ある雑誌に、ブラジル、パラナ州アモレイラの貧しいコミュニティの託児所につくす日本人のカトリックの修道女(シスター)のルポが載りました。なんとかコンピュータを寄付してくれないか、というその願いにひかれて、筆者の岡村さんと連絡を取ったところ、9月後半にシスターから手紙と託児所の子どもたちのとてもかわいい写真が日本に届きました。
Passo プロジェクトではこの託児所にもコンピュータを送ることを決めました。みなさまのご協力をぜひお願いいたします。
以下はその岡村淳さんによる記事の引用です
『オーパ』1997年11月発行ドキュメンタリー屋さんのオフレコ話 25
ジャージ姿の修道女さん
ブラジル奥地につくす日本人女性 (2)岡村 淳(中略)
これは「オーパ」の読者の皆さんへのお願いなんですが、どなたか私どもの託児所に中古のコンピュータを寄付して下さる人はいませんでしょうか。
今の時代は地方でもコンピュータが使えなければ、子供たちが大きくなった時の就職先が限られてきているんです。
最近、中古のタイプを4台買って、先生を雇ってタイプの練習を始めてみました。
タイプができるようになったら、いつかコンピュータも動かせるようになるわよ、って言ったら、子供たちは喜んでいっしょうけんめいタイプに取り組んでいるんです。
やっぱりどこのクレッシェ(託児所)の子供たちに対して偏見や差別があるんですね。
例えばクレッシェの子供たちが午前なり、午後なり、小学校に行くと、同級生からも先生からもクレッシェの子供だって差別してみられるわけです。
そうした差別を感じている子供たちに、自分たちはタイプの練習をしているんだ、コンピュータの勉強もしているんだ、といったことから自身を感じて欲しいんです。自分たちのクレッシェも自分たち自身もちゃんとしているんだ、という誇りを持ってほしいんです。
ブラジル奥地の小さな仲間たちにとって、今年のナタール(クリスマス)が特別すてきなものになることを願っています。
以下は、9月下旬に日本に届いた手紙です。
シスターからの手紙
Passo の皆様Amoreira 9月15日はじめまして。
私は長崎純心聖母会のシスターヴィンセンシア堂園です。
Sao Paulo在住の岡村さんを通してピースボートでコンピュータをRio de Janeiroに届けられる事を知りました。私たちのCentro Comunitario 【コミュニティセンター】には7歳〜14歳の子供達が80名います。この子供達にコンピュータをお願いしたくて手紙を書いています。現在3台ありますが機種が古くて修理の時部品を探すのが大変です。また1台に2名ついて1回に6名で45分授業。1週間に1回になります。もし、もっと増えれば回数も多くなります。
Amoreiraは人口9000人、70%が日雇い労働者です。私たちは生後3ヶ月〜14歳の子供達180名と50名のお年寄りの手伝いをしていいます。シスター3名はボランティア。26名の職員(2交代)、町で唯一の社会福祉施設です。
子供達の70%は未婚の母の家庭で、アルコール中毒、麻薬、売春、エイズと問題は深刻です。また政府の援助は経済危機を理由に年毎に減少。今年は65%もカットされました。いつまで続けていけるのかまったくわかりません。でも、何もない時、カラッポになった時、必要なものが届きます。とても不思議です。先日も、小学校の学校のユニフォームが穴だらけになってきてそろそろなんとかしなくてはと思いつつ、でもお金がないのでどうしようと思っていたらSao Pauloの牧師さんから60枚届きました。ギリギリの状態でもうダメという時に寄付が入ったり……こういう善意の人々に助けられて今日まで続けて来れました。苦しい事、泣きたい事どうしようもない事だらけですが、子供達の笑顔に励まされて、また疲れきっている時彼らからObrigado (オブリガード、ありがとう)と言われると不思議な力が生まれてきます。
たくさんのすばらしい事を学んでいます。もしチャンスがあったらどうぞこの子供達のためにもコンピュータをお願いします。
Irma Vincentia Dozono
届けられた Amoeira アモエイラの子どもたちの写真
アモレイラの貧しい子どもたちを支援するために