事務局の客野です。今日は集会にご参加いただき、ありがとうございました。
「支える会」の1年間の活動とおもな出来事、今後の方針などについてご報告します。
ゴビンダさん、12年ぶりにお母様と再会
昨年4月3日、今日と同じ場所で「ゴビンダさん支援集会」を行い、3月24日に再審請求したことを、みなさまにご報告しました。そのわずか2日後、「名張事件、名古屋高裁で再審開始決定!」という歴史的なニュースがありました。この朗報を、ゴビンダさんも獄中で知り、大変な勇気をいただきました。4月13日〜20日、お母さんと奥さんが、ゴビンダさんと面会のため来日しました。お母さんは、じつに12年ぶりの親子再会でした。正直なところ、ネパールのご家族には、再審のせいで仮釈放がかえって遅れるのではという不安もあったそうです。しかし、ゴビンダさんは、名張の開始決定のことを説明し、「私の主任弁護人と同じ神山先生が、再審弁護団に入っておられる。私も再審に希望を持っている」と明言したそうです。
身元引受人になる
連休中の5月4日のこと。突然、私のところに保護司の家庭訪問がありました。ゴビンダさん服役直後から身元引受人の申請をしており、前年の6月にも環境調査があったのですが、それっきり何の音沙汰もなく、この時が2回目の環境調査でした。どうせまた待たされるのかと覚悟していたところ、今度は思いがけないほど早く、5月16日付で「身元引受人OKになった」というゴビンダからの手紙が届いたのです。それで、5月25日に、身元引受人として初めての面会に行きました。それ以来、月1回の面会が可能になったので、メーリングリスト、ホームページ、ニュースレターなどを通じて、ゴビンダさんの近況を定期的に報告できるようになりました。
宣伝物の制作・署名活動・学習会
この頃から、「支える会」の新しいホームページを立ち上げたり、カラーリーフレット、ゴビンダ絵はがき、再審署名用紙などを作ったりと、再審支援の体制をとりはじめました。
学習会・・・これは以前から2〜3ヶ月に一度、行っているのですが・・・6月11日に、足利事件弁護団の松本恵美子弁護士を講師にお招きし、「DNA鑑定ってどんなもの?〜足利事件を題材にして」という学習会を行いました。これは、ゴビンダさん再審においてDNA鑑定が重要なポイントになるので、私たちも今のうちにDNA鑑定について勉強しておこうという趣旨でした。
9月17日には、監獄人権センター事務局長の海渡雄一弁護士を講師にお招きし、「どう変わる?日本の刑務所〜刑事施設および受刑者処遇法の実施を目前にして」という学習会を行いました。昨年成立した新法が、この5月から施行されると、獄中者との面会や文通についての制約が今までよりゆるやかになるはずです。そうなったら、みなさまも、ぜひゴビンダさんと面会や文通をしてあげてください。
高裁への要請行動
そして9月21日、「布川事件、水戸地裁土浦支部で再審開始決定!」という快挙がありました。ゴビンダさんは、東京拘置所時代、桜井さんに面会に来ていただいたことがあるので、それはもう喜んで、独房でニュースを聞いて拍手したそうです。布川事件は、その後、ぐうぜんにも同じ東京高裁の第四刑事部に係属することになり、私たちも国民救援会の協力のもと、東京高裁に対する要請を開始しました。
日弁連から審査面会
11月28日、日弁連から秋山先生はじめ3名の先生方が、支援決定にむけての審査面会に行ってくださいました。「ポジティブに考えたい」というゴビンダさんの発言が出たのも、この頃からでした。しかし、再審については、明るい話題ばかりではありません。大崎事件や日野町事件の棄却、横浜事件の免訴など、ようやく開きかけた重い扉がまた閉ざされる厳しい現実があります。とにかく再審には長い年月がかかります。布川39年、名張44年、横浜事件60年・・・短期決戦ではなく長期にわたる持久戦を覚悟しなければなりません。
入会のお願いなど
11月23日、「ゴビンダさん冤罪事件の現場をたどる」と題して、現地調査を行いました。多くの新しい参加者があり、この事件はまだ風化していないことを強く実感しました。どちらかというと、事件の風化より、支援者の老化が心配な今日この頃です(笑)。弁護団は、新人を2名増やしましたが、やはり長期戦を意識してのことでしょう。私たちも、若い力が必要と痛感しています。
最後に、みなさまにお願いがあります。まだ正式に入会していない方、この機会にぜひご入会ください。入会金2千円で「終身会員」になることができます。メーリングリストにも加入していただければ、より迅速に最新情報を知っていただけます。また隔月第二火曜日(次回5月9日)の事務局会議に出席して、事務局の仕事の手助けをお願いします。それから東京高裁の要請(次回5月18日)にも、一度はぜひ参加してください。署名をたくさん集めて裁判所に声を届けてほしいと、ゴビンダさんも強く望んでいます。
長い闘いになりますが、これからもゴビンダさんを支えながら、みなさまとの連帯を深めながら、今できることをひとつひとつ大切にしながら、辛抱強く着実に歩み続けます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。