6月7日検察が控訴を断念
桜井さん、杉山さん44年目の雪冤が確定
さる5月24日の再審判決公判で無罪を勝ち取った布川事件の桜井昌司さん、杉山卓男さんの無罪判決が、検察の控訴期限が切れる6月7日をもって確定しました。
桜井さん、杉山さんと弁護団、国民救援会を始めとする支援団体は、無罪判決直後から検察に対して控訴権を放棄し、早期に無罪を確定させるように強く要求してきましたが、けっきょく検察は期限切れ当日の午後5時すぎまで何らの態度を表明せず、水戸地検の次席検事が記者発表するという形で姑息に敗訴を認めました。
同日午後6時から霞ヶ関の弁護士会館で記者会見を開いた桜井・杉山両氏と弁護団はこうした検察の不誠実な態度に怒りを隠しませんでした。
桜井さんは「マスコミに言えることがなぜ当事者である我々に言えないのか。無罪証拠を隠し、無実の人間を44年間も犯罪者にしてきた過ちを検証する能力もないのか、裁判所は誤った判断によって有罪にしたことへの謝罪の一言も言えないのか」と憤りをあらわにしました。
杉山さんも「検察とは所詮そんなもの。絶対に過ちを認めず、嵐が過ぎるのを待っているだけ」と嘲笑気味に語りました。
桜井さんは国家賠償請求訴訟によって、検察・警察や裁判所の責任を明確にし、冤罪を生み出し続けている日本の司法を糺すために今後とも活動していくことを表明しています。また杉山さんも「自分にできることは何でもやりたい」と語っています。
無罪は当然ですが、雪冤に44年もかかったこと自体が司法が大反省しなければならない問題だと思います。桜井さん、杉山さん、本当におめでとうございます。そしてお疲れ様でした。少しゆっくり休息を取って下さい。そして今後も、ゴビンダさんや守大助さん、奥西勝さん、袴田巌さん、石川一雄さん始め、無実の罪で苦しんでいる仲間のためにご尽力お願いいたします。
2011年06月08日
最後の最後まで間違いを認めようとしない検察の不誠実な態度に、お二人の表情は、5月24日無罪判決の日の晴れやかな笑顔に比較して、むしろ固く見えた。