクの政権交代は「イラク人自身が行わなくてはならない」と強調した。


http://www.asyura.com/2002/war14/msg/358.html
「サウジは敵」報告に米国務長官ら火消しに必死(読売新聞) 投稿者 sanetomi 日時 2002 年 8 月 07 日 16:43:24:

 【ワシントン6日=永田和男】米国防総省の諮問機関でキッシンジャー元国務長官らが名を連ねる「国防政策委員会」の勉強会の席上、民間研究者が「サウジアラビアはテロ支援国であり、米国の敵だ」と報告していたことが6日明らかになり、パウエル国務長官がサウド外相に急きょ電話するなど米政府は終日対応に追われた。

 問題の報告は米ランド研究所研究員のローラン・ムラビーク氏が先月10日行った。米同時テロ実行犯の大半がサウジ出身だったことなどを挙げ、「サウジは我々の敵を支援し、同盟国を苦しめている」など厳しい見解を示したという。

 発言は6日付ワシントン・ポスト紙が報道して明るみに出たが、国務省によると、パウエル長官はサウド外相に「発言は民間の個人の見解表明で、米大統領と政府の意見を反映していない」と釈明したという。

 米政府が火消しに躍起になった背景には、湾岸の大国サウジとの同盟関係が、米中東政策の根幹を成してきたことに加え、対イラク攻撃にサウジの協力がカギを握るという事情がある。米国内では最近、テロ支援疑惑や民主化停滞を理由にサウジとの関係継続を疑問視する声が出始め、米政権は神経をとがらせていた。

 国防政策委員会には、フォーリー前駐日大使、ギングリッチ前下院議長らも出席。キッシンジャー氏は「サウジが戦略的敵対関係にあるとは思わない」と語り、ムラビーク氏の見解に反論したという。


http://www.asyura.com/2002/war14/msg/362.html
「サウジは最危険な敵」 専門家の極秘報告が波紋 投稿者 Ddog 日時 2002 年 8 月 08 日 08:48:24:

<朝日>「サウジは最危険な敵」 専門家の極秘報告が波紋

 サウジアラビアは米国の「敵」か、それとも「味方」か。ひとりの専門家による米国防総省への極秘報告が6日、ラムズフェルド国防長官をはじめ両国の閣僚を巻き込んだ騒ぎを引き起こした。

 同時多発テロ後に米社会で高まった反サウジ感情と、対イラク攻撃には同国の軍事協力が欠かせないという米政権の抱えるジレンマが、はからずも露呈した。

 保守系シンクタンクのランド研究所の中東専門家が7月、国防総省が専門家や元高官らを集めた非公開の国防政策諮問委員会で、「テロの計画者として、また財政面での支援者として、幹部から末端の兵卒まで、サウジ出身者はテロ活動で暗躍している」と指摘。サウジを「中東における米国の最も危険な敵」と位置づけたという。

 6日付のワシントン・ポスト紙が報じた。

 対イラク強硬派の筆頭格リチャード・パール元国防次官補が委員長の同委員会は、米政権の政策に影響力を持つ。ラムズフェルド国防長官は同日、ブッシュ政権の考えではないことを強調。パウエル国務長官も同日、サウジのサウド外相に電話をかけて「米国の対サウジ政策に変更はない」と釈明した。

 しかし、同紙によるとブッシュ政権内では、とくにチェイニー副大統領の周辺などでサウジへの批判的な見方が広がっている、という。

 サウジは湾岸戦争時の協力に限らず、主要なエネルギー供給源として米国が重視。中東の有力な親米国家と位置づけられてきた。しかし、同時多発テロの実行犯の多くがサウジ出身だったことから、米国内で反サウジ感情が高まった。

 サウジもイラク攻撃のため自国の基地を米軍に提供した湾岸戦争時とは違い、同時多発テロ後は米国が対テロ戦の延長線上にイラク攻撃を視野に入れていることを批判。基地提供に否定的な態度をとっている。

 米軍は、サウジのプリンス・スルタン空軍基地を中東地域の航空作戦の拠点として使い、兵士1万人近くが駐留しているといわれる。

 しかし、イスラム教の聖地を抱える同国が異教徒の軍隊を招き入れたことを、イスラム過激派は激しく非難している。とりわけパレスチナ紛争でイスラエル寄りの姿勢が鮮明なブッシュ政権への視線は厳しく、4月には異例の反米デモが国内の数カ所で起きた。

 こうした情勢から、米軍は同基地の機能をカタールに移すことを検討しているとの観測も流れている。カタールは95年、米軍の武器・弾薬・装備の事前集積を認める協定を結んでいる。


http://www.asyura.com/2002/war14/msg/375.html
ロシア、軍事演習で周辺国に圧力 資源豊富なカスピ海で 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 8 月 08 日 20:35:06:

08/08 16:04 軍事演習で周辺国に圧力 資源豊富なカスピ海でロ  外信71

 【モスクワ8日共同】天然資源の豊富なカスピ海北部で八日、ロシア軍が旧ソ連崩壊後最大規模となる軍事演習を本格的に開始する。

 名目は「反テロ」だが、油田開発をめぐってこじれているカスピ海領海設定交渉を念頭に、プーチン政権が軍事力を誇示してイランなどの周辺国をけん制する狙いが強い。

 演習には海軍カスピ小艦隊(司令部アストラハニ)を中心に、国境警備局、内務省軍などから約一万人、艦船約六十隻が参加。油田や一般船舶を狙うテロ、武器・麻薬の密輸組織の撲滅を目的に掲げている。

 一日に準備段階の演習が始まっており、八日から艦船の砲撃を含む実戦演習を開始、十五日まで続ける。

 タス通信によると、演習にはカスピ海交渉でロシアと歩調を合わせるカザフスタン、アゼルバイジャンの軍隊も共同参加し、招待を受けたイランはオブザーバーのみを派遣。

 演習の実施は、四月下旬にトルクメニスタンのアシガバートで初めて行われた沿岸五カ国首脳会議の翌日、プーチン大統領が命令した。

 首脳会議では、海岸線に応じた領海設定を求めるロシアなど旧ソ連四カ国と、20%ずつの均等分割を主張するイランとの対立が根深く、共同声明の調印にこぎ着けられなかった。
(了)  020808 1603  
[2002-08-08-16:04]


08/08 16:10 カスピ海問題とは  外信72

 カスピ海問題 原油の推定埋蔵量2000億バレルとされるカスピ海の法的地位をめぐる沿岸5カ国間の交渉。ロシア、カザフスタン、アゼルバイジャンはカスピ海を「海」として沿岸の領海設定を主張。

 トルクメニスタンもこの3カ国の主張に近いとみられているが、イランは「湖」と解釈して海底の共有または20%ずつの均等分割を要求し交渉が難航、長期化が予想されている。(モスクワ共同)
(了)  020808 1610  
[2002-08-08-16:10][後略]

 アメリカだけのことではない。軍事だけのことではない。「押して駄目なら引いてみよ」とか、「出たとこ勝負」とか、「揺さ振りを掛ける」とか、様々な要因、動機、推進力が複合して、歴史の力学が出来上がる。直線的には進まないように見えても、長期間の動きを観察すると、基本的な出発点と目指す方向が見えてくるものである。911以後の情勢で決定的な重要性を持つのは、世界規模の石油資源戦略であるが、巨大な転換点が見えてきた。私は、すでに、以下に抜粋する通信を発した。

http://www.asyura.com/2002/war14/msg/320.html
『亜空間通信』327号(2002/08/05)
【911以後にロシアの産油量がサウジアラビアを上回った背後の事情の資金源?】

[中略]

http://www.netlaputa.ne.jp/~kagumi/0206-4.html

 2002年6月に石油輸出国機構(OPEC)加盟諸国は非加盟諸国との協議を予定している。グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は原油価格の引き上げを抑えようと、ありとあらゆる圧力をかけている。これに先立って、ロシアはすでに増産を決定した。[中略]

 9月11日のテロのもうひとつの影響は、米ロ両国が接近し、ロシアの石油・天然ガス開発計画へのアメリカ企業の関与が増大したことだ。[中略]

All rights reserved, 2002, Le Monde diplomatique + Ando Rikako + Hemmi Tatsuo + Saito Kagumi [後略]

 以下は、ロシアの石油を巡る欧州、ユダヤ資本の歴史的因縁を分かり易く解説するために、「ロシア? 石油? 採掘? 資金? カスピ海 ユダヤ?」のキーワードで検索した「旧ソ連アジア部におけるエネルギー生産の統計的分析(1860~1961年)」(村上 隆):北海道大学)からの要約である。

はじめに

 旧ソ連は世界屈指のエネルギー資源保有国であり、そのほとんどが旧ソ連アジア部に集中している。石油が工業化に貢献するようになってから、旧ソ連アジア部の潜在的エネルギー資源が世界的に注目されるようになった。そのエネルギー資源は、帝政ロシアからロシア革命以後の社会主義経済建設過程において、原動力として貢献し続け、1991年末の社会主義経済体制崩壊後のロシアにおいても経済の要としてますます重要な役割を果たしつづけている。
[中略]

 ロシアでの石油開発の歴史は古く、1818年には早くも3,840tが生産された(マリツェフ,p.27)1。この生産量は電力、冶金、化学の産業分野の需要に応えるものであったが、当時の石油開発は手労働に頼っていたために、生産量を伸ばすことができず、工業分野の需要を完全に満たすことができなかった。石油の産出地域として脚光を浴びるようになったのはアゼルバイジャンのカスピ海に突き出たアプシェロン半島である。この半島にはバクー市が位置するが、この市の周辺に何世紀も前から油兆がみられていた。石油の生産が開始されたのは、1813年にアゼルバイジャンがロシアに併合されてからのことである。当時のロシアの石油開発技術は後進的で、1860年代末までは手掘りで石油が汲み出されており、ロシア帝国政府はこの石油産業を直轄産業として独占支配していた。1870年に入って帝国政府が独占を放棄したことによって私企業の競争関係が生まれ、本格的な石油開発の夜明けを迎えた。

 1871年には深度44.7mの最初の工業的規模の油井が建設され、その産油量は日産32.8tに達した(成田、p.41)2。1874年はバラハニ鉱床の深度95.8mの油井から日産2,400tという大きな石油噴出量がみられ、その後ボーリング量が増えるに伴って産出量は急増することになる。1870年代初めになってやっと馬を使って井戸から石油汲み上げる方法が普及するようになり、さらに1880年代末からは蒸気機械が導入されるようになった。このように、石油生産が手掘りから機械掘りに移行したことや外国資本が直接開発に加わったことがバクー油田の増産に大きく貢献した。バクー油田の生産量は1872年の2万6,100tから1875年には10万tを超え、1884年には146万t、1890年には374万tに達した。さらに、1901年にはこれまで最高の1,098万tに達し、同年の世界石油生産量の51%を占めるまでに成長した。

 このような増産は、主に外国資本の手によって実現されたのであり、ノーベルの存在が大きい。ノーベル兄弟によるノーベル・ブラザーズ石油開発会社Tovarishchestvo neftianogo proizvodstva brat’ev Nobel’は資本金300万ルーブルで1879年に設立された(マリツェフ、p.20)。1901年に、バクー油田開発で得た資金によってノーベル賞が設けらた。1913年にはロシアの学者のために特別に石油産業の分野でノーベル賞が設けられたが、今日に至るまで一度も授与されていない(マリツェフ、p.20)。

 この会社はロシア革命前の石油開発,精製、販売会社としては事実上ロシア最大の企業であり、1913年にはロシアの石油生産量を14%のシェアを持っていた。ロシアにおける石油精製企業のみならず、海外にも工場を所有し、カスピ海、黒海およびヴォルガ川でのタンカーや、倉庫を保有していたのである。ノーベルはペテルブルグ、モスクワ、キエフなどに灯油を供給していたが、国内で石油開発過剰投資気味になり外国に販路を求めるようになった。

 一方、バクーにおけるブンゲとパラシュコフスキーの二人の生産者は、ノーベル社の北方ルートに対抗してバクーからコーカサス山脈を超えて黒海沿岸の町バツーミに石油を輸送する鉄道建設に着手し、これに資金援助したのはフランスのロスチャイルド家である。そのおかげで1883年に鉄道が完成し、ロスチャイルドは1985年[木村愛二注:1885年の打ち間違えか]に「カスピ海・黒海石油販売会社」を設立した。

 ロシア国内の市場に限界をみたノーベル社もヨーロッパの市場に積極的に進出し、販売競争は激化した。これに拍車をかけたのは米国スタンダード石油の進出である。ロシアの灯油がヨーロッパ市場で米国産灯油と競合するようになると、スタンダードはダンピングで対抗し、市場の争奪戦が展開された。三つ巴の競争のなかで、バクー油田の生産量は1901年にピ-クを迎えた。当時、ロシアの石油のほとんどはバクー油田から産出されており、例えばピーク時の1901年の生産量はロシア全体の95%を占めた。[後略]

 以上で引用終わり。

 以上を通じて見えてくるのは、アメリカ、または英米を中心とする国際石油独占の19世紀以来の執念と近未来戦略である。ロシアを抱き込んで、カスピ海周辺の石油・天然ガス資源を確保すれば、五月蠅いサウジやイラクを、はるかに上回る量の「スペードのエース」、「オールマイティ」を握ることになる。金輪際、負ける心配なしとなり、ポーカーフェイスのブラフ技術すら必要なし、どこまでもせり上げが可能になるのである。

 以上。


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