もちろん覚えて ますよお! 2003年8月28日 客野美喜子
客野です。今日は、6年前の事件発生前後の時期に「幕張マハラジャ」でアルバイトをしていたことがあるKさん(女性)をお連れして、ゴビンダさんの面会に行ってきました。
ゴビンダさんは、一目で彼女が誰かわかり、「もちろん覚えてますよお。元気でしたか?今、どうしてるの?私、寂しいからまた来てください」などと、この思いがけない訪問を大変喜んで、事件前、店で働いていた頃のことをしきりに懐かしがっていました。Kさんには、当時の店の様子やゴビンダさんの働きぶりなどに ついて、お話をうかがうことができました。
噂のメガネは、本当によく似合っていました。みなさんへのお礼を、今度の通信用のレターに書くとのことです。
PTSDと診断され、死ぬような病気ではないとわかったので、とりあえずホッとした。ラダさんと子供(下の娘だけ)の来日時期については、支援のみなさんの判断に任せる、と言っていました。
イラムからの伝言「I love you!」そしてお花を 2003年8月27日 蓮見順子
昨晩イラムのラダさんに電話をしましたが、何故か、呼び出し音があるのに、通じませんでした。今朝もう一度11時頃電話をしましたら、ようやくラダさんが出てきました。あちらはご家族みなさんお元気とのことでした。下の娘さんのアリサちゃんとも話をしました。学校もたのしく元気とのことでした。お父さんに会いたいので、日本によんでくださいと頼まれました。ラダさんは、来日時には、娘さん達を拘置所の父親に会わせることには反対していましたが、今回の電話では、もし、支援の会の方たちが良いとおっしゃり、よんでくださるのなら、そうするという話でした。
日本にいた時より少し太ったということです。空気もきれいで、車もほとんどなく、人口も少ないイラムではストレスも少なく、お食事も美味しくて太っちゃうのでしょうね。それでも以前はごりごりに痩せていました。ゴビンダさんに会い、支援の会の活動や会の方々の努力をみて、気持が落ち着き安心したのでしょう。
ゴビンダさんに手紙を書くよう、言いました。明日、書くと言ってました。 今日のゴビンダさんは金縁の、今流行の少し小さめ、楕円形のメガネをかけて現れました。インテリ青年に見えました。これで、新聞もとても良く読めるようになったと喜んでいました。
こんな良いメガネを作ってくださってとてもうれしい、支援の会のみなさんにお礼を言ってくださいということでした。
お腹の痛い原因はPTSD(post traumatic stress disorder)多分?、で内蔵の問題ではないようで、筋肉痛の塗り薬を塗って、改善されているようです。
新しい拘置所は、夏、冬が少し過ごしやすくなったとニコッとしていました。相変わらずお腹はポコンと出ていました。もう少し痩せたほうが良いようです。
ラダさんが働かないで家の仕事だけしていますというとうれしそうでした。小さなアルバイトをするより、コンピュータなど習って、仕事をするなら、もっとちゃんとした仕事をして欲しいと言ってました。ラダさんが、I love youと言ってましたというと、ほんとにうれしそうでした。ということで、今日は明るいゴビンダさんでした。
ネパール語の本二冊と、果物(リンゴとオレンジしかありませんでした)、それにお花を差し入れました。ゴビンダさんは花が大好きです。少しでも外の雰囲気を味わいたいからと思います。これまで、花を差し入れるときは、おまかせで、金額だけ指定するようになっていましたが、昨日の方は、どういう花が良いか注文はありますかと、訊きました。これは初めてのことで、驚きました。花の指定ができるのはうれしいです。もしかしたら、その方が特別だったのか。でもこれからは、かならず指定しようと思いました。なるべくネパールにもみられる花があれば....それを。昨日はとっさののことだったので、色々な色を混ぜて、とびっきりカラフルで賑やかなものをと、注文しました。
ゴビンダさんのめがね 2003年8月21日 吉川直美
今日面会に行きました。
ゴビンダさんから嬉しそうに報告がありました。昨日(水曜)の午後2時頃、眼の検査があり、やはり視力矯正が必要という診断を受けたので、メガネを注文したそうです。来週の水曜には届くそうです。とても楽しみにしていらっしゃいます。客野さんはじめ、支える会のみなさんに、是非そのことを伝えて、お礼を申し上げてくださいとのことでした。
ゴビンダさんが、「眼がよく見えない、疲れる、メガネを作りたいと」訴えられてから……また、それに応えて会からメガネ代を差し入れてから、随分時間が(今はっきりいつとは思いだせませんが)経った気がします。メガネひとつ作るのも、容易ではない世界だということを改めて思い知らされます。
どんなフレームですか? と尋ねたら、中間くらいのもの(価格帯)から選んだと遠慮がちにおっしゃっていましたが、気に入っているようでした。
今まで字を読むのは疲れるとおっしゃっていましたが、これからは、英語(熊野さんがおっしゃるように、日本語よりはずっと楽だそうです)の本や雑誌を読みたいと、前向きでした。
胸の痛みも、やはり塗り薬(冷たくなるそうなので、神経痛や打ち身やなどに使う鎮痛消炎剤でしょうか)が効いているそうで、このところ、体調は一時期よりずっとよいそうです。オーストリアの妹さんからヨガの本をプレゼントされたそうで、積極的に健康維持を考えている様子でした。
来週の水曜以降は、メガネをかけたゴビンダさんに出会えますね。取り急ぎ、ご報告でした。
読みます、戦争がどうなっているか知りたい! 2003年8月20日 熊野里砂
今日午前中、小菅に面会に行ってきました。 なぜか今日はスーツ姿の男性が多数駅に降り立って拘置所に向かっていました。先を越されては待たされると思い、すたすた歩いて彼らを追い抜きさっさと受付をすませました。そのおかげか午前中だったからか、10分もしないうちに番号を呼ばれ、8階に上がりました。
ゴビンダさんは笑顔で入ってきて元気そうな様子でした。一時期の胸の痛みも、塗り薬(どんなものかは不明)のおかげで今は痛くないとのこと。暑さも冷房の風が入ってくるので快適なようです。以前面会に行った時に客野さんからの伝言で眼鏡を作る話が出たので、そのことを聞いてみたら、眼科のお医者さんは外から来るので順番待ちで1ヶ月も2ヶ月も待っているのにまだ順番がこない。なぜ順番がこないかわからないと言っていました。
客野さんの報告でゴビンダさんが英語版ブックレットを読んだことを知り、試しに持参したニューズウィーク英語版の最新号を見せ、読むかどうか、眼鏡なしでも大丈夫かどうか聞いてみました。(ゴビンダさんには失礼ですがどの程度英語が出来るのか今までわからなかったので、ネパールやサッカーなど興味のありそうな記事でも出ていない限り、差し入れてもあまり意味がないのではとずっと思っていたんです。)すると、目を輝かせて(というより今すぐ読みたいと飛びつくような勢いで)、「読みます、戦争がどうなっているか知りたい。わからない言葉はディクショナリーで調べます」と言っていました。
定期購読をしているので家に毎週届くことを伝え、送りましょうかと聞くと古いのでもいいですからぜひ送って下さいとの返事。想像していた以上に外の世界の情報に飢えている様子のゴビンダさんを見て、もっと早く聞いてあげればよかったと思いました。
帰りがけに自分が着ているTシャツを指して「妹がオーストリアから送ってくれた」と嬉しそうに言うゴビンダさん。でも部屋を出て行く後姿はやっぱりどこか寂しげでした。
血圧180で薬を服用しなくていいとは! 2003年8月19日 藤田義雄
部屋に入って来るなり元気のよい声で「ナマステ!」と先にゴビンダさんに言われてしまい、「ナマステ」の言い方の調子を考えあぐねていた小生は「あ、どうも、ナマステ・・・・・」と、もごもごしてしまいました。
初対面でしたが、暑中見舞いハガキの交換のことや2002サッカーWCの事ですぐに話が弾みました。
ただ、どのぐらい時間があるのか分からなかったので早々に今回の第一目的である健康の事を聞いてみました。というのも最近の面会記の中で「血圧が180あったけど、医者は大丈夫だと言っていた」という発言をゴビンダさんがしていたということが書かれてあったからです。するとゴビンダさんは「その通り。180あったけど医者は大丈夫と言っていた」というのです。小生も高血圧症で通院しているので、とりわけ血圧の数値には人一倍関心があり、気に留めていたのです。もし高い方の数値が「180」だとするとこれは高血圧症の部類に入ると思います。標準的には高い方の数値は「120〜140」ではないでしょうか。もちろん年齢・性別などにより標準的数値は異なるのでしょうが、それにしても180は高すぎます。(これで薬を服用しなくて良いとは信じがたい)
ゴビンダさんにはもう一度高血圧のことを医者に確認してもらうこと、高血圧の大敵である肥満とストレスには注意するよう話しました。(今の環境下では条件的には難しいかもしれませんが)
ゴビンダさんの方からは、客野さんや皆さんへということで、できれば娘さんたちを日本に呼び、面会したいが、そのことを検討して欲しいということでした。
最後に差し入れ品の希望を尋ねると、今のところ希望する物は無いとのことでした。(ただ、会話の中では果物に興味があるような感じでしたが)
故国の人たちも、あなたが無実であると信じています 2003年8月18日 岡野美津子
「ナマステ」と晴れやかな顔で入ってきて、15日(金)にネパール大使館の方が面会に来てくれたことを、早速話し出した。
「私はまもなく任期を終えて帰国するが、次の担当者によくゴビンダさんのことを頼んでおきます。大使館の者たちも故国の人たちも、あなたが無実であると信じていますから、晴れて最高裁で無罪を勝ち取り、自由の身になって、帰国できるよう願って、待っています」と励ましてくれた。ゴビンダさんからも、現在の状況や困っていることなど、45分間にわたり、母国語で話すことができたということだ。ラダさんが帰国してから、こんなに生き生きしたゴビンダさんを見るのは初めてだ。顔色も表情も光っているように見えた。
眠れない! 2003年8月12日 吉川直美
先週私が面会したときも、しきりと眠れないとおっしゃっていました。特に暑くなってから、睡眠薬を飲んでも眠れないそうです。気になって、服薬以外の不眠対策を調べてみましたが、どれもゴビンダさんの状況では無理なことばかりでした。就寝前に入浴するとか、いっそ眠らないとか、昼間運動するとか、ハーブティーを飲むとか……それができないから辛いわけですものね。
私は、指圧の心得が多少ありますので、せめて安眠のつぼをお教えしてみます。効果があるかどうかはわかりませんが。今はそれくらいしか思いつきません。明日面会でお話ししてみて、安眠のツボがわかるような図を郵送します。
暑中見舞いの返事がうれしい 2003年8月11日 岡野美津子
「こんにちわ」と、はじめから深刻な顔で現れた。
今日、医者に診てもらったが、血圧180台で薬も必要なしと言われたとのこと。
「痛みがあると訴えているのに、いつ検査するとも言ってくれない。心配だし、つらい」と、肩をおとす。
日本から手紙を送っても、ネパールのラダさんからは何の返事もないそうである。8月8日に、ラジャンさんが来てくれた時、電話での確認を頼んだそうである。 Rさんから、ネパール語HPのアクセス数が多いと聞いて、大変嬉しい。その人たちが、できるだけ署名してくれるよう、Rさんに手紙を書いてお願いするつもりだと言っていた。
8月9日、台風の中、平和祈願祭で184名の署名を集めたことを報告した。
ゴビンダさんの暑中見舞いに対して、今日までに支援者から20枚の返事が届き、たいへん楽しんでいるそうだ。
ゴビさん『A−21』、どうして名前で呼ばれないの? 2003年8月4日 岡野美津子
「ナマステ〜」と、ゴビンダさんは、嬉しそうに入ってきた。「午後3時30分になったので、今日はもう面会に来てくれないと思っていたのに、こうたろうくんとも、思いがけず2週間連続で逢えるなんて!」
しばらく楽しそうに子供となにげない会話を交わしていた。と、突然、
「わたし、眠り薬のんでも、全く眠れないのですが、どうすれば眠れるのか教えてください」と、真顔で訴えはじめた。私は言葉に詰まり、後でこうたろうから、「ゴビンダさんが、眠れなくて困っていると、あんなに真剣に話したのに、ママはどうして答えをまともに出せないの!」と、叱られてしまった。
また、「この前、瑞慶覧さんが客野さんと来てくださった時、救援会からのお金をいただきました。何に使うか考えると迷います。果物は差し入れていただいてるし」と、満面の笑顔で話していた。その直後、「わたし、もしかしたら刑務所、行かなくてはならないかもしれない。だから全く眠れないのです」と、憂鬱そうに言うので、私は、愕然としてしまった。「そうならないように、口頭弁論を開いてくださいという要請行動をしたり署名活動を続けたりしているの。だから、一緒にがんばろうね。ここを出られるように、全力を尽くそうね」と励ます。
「ぼくも署名を、がんばって沢山集めてくる!」と、こうたろうも約束した。
「わたし、自分の子供が成長する時期、そばにいてあげられなかった。この年齢の子供にどう接してよいか、わからないので、こうたろうくんには、ぜひ、また来てほしいです」と言っていた。やはり、こうたろうを自分の娘さんたちに、重ね合わせていたのだなと思う。
帰路、こうたろうが、「ゴビさん『A−21』って呼ばれていたみたい。どうして名前で呼ばれないの?かわいそうだ」と言っていた。
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