Justice for Govinda Innocence Advocacy Group | |||||||
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人種差別撤廃世界会議・アジア太平洋準備会議に代表を派遣2001年4月27日〜29日
2001年8月末から9月7日まで南アフリカのダーバンで開催された人種差別、排外主義に対する国連会議(World Conference Against Racism and Xenophobia)に向け、アジア地区における準備会議がネパールの首都カトマンズで行われました。4月27日から29日の会期中、各国NGOが参加。
無実のゴビンダさんを支える会から、共同代表の蓮見順子さんが出席し、ゴビンダ事件について報告しました。会議ではゴビンダ事件のワークショップも行われ、決議が採択されました。 蓮見さんは、地元の有力メディアや外交官とも会見し、ゴビンダ事件が移住労働者への人種差別的側面を色濃くもっていることを訴えました。 以下、蓮見さんによる報告です。
今年8月末より9月始めにかけて行われる人種差別撤廃世界会議(World Conference Against Racism(WCAR)へ向けての準備のためのアジア太平洋準備会議(Asia-Pacific NGO Networking Meeting)がネパールの首都カトマンズで4月27から29日にかけて開催された。 ネパール国内準備会議(Nepal National Workshop Seminar)本会議は27日からであったが、その前日の26日、準備会議のためのネパール国内の会議(World Conference Against Racism - 2001 Nepal National Workshop Seminar)がオーキッド・ホテルで開催され、私は著名な人権活動家で、もと国会議員も務められたPadma Ratna Tuladar(Forum for Protection of Human Rights) 氏に誘われ出席した。 この集まりでは、マハンタ・タクール法務大臣、スミトラ・グルン博士を始め本会議のcoordinator でUNのNGO代表であるMs.Laurie Wiseburg, WCARCoordination CommitteeのMs. Nimalka Fernandoなどの挨拶の後、本会議のテーマであるネパールにおける人種差別、少数民族差別、移住労働者問題等についての現状報告、討論が行われた。 この日私はNepali TimesのKunda Dixit氏と約束があったため午後の会議には出席できなかった。Nepali TimesのKunda Dixit氏 Kunda Dixit氏は週刊誌Nepali Times、月刊誌Himal の創立者で編集者でもあり、4月始めには日本に取材に訪れ、ゴビンダさん事件の詳しい報告を同誌に掲載している。現在Himalのネパール語版にさらに詳しい報告が載っている。 しゃれたモダンなオフィスで、コロンビア大学出のKunda Dixit氏は流暢な英語で私の滞在中のスケジュールなどの提案やアドバイスをしてくれた。その後、私は氏と共に、Nepal Human Rights Commission のKapil Shrestha氏の事務所に行き、記者会見の段取りなどを話し合った。だいたいの話が固まり、Dixit氏の事務所にもどり、私の持っていた資料に少し手を加えて、新聞社にくばる記者会見告知のネパール語のチラシを作成した。 NGO本会議初日
翌27日から本会議が始まり、きめ細かに組み立てられたスケジュールにそって会議は進められたが、時間のチェックがないため、どんどん遅れ、初日終了予定の内容が2日目に持ち越された。開会式は9時すぎからはじまったが、1時間に6人の挨拶が行われるため、当然時間は延長される。
私は実例紹介の場を中座し、外務副大臣のロビ・ゴーチャン・タカリー氏に面会に行った。外務省はもとラナ一族の宮殿であったと思われる建物で、天井が高く格調の高い雰囲気の広い執務室で、タカリー氏とゴビンダさん問題について話し合った。タカリー氏はもと人権問題の活動家であったということで、ゴビンダさん事件についても非常に理解ある態度を示された。今年はじめ日本を訪問されており、その際この事件については話を聞いておられたということで、事態を憂慮されておられたが、副大臣という立場になったため、かなり行動に制限ができてしまったと率直に申された。
午後は「女性差別」、「グローバリゼーションと人種差別」、「移住労働者に対する人種差別と排外主義」、「人身売買--人種差別の犠牲者」、「原住民の権利」、「カースト:出生と職業を根とする人種差別」、「少数民族に対する人種差別」、「宗教的迫害」、「難民への人種差別」と9つのworkshopに分かれ、それぞれテーマとするworkshop に参加する形になっていた。私はカラバオの会の渡辺保さんと「移住労働者に対する人種差別と排外主義」に参加し、ゴビンダさん事件についての詳細を報告した。
3日目の29日は、前日の各workshopからの報告が長引き、報告が継続されたため、全体の予定が大幅に遅れたが、当日は主にlobbying training, media training, campaigningについて専門家による講義、参加者による討議が行われた。 30日12時半より、約12の団体からなるネパール人権協会(Human Rights Organization of Nepal - HURON)の何人かのメンバーとの会談のため、前述の人権活動家Padma Ratna Tuladar氏に案内されてHURON事務所に行った。会長のSudip Pathak氏、事務長のJogendra Keshan Ghhimire氏, INHURED InternationalのGopal Krishna Siwakoti博士、ネパール法律家協会の会長Sindav Nath Pyakurel氏 など有力メンバーと会談。支援の会のこと、ゴビンダさん裁判の事などを説明また質問を受けた。協会は駐ネ日本大使に要請文を出すと約束した。 記者会見 人権協会での会談の後、記者クラブに行き、記者会見を行った。Ratna Tuladar氏に同行し記者クラブに到着すると35名ほどの記者がすでに集まっていた。 記者からの質疑応答: * ネパール人は日本に対して、とても良い感情を持っている。だから、日本に対して強い批判はしない。 おそらくそれは日本がODAのトップドナーであることも関係しているのではないか。でも、そのことと、日本でネパール人に対して不正義が行われていることは別ではないか。おかしいことはおかしいとして、声をあげるべきではないか。 * ネパール政府はなんらかの対応をしているのか。 駐日ネパール大使はこの問題を憂慮し、できる範囲の努力はしている。ネパール政府はこれは日本国の問題ということで、静観している。しかし、ネパール政府にとってはこれはとても微妙な問題なので、理解はできる。 * 最高裁に上告して、どれほどの勝訴の可能性があるのか。 残念ながら、日本で高裁が有罪とした場合、その判決が最高裁で逆転する可能性は少ない。しかし、直接的な証拠がなく、状況証拠のみでの判断の問題となっているから差し戻しの可能性はあると考える。 最後にNational Human Rights CommissionのProf. Kapil Shrestha氏が、「マイナリ氏に対して、人間として守られるべき権利が侵害されている。移住労働者にこのような対応がなされると、海外にいる他の移住労働者に不安感を与える」とのべ、総まとめ的な発言を行い、記者会見を終わった。 掲載新聞
記者会見の結果、翌5月1日にネパールの英字新聞2紙、ネパール語新聞4紙にゴビンダさんケースが取り上げられ紹介された。4月30日当日の夜6時45分と8時45分に、FMラジオRadio Sagarmatha Nepalでインタビューでの発言が放送された。
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