無実のゴビンダです。
今日は、私のための集会に来てくださって、本当にありがとうございます。
寒かった冬もやっと終わり、暖かい春になりました。今は、桜の季節です。ここ、横浜刑務所で、桜を見るのは、今年で6回目です。あと何回、ここで桜を見たら、自分の国に帰れるのでしょうか。ネパールにも桜の花はあります。早く、国に帰って、家族たちと一緒に、お花見がしたい。いつかきっと、その日が来ることを信じ、夢に見ています。
ここの暮らしは、厳しすぎます。毎日、「蜂の群れ」の中で暮らしているようなものです。小さなミスでも罰せられるので、片時も気をゆるめることができません。本当に罪を犯したのなら、あきらめることもできるでしょう。でも、やってもいないことで、このようなひどい扱いを受けるのは、本当に悔しくてたまりません。どんなにつらく、苦しいことか、こういう目にあった人にしか、とても想像できないでしょう。
私を逆転有罪にした東京高裁の元裁判長が、最近亡くなったそうです。今ごろはあの世で、真実=本当は私が無実だったこと=を知って、悔やんでいるかもしれない? ・・・でも、もう遅すぎます。あの間違った判決のせいで、私の人生も、私の家族たちの人生も、めちゃくちゃに壊されてしまったのです。
もう一度、公正な裁判をやり直してほしい。そして再審無罪になって国に帰りたい。それが私の望みです。でも、再審には、とてもとても長い年月がかかるそうです。みなさん、再審の署名をたくさん集めてください。そして、ここを出ることができる日まで、私ががまんできるよう支えつづけてください。ネパールの家族たちのことも、どうぞよろしくお願いします。
昨年の秋頃から、刑務所の面会が制限され、今までのように、みなさんと会えなくなってしまいました。とても残念でなりません。どうぞ私のことを忘れないでください。いつもみなさんに感謝して、みなさんのために祈っています。
"無実"ゴビンダ・プラサド・マイナリ
2009年4月4日横浜刑務所にて
2009年4月4日横浜刑務所にて