2004年7月13日火曜日、午前11時より、横浜地裁602号法廷にて、小野さんの裁判があった。
被告側には5、6人(傍聴席に2、3人、被告席に3人)、県教委と思われる人たちの背広姿があった。
前回5月26日は、川口の大野悟くんの裁判と重なってしまい傍聴できなかった。傍聴した方からメールで概要を知らせていただいた。
現在、朋宏くんの死因は解剖の結果、「脳腫脹(のうしゅちょう=脳が腫れている状態)」ということのみで特定されていない。そのことについて前回、被告側は「死因を特定し救護措置と死亡との因果関係を明らかに」するよう求め、裁判長も「急性脳腫脹に至った原因」と「こうすれば救命の可能性があった」ということを立証してほしいということだったという。
対して、原告側の原田弁護士は、「適正な救護がなされて医療的措置を受ける機会が与えられなかったことについて争っている」ということを改めて主張した。
今回、準備書面として、原告側からは、早稲田大学教授の喜多明人氏の意見書が提出された。また、死因・死亡についての書類は連絡ミスから、すでにできているにもかかわらず、本日、持ってこれなかったと報告があった。
被告側からは学校養護の専門家から、このような時に学校としてどういう措置をとるべきか、現場からの経験に基づいて意見書が提出される予定になっているが、多忙ということで、9月上旬までには提出したいとのことだった。教頭の陳述書は現在、作成中ということだった。
従来であれば、すべての書類が整ってから、証拠調べが始まる。しかし、裁判迅速化の流れのなかで、裁判長は尋問と平行して、書類の到着を待ったらどうかと提案した。しかし、出てくる書類の内容によって、反論する内容が変わるということで、人証(尋問)前にもう一回、弁論(書類の提出、やりとり)期日を設けることになった。
すなわち、9月8日(水)11時30分から、弁論(いつも通りの書類のやりとり)。
その次の10月6日(水)13時10分から、2人の教師の尋問が行われる。
共に横浜地裁602号法廷にて。
このような裁判でいつも思うこと。被害者が生きているのであれば、金銭的な補償も含めて、これからの人生を生きていくうえで糧になるものがほしい。しかし、被害者が亡くなっている場合は、せめて同じ事件が二度と繰り返されないように、教訓となるような判決がほしい。この事件の場合、少なくとも生徒に異常がみられたときには、学校側はためらわずに救急車を呼ぶべきだということを教訓として残したい。次の命を救うためにも。
過去の傍聴報告:me031209 me040204 me040324 を参照。
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