米占領下アブグレイブ“強制収容所”における第一級の国家犯罪・戦争犯罪
獣と化した米軍による異常で病的な虐待・性的陵辱・拷問・虐殺の大規模な組織化。
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○虐待兵士への卑劣な責任転嫁、幕引きを許すな!国連・赤十字国際委員会など国際機関の調査実現!
○ラムズフェルド国防長官の辞任!即刻の占領中止・米英軍撤退!
○アブグレイブなどイラクの政治監獄の全面解体!無実の拘束者全員の即時釈放!
○小泉首相はイラク戦争・占領支持を撤回せよ!自衛隊の撤退!
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T.はじめに−−早くも重大な岐路に。反戦運動が国内外世論に働きかけブッシュの幕引きの思惑を打ち砕くことが必要。
(1) 全責任を虐待兵士個人に転嫁、“トカゲのしっぽ切り”で幕引き、逃げ切りを狙う卑劣なブッシュ政権。
ブッシュ政権を牛耳っている連中、従ってイラク侵略を強引に推し進め残忍でデタラメな占領支配を続ける連中が、己の保身のためならどこまで破廉恥になるか、どこまで無責任、卑劣になるか、しっかりを見据えなければならない。米国と世界がどのような連中によって引っ張られているかを、目を見開いて凝視しなければならない。
今回の虐待・拷問事件に対してブッシュ大統領は、事実上何の謝罪もせず開き直った。5月5日に「不快感を感じていることを知ってほしい」と謝罪の言葉もなく“個人的な感想”をのべたが、同時に「民主主義は完全なものではない」と言い放ち、今回の蛮行を正当化さえしたのである。恐るべき虐待・拷問が「不完全な民主主義だ」「あり得て当然だ」と開き直ったのだ。6日のヨルダン国王との会見でも、エジプトのテレビ局との会見でも「ソーリー」を連発したが、これも高まる非難の前に口走った責任逃れの方便にすぎない。「国防長官は辞任させない」と明言して何が責任か。ただ非難の嵐が過ぎ去るのを待つ魂胆が見え見えである。
一方ラムズフェルド国防長官はもっと狡猾だ。5月7日の上院軍事委員会における議会証言で、「全責任は私にある」と世論を煙に巻きながら、自らの進退については「辞める気はない」と辞任を明確に否定した。一体誰に対する、何に対する「責任」なのか。証言をよく読んでほしい。「間違いを犯した者には必ず報いを受けさせる」とすごんで見せ、彼は虐待兵士を処罰する「責任」を言ったのである。それともう一つ、ブッシュ大統領への報告の遅れや対応のまずさの「責任」を問題にしただけだ。
議会証言でラムズフェルドは、問題の核心については一切語らなかった。軍の組織的犯行に関わる問題、軍による隠蔽工作の問題である。すなわちラムズフェルド自身の出処進退に関わる2つの重大問題なのである。
−−なぜ兵士がこんな極悪非道な行為に走らざるを得なかったのか。彼らは勝手にやったのではなく上官の命令でやったのではないのか。この虐待・拷問方法を誰が指示・命令したのか。軍・情報機関の命令ではないのか。組織的犯行ではないのか。
−−国防総省は今年1月に発覚した事件をなぜこれまで隠していたのか。ブッシュ大統領が知ったのはいつか。即報告していたなら、大統領・国防長官は完全に同罪である。もし報告を怠ったのなら、国防長官がなぜ大統領に事実を隠してきたのかが問題になる。CBSの放送に圧力をかけたのは本当か。それは誰の指示なのか。
※米議員の刑務所監督を拒否=イラク人虐待の発覚前−国防総省(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040509-00000401-jij-int
(2) 幕引きを許してはならない。国際世論がどこまで真相究明を求めるかがカギを握る。国連・赤十字国際委員会など国際機関の調査を受け入れさせよ。−−国際反戦運動の責務は重大。
ブッシュ政権の対応は卑劣で姑息なものだ。米国大統領として、米軍の最高指揮官としての、常軌を逸したこの戦争犯罪、人道に対する罪への責任を一切取ろうとしていない。国防長官としての責任もこれっぽっちも問題にしていない。代わって、下級の責任者の“トカゲのしっぽ切り”、立場の弱いごく限られた末端の少数の虐待兵士の問題に矮小化しようとしているのである。
更に彼らの無責任と開き直りは、問題発覚後の彼らの行動で明らかである。大慌てで虐待兵士の起訴を始めた。軍法会議にかけるという。特別調査委員会の設置も、45日以内の報告書作成・公表の方針も全てが内輪のもの。「独立調査」などくそ食らえだ。アブグレイブ監獄を存続させることが発表された。政治犯釈放もごくわずかだけだ。虐待・拷問も方法を是正するが、やめるとは一切断言していない。ブッシュは8日のラジオ演説で「組織ぐるみ」を否定し、改めて軍を撤退させないと断言した。ナジャフ、カルバラ、バスラ、バグダッドで、サドル師派の掃討作戦を一段と強化し始めた。等々。−−史上空前の虐待・拷問事件にフタをして強行突破を図ろうとしているのだ。
※拘束者減らして施設存続 イラクの虐待現場(共同通信)ところでこの方針を発表したアブグレイブの新所長ミラー少将は、虐待・拷問で有名なあの悪名高いグアンタナモ収容所の所長であった。これが今のブッシュ政権のやり方だ。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040508-00000171-kyodo-int
事件をうやむやにさせ収束に向かうのか、真相究明が進み真の責任者処罰に向かうのか。今重大な分岐点にきている。これ以上ブッシュのやりたい放題を放置してはならない。まだまだこの事件での国内外世論の風圧は収まっていない。米国内と世界の世論がどこまで真相究明に立ち上がるかがカギとなる。最低、国連や赤十字国際委員会の国際機関の調査を受け入れさせるべきであろう。反戦運動の側からの暴露と宣伝がますます重要になるだろう。
※国防長官の「責任」焦点に 疑惑拡大なら窮地も(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040508-00000115-kyodo-int
※私に全責任、辞める気はない…公聴会で米国防長官(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040508-00000003-yom-int
「ファイヤー・ラムズフェルド!」(ラムズフェルドはやめろ)というプラカードを持ち、スローガンを叫ぶ市民の声で、上院軍事委員会でのラムズフェルドの証言が一時中断。(REUTERS/Gary
Hershorn )
次のサイトにある写真の下の"Protesters
Shout During Rumsfeld Testimony" をクリックすると騒然とした雰囲気の伝わるビデオを見ることができます。www.wreg.com |
ブッシュ政権のシナリオは、ラムズフェルド国防長官の5月7日の上院軍事委員会での議会証言を幕引きにすることである。民主党のみならず、メディアの多くからもラムズフェルド国防長官の辞任要求が高まっている。
やはり何よりもまず、ラムズフェルド国防長官の追及の手を緩めないこと、辞任に追い込むことである。上述したように、彼には2つの弱点がある。組織的犯行を認めさせること、組織的隠蔽工作を認めさせることである。国防総省と軍上層部が今回の事件を隠蔽したことは明白である。今年1月にわざわざ秘密裏に内部調査を行ったことがすでに発覚している。そしてその調査報告書を握りつぶしたこともメディアにリークされている。挙げ句の果ては、軍がCBSのTV報道に圧力をかけたことも暴露された。また漏洩した軍の内部報告書が示したように、今回の事件が、軍=CIA=民間軍事会社一体となった組織的犯行であることも明らかになった。虐待兵士自身、「上官の命令だった」と証言している。虐待兵士の家族も黙ってはいない。記者会見を開いて、国防長官や軍上層部の責任逃れや責任転嫁を厳しく批判し始めた。
※「R1尋問技術」という政治監獄システムのガイドラインがあるらしい。組織的犯行の証拠となるかもしれない。イラクから帰還した英兵士がガーディアン紙に語った。米英軍の収容所担当者が、何と民間軍事会社の要員とR21ですり合わせをしたというのだ。「UK
forces taught torture methods」David Leigh
May 8, 2004 The Guardian http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,2763,1212197,00.html
※「Torture by the book−−The pattern
of
abuse of Iraqi prisoners follows established
CIA interrogation techniques」Vikram
Dodd
May 6, 2004 The Guardian
http://www.guardian.co.uk/comment/story/0,3604,1210490,00.html
※組織ぐるみと米兵反論 「上官の指示」と声上げる(共同通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040508-00000164-kyodo-int
※彼女は「スケープゴート」 虐待女性兵士の家族が反論(共同通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040508-00000156-kyodo-int
U.「地獄を作り出すことが私の仕事だった」:イラク侵略戦争と植民地支配の病める異常な本質を露呈。
(1) まるで“強制収容所”:虐待・拷問・性的陵辱・虐殺等々、アブグレイブ監獄の異常な日常。
身の毛もよだつ残酷な行為、信じられない行為、・・・そんなものではない。どう表現すればいいのか、言葉で言い尽くせないとはこのことだ。米英占領下のイラクで、本当に反吐が出そうな異常な事件が発覚した。
先月末、正視することができないおぞましい写真が全世界を駆けめぐったのだ。イラク人拘束者を虐待し、その前で微笑む米兵の姿。しかもイラク人拘束者は皆衣服を奪われ、性的虐待を加えられている。裸の男性達が、笑顔の米兵の前でピラミッドのように積み重なっている。また別の写真では、性的行為を強制されている。米軍だけではない。英軍兵士によるイラク人拘束者への虐待の写真も報じられた。虐待、拷問という言葉はきれいすぎる。
しかしそれは、その後次々と発覚する虐待・拷問の全貌の単なる序章に過ぎなかった。変質者の犯行、狂気の沙汰、サディズム−−どのような言い方も的確でないような行為が、イラクのこの監獄で、おびただしい数の拘束者を対象に繰り広げられていたことが明らかになってきている。肉体の損傷、生命の抹殺。それだけではない。人間の尊厳と人間性の完全な否定、人格と精神の破壊、屈辱の強要――被害者のほとんどは兵士でも戦闘員でもない。一般市民だ。女性や子供もいる。いきなり住宅に押し入って片っ端から拉致し、監獄にぶち込み、休みなく虐待し拷問し殺害したのである。これを第一級の国家犯罪、戦争犯罪と言わずして何と言えばいいのか!ナチスとまでは言わない。しかしこれは間違いなく“強制収容所”である。私たちは満身の怒りをもって、この米軍の犯罪、人道に対する罪を糾弾する!
※ http://www.newyorker.com/online/slideshows/pop/?040510onslpo_prison (NEW YORKER)
※ http://www.antiwar.com/news/?articleid=2444(anti.war.com)
※ http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A5623-2004May5.html(ワシントン・ポスト)
(2) 日本で報道されている映像は生やさしい。大手メディアは事件の最もおぞましい事実を隠している。
米CBSニュース、英ミラー紙の報道に端を発したこのイラク人虐待事件は、ロサンゼルス・タイムス、ワシントン・ポストなど大手メディアも大々的に報道し、次々と虐待の新しい事実や映像が明らかになってきている。拘束者を犬に見たて首輪と鎖につなぐ、女性用パンツを男性拘束者に頭からかぶせ牢屋に縛り付ける、女性に鞍を載せロバとののしり馬乗りになる等々。
※本論説では米軍の虐待・拷問しか取り上げられなかったが、英軍も同様の犯罪を犯している。詳細については稿を改めめたい。
※英軍のイラク人虐待疑惑さらに拡大、英紙相次ぎ報道(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040509-00000112-yom-int
※英兵のイラク人虐待を見た=大衆紙が目撃証言を報道(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040507-00000185-jij-int
成人男性にたいする異様な虐待だけがクローズアップされているが、それで全部とは到底考えられない。実は、これら一般的にテレビや新聞で報じられている映像とは別に、隠された映像、例えば強姦行為などの写真が存在すると言われている。さらに5月7日には、何と12歳の少女を裸にして暴行するという許し難い証言も明らかになった。もはや人間の仕業とは思えない。これら一部の漏洩を除いて、女性や子どもたちがどのような目に遭っているのか、ほとんど報道がない。
※米兵、イラク少女にも暴行 「裸にして殴打」と英TV(共同通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040508-00000047-kyodo-int
http://www.itv.com/news/623337.html
とりわけ日本のメディアは最悪だ。翼賛化した日本の大手メディアには、もはや戦争報道における真実はないと断言しても過言ではない。「人間ピラミッドの前で笑う米兵」、「拘束者を犬扱い」等々、今回の事件を"度を過ぎた悪ふざけ"のようにねじ曲げて報道しているだけなのだ。しかし少しでも調査すれば、事実ははるかにすさまじく、おぞましいものばかりであることが明白なのである。
(3) 今明らかになっているのはまだまだ氷山の一角。
今回明らかになった拘束者虐待の事実は、氷山の一角である。1000枚もの虐待写真が撮られ、虐待ビデオさえ存在しているという。虐待行為の異常さ、激しさが次々と暴露され、米兵の良心からか、あるいは軍法会議を逃れようとするためか、本人からの証言が相次いでいる。「どちらがおもしろい写真がとれるか」と先を競い手柄を競うように虐待・拷問を行い、写真・ビデオに収め、性的虐待の写真を交換し、アルバムを作成し、パソコンのスクリーンセーバーに利用していたという。アブグレイブ収容所全体が、“虐待・陵辱専門の強制収容所”になっていたのは間違いない。
※「Soldiers circulated graphic pictures」By
Christian Davenport May 7, 2004
http://www.theage.com.au/articles/2004/05/06/1083635280824.html?from=top5#
しかし重要で深刻なことは、これらが個人的な慰みや趣味ではなく組織的にやられていたことである。否むしろ、組織から積極的に「奨励」されていたのである。収容所では、陸軍第205情報連隊の司令官が指揮権を与えられていた。尋問を担当する軍情報部が収容者の管理を行う憲兵隊を指揮し「口を割らせるなら何をしてもいい」と、屈辱と死の恐怖を与えることで精神的に屈服させよと命じていた。今や有名になった女性上等兵は「しゃべらせるために、地獄の状況を作り出すことが私の仕事だった」と証言している。しかも、収容所には「別の政府情報機関」=CIAの職員が頻繁に出入りし情報収集を行っていた。さらに、収容所の管理には、悪名高い民間軍務請負会社が関与していた。この虐待・拷問は、米軍=CIA=民間軍務請負会社が一体となった完全に組織的な犯罪行為なのである。少数者の個人的犯行に矮小化するなど断じて許せない。
※This is the new gulag (ガーディアン)
http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,2763,1210589,00.html
※刑務所を地獄に変えるのが仕事=訴追の女性兵士が証言−米紙(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040508-00000322-jij-int
(4) 大規模掃討作戦と一体化したアブグレイブ監獄での虐待・拷問・虐殺。
このアブグレイブ監獄における拷問・虐待が組織的に行われていたことは、集中的に実行された時期、その当時の政治的環境からも明らかである。拷問・虐待は昨年10月から12月に集中したとされている。昨年4月9日フセイン政権が崩壊し、5月1日にブッシュによる大規模戦闘終結宣言がなされた後、イラクでの戦闘状態は一時小康状態が続いていた。しかし、米軍が占領下で進めた旧フセイン政権幹部の拘束のための激しい掃討作戦に対する反発や怒りから、すでに6月には米軍とその施設や国際機関に対するイラク人武装勢力による攻撃が開始され、9月、10月には「ラマダン攻勢」といわれる大規模な反米武装闘争・レジスタンス闘争が闘われるようになった。この時期を境にイラクは再び戦争状態に至った。
米軍はこれに対して、ティクリート、バグダッドなどスンニ派三角地帯を中心に激しい掃討作戦を展開した。「アメリカのイスラエル化」とまでも言われる、ブルドーザーによる果樹園や家屋の破壊、戦闘ヘリコプターによる爆撃、民間人家屋の急襲を大々的に実施した。この中で、無実の人々を無差別に拘束し、収容所に入れ、フセイン大統領を含む旧フセイン政権の幹部と武装勢力のあぶり出しに全力を注いだのである。拷問・虐待はこのような中で起こった。女性、子どもを含む無差別の殺戮、無差別の拘束、そして拷問と虐待と陵辱は一つに結びついている。人間としての尊厳をおとしめ、彼らの民族的宗教的な伝統や慣習や誇りを踏みにじることによって、抵抗意欲を萎えさせようとしたことは明らかである。そうすることによって拘束者の口を割らせ、情報収集を増やそうとしたのである。軍の内部報告書でさえ、その拘束者の60%は全く罪のない一般市民であり、即時解放すべきだと語っているほどである。
※ラムズフェルドは5/7の議会証言で、「イラクで約4万3千人を拘束し、3万1850人は釈放したが、1万1千人が残っている。」と述べた。それは「陸軍には(捕虜の扱いは)大変な仕事だ」と言い訳することで、暗に「仕方がなかった」と主張しているのだ。
(5) 拘束者は“人間狩り”でかき集められた罪なき一般市民。捕虜ですらない。−−“戦争レイシズム”:イラク侵略とその根底にある人種差別主義。
駐留米軍は、大々的に掃討作戦を開始した昨年秋から年末には最高3〜4万人を不当に拘束し、現在でもなお少なくとも1万〜2万人もの無実の人々を拘束し、無抵抗の拘束者を辱め、弄び、強姦し、氷付けにして虐殺し続けている。かかる行為は本来、最大級の戦争犯罪であり、人道に対する重罪である。
しかしブッシュ政権は、それほどの重大問題とは考えていない。この事件は、イラク戦争・占領政策の根底に流れる赤裸々な民族差別、人種差別を最も露骨な形で表している。非白人は人間ではない、アメリカに抵抗する奴らには何をしてもいい、世界の憲兵に刃向かう者はただではおかない、そのような思想の表れである。
捕虜・民間人の虐待・拷問を禁じた国際法=ジュネーブ条約に違反しているのは言うまでもない。そんな立派なものではない。人間の行為ではない、野蛮人、獣のなせる業なのだ。そもそも「拘束者」は捕虜でも犯罪者でも何でもない。「被疑者」でさえない。食事中、あるいは真夜中に、米兵が突然ドアを蹴破り、壁を壊して襲いかかり、男達はもちろん、若い女性や子どもまでもが、情報収集のために拘束・連行された全く罪の無い、その多くは反米武装勢力とも無関係な一般市民なのである。数十人の狙撃兵部隊を史上初めて戦場のファルージャに投入し、ゲーム感覚でイラク人の狙撃を行っているのも同根である。イラク人を虫けらのように見下し人間とは思っていないのだ。
※被拘束者の虐待・拷問・殺害については、ブッシュもラムズフェルドも確信犯である。元々ブッシュ政権は、アフガン戦争以降、捕虜や民間人の人権保護を規定したジュネーブ条約を異常なほど敵視し、公然と同条約を遵守しないと公言してきた。5/7の上院軍事委員会の公聴会でも、この「独自解釈」が、今回のイラクでの虐待・拷問事件の土壌を作ったと指摘されたほどだ。当時、ラムズフェルド国防長官は、「敵性戦闘員」という造語をでっち上げ、何の理由もなしに、アラブ・イスラム系住民を拉致・拘束・虐待・拷問・殺害する行為を正当化した。つまり、今回たまたまアブグレイブでばれただけで、アフガン、イラク、グアンタナモ等々、米軍の政治監獄全体で、ジュネーブ条約違反行為が日常化していたのである。
http://www.so-net.ne.jp/news/yomiuri/world/html/20040508id25.html(読売新聞)
http://www.google.co.jp/search?q=cache:HF-1kkIvtL8J:news.fs.biglobe.ne.jp/(読売新聞)
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Afghan/AfghanPrisoners.htm(署名事務局)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20040509/mng_____kakushin000.shtml(東京新聞)
ちょうど昨年の末から今年のはじめにかけて、自軍の女性兵士に対する性的虐待、レイプ事件が頻発していることが暴露され、同時に精神疾患で帰国する兵士が増大していることが明らかになった。ブッシュと米軍上層部に騙され、「イラク解放」と聞かされてやってきた何も知らない若い兵士達は、明日は我が身か、イラク民衆の憎悪や反撃に恐れ怯え続けている。襲撃によって毎日毎日同僚が死んでいる。士気の著しい低下。自暴自棄と欲求不満。大義の無くなった戦争において兵士達の精神的荒廃は極限に達しているのであろう。しかし今回明らかになったおぞましい事実は、イラク民衆を虐待・拷問することで自らの恐ろしくて苦しい現状から逃れようとする支配者としてのあまりにも思い上がった傲慢な“占領者意識”、イラク人蔑視感情、差別意識を象徴している。明らかに兵士は病んでいるのだ。
※This War and Racism: Media Denial
in Overdrive(DISIIDENT VOICE)
http://www.dissidentvoice.org/May2004/Solomon0506.htm
「戦争とレイシズム:虐待報道でメディアが伝えないこと」の中で、米のメディア批評家ノーマン・ソロモンは、メディアは何百万もの言葉でこの虐待を報道しているが、ただ一つ、この事件が人種差別、人種的偏見に基づいているということだけは伝えていないと批判している。それは、米国人の中にある一般的な人種差別意識というだけでなく、米国内の刑務所での人種差別主義の継続だというのである。ある軍曹は6年間バージニアの矯正施設で働いており、服役者の管理や扱いについては十分な知識を持っていたという。今回の事件は、収容所の実務を管理のイロハも知らない州兵にやらせたから起こったともいわれているが、それは真実ではない。少なくとも、収容所管理の中心には、囚人や拘束者の管理のプロ、拷問と虐待のプロがいたことを表している。レポートでは全米200万人余の服役囚の63%が黒人とラテンアメリカ人であり、日常的な官吏による暴行や虐待が行われているという。いくつかの施設では1/4の女性が刑務官による性的暴行を受けているという点などを上げ、いわば、米国内での人種差別がエスカレートしたにすぎないというのである。ドミニカ共和国、ベトナム、ラオス、カンボジア、グレナダ、パナマ、アフガニスタン、イラクさらにはスーダン、リビア、ニカラグア、エルサルバドル、グレナダ、アンゴラ等々、非白人・有色人種に対する戦争と迫害、虐待の歴史に新たなページが加わったのである。
(6) 4月の“イラク民衆蜂起”と米軍兵士の犠牲者の急増−−一気に顕在化したイラク占領体制の動揺・破綻。それが米企業メディアの報道姿勢を変える。
事件は今年1月に告発され、2月に調査が行われ、3月の初めに軍の内部報告書は出されていた。それがラムズフェルドによって握りつぶされ隠蔽された。
実は昨年半ばから、アムネスティの報告などは米英軍による「イラク人捕虜」「拘束者」への非人道的な扱いを告発してきた。当時イラク人記者は性的暴行の証言があると何度も指摘していた。しかし、米軍当局はこれを一貫して否定してきた。なぜ今明らかになり、大問題になっているのか。なぜ、このような写真がリークされたのか。それには少数の良心的なメディア関係者と内部告発者の血のにじむような努力があったことは容易に察しが付く。そしてようやく2ヶ月も経って今回の大事件へと発展したのである。
米国内の政治状況、とりわけ翼賛報道一色だった大手メディアの報道姿勢が、少しずつだが明らかに変化し始めている。4月21日、4月の米兵の犠牲者がたった一月だけで100人を超えたことが明らかになった。それを受けて4月23日、イラクから送り返される米兵の遺体の棺を記録した映像写真が空軍によってリークされ、こぞって各マスコミが取り上げた。そして4月28日に、米CBSテレビが今回の虐待問題を初めて取り上げたのである。それとは別に2日後の30日夜にはイラクで死亡した米兵の名前を1人ずつ読み上げる米ABCテレビのニュースショー「ナイトライン」の特別番組が放送された。米海兵隊はファルージャの2度目の大虐殺を当面断念し、市街地からの撤退を余儀なくされた。大義なき戦争に、米兵の多数の犠牲を伴う戦争に、イラク市民を人間以下に扱う戦争に、イラク前線の兵士達が悲鳴を上げ、まだ一部だが撤退の政治的決断を要求しているのである。それに米の世論とマスコミが反応し初めている。
しかし米軍は、今なおイラク各地で虐殺行為を繰り広げている。先のファルージャ侵攻では、700人あるいは1000人ともいわれている民衆を無差別に殺害した。大量虐殺そのものである。この侵攻は米軍が侵略者、虐殺者であることを改めて世界に知らしめた。そして今また新たにナジャフに対する侵攻を準備している。アメリカに屈することのない誇り高きイラク民衆は、拘束者に対する虐待をイラク人民としての自らへの辱めとして受け止めている。米英に対する怒りは沸騰するギリギリまで高まっている。当然のことである。私たちは、イラク民衆とともに、米軍のこの第一級の戦争犯罪を追及し弾劾していかなければならない。
V.米軍=CIA=民間軍務請負会社が一体となった政治監獄システム−−虐待・拷問・性的陵辱・虐殺の組織化。
(1) CBSに対して執拗に放送中止圧力を掛けた米政府・国防総省。
米政府、米軍中枢部、ペンタゴンは米の大手ネットワークCBSに対して、虐待・拷問映像の放送を止めるようにもの凄い圧力を加えた。5月7日の公聴会で明らかになったところでは、CBSは虐待映像を4月半ばに放送しようとしたが、マイヤーズ米統合参謀本部議長が放送延期を執拗に要求し4月末までずれ込ませたことを明らかにした。ファルージャの大虐殺が起こった真っ最中の出来事である。事件そのものを隠蔽させようとしただけではなく、米軍の包囲・せん滅作戦が出来なくなることを恐れたのである。それほどまでに、見るものに米軍への反発と嫌悪を抱かせるような、おぞましい行為が隠蔽されていたのである。そして今月初め、米雑誌ニューヨーカーは、アブグレイブ収容所の監督状況に関する内部調査結果を公表した。本来この調査結果は日の目を見ることが無い性質のものであったのだが、内部告発で流出し、世界中に米軍犯罪の一端が明らかにされたのである。
※報告書全文(globalsecurity)http://www.globalsecurity.org/intell/library/reports/2004/800-mp-bde.htm
※<イラク人虐待>米軍の内部調査報告書に描かれた実態(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040508-00000033-mai-int
(2) 米誌ニューヨーカーがすっぱ抜いた恐るべき内部報告書の中身。
53ページからなる内部調査文書は、内部告発をきっかけにサンチェス駐留米軍司令官の指令に基づきアブグレイブ収容所の監督実態を調査し、今年2月にまとめ上げられたものである。調査を担当したアントニオ・M・タグバ少将ですらその惨状に驚きを隠せなかったという。以下に、報告書の中で箇条書きにされたその罪状の一端を列挙しよう。
※すっぱ抜き記事を書いたセイモア・ハーシュ氏は、かつて1968年、米軍が犯した大量虐殺事件“ソンミの大虐殺”を暴露したその人である。http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama-col501.html
●裸にした男女拘束者のビデオ、写真撮影。
●並べられた拘束者に対して、写真撮影のために淫らな姿勢を強制。
●拘束者に対して、衣服を脱がせ、裸のままで数日間放置。
●裸の男性拘束者に対して、女性用の下着を着用させた。
●男性拘束者のグループに対して、写真、ビデオ撮影の間、マスターベーションを強要。
●並べられた男性拘束者を山積みにし、その上に飛ばせた。
●裸の男性拘束者に対して、頭にサンドバッグを被せ(用意された食事用の)容器の上に立たせる。そして電気刺激を与えるために、金属線を指、つま先、ペニスに結びつけた。
●拘束者の脚に「私はレイプ犯」と書き、15歳の仲間の拘束者をレイプすることを強要。
●裸の拘束者に犬用の首輪と鎖と付け、女性兵士に写真を撮影させるためにポーズを取らせた。
●男性憲兵隊が女性拘束者をレイプした。性器への拷問行為を行った。
●殺したイラク人拘束者の写真撮影。・・・・・等々。等々。
ニューヨーカー誌は大きな驚きをもって、イラクにおける米軍の虐殺・拷問行為をまとめた上記内部報告書を暴露した。もう少し具体的な記述を以下に引用しよう。
「昨年の10月〜12月のアブグレイブにおいて、「サディスティック、あからさまであり、ふしだらな(非人道的な)犯罪的な虐待」の数多くの例が見られることを知った。タグバ少将は報告している。このような拘束者に対するシステム的かつ違法な虐待は、第372陸軍憲兵隊の兵士、また情報機関のメンバーによってなされたと。」(ニューヨーカー記事から)
続いて記事では、米軍が行ってきた拘束者に対する虐待行為が、タグバ少将の調査、目撃者の証言に基づき詳細に描かれている。マスコミ報道では、その行為があまりにも破廉恥、人間を冒涜するものであるために、意図的に削除されている。
蛍光灯(chemical light)を割り、中のリン酸液を拘束者に降りかける。裸の拘束者を氷水の中に沈める。ほうきの柄や椅子で拘束者を殴りつける。男性拘束者をレイプすると脅す。憲兵看守に独房の壁に打ち付けられて負った傷口に突き刺すことを認める。蛍光灯、ほうきの柄を拘束者の肛門に差し込む。噛み付く恐怖を拘束者に与えるために軍用犬を利用する。一例では、実際に拘束者は噛み付かれた。(調査報告書)
イスラム世界では、犬は不浄の動物とされ、犬で脅す、犬をかみつかせるというのは最大の侮辱であり、冒涜である。
「シュナイダー一等軍曹は拘束者をひったくり、彼を人の山の中に投げ入れた。私(注:軍事法廷で証言した兵士)には、人の山の中に投げ入れることが正しいことだとは思えなかった。私はフレデリック二等軍曹、デービス三等軍曹、グラナー伍長が拘束者を殴りつけながら人の山の回りを歩いているのが見えた。私は、フレデリック二等軍曹が一人の拘束者の胸郭横を打ち付けていたのを覚えている。拘束者はフレデリック二等軍曹にとって何ら危険でもないのに。その後、私は立ち去った。」(記事、陸軍犯罪調査局での証言)
「私は二人の裸の拘束者を見た。一人が口を開きつつ跪き、もう一人をマスターベーションしていた。私は、その場を立ち去るべきだと感じた。そのようなことが正しいなどと、私には思えない。……私は、フレデリック二等軍曹が私の方へと歩いて来ているのが見えた。そして彼は言った。「奴ら野獣の行為を見ろ。お前が去っていたわずかの時間にことだぜ。」私はイングランドPFCが叫ぶのを聞いた。「固くなっているぜ。」(記事、陸軍犯罪調査局での証言)
拘束者に軍用犬をけしかける米兵。別の写真では、このイラク人は血を流して床に倒れているという。
(newyorker.com より) |
アブグレイブ収容所を監督していた第372憲兵隊による拘束者に対する虐待が日常的に行われていたことを、報告書は確認している。このような行為は、当たり前のように行われ、そしてこれらを平然と実行した兵士達も、自らの行為を隠す必要性も感じていなかったという。またタグバ少将は「驚くばかりの実写映像証拠」を発見していた。しかし彼の報告書には掲載されなかったという。その理由は、「あまりにも慎重を期する必要のある性質のものだから」であった。要するに米軍兵士の行為として、あまりにも常軌を逸した、許される行為ではなかったからだというのである。しかしこれがまさに現在、マスコミによって公表され、全米を揺るがす大事件となっているのだ。
※ニューヨーカー“TORTURE AT ABU GHRAIB” by
SEYMOUR M. HERSH
http://www.newyorker.com/fact/content/?040510fa_fact
※英兵らのイラク人捕虜虐待疑惑、当局が調査に乗り出す(ロイター)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040501-00000179-reu-int
※尋問中に殺害例も=氷詰めの遺体写真を掲載−米誌記者(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040503-00000574-jij-int
※女性も裸、軍用犬で威嚇 米紙、虐待の詳細を報道(共同通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040504-00000034-kyodo-int
(3) 被害者であるイラク人達が重い口を開け、真実を語り始める。
報告書の発覚によって、これまで黙っていたイラク人達が新たな証言を始めている。毎日新聞は5月5日、米英軍によりバグダッドなどの施設で約3カ月間理由も不明のまま拘束されていたイラクの民間人男性の聴取内容を報道している。それによれば、男性は昨年7月15日、米兵約15人が会社を訪れ、男性ら約20人を中庭に出し、頭に袋をかぶせ、伏せた状態で後ろ手に縛り、「黙れ、お前たちはテロリストだ」となじり、小型四輪駆動車で元大統領宮殿の収容所に運ばれたという。そこでは、幅1メートル、奥行き2メートルの広さで、小さな窓があるだけの独房に入れられた。トイレに行く際は必ず米兵が同行し、便器に座る男性に銃を突きつけ監視したという様子を伝えている。
※<イラク人虐待>トイレで銃口向けられ 拘束のイラク人証言(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040505-00000122-mai-int
自宅から昨年7月に連行され、ウムカスルの砂漠のテントに12月まで拘束された18歳の少年は日中気温が60度を越す砂漠に座らされ、5日間食事抜きで尋問され、毎日殴打されたという。アブグレイブ収容所で4ヶ月間拘束された28歳男性は「米兵に性的虐待を受けた」とし、全裸で女性収用房に入るように強制されたといい、「男女の収容者が性行為を強制されるのを見た」とも話している。(5月5日朝日新聞)
(4) 米軍の人権侵害について数多くの警告が発せられていた。
赤十字国際委員会(ICRC)の事業局長は5月7日、「一部には拷問に相当する取り扱いもあった」と非難し、赤十字が再三、米軍当局に改善を申し入れていたことを明らかにした。この事実は重大だ。米軍は、ジュネーブ条約違反を調査していた赤十字の勧告さえ聞き入れなかったのである。さらに同事業局長は、「一定のパターンで広範に行われている」「これはもはやシステムと言えるものだ」と述べ、拘束イラク人に対する虐待が組織的で、他の収容所でも行われていることを示唆した。
※米軍のイラク人虐待「拷問に相当」と赤十字国際委(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040508-00000104-yom-int
※イラク人虐待、拷問に等しい例も=ICRCが極秘報告書−米紙(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040508-00000274-jij-int
最大の収容所であるアブグレイブにおける米軍のイラク人拘束者に対する監督状況について、イラク占領統治が開始された直後から多くの警告が発せられてきた。私たちは、昨年7月の「イラク被害記録」の中で、アムネスティー・インターナショナルによる調査結果の紹介という形で、その実態の一端を伝た。その内容を改めて見てみよう。
●延々と続けられる睡眠の剥奪。
●拘束者が苦痛を伴う状態に強制的に置かれている。
●長時間にわたって頭にフードをかぶせる。
●テントの中に閉じこめられている間、極度の高温状態におかれ、不十分な水、不適切な洗い場、トイレ用に開け放たれた溝、2ヶ月間の拘留期間の間に衣服の交換もない。
そして記事は最後に、アムネスティー・インターナショナルのスタッフの言葉で結ばれている。「このような処遇は、ジョネーブ協定と国際人権法によって禁じられている“拷問と非人道的な処遇”に相当するであろう。」
米軍による拘束者に対する拷問の数々は、この時からすでに常套手段であった。しかし、今回明らかになった事実はこのアムネスティー・インターナショナルの告発を遙かに上回る異常なものである。かつてベトナム戦争末期の米軍、南ベトナム軍も常軌を逸した捕虜拷問を行ったのだが、それを彷彿とさせるやり方である。敗北しつつある侵略軍の末路とも言えよう。ここイラクでも米占領下の政治監獄の実態は、まさにイラク民衆の抵抗運動の強まり、米軍の苦戦とととにエスカレートしていったのではないか。つまり米英はイラク戦争でもはや敗北したも同然の状況に追い込まれているのである。
※“アムネスティー:イラク人たちは米軍による拷問を訴えている。”被害記録7月28日(131日目)
http://www.commondreams.org/headlines03/0723-01.htm
(5) 米軍の組織ぐるみの犯罪:監督部隊は実行部隊、虐待・拷問を指示・命令したのは陸軍情報機関=CIA=民間軍事会社。
報告書は、この犯罪行為が収容所を監督する部隊だけで実行されたのではないことを明らかにしている。“組織ぐるみの犯罪”−−この点がまさに事件の核心である。イラク人拘束者に対する拷問を実行したフレデリック二等軍曹は「親族への手紙やe-mailの中で、彼は、CIAの高官、言語を自由に操れる者達、企業である軍務請負会社からの尋問のスペシャリストを含む軍情報チームが、アブグレイブ内部で支配者となっていた」(ニューヨーカー記事、調査文章から)ことを語っている。1月に書かれた手紙の中で彼は、次のように語っていた。
「私(フレデリック二等軍曹)が目撃した幾つかについて、疑問を感じた。…衣服を着せないまま、あるいは女性用下着を着せたまま独房に放置し続けるやり方、独房のドアに手錠で縛り付けるやり方に対して。私が得た回答は、「これが、軍情報部(MI)がそうするようにと求めてきたやり方だ」であった。…MI私たちに対して、拘束者を薄着、あるいは裸の姿で独房に3日間放置するように指令した。そこにはトイレ、水道、換気装置、窓もない。」(記事、フレデリック二等軍曹の私信、1月)
11月、フレデリック二等軍曹によると、アブグレイブを監督者たちが“O.G.A.”と呼んでいる外部政府関係者−要するにCIAと民間軍務請負会社の雇用者−−の管理下に置かれてイラク人拘束者は、尋問のために彼の部隊に運び込まれてきた。「彼らは拘束者をひどく圧迫し続け、そして殺した。彼らは死体を遺体袋に入れ、24時間近くも氷に閉じこめた。シャワー室の中で。…。」(記事)
明らかに最後のフレデリック二等軍曹の言葉は、自らの行為を他人の責任に転嫁しようとする意図がある。しかしそれを差し引いても調査報告書は、イラク人拘束者への拷問に、陸軍の情報関連機関、CIAが関与、否、現場を指揮していたことは明白である。
ブッシュ、ラムズフェルド、マイヤーズ統合参謀本部議長は、口々に「今回の犯罪は一部の者の仕業」として、米軍、米占領当局、米政府への批判をかわそうと躍起になっている。そしてアブグレイブ元所長、先に登場したフレデリック二等軍曹を含む現場将校など13人を懲戒処分にするという。しかし今回明らかになった事実は、米軍のこれら非人道的、冒涜的な行為の数々が、米軍の組織ぐるみの犯罪であったことである。まさに米軍の調査報告書はそのことを語っている。元所長は「トカゲのしっぽ切り」として、軍上層部による一方的な処分に怒りを露わにしている。彼(フレディック二等軍曹)は、「米情報部の指令によって日常的にこれら拷問行為が行われてきた」と明言している。今後、当事者達によってさらに生々しい軍上層、情報機関の関与が暴露されるに違いない。
※イラク人捕虜虐待は組織的…米軍が内部報告書
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040502-00000014-yom-int
※刑務所内の指揮系統が崩壊=情報将校の介入が虐待につながる−米紙
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040503-00000568-jij-int
※米将校6人を懲戒処分…イラク人虐待問題
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040503-00000013-yom-int
※イラク人虐待、「CIAが奨励」の報告書 米誌報道
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/0502/008.html
(6) 虐待・拷問専門の民間軍事請負会社も深く関与していた。−−ラムズフェルド流“民営化戦争”は虐待・拷問まで“民営化”していたのだ。
そして現時点ではあまりマスコミに報じられていないが、民間軍務請負会社が、組織的な虐待・拷問に深く関与していることが明らかになっている。関わった民間軍務請負会社の少なくとも2社−−タイタン株式会社とCACIインターナショナル株式会社が判明している。(報告書本文パート2−30)
元特殊部隊出身者で構成される民間軍務請負会社の一員が、拘束者の管理、尋問、取り調べを請け負っていたのである。CACIなどの社員は、一般米兵の3倍もの給与を与えられ、現場の米兵の上官として振る舞い、拷問現場を指揮した。民間軍務請負会社は単なる軍用物資の運び屋、給食の配給会社ではない。CACIの会長は、関与していたかどうか疑わしいとごまかし、社員の名前も、何人の社員を派遣しているのかも「企業秘密」として公表を拒否した。タイタンの副社長は、われわれの仕事は通訳だとごまかした。しかし、彼らの正体は、戦争の最もダーティな部分を請け負う、戦争のプロ、民衆虐殺・拷問のプロであり、米軍の最もダーティな部分の一翼を担っているのだ。
しかも、タイタン株式会社は2003〜2004年の間に、共和党に4万ドルもの大金を献金している。一方CACIインターナショナル株式会社の取締役には、アーミテージが就いている。この癒着関係こそが、事件究明の不徹底さ、また組織的関与の深さを象徴している。
※尋問、警護まで民間委託 虐待発覚で実態明るみに(共同通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040504-00000055-kyodo-int
※「The Real Butchers of Baghdad: G.
W. Bush
and His Corporate Mercenaries 」By
Cheryl
Seal
http://www.informationclearinghouse.info/article6159.htm
※「Above Law, Above Decency−−Private
military
contractors may escape punishment in
the
Iraqi prisoner abuse scandal.」by P.W.
Singer
May 2, 2004 by the Los Angeles Times
http://www.commondreams.org/views04/0502-04.htm
※「Contract workers implicated in
February
army report on prison abuse remain
on the
job (4 May 04) JOEL BRINKLEY and JAMES
GLANZ
NY Times
http://radiofreeusa.net/modules.php?op=modload&name=News&file=article&sid=2793
軍の調査報告書からも明らかなように、彼らが拘束者を監督する兵士達に虐待を奨励し、そこから情報を取ろうとしていたのは間違いない。虐待の張本人であるフレデリック二等軍曹は、映像写真が報道されたCBSニュース番組の中で「情報機関の指示を受けた」ことを明言している。今やイラクには、このような民間軍務請負会社の“傭兵”が、1万人〜2万人に達しているという。彼らは、職業軍人が順守義務を負うジュネーブ条約や軍規などにもとらわれず、また崩壊したイラク国内法にも縛られることなく、暴虐の限りを尽くしている。彼らは米兵がやれば罰せられるような犯罪、人道に対する罪という時効のない重罪を犯すための代替要員なのである。
※駐留米軍のイラク人虐待 軍務請負業者が指示(北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20040503&j=0070&k=200405032297
※Defense Contractors Close Ranks on
Iraq
Abuse Claims(CBR)
http://www.cbronline.com/currentnews/e7fb80847b75d3af80256e8c0032e2d4
※Firm doubts role in Iraqi prisoner
abuse(CNN)
http://edition.cnn.com/2004/WORLD/meast/05/05/iraq.abuse.caci/index.html
W.アブグレイブ事件の真相の徹底糾明を!
米英占領中止・全占領軍の撤退、自衛隊撤退の闘いと結合して闘おう!
(1) 拘束者家族・イラク民衆がアブグレイブ監獄に押し寄せる。アラブ・イスラム世界で急速に高まる反米感情。
拘束者に対する拷問の事実は、イラク民衆に拭い去ることのできない大きな怒りを沸き起こしている。5月5日にはアブグレイブ刑務所前で、虐待に抗議する大規模なデモが行われ、拘束されている人の家族ら約1000人が米軍への怒りの声を上げた。「米国の自由と民主主義はどこにあるんだ!」「米軍は帰れ!」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げた参加者らは「のろわれたブッシュ(米大統領)は民主主義と自由の敵」などと連呼してデモ行進した。デモを呼びかけたイスラム聖職者協会は、要求文書で(1)虐待に関与した兵士に対する尋問と厳罰、(2)虐待された拘束者への補償と謝罪、(3)無実の拘束者の早期釈放などを訴えた。息子を拘束されている女性は「ブッシュこそ巨大なテロリストだ」と憤ったという。
※イラク人虐待非難、各地で相次ぐ=「戦争犯罪」とイスラム聖職者協会(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040502-00000419-jij-int
ナジャフにおいて、シーア派と米軍との戦闘の最前線に立つサドル師は、5月7日、中部クーファのモスクで行われた金曜礼拝で、イラク人虐待に関するブッシュ米大統領の謝罪を「不十分」と非難し、虐待した米兵らをイラク人による裁判で処罰するべきだと主張した。サドル師は「虐待を楽しむ者が自由や民主主義をもたらすと期待できるのか」と米軍を批判し「(米国に)われわれを支配させない。(米軍は)遅かれ早かれ追い出されるだろう」と述べ、駐留米軍に対する抵抗の強化を呼び掛けた。
今回の米軍による拘束者への犯罪行為、陵辱行為は、イラク国内は言うまでもなく、アラブ・イスラム世界で、「米軍の『イラク解放』は虚構だ」、「解放者は独裁者以下」との声が高まっている。もはや米占領軍は、イラク民衆から「解放者としての信頼を勝ち取る」、“win
the heart and mind”(今では想像も出来ないが、これが侵略当初の米軍の戦略だった)ことなど、あり得ないであろう。
※<イラク虐待>アラブ・メディアから厳しい批判(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040503-00002048-mai-int
※アラブ社会に怒り広がる 米兵のイラク人虐待写真で(共同通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040501-00000042-kyodo-int
(2) 米大手メディアの戦争報道姿勢の変化と変わり始めた米国内世論。
今回の報道をめぐり米国内では、見逃すことが出来ない新たな動きが出ている。大手メディアのイラク戦争報道に対するスタンスの変化がそれである。すでに述べたように、米政権はアブグレイブ収容所の拷問映像写真を伝えようとしたCBSニュース報道を事前に差し止めようとした。しかしCBSはそれに従わず放送公表を決断、今なおこの問題を報道し続けている。ブッシュ政権に都合の良いニュース報道を一貫して垂れ流し続けてきた米マスメディアに明らかに変化が生じつつあるのだ。
今や米国世論は、ブッシュ政権の対イラク政策支持一辺倒ではなくなっている。米CBSテレビなどが4月28日公表した世論調査によると、イラク戦争を正しかったとする米国民が47%と過半数を割り込み、昨年3月の開戦以来最低となっている。イラクに関わるべきではなかったと答えた人は46%と最高を記録した。米世論調査機関ギャラップでも5月6日、ブッシュ米大統領の支持率が就任以来最低の49%となったとの調査結果を発表した。米国世論はようやく、若き米軍兵士の犠牲によってイラク占領統治の破綻に気付き、ブッシュ政権のイラク政策に疑いの目を向け始めたのである。今回の米軍によるイラク人拷問・虐殺事件の発覚もまた、世論を反戦・非戦・厭戦へと向かわせることになろう。今回の事件はそれほどのインパクトを秘めているのである。
※<米国>ブッシュ大統領支持率、就任以来最低 ギャラップ(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040507-00001014-mai-int
※イラク戦争支持、過去最低/米世論調査
http://www.shikoku-np.co.jp/news/news.asp?id=20040429000118
もちろんジグザグである。5月7日米ワシントン・ポストとABC放送による共同世論調査結果によると、今回の虐待問題に関して米国民の69%がラムズフェルド国防長官は辞任する必要はないと答えた。ただ、虐待問題に対するブッシュ政権の対応については、「政府は真剣に調査している」「隠蔽工作を試みている」とした回答者がそれぞれ4割で、評価は真っ二つに分かれた。今後の運動と真相究明如何でまだまだ世論が変わることを示唆している。
※米国防長官の辞任「不要」7割…米メディア世論調査(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040508-00000202-yom-int
(3) アブグレイブ事件の真相究明を突破口にファルージャ虐殺の真相究明に進め!イラク戦争・占領支配全体の国際法違反と暴虐の暴露に進め!
ブッシュ政権は、形だけのアリバイ的な特別調査委員会を設置し、数人から10数人の関係者の処分でお茶を濁そうとしている。政府・米軍の身内調査に任せてはならない。国連、第三者機関の独立調査を要求し、徹底して真相を明らかにしなければならない。関与した者全員に公開の場で釈明させなければならない。組織的関与をめぐって、すでに逃げ切りを図る軍上層部と全責任を背負わされようとしている現場の兵士・その家族との間で対立が生じている。もめればもめるほど軍中枢やCIA、民間軍務請負会社の関与や暗部が明るみに出るだろう。
しかし、今回の虐待・拷問事件は、イラク侵略・占領支配における戦争犯罪、国際法蹂躙の膨大な罪状の一部に過ぎない。何よりも私たちはこの究明を、ファルージャの大虐殺の真相究明と併せて行わせなければならない。それだけでもない。思い付くだけでも、ざっと以下のような米政府・軍によるイラク戦争犯罪の全貌を暴く作業の“突破口”にしなければならない。
●罪なき民間人を無差別爆撃、無差別攻撃した罪。無防備の女性・子供・老人などを無差別殺戮した罪。
●無差別大量殺戮兵器、非人道兵器を使用した罪。クラスター爆弾、燃料気化爆弾の使用。放射能兵器である劣化ウラン弾の大量使用。
●圧倒的な軍事力格差の下で何の抵抗力もないイラク兵を一方的に殺戮した罪。降伏したイラク兵を殺戮した罪。イラク兵捕虜の虐待、拷問、殺戮の罪。
●占領地における治安維持の放棄、否、むしろ略奪を組織的に指示し混乱を助長した罪。米兵による民間人からの金品略奪の罪、民間人の財産を破壊したことへの罪。
●検問所において民間人を無警告、無差別に発砲、殺害した罪。
●米軍の「誤射」による死者、負傷者への正当な補償を実施しないことへの罪。
●公然たる軍事報復行動。イラク各地、とりわけファルージャにおいて民間人を無差別に殺戮した罪。大量殺戮の罪。イラク各地、とりわけファルージャにおいて医療救援を阻害し、民間人を殺害した罪。
●罪なき一般市民を何の逮捕・拘束理由もなく拉致・拘束した罪。拘束者を殺害した罪。拘束者を虐待・拷問・性的陵辱したことへの罪。等々。等々。
アメリカは数多くの戦争犯罪をイラクの地で繰り広げてきた。ここには挙げていないが、1991年の湾岸戦争における民衆虐殺、その後10年以上に及ぶ経済制裁下における形を変えた民衆虐殺、そして劣化ウラン汚染を強いることによる後世まで続く先天性障害やガン・白血病−−これらも決して忘れてはならないアメリカの戦争犯罪である。そして新たにこのリストに、アブグレイブ収容所における拘束者への拷問・虐待・虐殺が加わったのだ。
対イラク戦争だけではない。今もアフガニスタンで1000人、そしてグァンタナモ基地では700人が不当に拘束されている。グァンタナモ基地における捕虜取り扱いも、「重大な人権侵害」として大問題になった。自殺者が異常に高く、まさに秘密裏に拘束され続けている拘束者たちへの驚くべき境遇がほとんど明らかにされていない。今回のこの虐待・拷問に関する真相究明の闘いは、アメリカの侵略戦争の本質を暴く闘いの第一歩として極めて重要な意義を持つだろう。
※<虐待疑惑>米兵、アフガンなどでも 陸軍長官代行証言(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040508-00001043-mai-int
※グアンタナモでの虐待・拷問システムがすでに国防総省のガイドラインとして作成されていることが5月9日新たに暴露された。「苦痛」与える尋問承認=グアンタナモで米国防総省−Wポスト紙(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040509-00000423-jij-int
(4) 米軍はイラク占領支配をやめよ!今すぐイラクから撤退せよ!
虐待・拷問問題で全世界が米軍の蛮行を批判している最中にもアメリカはナジャフに対する本格的な軍事作戦を企てている。8日にはバグダッド、カルバラでもサドル師側近拘束を口実に攻撃を繰り返した。ナジャフ近郊で6日には41人、7日にも12人のイラク人を殺害している。絶対に許すことは出来ない。
今回の事件でイラク占領支配はますます泥沼化の様相を強めずにはおかないだろう。「イラクの解放」「イラクの民主化」の建前が音を立てて崩れ去ったからである。すでにイラク戦争の大義の破綻は明確である。今イラク各地において、公然と米軍の占領支配に対して反旗を翻す動きが拡大しつつある。スンニ派・シーア派を包括する全民族的な反撃である。ブッシュは6月末の「主権移譲」が真の主権委譲でないことをすでに自己暴露している。公然と占領支配の継続を主張しているのだ。立ち上がったイラク民衆はそんな居座りを断固として許さないだろう。今回明らかになった米軍の戦争犯罪を契機に、イラク民衆はさらに米軍、「有志連合軍」による占領支配を震撼させる反米・反占領の民族解放闘争を前進させるであろう。
ブッシュ政権は、米軍による最大級の戦争犯罪=イラク人拘束者への恐るべき虐待・拷問・虐殺の全貌を明らかにし謝罪せよ!ラムズフェルド国防長官とブッシュ大統領は卑劣な責任逃れをやめ辞任せよ!それが責任を取ると言うことである。アブグレイブを初め政治監獄を全面解体せよ!米軍は残る拘束者全員を今すぐ釈放せよ!イラクの占領支配をやめ、即時撤退せよ!
(5) それでもブッシュの侵略戦争・占領支配を支持・加担するのか。改めて小泉政権を追及しよう!
小泉首相は5月7日、「極めて遺憾だ。米国政府としても真剣に受け止めていると思う」と述べた。まるで他人事のようである。自らの責任の重大さをこれっぽっちも考えていない。「米国を支持する」とは、空前絶後の今回の虐待・拷問事件、米軍の組織的犯罪行為を支持することである。また、ファルージャをはじめとするイラク各地の民衆虐殺を「支持する」ことである。
ところが5月8日、小泉首相は、イラク現地の戦争状態そっちのけ、米国内の虐待・拷問スキャンダルそっちのけで、イラクへの自衛隊交代要員派兵式典を粛々と行った。しかも、小泉政権はテロ特措法に基づいて、アフガニスタンにも陸上自衛隊をも派遣しようと目論んでいる。どこまでブッシュ政権に追随すれば気が済むのか。
今回の事件を受けて、私たち日本の反戦運動は、改めて小泉政権への追及を強めなければならない。小泉首相は、今回の虐待事件に対する、日本政府の責任を明らかにすべきである。それでも、非人道的で国際法違反の虐待・拷問を繰り広げる米占領軍に加担するのか。自衛隊を駐留させ続けるのか。それでも、責任を転嫁し開き直るブッシュ政権を支持するのか。虐殺・虐待・拷問を繰り広げる米軍支援を今すぐ中止し、自衛隊を即時無条件で撤退させるべきである。
2004年5月9日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局
(5/15最終更新:米兵の階級呼称、内容の一部訂正。)
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