戦争から利益を得る者は誰か?
今井恭平/訳
ジョージ【ブッシュ】2世(あるいは3世か?)が最高裁5人組によってホワイトハウスの帝王に叙せられた時、ある身も凍るような考えが頭に浮かんだ。戦争が起こるに違いない。この思いは、驚くほど鮮明に浮かんできたのだ。
理由は2つある。第1に、ジョージ2世は巨大企業の利益を代表する寵児であり、こうした利益はつねに戦争によって膨れあがるものだからである。武装紛争がシェラレオネやカシミールやコロンビアで起こったとしよう。そこで使用される銃器の70パーセントはアメリカ製だということに、有り金全部かけても大丈夫だ。アメリカが世界最大の武器商人である以上、どうしてそれ以外でありえようか。
第2には、ジョージ2世は、その父親から大事な教訓を学んでいるからである。すなわち、戦争ほど大統領の人気を煽りたてるものはない、ということである。そこで、このことと世界経済フォーラム(WEF)、世界貿易組織、あるいは成長しつつあるグローバリズムの妖怪との間にどんな関係があるのか、という疑問がおきてくる。グローバリズムの経済構造は、グローバルな資本家的、軍事的構造によって支えられている。それらは互いに補い合っている。まさに、どれも単独では存在しえないのである。
ニューヨークタイムズのコラムニスト、トーマス・フリードマンが1999年に書いたことを想起してみよう。「市場の隠された手は、隠された拳なしには機能しない。マクドナルドは、F-15戦闘機を造り出しているマクドナル・ダグラス社なしには商売繁盛にはならないのである。世界を、シリコンバレーにとって安全なものに保っているのは、合州国の陸軍、空軍、海軍、海兵隊なのである」(ニューヨークタイムズ・マガジン 1999年3月28日)
そして、力をもち、反民主的な多国籍企業が、何十億という人々の生活を左右し、やり方を定めているということの、何がWTOよりも秘密であったり、隠されていたりするというのだろうか。WTOを実現化したと自ら称している団体であり、企業グローバリズム運動の推進役を自認する世界経済フォーラムについてはどうだと言うのか?彼らこそ、戦争や、ジェノバでの反グローバリズム・デモへの悪辣な襲撃や、同じくらい悪辣な中傷を反グローバリズム運動に投げかけている企業メディアの背後の勢力である。
戦争とは、詰まるところ、富裕層や、既存の権威が大きな獲物を奪い合うために、労働階級や貧者が戦い、死ぬものである。愛国心など何の関係もない。富裕層や特権層は、資本よりも効力のある国籍などないことを知っている。
グローバリズムという蠱惑的な歌を耳にしたら、こうしたことを思い出して欲しい。それは、さらなる戦争への、さらなる貧困への、さらなる搾取への、そしてさらなる死への呼びかけでしかない。
それらに反対しよう。
オナ・ムーブ
ジョン・アフリカ万歳!企業グローバリズムを葬り去ろう!
ムミア・アブ=ジャマール
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