梅雨明けを思わせるような猛暑の中、2月の面会以来となる港南中央駅に午前10時過ぎに到着しました。この日の面会は、前回花島さんが弁護士面会日と重なり面会できなかったため、午前中なら大丈夫だろうということで早い時間での面会を設定しました。
5分程待たされた後面会室に通されると、すぐに笑顔のゴヴィンダさんが入ってきました。少し火照ったような顔で、額をタオルで吹きながらの登場でした。
「ナマステ」と合掌してからお互い5ヶ月振りの対峙をしました。 後の話で、丁度体操の時間だったらしく体を動かしていた為、少し汗をかいていることが分りました。
前回花島さんが、面会室に通されたにもかかわらず面会できずに帰ったことを知っていて、まず謝られました。ゴヴィンダさんの心遣いを感じました。
体調面のことを伺うと、精神安定剤を飲んでいるので少しむくみが出ていると言っていました。そう言われれば少し顔がふっくらしているようでした。
表向きはいくら健康で顔色が良いといっても、無実の罪で10年も刑務所にいると、時には発狂したくなるような時もあるだろうと容易に想像できます。
ご家族が来日した時にTDL(東京ディズニーランド)で一緒に撮った写真を見せると、自分のことのように喜んで何度も感謝されました。こんどはゴヴィンダさんも一緒に行きましょうと伝えました。 写真や新聞、雑誌等を見ることが何より充実している時間と言っていました。毎日、毎日同じ風景や同じ顔を見ていると、違ったものを見たくなるのは当たり前ですよね。
花島さんが、先日亡くなられたお父様のお悔やみを言ったのですが、そのことは既に心の中で整理が出来ているようでした。ただ、お母様のことが今度は心配とのことで「一日も早くネパールへ帰りたい、無実の自分がどうしてこんな目に遭うのか。日本の裁判は間違っている。」と声を大にされたが、「我々も頑張ります」としか言えない自分たちにもどかしさを感じました。
「支える会」の近況と、ゴヴィンダさんの近況をお互い確認しあい、25分ほどの面会を終えました。前回より少し長かったような気がします。
ゴヴィンダさんの「遠くからの面会ありがとうございました」との言葉で面会室を後にしました。
ゴヴィンダさんが、今年はまだ刑務所の部屋にいて、虫の声(多分セミの声)が聞こえないと、言っていました。真っ青な夏空を見上げながら、この辺りもあと数日でうるさく鳴くセミの声が聞こえることだろうと思いながら帰途に着きました。
ゴヴィンダさんに、季節を五感を通して感じてもらえる日が一日も早く来ることを願わずにはいられません。
原中新一