高検要請には、「支える会」9名と国民救援会3名が参加。高検公判部の事務官に
高検要請に先立ち、支える会と国民救援会が霞ヶ関の裁判所前で行ったビラ配布とマイクでの宣伝活動及び高検への要請前後に、マスコミ各社が取材に訪れ、再審への関心の高まりが実感されました。 |
支える会事務局長の客野美喜子さんからは、以下の通りの要請を行うとともに、口頭で検察官宛のゴビンダさん本人からのメッセージを伝えました。
平成23年7月23日付鑑定書について、7月29日に弁護団から説明を受けたゴビンダさんは、8月1日、身元引受人として面会した私(客野)に、高検要請のとき、自分の言葉として、次のように伝えてくださいと言いました。
「これほどはっきりした真犯人の証拠が出て、私は犯人じゃないことがわかったはずです。それなのに、なぜここ(刑務所)にいなければならないのですか。1日も早く釈放してネパールに帰してください」
そもそも、ゴビンダさんは、2000年4月14日、一審・東京地裁の無罪判決の時点で帰国できるはずでした。それなのに、検察が控訴を理由に身柄の再勾留を求め、その結果、二審・東京高裁で逆転有罪にされてしまったのです。
しかし、このたび、新たに明らかになった鑑定結果により、「被害者と被告人以外の男性が101号室を使用することは、およそ考え難い」という”推認”にもとづいた二審有罪判決は、完全に崩壊しました。ゴビンダさんは、「事実上、一審無罪の状態に戻った」のです(法的解釈はともかく、常識的な市民感覚を持つ者なら、これに同意するはずです)。
ゴビンダさんは、無実の受刑者として、日々、刻々、耐え難い精神的苦痛を受けています。これ以上、再審請求審を長びかせることは、人道的に許されないばかりか、社会全体の利益にもかなっていません。たとえば、布川事件は、今年5月の再審無罪判決までに、請求から11年、はじめの開始決定から6年を費やしました。これほど長びく理由は、検察が引き下がらないためです。最終的に再審無罪に至ったのですから、これは明らかな税金の無駄遣いであり、「裁判の迅速化」という時代の要求にも逆行しています。
最高検は、「検察再生」のキーワードに「引き返す勇気」をあげているとのこと。高検は、ゴビンダさんの有罪立証に根本的な誤りがあったことを率直に認め、「冤罪被害者」であるゴビンダさんを、直ちに救済してください。検察の勇断を社会は歓迎するでしょう。
●この日、東京高検に手渡した要請書等は以下の通りです。
- 要請書(無実のゴビンダさんを支える会)
- 要請書(ゴビンダさんのご家族より)日本語訳
- ゴビンダさんの即時釈放を要請する(日本国民救援会)