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『亜空間通信』1083号(2005/08/22)
【お粗末NHK「アウシュビッツ」ハリウッド製の決定的ミスは青酸ガスによる死体は青黒いとの証言】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
日本の「公共放送」NHKが敗戦記念日の翌日から五日間にわたって放映したBBC=ハリウッド製の「アウシュビッツ」に関しては、終始、批判の通信を発した。その後、わが電網宝庫(ホームページ)読者から、お粗末な歴史偽造の決定的ミスに関しての指摘が届いた。
お粗末な「アウシュビッツ」物語には、いわゆる「ホロコースト生き残り証人」が何人か登場するが、その内の一人は、「ガス室の死体を見た」と称する発言の中で、死体が「青黒かった」と語っていたのである。
ところが、ガス室のガスは、「チクロンB」という名称のシラミ退治の薬品から発生する「青酸ガス」ということになっているのであるが、青酸ガス(シアン化水素)の中毒による死体は、青黒くはならず、鮮紅色になるのである。
この死体の皮膚の「鮮紅色」は、シアン化水素が血液中のヘモグロビンと結合して、「鮮紅色」の「シアンメトヘモグロビン」を形成することによるのである。
以下、電網(インターネット)検索で実に簡単に発見できた2つの「法医学」情報を示す。
http://www3.kmu.ac.jp/legalmed/topics/koku8.html
医師国家試験法医学関連問題の解説
<中毒・薬物依存>
[中略]
皮膚紅潮をきたすのはどれか。
×a 二硫化炭素中毒(皮膚に触れると火傷を起こす)
×b 硫化水素中毒(硫化ヘモグロビン形成により緑色調になる)
×c 酸素欠乏症(チアノーゼで暗紫色調になる)
○d シアン化水素中毒(鮮紅色のシアンメトヘモグロビン形成による)
http://www3.kmu.ac.jp/legalmed/lect/poisoning/poison.html
法医学講義 法医中毒学
Forensic Toxicology
<中毒>
毒 poison:生体組織に障害を与え、致死作用を及ぼす物質
法律では毒性の強いもの (劇物はその1/10) と表現:科学的定義なし。
中毒 poisoning:毒物による (化学的反応を介する) 生体の諸機能の障害青酸 (Hydrogen Cyanide)
性状
1. HCN(シアン化水素):無色、沸点26℃、アーモンド臭、比重0.941。
2. シアン化カリウム(KCN)、シアン化ナトリウム(NaCN):潮解性で水に容易に溶け、強いアルカリ性を示す。用途
1. 工業材料:メッキ、冶金、写真工業、金属製品の加工(KCN、NaCN)。
2. 燻蒸消毒:船舶、倉庫など(HCN)。植物による中毒
バラ科の植物(青梅、桃、杏など)、南方産の豆(アオイ豆、ビルマ豆など)、アジサイにはアミグダリンなどのシアノ配糖体が含まれる。→加水分解され遊離シアンを生じる。中毒作用
1. 青酸化合物の致死量は、KCNを服毒した場合、0.15~0.3g/人、青酸ガスでは0.2~0.3mg/lと考えられている。粘膜を通じて組織に進入した青酸は呼吸中枢や頚動脈小体に障害を与える。
2. ヘモグロビンと結合し、酸素運搬機能を低下させる(毒性作用の程度は低い)。死体所見
1. 死斑、血液が紅色調
以下は、「NHKアウシュビッツ5回放映」の最終回への批判である。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/2003aku/aku1081.html
http://www.asyura2.com/0505/senkyo12/msg/169.html
『亜空間通信』1081号(2005/08/21)
【NHKアウシュビッツ5回放映は戦後60周年イスラエルの国連記念日制定要求と呼応する歴史偽造】
[中略]
8月21日には、ホロコースト問題を知る友人から、電話が入った。「CGまで使う手の込んだ映像詐欺」に関する批判である。
CGだけではない。モノクロの当時の映像に、役者を使った場面をつなげて、歴史を偽造している。80歳前後の老人が出てきて、回想する場面もあるが、この種の「証言」の信憑性に関しては、拙著『アウシュヴィッツの争点』の該当箇所を示す。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/aus-26.html
『アウシュヴィッツの争点』
第二章:「動機」「凶器」「現場」の説明は矛盾だらけ
イスラエルの公式機関でさえ「信用できない」証言が半分以上
[後略]
ところで、同じくNHKが、今から12年前の1993年に放映したデンマーク製の「海外ドキュメンタリー」、『ユダヤ人虐殺を否定する人々』でも、「ガス中毒」の死体に関する「証言」が出てくるのだが、1994年末に現地調査、1995年に発行した拙著『アウシュヴィッツの争点』では、その細部にわたる批判を展開した。
以下は、その関係部分の抜粋である。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/aus-57.html
『アウシュヴィッツの争点』
第7章:はたして「ナチズム擁護派」か
NHK放映『ユダヤ人虐殺を否定する人々』をめぐって
[中略]
NHKが「海外ドキュメンタリー」(3チャンネル、93・6・4)で放映した『ユダヤ人虐殺を否定する人々』では、『ニューズウィーク』の場合よりもさらに手のこんだ手法がつかわれている。「発疹チフス」のようなキーワードをかくすばかりでなく、映像に特有の錯覚をつくりだし、「否定する人々」の実態をゆがめてつたえる結果になっている。
ただしわたしは、『ニューズウィーク』の編集者や、NHKの海外番組放送担当者や、その原版を制作したデンマーク・ラジオのスタッフらが、意図的に「悪質な報道操作」をしたとまでは断定しない。だが、「世論誤導」という結果責任はあきらかである。実際の世間的効果はおなじようなものだが、担当者は単に事実を知らずに不勉強なまま、既成の世間的通念にしたがっただけなのかもしれない。
NHKによる日本語版演出の部分では無知があきらかである。無知ゆえになおさら、日本語版の解説や語りの演出に原版以上の「正義派」気どりの力みが感じられる。その無邪気さがかえってこわい。
「ユダヤ人虐殺を否定する人々」の演出手法は、「ホロコースト」否定論または見直し論にたいするマスメディアの反応の仕方の一つの典型をなしているし、今後の事件検証のための基本的な材料をふくんでいるので、以下、要点を紙上再録してみる。
[中略]
http://www.jca.apc.org/~altmedka/aus-61.html
「ガス中毒死した死体」という根拠のない断定を追認する解説
この『ユダヤ人虐殺を否定する人々』というテレビ番組の制作意図は、あきらかに、「ホロコースト」物語の肯定と維持にある。
その目的のための取っておきの駄目おしは、すでに紹介した老人、「強制収容所に収容されていたヘンリー・マンデルバウム」の「証言」である。ロイヒターがアウシュヴィッツの第二キャンプ、ビルケナウの現地でサンプルを採集する情景を撮影した報告用の画質のわるいヴィデオと、「ディゾルヴのカギ十字」模様のうえにおかれた『ロイヒター報告』にかぶせるという順序で、おなじ廃墟の跡をゆっくりと歩く老人の姿がうつしだされる。
解説者は、しんみりと同情的な調子で、言葉を一つ一つ、印象づけるようにくぎりながら語る。
「おなじ現場で、一人の男性は、正反対の主張をする。五〇年前、かれは、死体を、焼却炉へ運ばされていた」
つづけてマンデルバウムがこう語る。
「たくさんの死体をここで焼きました。ガス中毒死した死体です。その数は検討もつかないほど大量でした。わたしが運んだものだけでも、数千人はくだらないと思います」
[中略]
マンデルバウムが何度も死体をはこび、何度も焼いたのは、おそらく事実であろう。
だがいったいかれは、どういう手段で、それらの死体が、たとえば発疹チフスによる病死者のものではなくて、「ガス中毒死した死体」であることを確認したというのだろうか。みずからも一介の「収容者」だったというかれが、どうやって法医学者のような作業をすることができたのだろうか。解剖をしたり、ロイヒターがおこなったような「青酸」反応のテストをやったうえでの「証言」なのだろうか。
わたしの推定では、マンデルバウムには、そのような技術的資格も物理的条件もまったくなかったはずだ。わたしのこの推定が誤りであることが確認できないかぎり、マンデルバウムの「証言」は、解説のセリフが断定しているような「正反対の主張」にはなりえないのである。
アウシュヴィッツ博物館を訪問したわたしの目的の一つには、マンデルバウムとのインタヴュー計画があった。そのための手はじめに、歴史部主任のピペル博士への第二の質問として、マンデルバウムを知っているかとたずねた。ピペルは強くうなずいて、知っていると答えた。わたしはNHKのカタカナのスーパー文字で「マンデルバウム」という氏名を知っただけなので、メモ用紙をさしだしてローマ字のつづりを聞くと、サラサラとメモしてくれた。マンデルバウムに会いたいのだがというと、「かれはアメリカに帰った」と答えた。
ピペルはたんに、マンデルバウムを知っているというだけではなかった。マンデルバウムはピペルの重要な情報源だったのだ。そのことは、ピペルとの会見の直後に博物館の売店でもとめたピペルの著書の抄訳英語版をひろげてみたら、すぐにわかかった。その七ページには、つぎのように書いてあった。
「ゾンデルコマンド[収容所内の地下組織、特別分遣隊の意]のもう一人のメンバーだったヘンリク・マンデルバウムは、一九四四年六月から一九四五年一月まで死体の焼却にあたっていたが、“仲間の話によると、全期間を通じて四五〇万人がアウシュヴィッツで死んだ”と証言した」
ピペルと会見したときのわたしは、まだこの文章を読んでいなかった。しかし、ピペルがマンデルバウムをよく知っているという感触をえたので、ズバリとこう聞いた。
「日本のNHKが放映したデンマーク・ラジオの作品のなかで、マンデルバウムは、はこんだ死体の死因はガス中毒だと語っている。しかし、一収容者のマンデルバウムには、外科的、またはな、死因を特定する手段はなかったはずだが、どう思うか」
ピペルは、わたしの疑問を否定しさることができなかった。無言で何度かうなずいたのちに、おおきく両手をひろげて、ゆっくりとこう答えた。
「かれは、そのように観察(オブザーヴ)したのです。かれは目撃証人(アイ・ウィットネス)なのです」
ピペルの回答にたいしては、これ以上のコメントをくわえる必要はないだろう。その後にピペル自身の著書の文章で確認したが、かれ自身、マンデルバウムが「焼却」した「死体」について、「ガス中毒」とは表現していない。
[後略]
以上のごとく、私は、今から10年以上も前に、アウシュヴィッツ博物館の歴史部主任のピペル博士に、「ガス中毒」とされる死体に関する「法医学的」な論拠を問い質していたのである。
以来、11年目、ハリウッド製の「アウシュビッツ」物語が、決定的な「尻尾を出した」のである。
これこそがまさに、「上手の手から水が漏れる」典型的な事態である。
以上。