[翻訳紹介]
日本で「2+2」の「最終報告」が日米政府によって一方的に決定されたまさにその時に、韓国でも米軍再編が山場を迎えている。グローバルな軍事介入体制作りのための米軍再編は日本と韓国、アジアや中東までをも含む大規模なものとなっている。 在韓米軍基地の整理統合再編の中でも最大のものは、首都ソウル市内竜山(ヨンサン)にある米軍基地を閉鎖して韓国に返還し、それを首都南方70kmにある平澤(ピョンテク)米軍基地に移転させる計画だ。移転には新たに349万坪を確保することになっており、農民は強制立ち退きを迫られてきたが、地元の大楸里(テチュリ)小学校を闘争拠点とし、長期抵抗闘争を闘ってきた。ところが5月4日、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は、軍人2800人、警察1万3492人を現地に投入し、闘争拠点を急襲。そこにいた住民と支援市民団体員に暴行を加え、全員を強制連行した。更に、強制収容区域を有刺鉄線で囲い、住民の立ち入りを禁止した。この軍・警一体となった急襲で、多数の負傷者が出ている。 私たちは、平澤基地移転阻止闘争を闘う韓国の現地住民と市民に対し、強い連帯の意志を表明したい。わが国で基地撤去闘争を闘っている人々に、平澤闘争の現況を知らせたいと思い、ここに韓国の『全国民主労働組合連盟』のホ−ムページ(http://www.nodong.org/)に掲載された記事を翻訳し、転載する。
2006年5月9日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局 [速報]軍部隊、平澤(ピョンテク)に電撃投入、 民間人、こん棒顔面攻撃受け、血流転倒 [5/5]こん棒武装軍兵力、大楸里(テチュリ)村急襲。 村内で暴力をほしいままに。 「平澤へ!」 ■「国軍が国民を踏みにじっています。」 平澤大楸里は戒厳状況彷彿。「平澤は火の海。戦争より残酷・・・」
平澤大楸里にある平澤汎国民対策委状況室が襲撃を受けた。警察は、この時刻、キャンドル集会を終えて帰宅した集会参加者全員を検挙する、と言うや、大規模警察兵力を解き放ち、暴力をほしいままにしている。約2千余人の警察が、村のいたるところをうろつき回っている。平澤汎国民対策委事務室が警察によって襲撃を受けた。現場にいた関係者10余人が、強制連行された。地域住民は、恐怖に震えながら、激しく抗議している。大楸里の出入は、徹底的に統制されている。国民参加政府の下で、夜が更けるに従って、国家暴力という醜悪な怪物が、凶悪な姿を表わしている。平澤大楸里現地は、戒厳状況と変わりない。 [10:10]軍人ら、めちゃくちゃな暴力行使、連行者交渉に臨んだ民主労総幹部を強制連行、今日も50人以上強制連行され 連行者を救出するためにトドゥ里から大楸里方面に向かった汎国民大会参加者たちは、鉄条網と軍兵力に遮られ、交渉をするために民主労総金(キム)ジョンゴン組織室長と金(キム)ドンホ組織局長などを鉄条網中に押し込んだ。しかし軍関係者は、「交渉する状況でない」として、彼ら交渉代表団を孤立させ、結局連行した。・・・(中略)・・・民主労総のチョ・ジュノ委員長は、「平澤闘争と今日の私たちの闘いが、まさに歴史の始まり」としながら「自国民を殺す軍は、すでに軍ではない。尹光雄(ユン・グァンウン)(国防部長官)を退陣させ、連行者たちを必ず救出しよう」と表明した。21:00、整理集会を終えた参席者たちは、解散後、大楸里に向かおうとしたが、大楸里とポンジョン里に警察兵力が増強され、集会参加者全員を連行する、という方針が伝えられ、一旦解散を中止し、侵奪に備えているところだ。警察は現在、言論報道まで統制しながら。80年の光州(クァンジュ)と非常に似た様相を見せている。大楸里住民たちの孤立が憂慮される状況だ。(平澤現地共同取材団 金ドギュン記者) [19:50]集会参加者たち、孤立した構成員を救出しながら激戦中 集会の隊伍は、軍と警察の暴力にもかかわらず、一分の乱れもなしに抵抗している。彼らは、孤立した隊伍を救出するため、誰彼なしに飛び回っている。孤立した隊伍をすべて救出した後、トドゥ里の村民会館の前でキャンドル闘争集会に突入する。 [19:30]角材武装軍兵力に対峙抗し、集会参加者たちは激烈に抵抗、キャンドル闘争へと引き続ぐ予定 夕方7時から集会に参加した民間隊伍が、ファンセウル側の軍幕舎と施設、鉄条網を撤去中に、軍兵力が角材で武装したまま、集会参加民間人たちを攻撃している。集会隊伍は退かないで激しく立ち向かっている。集会参加者たちはトドゥ里の村民会館に移動し、キャンドル闘争集会を継続する予定だ。 国民の軍隊が、駐韓米軍の傭兵に転落し、自国民に向かって特攻隊まで動員し、結局強制行政代執行という名前のぞっとする流血事態を呼び起こした。生涯、大楸里を守りながら生きてきた彼らが、軍と警察の野蛮な暴力を見ながら、「いっそ銃でダダっと殺せ」と言って抗議する。農作業をしながら命を守ってきた彼らの田畑を鉄条網で遮断し、こん棒で武装したまま平和な村を急襲し、暴力を行使している駐韓米軍の傭兵たちは、「今や何を食べて生きるのか」と言って号泣するおばさんに向かって、クヌギのこん棒を打ち下ろすことができるのか。 [18:50]実践闘争乗り出した隊伍は、激戦を闘いながら鉄条網撤去突入 ファンセウル原に移動した隊伍が、警察の暴力に対抗して激戦を闘いながら、4日に軍が駐韓米軍基地拡張用地とし田畑に無断設置した鉄条網を撤去し始めた。 [18:40]決意表明を終え、集会隊伍全体が実践闘争突入 ファンセウル営農場へ移動中、警察兵力と激戦。怪我人発生 決意表明を簡単に終えて実践闘争に突入した数千名の全国隊伍がファンセウル営農場に移動中だ。国民を敵と規定し、銃口を国民の心臓に向けた国防部と、駐韓米軍のつっかえ棒に転落した警察の無差別暴力に抵抗する隊伍が、ファンセウル原に移動中だ。大楸里小学校が、軍と警察の暴力によって消えたが、生存・平和・生命を愛する彼らの心臓に打ち込まれて、宝石のように光らないだろうか。一生田畑を作りながら生きてきた彼らの心と意思が根を下ろした土地だ。地域住民たちの切々たる叫びを物ともせず、表面では対話を、裏では軍事作戦予行演習を実施した厚顔無恥の国防部長官の裏表のある振る舞いは、軍に対する汎国民的離反感と不信だけを増幅させている。何も持たない無力な国民を、ひっ捕えろ、踏み潰せと、軍が存在するのか。国民の軍隊がやることなのか。果たして、大統領府が駐韓米軍拡張のために軍兵力の投入をたきつけるのか。農業を営み暮らそうという土地に、戦争の基地とはどう言うことか。政権は、戻れない川を渡った。 [18:00]軍警の大楸里源泉封鎖を突き抜けて集結した全国の隊伍2千余名、糾弾大会に突入 駐韓米軍基地拡張を目的に、首都軍団700特攻旅団まで投じて、警察と一緒になった無慈悲な殺戮的暴力鎮圧の振る舞いに、強く憤怒し、全国各地から続々と集まった構成員が、軍警の源泉封鎖を身一つで突き抜けて、汎国民糾弾大会に突入した。民衆連帯の鄭(チョン)グァンフン議長の発言を始め、地域住民の糾弾発言が続いている。18時16分現在、チョ・ジュノ民主労総委員長が演説中だ。チョ委員長の発言に続、金(キム)ヨンファン京畿道(キョンギド)知事民主労働党候補の演説が続き、18時20分ちょうどに、集会を終えると同時に、即実践闘争突入を知らせている。 [17:00]激昂した集会参加者たち、軍投入と軍の暴力に抗して激烈に対峙 ポンジョン里で糾弾集会を終えた隊伍は、ファンセウル原に軍が無断設置した不法鉄条網を切ったり越えたりしながら、大楸里に集結中。こん棒武装軍兵力があちらこちらで集会参加者と対峙。市民参加者たちが激烈に抗議、軍兵力は集団で押し寄せ、集会参加者に暴力行使。 [16:30]怒った市民たちが、警察阻止線、鉄条網を突破しつつ、大楸里に続々集結 大楸里住民たちの「頼むから助けてくれ」との断腸の叫びの中、警察側の道路遮断、不法検問にもかかわらず、ポンジョン里農協側に一千余名以上が続々集結。国防部は、首都軍団直轄の700特攻連隊なども投入、大統領府も軍兵力投入をたきつけたことが明らかになり、波紋拡散。 ■平澤大楸里は戒厳状態。5日、大楸里に集結した人波が急速に膨らみ 大楸里住民たちの「頼むから助けてくれ」との断腸の叫びの中、警察は5日、大楸里小学校で開かれる汎国民糾弾大会出席を遮断するため、主要道路を封鎖したまま、バスを停車させて不法検問を実施している。だが、民間人を暴力で蹂躙し、数百人の民間人を負傷させた暴力行為に怒った全国の国民が、封鎖を突破して大楸里に押し寄せている。ポンジョン里農協側に一千余名以上が続々と集結しており、隊伍は急速に大きく膨らみつつある。 国防部は、首都軍団直轄の700特攻連隊なども投入し、大楸里を完全に焦土化しようとしている。大統領府も、軍兵力投入をたきつけたことが明らかになり、波紋が広がっている。また、軍人と警察が暴力を行使し、雇われヤクザまで加勢した合同作戦のため、米軍基地拡張移転に反対するため大楸小学校に来た妊産婦も、暴力事態に振り回され、異常症状を見せていることが確認された。 女性たちに対する無慈悲なセクハラと性暴力連行に対し、国民はその事実に接して歯ぎしりしている。ネチズン〔ネット市民〕たちも、大統領府の軍投入たきつけと柳光雄国防長官の首都軍団直轄700特攻連隊投入、京畿道警察庁長官の報復性暴力鎮圧など、獣ですらできない反国民的な振る舞いに対し、憤怒して抗議を表わしている。 午後3時50分現在、数千名に増えた隊伍が、警察の阻止線を押し返して大楸小学校に移動中だ。「行こう平澤へ、行こう大統領府へ!」 [13:50]平澤大楸里に通じる主要車道をすべて遮断 大楸里住民たちは、「頼むから助けてくれ」と言い、支援を訴え 民主労総所属女性組合員が、連行過程で激しい暴力により重傷を負ってショックを受け、急激に悪化した状態であることが明らかになった。13時50分現在、軍兵力投入と殺人的軍事作戦にともなう流血事態発生を糾弾するため、全国で抗議糾弾が続く中、5日2時、大楸里小学校で汎国民糾弾大会が開かれる。しかし軍警は、大楸里などに通じる主要交差点を遮断した状態だ。続々と大楸里に集結が続く中、現場で行われる軍警の無慈悲でぞっとする暴力実態を知らせてきている。 一方、大楸里現地住民たちは、電話を掛けてきて、「頼むから助けてくれ」と、支援を訴えている。 国防部は、首都軍団直轄700特攻連隊などを含む軍兵力3千余人を、4日、大楸里に電撃投入することにより、大規模流血事態を惹起させた。 4日の一日13時間に渡って強行された軍+警察+雇われヤクザの合同暴力退去作戦のため、総534人の連行者が発生し、219人が民主労総構成員であると集計された。負傷者は200人以上だ。軍特攻隊まで投入された前代未聞の流血事態は、今この時刻にも続いている。 一方、首都軍団配下の特攻隊を含んだ軍兵力投入等を通した米軍基地拡張予定敷地強制没収を、大統領府もたきつけたことが明らかになった。国防部関係者は、4日、記者たちの前で、「大統領府側の雰囲気も、意外に、速く解決しろとの方だった」として、大統領府の状況を伝えた。 [5/5 12:45]こん棒重武装軍兵力、大楸里村を急襲、"暴力を振り回し" こん棒で重武装した軍兵力が、大楸里村を急襲し、住民と団体関係者などを対象に無差別暴力を行った。続けて警察兵力が押し寄せ、村に駐留している。彼らに対して、一部からは、首都防衛司令部傘下の機動打撃隊所属暴動鎮圧部隊という指摘と共に、軍装中に鎮圧砲および帯剣、小銃を持参したのではないかという疑惑が提起されている。民主労総は、大楸里小学校前に総力集結指令を下した状態だ。しかし公権力は、大楸里につながる主要交差点を遮断している。
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