参院選を前にした日本の反戦平和運動の課題 ○多国籍軍参加反対! 自衛隊は即刻引き揚げよ!
○有事関連7法案の可決を糾弾する!
−−変わる有事法の意味。自衛隊のグローバル派兵で発動する危険。
−−成立後「平時」から始まる日常的な「戦争動員体制」と闘おう。
○米海兵隊の辺野古での新基地建設を阻止しよう!
○参院選が日本の戦争と平和の行方を決する転換点に。憲法改悪、教育基本法改悪を許すな!
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【1】 6月14日、参院本会議で有事関連7法案が可決、成立しました。昨年6月に成立した有事法制本体=武力攻撃事態対処法などとあわせ、いよいよ日本を法制面で「戦争国家」「軍事国家」とする有事法制の骨格が整ったのです。日本を再び侵略国家に仕立てようとする政府与党の野望を断じて認めるわけにはいきません。私たちはこの暴挙を断固糾弾すると同時に、その具体化に立ち向かって行きたいと思います。
「国民保護法」「米軍行動円滑化法」「外国軍用品等海上輸送規制法」「改正自衛隊法」「特定公共施設利用法」「捕虜取り扱い法」「国際人道法の違反行為処罰法」−−米軍の戦争の加担を優先し国民の権利を制限する、米軍へ武器弾薬を供給し集団自衛権を行使する、交戦権を行使する等々、それぞれが重大な憲法違反です。本来なら一本一本がそれぞれ一つの国会でのすったもんだの審議を要するほどの重大法案が、わずか一ヶ月で、審議らしい審議もなされないままに通過しました。私たちは、このような腐敗しきった日本の議会政治の現状そのものを糾弾します。
※有事関連7法案とはどのようなものであり、何を目指すものであるかについては、本署名事務局HPの「有事関連7法案に反対する!」をご覧ください。
【2】 この有事7法案の強行は、それだけが単独で推し進められたのではありません。日本が実際に侵略国家になっていくための、より全面的な軍国主義化・反動化のエスカレーションの一部、一段階にすぎません。小泉首相は、国内で有事7法を強行するのと同時並行的に、イラク多国籍軍参加を首相独断で決めました。今日本は非常に危険な状況にあります。まさにやりたい放題、首相が「やる」と言えば、与党も野党もメディアも歯止めがない状態、誰もそれを止めることができない異常な状況にあるのです。首相の座にある者が平気で憲法や法律を破り、守らなくても誰からもとがめられない、まるで有事法発動時の「首相独裁」のような今の日本政治の暴走、どこかでストップをかけなければなりません。
小泉首相は“確信犯”です。先のアジア・太平洋戦争の敗戦で日本は、もう二度と侵略戦争や植民地支配を遂行できないように、憲法の平和主義の枠組みと数々の法的制約が課せられました。彼は、この枠組みと制約をぶち壊すことが自分の使命であるかのように強引に突き進んでいます。このアジア・太平洋、中国・朝鮮半島などの、そして日本の、何百万人、何千万人もの、言葉に尽くせない多大な犠牲と破壊の上にやっとのことで築き上げられた侵略戦争否定の歴史的な重い制約を、ウソとはったり、争点逸らしとメディア利用、きちんと説明もできない単語の羅列、あまりにも軽薄な小泉という首相とそれを頂く自民党、そしてそれに追随するしかない公明党。こんな連中に私たちとその次の世代の運命を握られてはなりません。
【3】 同時に私たちは、民主党の加担に強く抗議します。民主党が支持・賛成しなければ、今回の有事7法案の可決は非常に困難でした。ところが与党の暴走に歯止めをかけるどころか「修正案」を提出しその成立に手を貸す破廉恥行為までやったのです。さらに民主党は、次期通常国会での「緊急事態対処法」の制定を要求し、それとの取引として有事7法案の一括審議に応じていたといいます。そもそも民主党は昨年、激しい反対運動・反対世論の中で継続審議になり暗礁に乗り上げていた有事法本体を蘇らせ、今回と同様、与党と結託して強行した前科があります。また対北朝鮮敵視政策では自民党以上に好戦的になり、「特定船舶入港禁止法案」の成立を図りました。改憲を主張するのも一緒です。民主党は、現在の日本の体制翼賛的な軍国主義化・反動化を暴走させている“共犯者”でもあるのです。
軍事外交政策だけではありません。年金の未納・未加入問題での総崩れ、年金改悪での「徹底対決」の腰砕け、重要法案の成立と審議正常化に協力した上での内閣不信任案の茶番等々、数え上げればキリがないのです。ある古参の自民党議員は今国会を評して「野党の自爆国会」だと言いました。小泉首相にとってこんな気楽な政局運営はないでしょう。勝手に協力してくれ勝手に転んでくれるのですから。自民・民主の「若手」同士のつながりが小泉与党の“安定装置”になっていることも周知の事実です。「責任政党」か何か知りませんが、野党第一党の「閣外協力」こそが、小泉首相のここまでやりたい放題の暴走を許し弾みを付けているのです。
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【1】 図に乗った小泉首相による日本の戦争・軍事政策のエスカレーションはとどまるところを知りません。ついにイラクに派兵された自衛隊を居座らせるために「多国籍軍」参加をブッシュに約束するところにまで至ったのです。何らの国民的議論、国会での審議を経ることもなく、閣議決定、一片の「政令」で多国籍軍参加を強行しようとしています。
まだ国内世論は納得していないし、腰の定まらぬ民主党も「反対」です。私たちは、もう一度この多国籍軍参加問題を重要争点にして、小泉政権に闘いを挑まねばなりません。
イラクへの多国籍軍参加は、これまでのイラク特措法に基づくイラク派兵と質的に異なるものです。それは統一した指揮系統の下で、イラクでの反米武装勢力に対する武力行使、鎮圧・せん滅を主任務とした多国籍侵略軍に、日本が参加するということです。日本政府は「unified command」の翻訳の問題にすり替えようとしていますがとんでもありません。「統一的指揮」と言おうと、「統合された司令部」と言おうと、多国籍軍参加部隊は、米軍司令部の監督・指揮の下にあるのです。これが集団自衛権の行使を禁じた日本国憲法に違反し、また従来の政府見解を逸脱・否定することは明らかです。現に政府はこれまでそう説明し、「多国籍軍へは参加できない」と言ってきたのです。
しかし問題の本質はもっと根本的なところにあります。「指揮権」を筆頭に「武力行使と一体化しない」や「人道復興支援」や「戦闘地域」など、永田町だけで通用する虚構や日本の軍隊の居座り方、その手続きだけが問題なのではなく、日本の軍隊が居座ること自体、その是非が改めて問われなければならないのです。騙されてはなりません。
考えても見て下さい。指揮権が日本にあれば迷彩服を着た軍隊がイラクに居座っても侵略してもいいのでしょうか。日本の軍隊がイラク民衆を攻撃したり銃撃したり虐殺することを「主体的に判断」すればそれでいいのでしょうか。問題は完全にすり替えられています。こんなことが許されれば、日本が自国の「指揮権」で「単独」「主体的」に世界中どこへでも侵略し軍事介入できることになってしまいます。野党の批判も同じ土俵の上でやっているとしか思えません。今からでも遅くはありません。問題を根本から問い直すべきです。首相や政府与党、ここ数日のメディアの狡猾な世論操作に乗ってはなりません。
もう一つ決定的な問題があります。今の多国籍軍参加をめぐる議論には、端からイラク民衆のことなど頭にないということです。しかしイラク情勢は根本的に変わりました。イラク戦争開戦から1年を過ぎた当たりから、とりわけ4〜5月のファルージャとアブグレイブを転換点として、イラク民衆の意識も完全に変わりました。有志連合軍と言おうと多国籍軍と言おうと米英軍と外国軍は撤退するべきだという世論が多数派に転化したのです。米英軍には憎悪と怒りが渦巻いています。米占領軍は、ファルージャで4月の数週間だけで700人から1000人もの人々を虐殺しました。アブグレイブをはじめとする収容所では何万人もの人々を拷問・性的虐待・虐殺にさらしました。そしてまた、サドルシティでは800人もの人々を虐殺しました。自衛隊が居座ることは、この血塗れの米占領軍と一体となり、戦場イラクでイラク民衆に敵対し銃を向けるということなのです。
恐ろしいことに、永田町政治と日本の翼賛メディアでしか通用しない薄っぺらな「指揮権」論争の下で、イラク現地の情勢、イラク民衆の意志がすっぽり抜け落ちているのです。イラク民衆にとって指揮権などどうでもいいのです。米英軍=多国籍軍も日本軍も、外国軍は撤退すべきというのがイラク民衆の総意なのです。
※被害報道日誌(署名事務局)
※米占領下アブグレイブ“強制収容所”における第一級の国家犯罪・戦争犯罪(署名事務局)
【2】 今回の有事関連7法は、このように小泉政権がアメリカのイラク戦争・占領支配に「多国籍軍」参加という形で本格的に加担しようとする段階で成立しました。小泉政権は、イラク派兵をイラクにとどまらず、世界中に派兵できる海外派兵「恒久法」制定を見据えています。イラク多国籍軍参加と有事法は、首相と政府与党の中で、実は結び付いているのです。
※「恒久法」については、「「恒久法」と日本軍国主義の新しい危険−−国際平和協力懇談会の「提言」について−−「自衛隊」のグローバルな侵略軍への変貌、ローカルな軍国主義からグローバルな軍国主義への拡大」(署名事務局)参照。
もはや日本の軍国主義は、朝鮮半島や東アジアだけを向いているのではありません。よりグローバルな、米軍と一体となって「対テロ戦争」を口実として全世界への介入戦争・侵略戦争を遂行することを射程に入れたものに変化しつつあります。日本がイラク戦争への加担に固執する最大の理由は、中東の石油資源と軍事覇権のために米に協力することです。「有志連合」のさらには「多国籍軍」の末席を汚すことによって、イラクの石油と復興利権のおこぼれにありつこうとしているのです。しかしイラクだけでなく、小泉首相は、国内世論を無視し憲法を蹂躙してまで、日米軍事同盟のグローバル化を推進し、日米共同で世界中どこへでもグローバルに軍事介入する体制作りを築き上げようとしているのです。
有事法制を複眼的に捉え直さなければならなくなりました。私たちはこれまで、有事法制を対北朝鮮戦争準備との関係の中で、朝鮮半島と東アジア限定の具体的な戦争準備過程として見てきました。それは政府与党と自衛隊上層部も同様であったと思います。つまり米国が対北朝鮮先制攻撃戦争を仕掛けたとき、不可避的にその在沖・在日米軍基地、自衛隊基地だけではなく、政府機関や地方自治体や民間企業など、日本国民全体、日本全土を出撃基地、後方支援基地として、戦争体制に総動員し組み込む狙いで作られた「国家総動員法」です。
しかし政府与党と自衛隊は、小泉政権のうちに、民主党が協力的で反対世論がまとまらない今のうちに、行けるところまで行こうと決断したようです。軍事戦略を、これまでの対北朝鮮戦争準備だけではなく、それに付け加えて米軍のグローバル軍事介入に自衛隊と日本全体を組み込んでいくことを本気で追求し始めたのです。
おそらく政府与党は、対北朝鮮対処という従来の有事法制の枠組みを超えたものとしてこの有事法を発動するはずです。例えば、これまで政府与党は「北朝鮮によるミサイルの発射」「発射準備」に手をこまねいてはならないと、ブッシュを真似て先制攻撃を主張してきました。米軍の先制攻撃への加担に対応するために「武力攻撃事態」「予測事態」を盛り込みました。
しかしここで一気に、イラクなどで米侵略軍と共同行動する自衛隊宿営地への攻撃、車列への攻撃、自衛艦への攻撃が現実味を帯びて来るのです。大量虐殺・大量破壊を常とする米軍との共同作戦では必ず反撃が起こります。この反撃を合図に「武力攻撃事態」「予測事態」が認定され、世界中で米軍との共同行動が進められ、国内では国家総動員が発動される事態がやってこないとは誰も保証できなくなってきているのです。かつて中国で関東軍がやったことです。勝手に他国へ軍隊を派兵しておいて、反撃されれば、さらに増派と攻撃を強化するという最も典型的な“侵略の論理”です。
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【1】 有事法制は戦争の時だけ危険と考えるのは大間違いです。遠い将来の問題ではないのです。すぐに現実化していくのは「国民保護法制」に基づく「平時」からの「戦争準備態勢作り」です。有事法の具体化、政府の「基本方針」の着手はすでに始まっています。各地方自治体レベルでも、いわゆる「指定機関」レベルでも、国民を巻き込んで「戦争態勢作り」が始まっています。教育現場、医療現場でも成立した法律を盾に準備を加速させるでしょう。国民生活・社会生活の隅々にまで、政府は戦争・軍事のきな臭いにおいをまき散らそうとするでしょう。戦前の“隣組”のような「地域防衛組織」を作る構想もあります。このままエスカレートすれば最悪の場合、これに反対したり逆らえば、「非国民」とされ糾弾されかねない時代が訪れるかも知れないのです。こうした時代が本当に来るのかどうか。全ては私たち反対運動と国内世論がどこまで抵抗するかにかかっています。
※有事法制が私たちの社会生活をどのように改悪していくかについては、それを様々な側面から検証した本署名事務局のHP「有事法制:討論と報告」で改めて確認していただきたい。
ここでもイラクへの自衛隊派兵の危険が絡んできます。現在イラクに派兵されているのは北海道の陸上自衛隊ですが、今後順次、北海道札幌から始まり、山形、青森、仙台とローテーションで国内の主要な陸上自衛隊を戦場に派兵し続けることになります。ローテーションに入る自衛隊員、その家族だけでなく、地域や自治体全体が緊張を強いられるのです。まさに戦地と「内地」の構図です。自衛隊を戦場に派兵し、実戦訓練をさせ、国民には日本が常に戦争をしているという意識を埋め込んでいく。この点からもイラク戦争と有事法制は一体となっていく危険性があります。
改憲が政治日程に上ろうとしている現在、私たちはこうした危険な動きの一つ一つに、憲法の平和主義、基本的人権尊重の原理を対置して闘って行かねばなりません。戦争の臭いが満ち満ちる時にこそ、憲法の平和主義的、民主主義的な理念・原理を高く押し立てねばならないと思います。
【2】 国会が終わりすべてが参院選挙を念頭に動き始めました。次の参院選は、これまでの選挙とは根本的に異なった意味を持っています。戦争と平和をめぐる日本政治の今後の行方を決する決定的に重要な選挙になります。市民運動として反戦平和を希求する私たちにとっても無縁ではあり得ません。
中央政治やメディアは、参院選挙を「年金選挙」と位置付け、それに解消しています。もちろんそれは国民の命と生活にとって極めて重要です。しかし政府与党やメディアが覆い隠そうとしている課題−−多国籍軍参加の是非、改憲と教育基本法改悪、戦争への道か平和への道かの選択−−こそが参院選の中心的争点であることを、私たちは声を大にして訴えます。有事法制に賛成し、多国籍軍参加や集団自衛権行使、改憲や教育基本法改悪を推進する政党や立候補者を当選させてはなりません。
もしこのまま自民党・公明党の与党連合が、仮に圧勝でもすれば一体どうなるか。イラク多国籍軍参加を追認したことになってしまいます。小泉首相はますます増長、ますますやりたい放題するでしょう。次は間違いなく改憲、教育基本法改悪です。私たちは、憲法を公然と踏みにじり、米に追随しながら戦争法・海外派兵を推し進め、絶えざる戦争・殺戮・拷問・陵辱を世界中に広げようとしているアメリカを全面的に支える指導者小泉、ブッシュがイラク民衆に与えているような残酷な仕打ちと災厄を全世界に広げるのを助けるような指導者小泉を、政権の座から引きずり降ろさねばなりません。
【3】 イラク占領体制の破綻と米軍の兵力不足をきっかけに、米軍が世界中で部隊の移動と再編を余儀なくされています。在韓米軍陸軍第2師団の撤退とイラクへの投入、在独米軍の撤退等々、ラムズフェルドの戦略転換(トランスフォーメーション)を修正の上、加速することを余儀なくされたのです。
しかし在韓米軍の撤退は日本にとっての“朗報”ではありません。全く逆のことが起ころうとしています。在沖・在日米軍基地が抜本的に再編強化され、日本が米軍のグローバルな侵略拠点・出撃拠点にされようとしているのです。ごく最近の動きだけでも以下を列挙することができます。
−−米が、沖縄駐留海兵隊の一部を北海道に移転するよう日本政府に打診。これは北海道に新しい海兵隊基地を作ることになる。
−−米フォートルイスにある陸軍第一軍団司令部を、神奈川県の座間基地へ移転させる動き。この師団は、アジア太平洋地域全域の戦争に対処する部隊であり、米本土防衛の第3軍団(テキサス州)、欧州・中東をにらむ第5軍団(ドイツ)と並ぶ規模を持つ。同司令部の座間移転は、米の世界戦略の拠点に完全に組み込まれることを意味する。
−−在沖米軍基地は、フィリピン、インドネシア、シンガポール、マレーシアに至る南シナ海・東南アジア地域全域への海兵隊の「パワー・プロジェクション」の拠点としてその地位を一層高められる。
沖縄を中心に日本全国各地で、反基地闘争が重要な課題に再浮上してきました。沖縄・辺野古への海兵隊基地移転と新基地建設に反対する闘いも、こうした米軍のグローバルな再編強化に反対する意味合いを持つことになりました。今、現地では沖縄県民を中心に普天間代替基地建設のための環境影響評価(アセスメント)作業阻止、ボーリング調査阻止の座り込み闘争が粘り強く闘われています。
【4】 今一番恐いのは諦めとニヒリズムです。小泉の独走・暴走は止められないと諦観してしまうことです。ところが視点を世界に広げて見れば、少し違った見方ができるはずです。国内情勢や国内の政局だけに目を奪われるのではなく、イラク情勢と世界情勢全体を見る必要があります。
世界最大最強の軍事力を振りかざし世界中で殺戮と破壊を欲しいままにしてきたアメリカの帝国主義的軍国主義がイラク戦争・占領の泥沼に入り込んで抜け出せなくなっているのです。数ヶ月前までは確実視されていたブッシュの再選も危うくなっています。
イラク戦争・占領の泥沼化によって米軍の限界が一挙に顕在化し、小泉首相がそれに全面的に乗っかかろうとしているアメリカ軍国主義とグローバル軍事介入体制そのものが全能ではないということがはっきりしたのです。「大義名分」の破綻、米軍犠牲者の急増と士気の著しい低下、米軍の極端な兵力不足、予備役・州兵を総動員する異常事態、陸軍を中心とした米軍の世界的な過剰展開問題の露呈等々−−米軍のグローバルな軍事介入体制は、イラクでの破綻をきっかけに根底から動揺しています。この背景には、植民地支配に抵抗するイラク民衆の反米・反占領の民族解放闘争の高揚と前進があります。ファルージャとナジャフの闘いがそれを象徴しています。
矛盾がどこから現れるか、今から予測はできません。しかしいずれ何らかの形でアメリカ軍国主義を前提とする日本軍国主義のエスカレーションにも限界が出てくることは避けられないはずです。私たち日本の反戦平和運動は、米の中東覇権、世界覇権を揺るがすイラク民衆、アラブ・イスラム世界の人民大衆との連帯の中から、世界の反戦平和運動との連帯の中から、次の闘いのきっかけをつかんでいきたいと思います。
2004年6月17日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局