フィラデルフィア発ロイター電 9月16日
フィラデルフィアの警察官を殺害した容疑で1982年に有罪判決をうけた、もとブラックパンサー党員のムミア・アブ・ジャマルが申し立てていた再審の請求を、州裁判所は金曜日に棄却した。
この夏、数週間にわたって行われた再審請求をめぐる証言と論争の中で、アブ・ジャマルの弁護人は、再審の事由にあたることとして、警察が証人に圧力をかけたこと、証拠を隠匿したり、他に真犯人がいることを示唆する証拠を無視したりした点をあげて、原裁判の無効を主張した。
今週前半に、事件の時現場にいた彼の弟が出廷して証言する予定であったが、彼が法廷に姿を見せなかったことはアブ・ジャマルにとって痛手となった。
再審請求を棄却した地方裁判所のアルバート・セイボ判事は、原裁判を担当した当人である。
アブ・ジャマルは、逮捕前ラジオ・レポーターをつとめていたが、死刑囚として拘置されている間に、「死刑囚監房からの生放送」という本を出版した。これがきっかけとなって、当初8月17日とされていた彼の処刑を取り止めさせようとする世界中からの支援を受けるようになった。
アブ・ジャマルの主任弁護士、レオナルド・ワイングラスは、セイボ判事が再審を認めないであろう事は予測できた。上告してたたかうことになるだろうと述べている。この間、アブ・ジャマルの死刑執行は棚上げ状態がつづくことになる。