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三者協議とメディア報道について 2011年8月13日

 8月10日午後3時、東京高裁第四刑事部(小川正持裁判長)で、三者協議が開かれました。これは、新たなDNA鑑定結果が開示されてから初めてとなります。その後、司法記者クラブにおいてマスコミ、支援者に対して、弁護団からレクチャが行われました。
 弁護団によれば、検察側の回答と態度は以下のようなものでした。
  • 高裁は高検に対して、「新たなDNA鑑定結果(平成23年7月23日付鑑定書)の信用性を争うかどうか」意見を明らかにするように求めたが、高検は「まだ検討中のため、本日はお答えできません」として意見を保留した。
  • このため高裁は早急に意見を表明するよう高検に要求。高検が1週間以内に意見を表明する時期を高裁に伝えることになった。
  • 弁護団は、9月末までに、今回のDNA鑑定を含め、これまでの請求審全体を総合した「再審開始意見書」を高裁に提出するとの意向を表明した。
  • 次回三者協議は10月5日。
  • なお、今回の協議には検察官3名が出席した(今までは1名だった)。
 以上から明らかなとおり、新たなDNA鑑定結果(7月23日付鑑定書)について、8月10日現在、高検の公式見解は、「検討中のため、答えられない」というだけのものです。
 しかしながら、7月21日朝刊で読売新聞がこの鑑定結果をスクープして以来、新聞、テレビ、週刊誌には、「検察」、「検察幹部」、「検察関係者」「捜査関係者」という人物(匿名を含む)のコメントなるものが、度々、報道されています(たとえば「直ちに再審開始につながらない」、「有罪立証は崩れない」等々)。
 弁護団はすでに7月26日の段階で、「こうした非公式な発言をメディアに流すことによって、法廷で論議すべき証拠価値の評価をめぐって一方的に都合の良い情報だけを流すことは遺憾である」と、東京高検に対し強く抗議しています。
 しかし、残念ながら、今日現在にいたるも、どのような立場の検察関係者が述べたのかわからないようなコメントが、そのまま報じられています。先に述べたように検察は公式にはDNA鑑定についてその結果を認めるのか否かさえ明らかにせず、その明示時期さえ裁判所に促されてようやく一週間以内としたにすぎません。にもかかわらず、どこで誰が述べたとも報じられない無責任な発言が、あたかも検察の見解であるかのように誤解を生むような報道がなされています。検察官の個人的あるいは非公式なコメントを一切報道するな、とはいいませんが、これらを扱う場合は、一般の読者や視聴者の誤解を招かないよう、少なくとも検察の公式見解ではないことを、付記・付言するべきではないでしょうか。

追記:東京高検は、裁判所から指定されたぎりぎり最後の8月17日に、「9月16日までに鑑定書に対する態度を表明する」と明らかにしました。