東史郎さんを支援し、引き続き歴史の真実を訴えよう

                                           最終更新:2000年4月27日

最高裁が「上告棄却、上告不受理」の決定

1月21日、最高裁判所(第2小法廷・河合伸一裁判長)は次の決定を行った。
「主文 本件上告を棄却する。 本件を上告審として受理しない。 上告及び申し立て費用は上告人兼申立人の負担とする」。
この、わずか3行で、日本の司法は国際的にも注目されている歴史認識を問う裁判に 最終的な結論を下してしまった。
この決定の直前、昨99年12月には東史郎さんと弁護団は、最高裁に対し、 原告・橋本光治氏の98年12月東京高裁判決後に行った 香港TVへの「犯行自認」のビデオや、 再度中国で行った手榴弾爆発実験などの新証拠を提出し、併せて、 中国をはじめとする海外から届いた 東史郎さんを激励する横断幕に直接書かれたものなどを含む、 署名7万人分をも提出していた。 今年になってからは、国内での署名も提出する予定になっていた。 この決定は、そうした証拠の吟味や国内外からの東史郎さんへの支援の声を無視し、 司法の最高責任を自ら放棄した「決定」といえよう。

内外からの高裁決定に対する抗議

はやくも翌22日には、 南京虐殺記念館と南京大虐殺史研究会は日本の最高裁に抗議文を寄せ、 併せて東史郎さん及び「裁判を支える会」と弁護団には声援書が送られてきた。 東史郎さんたちは23日の「ピースおおさか」で行われた 「南京大虐殺否定集会」への抗議の記者会見の席上で、 最高裁に対する抗議声明を発表した。 東史郎さんは、雨の中の抗議行動にもめげず、この裁判は「司法の独立を放棄し、 政治が判決した」ものであり、 東日記と南京大虐殺の真実をこれからも広く世界に訴えていく決意を述べられた。 その後も東史郎さんは、2月19・20日にはフィリピンへ、 休む間もなく2月25日から3月4日までは中国の上海・南京・北京・瀋陽を訪れ、 最高裁の決定への抗議と今後の支持を訴え、 3月26日には「エル大阪」で 「東史郎さんの南京裁判 最高裁判所不当決定抗議集会」を開いた。 当会からも田中代表他が駆けつけ、東さんを激励すると共に、 東さんの行動を支持し「南京大虐殺」を否定しようとする動きを許さないことを表明した。

歴史の歪曲を許さない運動の継続を

私たちは、98年12月東京高裁判決の際に、判決が不当判決であると同時に、 この裁判がきわめて政治的なものであることを訴えた。 今回の最高裁の決定は、新証拠を無視し、事実に基づいて判断するのではなく、 歴史の証言を封じようとするものである。 東史郎さんの「南京・戦争裁判」を通して、 「南京大虐殺」そのものが無かったことにしたい勢力は、 日記の記述の一部をもって名誉棄損で裁判を起こし、その判決で証言者の口を封じ、 大虐殺の歴史の事実そのものまで無かったものと言い換えようと企んでいる。 私たちはこうした動きに徹底的に反撃し、歴史の真実を明らかにし、 歪曲を許さない運動を今後も引き続き行わなければならない。 今後もご支援よろしくお願い致します。(文責・芹沢明男)

 

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