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死の影の谷間から
<死の影の谷間から>
ムミア・アブ=ジャマール/著
今井恭平/訳
現代人文社/刊
これまでの情報ログ

またしてもセイボ


 9月10日、ペンシルヴァニア州最高裁判所は、30日以内に、ヴェロニカ・ジョーンズの証言を証拠として採用するか否かを決定するための公判廷(Hearing)を開くことを決定しました。
 この決定は、2つの点で、きわめて欺瞞的と言わざるを得ません。

 第一に、アルバート・セイボを担当判事に任命し、しかも彼一人に公判の指揮を委ねたことであり、
 第二には、この決定を無署名で行うことによって、最高裁内での責任の所在を曖昧にしていることです。

 セイボは言うまでもなく、1982年の裁判でムミアに死刑判決を言い渡した張本人であり、この裁判にまつわるあらゆる疑惑に直接の責任をもっています。そのセイボが95年の再審請求裁判でも、公判指揮を担当しました。
 自分が判決を下した裁判の再審請求を自分で却下した彼が、三度この裁判を担当しようと言うのです。最初から、公正な結果が出ることは期待できません。セイボに対してだけでなく、彼を任命した州最高裁に対しても、怒りを押しとどめることができません。
 最高裁の決定によれば、公判開始から30日以内に、結論を出さなければなりません。公判は、9月18日午前10時から、フィラデルフィア・シティー・ホールで開かれますので、今後一月くらいが、再審をめぐる山場になります。
 18日からの公判の場では、ヴェロニカ・ジョーンズさんは、直接証言の機会はなく、単に、彼女に今後証言をさせるかどうかのみが審議されるようです。

 公判には、FOPの組織動員も予想され、昨年の夏同様、人種対立と裁判をめぐる、公の場でのたたかいとなります。International Concerned Family and Friends of Mumia をはじめとした支援組織から、さまざまの活動の計画や要請が出されています。
 私たち日本の支援者も、それに応えていきたいと思っています。これから、私たちにできることを考えていきたいと思っていますので、ぜひこのホームページをチェックして、支援のための行動に参加して下さい。

--------------------------------------今井恭平