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死の影の谷間から
<死の影の谷間から>
ムミア・アブ=ジャマール/著
今井恭平/訳
現代人文社/刊
これまでの情報ログ

5月17日、第3巡回区連邦裁判所で 口頭弁論 開始決定!!
 2007年3月22日


2007年5月17日、午前9時半
フィラデルフィアの連邦法廷で、口頭弁論開始!


2007年3月22日づけの書簡で、ムミアの主任弁護人、ロバート・ブライアンは、第3巡回区連邦控訴裁判所(フィラデルフィア)において、口頭弁論が開かれることを明らかにした。これは、原審の死刑判決をくつがえし、ムミアの釈放を勝ち取るための重要なステップとなる。
同法廷は、以下の諸点について、審理を行うことをすでに決定している。口頭弁論は、これらの争点について行われる。
  1. 検察が「一審で死刑になっても、被告人は上訴に上訴を重ねて、死刑を免れる可能性がある」と法廷で述べたことは、陪審員が軽々しく死刑を選択するように仕向け、公正な裁判を受ける被告人の権利を侵害し、憲法修正5条、6条、14条に違反する。
  2. 検察が、専断的忌避権にもとづき、黒人を陪審から排除したことは、公正で平等な法的保護を受ける被告人の権利を侵害し、憲法修正6条、14条に違反する。また、バトソン判決(1986年)の判例に違反する。
  3. 原審の量刑段階における裁判官の陪審員への説示が不適切で、死刑を回避するために被告人に有利な状況を考慮する際に、全員一致でなくてもよいことを正しく伝えていなかった。これは、憲法修正8条および14条に違反し、残虐で異常な刑罰に相当する。また、ミルズ判決(1988年)の判例にも違反する。
  4. 一審およびPCRA(再審請求審)におけるセイボ判事の人種差別的態度、なかんずく「クロンボをフライにしてやる」といった発言は、被告人の公正な裁判を受ける権利を侵害している。
検察は、この事件について、同法廷には決定権がないむねを宣告するよう求めた。弁護側は、この検察の主張には理由がないという反論を提出していた。
3月10日、法廷は検察側の主張をしりぞける決定を行った。
口頭弁論には、ブライアン弁護士、共同弁護人であるジュディス・リッターおよび、アミカス・キュリエ(法廷の友 意見書)を提出しているNAACP法的弁護および教育ファンドおよび全米法律家協会からも参加することになっている。
口頭弁論は、来る5月17日午前9時半より、フィラデルフィアの連邦法廷で開始される。
ブライアン弁護士は、「最終目的は、われわれの依頼人(ムミア)の釈放であるが、敗訴すれば、処刑される危険は去っていない」と述べ、裁判への注目と支援を呼びかけている。

ブライアン弁護士の書簡(PDF)