10月25日(火)午後、ゴビンダさんの面会に行ってきました。早いもので、身元引受人になってからの月1回の定期面会も、今日で6回目になりました。
家族との連絡:
ラダさんから8月末に託された家族の手紙と写真(私から9月2日付で横浜刑務所に送ったもの)が、ネパール語の翻訳と検閲を経て、ようやく10月13日にゴビンダさんの手元に届いたそうです。手紙と写真から、家族が元気で無事に暮らしている、とくに生活上の問題もないことがわかり、すっかり安心できたと喜んでいました。
さらに、今朝、蓮見さんが、ダサインでイラムに帰省中のラダさんに電話してくださったことを話しました。お父さんもお母さんがとても元気なこと、ラダさんと子供たちが、イラムで楽しい休暇を過ごし、たくさん写真を撮ったこと、そろそろ学校が始まるので、明日カトマンズに戻ること、手紙、写真、本などを11月初め、日本に帰ってくる方に託送する予定であること。
最後に、ラダさんからの「I love you」を伝えたら、ちょっと照れていました。
再審の状況:
昨夜、弁護団の神田先生・佃先生と話し合いをしたと聞くなり、すぐさま「再審の様子、どう?」と身を乗り出しました。しかし残念ながら、まだ期待するような進展はないのです。7月27日の三者協議で検察が反対意見書を提出するという意向を表明し、期日については検討させてほしいということだったが、それきり何の連絡も ないので、弁護団から早期提出を催促したこと。日弁連への要望については、11月28日人権擁護委員会から、秋山弁護士他2名が、ゴビンダさんの再審の意思確認のため、面会に来られる予定であること。また布川事件の即時抗告審が、ゴビンダさんの再審と同じ東京高裁の第4刑事部(仙波裁判長)に係属になったこと。昨日、 布川事件の「守る会」の東京高裁への要請に同行したこと、来月からは「無実のゴビンダさんを支える会」として定期的に要請をしたり、集まった署名を届けたりする予定であることなどを話しました。
再審開始決定が最終的に「確定」して、本当の再審裁判が始まるまでに、まだまだ時間がかかるのだと説明したら、ゴビンダさん、「そんなに大変なんだ・・・」と驚いていました。ゴビンダさんには酷な話ではありますが、当事者なのだから、やはり知っておいてもらわなければと思い、できるだけわかりやすく率直に説明しました。
「桜井さんはどうしていますか?」と訊かれたので、地裁の再審開始決定が高裁でも支持されるよう、以前にもまして一生懸命、各地の報告会などで支援を訴えてがんばっている。ゴビンダさんからのお祝いメッセージを伝えたところ、そのうち落ち着いたら、特別面会の許可をとってゴビンダさんに会いに行きたいと言ってくださっていると話したら、顔を輝かせていました。
激励メッセージ:
私宛の10月6日付の手紙に書かれていたゴビンダさんからこうたろうくんへのメッセージに対して、こうたろうくんが10月17日付で返事を書いてくれたので、同封されていた写真を見せながら、手紙を読みました。
- ゴビンダさんより:
- 「こうたろうくん、面会に来てありがとうね。でも会うことできなかった。残念ですけど、愛してます。ラダさんと一緒に撮った写真、あります。寂しいとき見てます。大きくなったら、お母さんの面倒、ちゃんと見てね。学校でみんなと仲良く、ちゃんと勉強してね」
- こうたろうくんより:
- ゴビンダさん、メッセージありがとうございます。ぼくも会うことができなくて残念です。
10月12日の運動会、楽しめましたか?ぼくたちは10月1日に小学校生活最後の運動会が終りました。騎馬戦を知っていますか?ぼくは5人抜きで、白組を勝利にみちびきましたよ。
ゴビンダさん、苦しい生活だと思いますが、忍耐で、スポーツの心で耐えてがんばってください。ぼくもお母さんを守るため学習していますよ。
秋になり寒くなり、風邪をひかないように、刑務所のお仕事をがんばってください。
いつも朝夜のお祈りで、ゴビンダさんの無実が1日も早く(明らかにされ)、裁判で無罪が出されることを、主イエス・キリスト、聖母マリア様にお祈りしています。
がんばるゴビンダさんに応援のエールを送ります。
また、ラダさん、ゴビンダさんのお母さんに、ぼくはキスされたこと、知らせます。恥ずかしいけど、うちのお母さんが言うのには、息子と同じで、愛してくれていると聞きました。
2006年はネパールに帰れますように心から祈ります。家族に一日も早く会えること祈ります。ではまた会える日までお元気でおすごしください。
ゴビンダさんの友達の12歳 こうたろう
じつは、横浜刑務所の運動会、今年はできなかったのだそうです。もともと10月5日の予定だったが雨のため12日に延期になっていました。その12日、天気はよくなったのに、前日までの雨続きだったせいで、グラウンドコンディションが悪く、結局、中止になってしまったとのこと。なんとも残念!
歯の治療:
10月6日、歯の治療に呼ばれた。1年以上待たされたので、やっと順番が来たと喜んだのもつかの間、歯医者から「この状態では入れ歯を入れることはできない」と言われてしまったそうです。理由は、一番奥だから、両側の歯の支えがないこと、上側の歯とのスペースが少ししかないこと、抜いてから年数を経ている。無理やりに 入れてもうまく合わず顎がゆがんでしまうし、治療費も無駄になってしまうとのこと。
私は、歯医者がそう言うのならしかたがない、無理に入れてかえって大変なことになったら困るからと言ったのですが、ゴビンダさん、あきらめきれない様子で、歯医者の説明は難しくてよくわからないので、私から歯医者に詳しく聞いてもらえないかと言うのです。しかし、そんなことはできないので、帰りがけ、庶務課の職員に事情を話してみました。親切に聞いてはくれたものの、あちらもどうしたらよいか困っていました(それもそうですよね)。結局、本人がよく理解できるようなやさしい言い方で歯医者から丁寧に説明してもらえるよう、医務課に話をしておくからと言ってくれました。
そもそも、はじめに診療した歯医者が、入れ歯はできないと言ってくれていれば、1年以上も待ち焦がれなくてよかったのですが・・・
(この件、ゴビンダさんには、あらためて手紙を書いておくことにします)
差入れ:
ゴビンダさんからリクエストされていた本4冊
佐野眞一氏の『東電OL殺人事件』と『東電OL症候群』
「支える会」のブックレット『神様 わたし やってない』及び、その英語版ゴビンダさんいわく、「ここの人たち、佐野さんの本、読んでて、この事件のことや私のこと、よく知ってる。まだ自分では読めないけど、いつか読めるようになりたいし、いずれ雑居になれば他の人に読んでもらうこともあるかもしれないから持っていたいと思って」とのこと。
カラーリーフレットのローマ字版
ゴビンダさんに読めるよう、内容を全てローマ字にしたもの(A4 6枚の長文)を先日郵送しておきました。だいたいわかるが、わからないところは辞書を引いて読んでいる。自分の事件のことを日本語で説明できるよう、勉強すると言っていました。
9月分と10月分支援金、写真
来月は、11月22日(火)を予定しています。