辛口レビュー・特別編
アフガンで起きている本当のこと
中村哲さん
[医師/ペシャワール会現地代表]
同時テロの報復、としてアメリカはアフガニスタンへの空爆を始めてしまった。
そのアフガニスタンやパキスタンの国境地域を中心に17年間医療活動を続けている医師の中村哲さんが、空爆開始前の9月26日、社民党の衆議院議員阿部知子さんの企画した衆議院議員会館での報告会で、自らの経験を語った。
アフガニスタンは今、大干ばつに見舞われている。2000年春からユーラシア大陸が未曾有の干ばつにさらされ、パキスタン西部、アフガニスタン全土、イラン・イラク北部、インド北部、中央アジア諸国、中国西部、北朝鮮で六千万人が被災した。なかでもアフガニスタンでは人口の半分、約1200万人が影響を受け、飢餓に直面する人が400万人、餓死線上にある人は100万人と伝えられた(2000年6月、WTOの発表)。中村さんたちが、アフガニスタン内部に診療の拠点を移し、干ばつ対策として着手した井戸掘りなどの水源確保活動をさらに拡大しようとしていた矢先、アメリカの同時テロ事件が発生したのだった。(中村さんとペシャワール会のご了承をいただき、当日の講演録を掲載いたします。)
なかむら てつ 1946年、福岡市生まれ。九州大学医学部卒業。専門は神経内科(現地では内科、外科もこなす)。ペシャワール会現地代表、PMS(ペシャワール会・医療サービス)院長。国内の診療所勤務を経て、84年4月パキスタン北西辺境州の州都ペシャワールに赴任。以来17年にわたりハンセン病のコントロール計画を柱にした貧困層の診療に携わる。98年には基地病院をペシャワールに建設、86年からはアフガン難民のためのプロジェクトを立ち上げ、現在アフガニスタン無医地区山岳部に3診療所を設立してアフガン人の無料診療に携わり、辺境山岳部へも定期的に移動診療を行っている(現地スタッフ220名、日本人ワーカー5名、年間診療者数約20万人)。2001年3月、アフガニスタン首都カブールに緊急診療所5か所設立。著書に「ペシャワールにて」「ダラエ・ヌールへの道」「医は国境を越えて」「医者井戸を掘る アフガン旱魃との闘い」(石風社
TEL092-714-4838)、「アフガニスタンの診療所から(筑摩書房)。 日本国内で中村さんの活動を支えるNGO・ペシャワール会(会員数:4000人 http://www1.mesh.ne.jp/~peshawar/ 福岡市中央区大名1-10-25上村第二ビル307号 TEL092-731-2372 FAX092-731-2373 peshawar@mxb.mesh.ne.jp 郵便口座振替番号:福岡01790−7−6559、口座名義:ペシャワール会) |
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