特別報告と記念講演
第1日目のはじめに、自由法曹団・吉田健一幹事長による問題提起。続いて、勝利和解した東日本鉄工の佐藤繁さん、再審開始決定を勝ちとった布川事件再審請求人の桜井昌司さん、国公法弾圧・堀越事件弁護団の石崎和彦さんの3人による特別報告。さらに、「国際人権基準から見た日本の裁判」と題して、国際人権活動委員会議長の鈴木亜英弁護士による記念講演がありました。
再審事件分科会に参加
その後、6つの分科会(1:大衆的裁判闘争の進め方、2:解雇事件、3:差別・不当労働事件、4:刑事事件、5:再審事件、6:言論弾圧事件)に分かれ、第2日めの午前中にかけて、報告と討論を行いました。
私たちが出席した第5分科会は、布川事件、足利事件、東電OL殺人事件、袴田事件、名張毒ぶどう酒事件、日野町事件、大崎事件、山形明倫中裁判の8事件29名。
はじめに「布川事件38年目の再審開始決定」と題する山本裕夫弁護士からの報告がありました。 「論点をできるだけ多くして大胆に証拠開示を要求した。請求人・弁護団・支援者の協力により、事実調べの過程で検察が長年隠していた、請求人に有利な証拠が次々と明るみに出た。その結果、裁判所に旧証拠までも全面的に再評価させたことが勝利につながった。後続事件にも道を開いたと思う」
この報告を受け、布川の教訓をどう生かすのかを念頭に、各事件関係者がそれぞれの現状報告を行いました。昨年は名張と布川に「決定」が出た一方、大崎と日野町は「棄却」というきびしい現実があります。どの組織も、高齢化や人手不足の悩み、遠隔地間の連絡困難、被害者遺族の非難、開示資料の目的外使用の制約などなど、さまざまな問題を抱えています。しかし、それでも闘い続ける理由は、原口アヤ子さん(78)の「このままでは死ねない!」という一言で大崎事件の支援者が新たな再審の準備にとりかかる決意をしたというエピソードに端的に表れているのではないでしょうか。
「不正義に泣く人を見過ごすことはできない」、この思いに突き動かされて、みんながんばってるんだなと実感しました。昨年に続き2度目の参加でしたが、こうして顔をあわせて親しく語り合い励ましあうことが、今後の運動への活力になるのだと思います。最後に、
- 本人の激励(新法施行後の条件を生かし面会・文通を活発化する)
- 支援の連携(他事件への協力が運動の拡大につながる)
- 真実の訴え(一人一人が確信を持って徹底的に訴えることで裁判官を保身に逃げ込ませない)
事務局/客野美喜子