[翻訳紹介]
韓国平澤基地反対闘争の現況

 米軍のトランスフォーメーション戦略に対応して、わが国では米軍基地の大規模再編成と自衛隊・米軍の一体化の新たな段階への移行が進められつつあります。お隣韓国でも、在韓米軍の再編成が進められ、平澤への大規模移転・統合が進められています。韓国の場合、戦時統帥権の米軍司令官から韓国大統領への返還問題や、首都からの米軍基地撤去といった、日本とは異なった側面をもちつつも、東アジア地域における米軍の戦略的再編の一環として行われており、民衆の土地を暴力で奪い取り基地の拡張整備を進めるという点において、日本の場合と何ら変わるところがありません。

 今年の5月5日、韓国政府は、国軍を投入して、基地拡張予定区域の住民を暴力的に区域外に叩き出すという暴挙に出ました。これについては、5月9日付の本ホームページの記事で紹介しましたが、9月13日には、再び国軍を投入して、強制立ち退きさせた住民の家々を完全に破壊して更地とする暴挙を繰り返しました。これに対して、地元住民を中心の据えた反基地・平和勢力は、9月24日、ソウルで第4回平和大行進を成功させ、長期抵抗闘争を構築しつつあります。

[翻訳紹介]平澤基地拡張に反対する現地市民団体による抗議声明
−−5月18日 光州(クァンジュ)民衆抗争26周年を記念して新たな大衆行動を提起−−

[翻訳紹介]韓国の平澤(ピョンテク)基地拡張阻止闘争に軍が出動して大弾圧
−−地元住民を暴力で踏みにじり強行される米軍再編−−


 今回は、この二つについての記事を、韓国『民主労総』のHPの記事からの転載でお届けします。最初は、<平澤(ピョンテク)汎国民対策委緊急要請文>からの翻訳、

 二番目は、ルポルタージュ「平澤(ピョンテク)テチュ里のハルモニ(お婆さん)たちの泣き叫びの中で強制撤去」「ソウル市庁広場をぎっしりと埋めた2万余の平和の守り手たち

9・24平和大行進、反米反戦の大衆の熱気を確認」からの翻訳です。

http://www.nodong.org/main/news_view.html?serial=797

http://www.nodong.org/main/news_view.html?serial=815

 なお、平澤基地闘争については、http://www.ne.jp/asahi/cyura/kiyoko/hangukalbum.html

で、『平澤米軍基地拡張阻止汎国民対策委員会』のHP:http://www.antigizi.or.kr/)の一部を日本語で見ることができます。

※上記記事は、韓国の『情報共有ライセンス』に基づいて翻訳掲載しています。


2006年9月28日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局






<平澤(ピョンテク)汎国民対策委緊急要請文>

野蛮な村破壊と住宅強制撤去に際しての緊急要請文


 テチュ里、トドゥ里を守ってこられた国民の皆さん!

 京畿道(キョンギド)平澤のテチュ里、トドゥ里の住民たちと平澤米軍基地拡張阻止汎国民対策委員会(平澤汎国民対策委)が、国民の皆さんに切に呼び掛けます。

 また再びテチュ里、トドゥ里の村が国家公権力によって破壊される危機に置かれました。政府と国防省は、「村の破壊と住宅強制撤去を止め、平和的に解決せよ」という各界各層の声を握りつぶし、先祖代々継続してきた村共同体を破壊する"住宅強制撤去"を押し切る予定です。村の住民たちと平澤の守り手と一緒に、テチュ里とトドゥリ里の村を守りましょう。

 人権と生命を尊重し、平和を愛する国民の皆さん!

 テチュ里とトドゥリ里の住民たちは、残酷な春を過ごしました。去る5月4日、名前も美しいファンセウル原と平和なテチュ里とトドゥリ里の村は、国家公権力によって惨めにも踏みにじられました。政府と国防省は、一生農業だけを行ってきた素朴な住民たちを相手に、ヘリコプターと軍隊を動員して軍事作戦を繰り広げました。広大なファンセウル原に鉄条網を打ち、テチュ小学校を無惨に破壊しました。
 その後、住民たちは人間らしく生きることができませんでした。幾重にも張り巡らされた鉄条網に包囲されたまま、不安と恐怖の中で非人間的な生活を強要されました。村のあちこちに設置された監視カメラ(CCTV)は、24時間住民たちの生活を監視し、自分の田畑に身分証を見せて入らなければならない、とんでもないめにあいました。凶悪な検問所と警察の不法不審検問は、村を孤立無援の"島"にしていまい、親戚の交流までも遮られました。

 しかしテチュ里とトドゥ里の住民たちは、決して折れなかったのです。生命と平和のロウソクの明かりを頑強に明かしています。ロウソク追悼集会は730回を越え、毎晩、世界最長期のロウソク追悼集会記録を打ち立てています。子どものような土地と大切なくつろぎの場所を放棄できないためです。ファンセウル原を奪われれば、韓半島の平和が崩れるためです。

 尊敬する国民の皆さん!

 テチュ里とトドゥリには人が暮らしています。43年の日本軍と52年の米軍によって、すでに2度も追い出された人々です(*1)。彼らには、恨(ハン)(*2)が宿っている、命と同じ土地なのです。ここで一生幸せに暮らしたい住民98世帯が暮らしていて、"平澤の守り手"たちが暮らしています。

 人が暮らしている村を破壊し、住宅を強制的に撤去することは、明白な"国家暴力"です。今日、他国の基地を作るために、人が暮らしているのに、軍人、警察、ガードマンを動員して、村を叩き潰して人を追い出すようなことは、世界のどこにもありません。破壊と暴力が国策事業になることがあってはなりません。これは非人間的で反人権的な殺人行為であるのみです。
 一生農業だけを行ってきた住民たちを追い出し、米国の戦争基地、侵略基地を作るのは、如何なる理由によっても正当化することはできません。住民たちを強制的に追い出し、草花花瓣(*3)慰安施設まで作る平澤米軍基地の拡張は、内容と形式、手続きにおいて、何の正当性も持つことができませんでした。見かけが良い"国益"のためにテチュ里、トドゥ里の住民たちと命と平和の土地を犠牲の羊とすることはできません。

 国民の皆さん!

 テチュ里とトドゥリの住民たちと平澤氾国民対策委が、国民の皆さんに切なる心情で訴えます。政府と国防部の村破壊、住宅強制撤去を防ぐことは、人権、生命、平和を守ることです。村の破壊と住宅強制撤去を国民の力で防ぎましょう。人権、命、平和の土地を守りましょう。

 今まで、テチュ里とトドゥリを国民の力で守ってきました。国の運命が風前の灯火の危機に遭遇した時、いつも国民が進み出ました。国民の力で正義と良心を生かしました。殺人的な住宅強制撤去と村の破壊を防ぐ力は、ひたすら国民しかありません。

 もう一度訴えます。人権、命、平和を愛する国民の皆さんが立ち向かって下さい。

平澤へ、平澤に駆けつけて下さい。

2006.9.7.

金(キム)ジテ、文(ムン)ジョンヒョン、呉(オ)ジョンニョル、鄭(チョン)グァンフン、韓(ハン)サンヨル(平澤氾国民対策委常任共同代表) 拝

(*1)平澤の人々は、戦前は日本軍に、戦後は米軍に強制立ち退きさせられた。
(*2)恨は、韓国・朝鮮の独特な概念で、単なる"恨み"ではない。
(*3)草花も花瓣も韓国・朝鮮の美しい伝統的文様で、その名を付けた施設。



平澤(ピョンテク)テチュ里のハルモニ(お婆さん)たちの
泣き叫びの中で強制撤去


[1信 9月9日14時] 平澤テチュ里強制撤去切迫
 去る5月4日、軍部隊を投入して、テチュ小学校を強制撤去した政府が、今回はテチュ里の住民たちの住宅に対する強制撤去を執行すると見られ、平和を愛するすべての者の憂慮を生み出している。
 平澤汎国民対策委側は、「9月8日14時頃、住宅強制撤去を押し切るために京畿(キョンギ)道庁関係者らと国防省、ガードマンらと見られる人々30人余りが、テチュ里の村を偵察しており、テチュ里の村の入口にある米軍部隊アメリカ・タウンの建物の屋上に上がって、村の周囲を見回し、強制撤去計画を点検する姿が確認され、警察のヘリコプターがテチュ里村の上空を継続的に低く飛行している」と伝えた。
 平澤汎国民対策委側は、ホームページを通して、「野蛮な村破壊と住宅強制撤去に際する緊急要請文」を発表し、9月11日から13日間に強制撤去強行が予想されるとし、全国の平和を愛するすべての者は平澤に駆け付けて、強制撤去阻止に参加することを訴えている。
民主労総は、9月6日、各組織代表者および組合員は、住宅強制撤去前日、平澤テチュ里に集結せよとの指針を公示した。
 金ヨンジェ民主労総統一局長は、「現在、平澤テチュ里の住宅強制撤去を阻止するために、民主労総組合員を組織中であり、最善を尽くして住宅強制撤去を阻止するだろう」と表明した。

[2信 12日18時] 平澤テチュ里に警察兵力が続々集結、強制撤去初日
 平澤汎国民対策委側によれば、警察兵力が次から次へとテチュ里に集結していて、強制撤去執行が初日に入った状態であると表明した。
 平澤汎国民対策委側は、ホームページを通して、午後3時30分頃から青テープで車両番号版を分けた警察バスが、次から次へとテチュ里村の入口側に集結していると伝えた。警察バスの車輌数は、概略17台程度と把握されており、軍隊兵力もテチュ里村のそばの米軍基地に集結していると伝えた。
 平澤汎国民対策委側は、9月13日夜明けに強制撤去執行が予想されるとし、12日の夕方7時の<住宅強制撤去中止要求ロウソクの灯り文化祭>に参加を訴えている。



©民主労総
[3信 12日19時] 集会の隊列が金門橋に集結中、ろうそく追悼集会予定
 警察の防御線が広く張り巡らされ、今現在、集会の隊列は金門橋に集結中だ。全体の隊列は、金門橋への集結要望。

[4信 12日21時50分] 平澤のウォンジョン三叉路で警察と対峙
 9月13日未明、平澤テチュ里村に対する強制撤去が予想される中、テチュ里へ向かうウォンジョン三叉路には、全国から集まった青年学生、民主労総組合員、民主労働党党員など、平澤の守り手約400人余りが、警察と対峙している。警察は、テチュ里へ向かうすべての町角を封鎖した中で、オジョン三叉路に集まった400人余りの平澤の守り手たちに向かって、解散をそそのかしている。
 警察の宣伝啓蒙放送は、解散を勧める中で、全国から集まった400人余りの平澤の守り手たちは、一寸も動揺することなしに、ロウソクの灯りを持って連座デモ中である。
 平澤の守り手の後方には、MBC、SBS、YTNなどの放送車が列をなし、平澤テチュ里に進入するため待機している。
記者は、現在(23時)、平澤テチュ里村の中に入ってきている。周囲は静かだが、テチュ里村の周囲に警察兵力がずっと配置されているという急迫する情報が続々伝えられている。

[5信 13日05時00分] 警察、テチュ里ガ原に兵力配置開始
 明け方5時現在、警察車輌の赤い灯りがテチュ里ガ原をいっぱいに埋めている。まだ闇が濃く落ちた野原の向こう側で、警察車輌の轟音が聞こえてきて、鎮圧兵力を配置しようとするごとく、赤い警察車輌の灯りはせわしく動いている。
 このように、警察の進入が近くに迫ってくるや、テチュ里を全身で守り抜く平澤の守り手たちは、鎖で全身に巻き付けて、テチュ里の農家の屋根に登っている。警察の重装備が家を壊す場合にも、屋根から降りないで最後まで持ち場を守るものと見られる。チョ・ファング民主労総京畿本部副本部長も、現在連行を覚悟してテチュ里の家屋の屋根に登って、全身で強制撤去を制止している。


△ 屋根で体をくくって強制撤去を制止する平澤の守り手、一番下の写真=チョ・ファング京畿本部副本部長も、連行を覚悟して強制撤去を防いでいる。 ©民主労総


 左懸垂幕には、「平和を踏みにじらないで下さい」とある。

















 左横断幕には、「トドゥ里・テチュ里を守って下さい!」とある。






 左の横断幕は、向かって左から、「村を壊さないでください」「人が暮らしています」「平和を踏みにじらないで下さい」・・・{以下読めず}

©民主労総

[6信 13日06時00分] 警察、テチュ里ガ原へ進入開始
 警察の重装備進入が始まった中で、屋根の上に上がった平澤の守り手たちの叫びが聞こえてくる。村の放送は、警察の進入を知らせる切迫した声が全村に鳴り響いている。

[6信 13日08時30分] 警察、テチュ里のいたるところを掘削機を前面に押し立てて強制撤去開始。午前06時50分、警察が最終進入のための準備をしている間、村の住民たちは平和公園に集まった。最後の住民決意大会を進めながら、力に余るといえど、今日一日よく耐え抜くこうと、テチュ里の住民たちが互いに励ましている。
 文(ムン)ジョンヒョン神父は、「私たちは少数だが、テチュ里を守る闘いでは負けない。屋根の上で最後まで闘うテチュ里の守り手の姿が、全国津々浦々に知らされるだろう。私たちが最後までテチュ里を守ろうとする姿が知らされる瞬間、私たちの真の心も知らされるだろう。最後まで勇気を失わないでくれ」とテチュ里の住民たちを励ました。
 午前07時10分から、村のあちこちで警察がガードマンを前面に押し出して、進入しつつある。ガードマンたちは、ハルモニ(お婆さん)たちと村の住民たちを盾で押し出しながら、掘削機の進入を道案内している。盾を前面に押し出して進入する警察に向かって、ハルモニ(お婆さん)は
 「オイ、この悪党ども、なぜ私たちを追い出すのか、テチュ里のように良い土地をどこで探すことができると言うのか? なぜこの土地を米国にくれてやるのか? この悪党どもめ」と叫びながら鬱憤を晴らした。
 現在、村のいたるところで、屋根の上に登った平澤の守り手たちの叫び声と村の住民たちの泣き叫び、ガードマンたちが連れ歩く掘削機の鋭い騒音が入り乱れている。掘削機によって家々が倒れる音と警察のヘリコプターの音、住民たちの泣き叫びが、全村を覆っている。

[6信 13日10時50分] 平澤テチュ里、人が暮らす家まで無差別強制撤去進行
 午前6時50分頃から始まった平澤テチュ里の強制撤去は、事前に準備されない無差別強制撤去であることが顕わになった。
 午前10時頃、掘削機を前に押し立てた撤去ガードマンらが平和公園の下の方にある住宅を強制撤去しながら、人が暮らしている住宅も無差別撤去している。テチュ里の住民たちによれば、家主である方(パン)○○氏は、拘束された金(キム)ジテ・テチュ里里長が、釈放されれば引っ越して来ると絶えず話していたと説明した。現在体が痛くて病院に入院中の娘の看病のために昼間の時間だけ主人がない状態だとテチュ里の住民たちは説明した。こういう住民たちの抗議と説明にもかかわらず、警察が方○○氏の家を囲んだ後、撤去ガードマンたちは家を撤去し始めた。住民たちの打ち続く抗議に、事実確認をした警察は、表に出た什器をまた家に移しておくこともした。だがすでに家が潰れた状態と家主方○○氏は、大きい困難を経験するものと予想される。
 ショベルカー10台と散水車6台がテチュ里の村を縫いながら、住民たちの思い出に充ちた住宅らを引き続き撤去している。
 昨夜、夜明かしをして、テチュ里外郭からテチュ里進入を試みた20人余名が、午前10時ごろ、ポンジョン三叉路入口で、警察に暴力連行され、どこに連行されたのかはわからない状態だ。


 △すべてが壊されたテチュ里の住宅、下の写真=倉庫だけ残し、すべて壊された家を虚脱して眺める金(キム)ヘンジョン・ハラボジ(お爺さん)。©民主労総

[7信 13時00分] 警察の撤去がしばらく小康状態にさしかかったよう
 テチュ里に暮らしている金(キム)ヘンジョン(65)ハラボジ(お爺さん)は、2003年からハルモニ(お婆さん)が具合が悪くて病院に通ったという。
 今日も病院に行ってきて、11時頃テチュ里村に到着したという。金ヘンジョン・ハラボジ(お爺さん)の向かいの家がまともで、大きい心配なしに家へ向かったが、金ハラボジ(お爺さん)は、すっかり崩れた家と道端に投げ飛ばされた家具と家財道具を見て、あまりにも大きい衝撃を受けたという。
 金ハラボジ(お爺さん)おじいさんは、「その昔、軍事独裁の折にも、こうではなかった」と、記者を見てしきりに切々と訴えている。

△後方の掘削機が最後の強制撤去を行う中、ヤン・ジュヨン神父と村住民が、ミサを捧げつつ強制撤去を防いでいる。©民主労総
 家がすっかり崩れてなくなり、今日の当座の寝床すらはるかに遠い金ヘンジョン・ハラボジ(お爺さん)、記者が「ハラボジ(お爺さん)、今日どのようにおやすみになるのですか?」と尋ねるや否や、「まだ倉庫が残っているので倉庫で寝るしかないだろう」と寂しく答えられた。
 午後になり、日差しは随分暑くなった。午前、あちこちで鉄を削るような音を出していた掘削機も、一つ二つと村の外郭へ抜ける姿が確認されている。暑い日差しの下で、屋根に体をくくっている平澤の守り手たちは、引き続きスローガンを叫んでいる。警察が新しい撤去を準備するのか、それともこれ以上撤去が進行しないのか、確認することができない状況だ。


[8信 16時10分] 最後に一台残った掘削機が、最後の住宅を狙っている。
 テチュ里を行き来しながら、住宅を壊した10台の掘削機と6台の散水車は皆抜け出し、掘削機一台だけがテチュ小学校の前に残っている。テチュ里のあちこちに集まっていた警察兵力も、ほとんど大部分が抜けて、外郭に移動している。
 しかしテチュ小学校入口の側にまだ残っている掘削機は、人権運動家2人が屋根を守る住宅をずっと狙っていると見られる。汎国民対策委関係者は、テチュ小学校入口で強制撤去を制止している人権活動家2人が、警察に連行される可能性があると憂慮している。
 15時30分頃から、ヤン・ジュヨン神父と修道女2人、10人余りの村民が、テチュ小学校の前でミサを奉げながら、警察の侵奪を体で防いでいる。
 記者が見るにも、ミサを最大限長く引っぱりながら、テチュ小学校入口の住宅撤去を阻止する姿がはっきりと見える。
掘削機が、現在すべて抜け出し、テチュ小学校入口にだけ残っていて、テチュ小学校入口だけ防げるなら、今日の強制撤去は終了するものと見られる。汎国民対策委状況室に確認した結果、今日、テチュ里では、展望台4人、平和公園付近3人等、総7人が連行されたことが確認された。
 屋根の上で住宅の強制撤去を体で阻止した平澤の守り手たちも、一人二人と降りてくる姿が見られる。だが、警察がテチュ里をすべて抜け出ない状況だということで、平澤の守り手たちがすべて降りてきたのではない。

[9信 17時30分] 警察すべて撤収、私たちが大推理を守った。
 テチュ小学校の前に最後まで残っていた掘削機が、外郭に抜け、警察兵力も抜け出つつある。警察がすべて退いた後、屋根の上で全身でテチュ里を守った守り手たちも皆降りてきた。今日の強制撤去で、主人が引っ越して行った家のうち、約2/3が撤去されたと見られる。


ソウル市庁広場をぎっしりと埋めた2万余の平和の守り手たち
9・24平和大行進、反米反戦の大衆の熱気を確認


△韓半島の平和の脅威、戦争基地強要の米国糾弾大会を龍山(ヨンサン)米軍前で行った。その後、本大会の場所であるソウル市庁前まで行進が続いた。©民主労総
 9月24日12時、龍山(ヨンサン)の国防省前では9.24第4次平和大行進事前大会が開かれた。3千余の参加者たちらは、「戦争基地を強要する米国反対」、「平和の脅威米国反対」、「米軍基地拡張反対」等のピケットを持って国防省前をぎっしりと埋めた。集会では、韓相烈(ハン・サンヨル)統一連帯常任代表、李(イ)ビョンハ慶尚南道(キョンサンナムド)進歩連帯、張(チャン)スンフェ韓総連議長などが演壇に登って、基地拡張、戦争策動、韓米FTAなどで民衆の生存を崖へと追い立てる米国を反対して、盧武鉉政府の親米隷属政策を強く批判する一方、ますます組織化される守旧保守勢力の動きを警戒することもした。
 行進で参加者たちは、国防省と龍山(ヨンサン)米軍基地に向けて、ペンキが入れられたタマゴを投げ、スプレー・ペイントで「FTA反対」等の文句を基地の壁に書くなど、平和と自主に対する熱意を発散した。
この事前大会は、南営(ナミョン)駅付近で自主解散し、隊列は、ソウル市庁広場で開かれる3時の本大会に参加した。
 2万人余りの参加者たちが席を埋めて、行事場所を整理するのに本大会は30分を過ぎて始まった。各種の歌とパロディ劇などの文化公演で構成された1部は、「王の茶髪の女」という劇を最後として終わった。大会中、ずっと参席者たちは、司会者と一緒に、「人に!」-「人権を!」、「韓半島に!」-「平和を!」、「米軍基地拡張!」-「阻止しよう!」という中心スローガンを叫んだ。
 発言と文化公演で構成された2部では、米国平和在郷軍人会、オキ(沖縄)-カン(韓国)民衆連帯、アジア共同行動日本連絡会議会員らが舞台に上がり、今日の主題が、国際的課題であることをも見せてくれた。
 ジョン・キム米国平和在郷軍人会代表は、過去、朝鮮戦争やベトナム戦に参加した自分の団体の会員たちを紹介しながら、「過去には戦争のためにきたが、今日は平和のためにきた」と話し、彼は、「平澤米軍基地は、閉鎖されなければならず、平和のためにすべての海外米軍基地は、米国に戻らなければならない」と主張して、大きい拍手を受けもした。
 続いた発言で、趙俊虎民主労総委員長は、「殺人政権が、今は軍事基地で民衆の利益を売り、民族生存権を超国籍資本に渡そうとする」と激しく批判し、「民主労総は、11月15日の無期限ゼネストで、平和のための闘争に総進軍する」と表明した。
 一方、文化公演のために舞台に上がった歌手全仁権(チョン・インクォン)は、歌に先立ち平和を強く願いながら、「平澤問題は、歌手にお金を与えるから歌うなという話」だとして、不当さをチクリと刺しもした。
 決議文を通して、参加者たちは、「盧武鉉大統領は、今、米国の戦争基地建設の先頭に立ち、21世紀民主国家ではとうてい容認されない犯罪行為を行っている」として、「盧武鉉大統領はこれ以上遅くなる前に、国民の声に耳を傾け、金(キム)ジテ住民里長を釈放し、米国との再協議に打って出るべきだ」と促し、最後に舞台に上がったテチュ里、トドゥ里の住民たちを代表して、李(イ)サンニョル・トドゥ里2里里長は、「私たちの闘いは正しい。国民の皆さん、私たちと一緒に闘おう。私たちは、死んでもこの土地に埋められたい」と言って意志を明らかにした。
 2万余りの参加者たちは、18時30分頃、大同(テドン)ノリ(*1)で交わりながら非常に楽しく行事を終えた。
この日の平和大行進を通して、民衆の陣営は、「平澤米軍基地拡張阻止」を中心に、反米反戦、韓米FTA反対を大衆的な熱気によって拡大する契機を整えた。以後、闘争に少なくない力を与えるものと展望される。


△ソウル市庁前で第4次平和大行進の主行事が行なわれた。多彩な文化公演を楽しむ参加者たち。©民主労総

△民主労総 趙俊虎(チョ・ジュノ)委員長
©民主労総

△第4次平和大行進あれこれ ©民主労総

(*1)平等社会を念じる伝統的な農民の団体遊び。「大同」は「平等」を、「ノリ」は「遊び」を意味する。