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2002年 12月7日 元西陣小学校にて 西陣プロジェクト |
「新しく芽吹く西陣のものづくり」 |
「織屋」と「オルガナイザ」 まず、前回の後半に出てきたイタリアの「オルガナイザ」が話題にあがりました。西陣織のシステムと、「オルガナイザ」の違いについて、塾長が解説しました。 写真の黒板、左側にあるのが西陣織のシステム、右側がオルガナイザをモデル化して表したものです。すべてがこのモデルにあてはまるとは限りませんが、概して次のようにいうことができるでしょう。 西陣織は垂直分業と言われています。最上位に織屋があり、木構造の形で各工程の職人さんがいます。そして、織屋から問屋、小売へと流れていきます。これでは、職人さんが下請けのような形となり、上下関係が硬直化してしまいます。濃密な「つきあい」がある反面、ビジネスの緊張感が薄れてしまいます。 |
オルガナイザの出現を阻むもの 一方、オルガナイザを囲む環境は、水平分業になっています。オルガナイザはさまざまな職人さんと関係を持ち、その得意分野を把握し、必要に応じて技術を持った職人さんに仕事を依頼します。 オルガナイザは発注、企画、マーケティングの専門家として、ビジネスを行います。職人さんは自らの専門性を高め、さまざまなオルガナイザとオープンにつきあうことが必要とされます。 しかし、残念ながら西陣にはオープンさが薄いと言わざるを得ません。西陣では、デザインや技術などについては、共有されていないのです。他の織屋さんが真似をしてしまうことから、クローズな環境での人間関係が構築されがちです。 |
すべては「オープンソース」 西陣のデザインをインターネットで公開して、広くビジネスにつながるアイデアを募集してはどうか?という案があるそうです。しかし、なかなか西陣には受け入れ難い考え方とのこと。 そこで、あるデザイナの方が言われました。「世の中にあるものはすでにオープンソース」だと。作品や商品として発表して世に出せば、必ず人の目に触れるわけですし、人はそれに触発されてものづくりをしていきます。 「かっこいいデザインをインターネットで見たり、カットアンドペーストで音楽を簡単に自分のものにできる」わけです。実際、このホームページも議論の中身をみなさんに知らしめる「知」のオープンソース。 |
「世の中は、すごく自由な発表の場」 デザイナの方はこう続けます。「世の中は、すごく自由な発表の場」なのだと。そして、「何かを学ぶとか、(正しいことは)こうだ!と(決めて)言うのではなく、楽しければいいんじゃないですか」と。 そのなかで、さまざまな文化が交わり、新しいものが生まれていきます。「勝手にやってる」うちに、「トラディショナル(伝統的)なものも、新しいものも西陣の独特な文化になる」のではないかということでした。 実際に売る場に立つことで、どんなものが売れるか見えてきます。「シンプルなものをつくったほうが、どこに行ってもわかってもらえる」とのこと。「ハート、笑顔、ピース」なんかがそうです。「ストイックな日本人ならつくれるのではないか」と指摘されてました。 |
ものづくりを「触発しあう」場づくりへ そこで、西陣会議をこれからどのような場にしていきたいかみなさんにご意見をお伺いしました。 ここに参加されてるみなさんは、それぞれにこだわったものづくりをされてる方が多く、「他のものづくりをしている人の話をじっくり聞きたい」という声が多くあがってきました。みなさんがつくっておられる「もの」をいっしょに見ながら、お互いに意見を聞くことで、これからのものづくりに生かしていけるための場づくりをしていくのがよいのではないか、ということになりました。 来年からは、参加者のみなさんとものづくりをしているひとの心を届ける場をつくっていきたいと思います。 |
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