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『亜空間通信』965号(2005/02/11)
【NHK番組改変劇「暗黒の5日間」(魚住昭)と「NHKvs.朝日メディアの自殺」(文藝春秋編集部)激突】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
NHK「従軍慰安婦」番組を巡る話題沸騰は、放送、新聞、週刊誌報道から、月刊誌の『現代』と『文芸春秋』の激突にまで至った。
月刊『現代』の特集記事は、『NHK番組改変劇「暗黒の5日間」(魚住昭)』である。
魚住昭は、元共同通信記者である。
彼は、ナベツネを追及して、わが寓居の近くの三鷹駅北口喫茶店(応接間代わり)まで訪れた。拙著ばかりか雑誌記事の拙文のすべてを入手し、絶版の『読売新聞・日本テレビ・グループ研究』もコピーをしたいから貸してくれというので、貸した。
そういう仕事振りだから、これまでは高く評価してきたのだが、今回は、がっかりした。わが主張を研究していない。朝日新聞の暴走への批判がなく、思い込みの政権批判に堕落している。仕事が粗雑になっている。しかも、単独取材がほとんどのようだから、編集部の仕組みが問われる結果になっている。
多分、その底辺には、月刊『現代』の発行元、講談社の体質がある。もともと、「講釈師、見てきたような嘘を言い」の講談本で出発しているから、客観的な分析が浅いのである。
むしろ、月刊『文藝春秋』の特集、「検証ドキュメント」「自作自演と虚報」『NHK vs. 朝日メディアの自殺(本誌編集部)』の方が優れている。
私は、月刊『文藝春秋』の関連記事を、特に推薦する。総合的で、水準が高い。朝日新聞の暴走振りや、破落戸記者の正体も、良く調べている。
しかし、この月刊『文藝春秋』記事も、この件にかんするわが論考を、知ってか、知らずか、問題の番組とその火種の女性国際戦犯法廷の基本的な問題点を、まったく指摘していない。
仕方がないから、その要点を再び指摘する。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/2003aku/aku954.html
http://www.asyura2.com/0502/senkyo8/msg/215.html
『亜空間通信』954号(2005/01/29)
【NHKvs.朝日新聞の醜い争い猟奇報道合戦は火種「女性国際戦犯法廷」猿芝居の仕掛け調べぬ空中戦】
[中略]
「ユーゴネット」と略称する市民運動の定例会に参加して、そこで「バウネット」とかのアメリカ系運動は困ったものだと、いささか議論になったので、再び一言します。
[中略]
ホロコーストの嘘を見抜けないどころか、極悪極右政治的シオニストの牙城、「偽」イスラエルの神話を担ぎ、あまつさえ、アルバニア系の麻薬マフィアに肩入れをするセルビアの「レイプ」でっち上げ(発信者のアメリカ人記者が告白済み)を持ち回り、従軍慰安婦問題を利用させるような連中に、日本の教科書を語らせるなんて、実に危険なことです。その連中の不勉強な傲慢さが、またまた、反動を呼ぶことでしょう。
ユーゴの子供の救援運動に10年も入れ込んできた人々は、「バウネット」代表「朝日新聞記者」松井やよりさんの定見のなさに呆れているのです。昨日は、私が、仕方がないので、本多勝一を典型とする朝日人の危険性について、簡単に言うと、「エリートの競争過多」組織の悪弊の実情を説明したのでした。一般には「目立ちたがり屋」の表現もありますが、朝日新聞人は、日本の偏差値教育の最も醜い典型なのです。
[中略]
次に紹介する電網情報は、「女性国際戦犯法廷」自体の広報である。これは、最も重要かつ決定的な証拠文献なので、全文再録する。写真も入っているが、見たい方は直接訪問されたい。
[中略]
[以下、引用]
法廷メンバー
http://home.att.ne.jp/star/tribunal/members.htm裁判官
ガブリエル・カーク・マクドナルド 旧ユーゴ国際戦犯法廷前所長(米国)
クリスチーヌ・チンキン ロンドン大学国際法教授(英国)
カルメン・マリア・アルヒバイ 判事、国際女性法律家連盟会長(アルゼンチン)
ウィリー・ムトゥンガ ケニア人権委員会委員長ケニア大学教授(ケニア)
P・N・バグワティ 国連人権規約委員会副議長、前インド最高裁長官(インド)主席検事
パトリシア・ビサー・セラーズ 旧ユーゴ・ルワンダ国際戦犯法廷ジェンダー犯罪法律顧問(米国)
ウスティニア・ドルゴポル フリンダース大学国際法助教授(オーストラリア)検事
韓国
金 明基 首席検事 明知大学国際法教授
趙 時顯 検事 誠信大学法学部国際法教授
金 昌縁 検事、 釜山大学法学部、日本法律史
張 莞翼 検事 弁護士、安山
朴 元淳 検事、弁護士 「参与連帯」事務局長
姜 貞淑 検事 韓国挺身隊研究所研究員
河 棕文 検事 ハンシン大学
梁 鉉娥 ソウル大学講師北朝鮮
鄭 南用 法学博士、共和国国際法学会常務委員
黄 虎男 「従軍慰安婦」太平洋戦争補償対策委員会事務局長中国
周 洪鈞 華東政法学院経済法研究所副所長
蘇 智良 上海師範大学歴史学科教授台湾
荘 國明 弁護士、国際法
廖 英智 弁護士、国際法
廬 佳香 弁護士、台北市婦女救援社会福利事業基金会
黄 昭元 台湾大学法学部教授
雷 文 中原大学教授
姜 皇池 警察大学教授
尤 美女 弁護士フィリピン
マーリン・マガリオーナ フィリピン国立大学法学部長、国際法研究所所長(検事団長)
セドフリー・カンデラリア アテネオ・デ・マニラ大学法学部副学部長
エレノア・C・コンダ 女性の人権アジアセンター(ASCENT)法律顧問
オーロラ・ハヴァテ・デ・ディオス ミリアム大学学部長
リカルド・ホセ フィリピン国立大学歴史学教授
ピュリフィカシオン・キスンビング フィリピン司法アカデミー・調査出版部長、フィリピン最高裁判所
エヴァリン・ウルスア 弁護士、女性法律援助局インドネシア
ヌルシャバニ・カチャスンカナ 弁護士、正義と民主主義のためのインドネシア女性連合事務局長
アンタリナ・アマ 弁護士、正義と民主主義のためのインドネシア女性連合
アスニフリカンティ・ダマニック インドネシア法律扶助、正義女性協会
パウロス・P・マフレッテ 弁護士、LBHジャカルタ(ジャカルタ法律扶助協会)東ティモール
カルメリタ・カエタノ・モニス UNTAET
マリア・ナターシア・グズマオ UNTAETオランダ
ヘンリー・グラント 法学部教授、旧ユーゴ国際戦犯法廷元検事日本
川口和子 弁護士、VAWW-NET Japan
東澤靖 弁護士、VAWW-NET Japan
横田雄一 弁護士、VAWW-NET Japan
阿部浩己 神奈川大学教授
申恵半 青山学院大学助教授法律顧問
ロンダ・カプロン 米国・ニューヨーク市立大学大学院教授
テオ・ファン・ボーフェン オランダ・マーストリヒト大学法学部教授
ケリー・ドーン・アスキン 米国・ワシントン大学法学部教授
ベティ・ムルンギ 弁護士、ルワンダ国際戦犯法廷法律顧問書記局
ロウェナ・グアンソン 弁護士 三木恵美子 弁護士[引用終わり]
以上、このように、「裁判官」の筆頭は、ガブリエル・カーク・マクドナルド(旧ユーゴ国際戦犯法廷前所長、米国)であり、「主席検事」の筆頭は、パトリシア・ビサー・セラーズ(旧ユーゴ・ルワンダ国際戦犯法廷ジェンダー犯罪法律顧問、米国)であり、「法律顧問」筆頭は、ロンダ・カプロン(米国・ニューヨーク市立大学大学院教授)だったのである。何とも完全無欠な「ユーゴ侵略中」の「アメリカ」主導なのである。
日本軍の従軍慰安婦問題は、上記の旧ユーゴのデマ宣伝と、その後に加わった第1回の仏独のホロコーストのデマ宣伝の乗り物として、使われたのである。
「東京裁判にはジェンダーの視点が欠けていた」と憤る日本の女性は、まんまと騙されて、利用され、その主張の支持者たちは、無知蒙昧の弱みを突かれ、アメリカ・アルバニア・イスラエルのデマ宣伝の毒饅頭を食わされたのである。
私は、このデマ宣伝の手法について、13年前の拙著、『湾岸報道に偽りあり』の冒頭で、次のように書いている。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/gulfw-ex.html
Web無料公開『湾岸報道に偽りあり』
隠された十数年来の米軍事計画に迫る
第一部:CIAプロパガンダを見破る
プロパガンダという「言葉」について、イギリスのグラスゴー大学で「プロパガンダ論」を講義したという元広告会社専務取締役オリヴァー・トムソンは、著書『煽動の研究/歴史を変えた世論操作』の中でこう説明している。
「この言葉は、十六世紀にローマ・カトリック教会がプロテスタントの攻撃に直面して、コミュニケーション(布教)の方策の見直しをはかったときに新たにつくられたものである」
手元の英和辞典をめくると、プロパガンダの項には確かに「布教」の訳語もある、終わりの語源説明の[NL]はネオ・ラテンの略号であり、西暦一五〇〇年以後に造語された「近代ラテン語」という意味である。
CIAのプロパガンダ作製の秘訣は、三〇%の真実を加えることだそうである。つまり、残りの七〇%は嘘ということになる。本書の冒頭に紹介した「誠は嘘の皮、嘘は誠の皮」ということわざに従えば、三〇%の「誠の皮」で七〇%の「嘘」をくるんで相手をだまし、まんまと食わせしまうわけである。
[後略]
こういうことを知らないのは、いわゆる「ナイーヴ」であるが、「ものかき」には許されないのである。
私は、この点についても、やはり、上記の拙著で、次のように指摘していた。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/gulfw-11.html
Web無料公開『湾岸報道に偽りあり』
隠された十数年来の米軍事計画に迫る
(その11)「嘘、忌わしい嘘」で固めた「軍事発表」は謀略宣伝の必然
[中略]
注意しておきたいのは、メディア関係者の位置である。多くの場合、こうした「歪め屋」が放つ弾丸の最初の犠牲者は、いわゆるジャーナリストである。彼らは脳天を射ち抜かれるのだが、痛みを感じることもなく、自分が射たれたことに気づきもせず、見事に「歪め屋」の仲間にされてしまうのだ。かくして「歪め屋」の弾丸は増幅され、大量にばらまかれる結果となるのである。
[後略]
今回のNHK番組「騒動」の報道は、以上の謀略宣伝の問題点の象徴的な展開となったのである。
以上。