無実のゴビンダさんを支える会

Justice for Govinda Innocence Advocacy Group

The wise eye penetrates the truth

HOME PAGE

最新情報

「東電OL殺人事件」の概要

裁判の経緯

再審について

支える会の活動報告

ゴビンダ通信

面会日誌

裁判資料

冤罪リンク

メールアドレス

「月給」が初めて1万円を超えたゴビンダさん
2011年7月15日  客野美喜子

 7月15日(金)午後2時。港南中央駅から横浜刑務所までの道は、日陰がまったくなく、異常なほどの熱気がアスファルトから立ちのぼっていました。
 「こんな暑さだから、今月は面会にいらっしゃらないかと思っていました!ちゃんと日傘をさしてますか?熱中症にならないようにしてください」ゴビンダさんは、汗ばんだ顔をほころばし、開口一番、訪問者の私を気遣ってくれました。
 そういうゴビンダさんこそ、工場にも自室にもエアコンがまったくないのだから、さぞかし大変な毎日を過ごしているはず。今年は節電のためか、面会室のエアコンも、あまりきいていなかったのですが、それでも「ここは、クーラーがあるから涼しいです」と喜んでいました。
 今月から、いつも週2回の入浴が3回になっているそうです。
 「入浴のない日は、工場から部屋に戻る前に、シャワーを浴びさせてくれます」
 「へえ、それは、いいわね」
 「30秒だけ」
 「は?さんじゅうびょう?」
 「ええ、服を脱いで裸になって、シャワーを30秒だけ浴びます。それで少しクールダウンして部屋に戻ります」
 う〜ん、「秒刻み」とはスゴイ。その時は驚いて、それ以上、重ねて訊けなかったのですが、これは刑務官がストップウォッチか何かで計っているんでしょうか?それとも、蛇口が自動的に止まるように出来ているとか?・・・今度、ぜひ訊いてみたいと思っています。
 「そうだ。ひとつ、良いことがありました」と言うので、何だろう?と身を乗り出したところ、「今日は”給料日”だったんですが、1万と34円でした。ここに来て(1ヶ月の作業賞与金)が1万円を超えたのは初めてです!」
 「すごいじゃない。1万円以上もらっている人って、少ないんでしょ?」
 「私の工場では、3人くらい。それも私より古い人たちです」
 今の仕事は、長年続けていた「デパートの紙袋」ではなく、「着物を折り畳んで、しまっておくための紙(畳紙=たとう紙)」を作っているそうです。
 ちなみに、『刑務所のいま〜受刑者の処遇と更正』(日本弁護士連合会 刑事拘禁制度改革実現本部 編著)によると、「刑務作業には作業報奨金が支払われるが、2008年(平成20年)度予算における作業報奨金の1人1月当たりの平均計算額は、約4,200円となっている。喜連川社会復帰促進センターのデータでは、2,008年12月分の平均で、2,054円、最高は11,292円」とのことで、作業報償金が少ないことが、受刑者の社会復帰を妨げている原因のひとつになっていると指摘されています。
 まったく同感ですが、それはそれとして、ゴビンダさんがひたすら真面目に刑務作業に励んできた成果として、服役8年目にしてようやく1月1万円の大台に乗ったことは、とにかく素直に喜んであげたいと思いました。