10月3日（月）、先月の家族来日以来、初めてゴビンダさんの面会に行ってきました。あの頃は、連日うだるような暑さだったのに、その後、急に涼しくなったせいもあって、たった2週間しか経っていないのに、ずいぶん久しぶりのような気がします。
　いつもどおり満面の笑顔で入って来たゴビンダさんは、「ラダさんとインドラさんをよんでくださって、いろいろお世話してくださって、ありがとうございました」と丁寧に頭を下げてくれました。「二人が帰ってしまって、急に寂しくなったでしょ？」と言うと、「それは寂しくないということはないけど、今までほどではありません。もうすぐネパールに帰って一緒に暮らせるという希望ができたからです」。
　再審の新しい動きや家族来日のことを報道した新聞や雑誌の記事を読んだりして、けっこう忙しい日々を送っているようです。
「9月30日に弁護団が最終意見書を出したことも新聞に出ていましたね。今井さんが『冤罪File』の記事にフリガナを付けて送ってくださったので、何が書いてあるか、全部、読むことができました。たくさんの記事を読みましたが、どの記事も、きっと再審開始になるだろうというようなかんじで書かれています。ここの仲間たちも、『ゴビンダ、大丈夫だよ。あと少しの辛抱だよ。（刑務所にいると思わないで）日本に働きに来てると思ってればいいじゃないのと言ってくれています」などと明るい表情で語っていました。
　その表情が一転して険しくなったのは、検察のことに話が及んだときです。
「それにしても検察は、なぜ今ごろになって未開示証拠を出して追加鑑定をするなどと言い出したのでしょう。遺体に付いていたO型の唾液を、もし最初から出していれば、私は有罪にはならなかった。そんな大事なものを今まで隠してたなんて、検察は『犯罪者集団』じゃないかと思う！」と語気を強めていました。
　今後の展開について、10月5日の三者協議で、とくに裁判所がどんな対応だったか、わかったら教えてほしいとのことでした。
　最後に、「冬物の靴下3足、差し入れてください」と頼まれたので、刑務所の売店で購入して差し入れました。ゴビンダさんは、今年の冬もまた、この寒い刑務所で越さなければならないのです。どうか再審開始の「春」が1日も早く来ますように。

追伸： 東京拘置所時代、文通していた方から、10年ぶりに手紙が届いたそうです。「新しいDNA鑑定のニュースを知ったとき、テレビの前で手を叩いて踊りまくったと書いてありました。長い間、私のことを忘れずにいてくださったことを知って嬉しかった」と言っていました。みなさまも、どうぞゴビンダさんに励ましの手紙を出してあげてください。

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