********より多くの人々に 狭山事件の真相を**********
−再審を求め総決起集会に5000人が参加−
日比谷野外音楽堂に5000人が結集した、狭山総決起集会で
『37年、糾弾』闘う決意を表明する石川さんご夫婦
(5月23日)
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5月23日午後、石川一雄不当逮捕37ヵ年糾弾、狭山再審要求、異議審闘争勝利総決起集会が日比谷野外音楽堂で開催され、全国から5000人が参加した。
議長団に中央共闘の浅見清秀・事務局長と部落解放同盟の岸田章子・副委員長を選出したあと、主催者を代表して中央共闘の福山真却副議長があいさつ、「今年、愛媛でも誤認逮捕・起訴によって無実の人が1年間も拘置されていた事件があったが、今なお免罪が生み出されており、警察や司法の改革が必要だ」とのべ、その闘いと結びつけて今一度原点から石川さんの無実を訴え、より多くの人々に真相を広げていこうと呼びかけた。
そのあと、民主党、社民党、同和問題にとりくむ宗教教団連帯会議、全国同和教育研究協議会、全国障害者解放運動連絡会議の代表から、闘いの決意が語られた。
●基調報告で高橋正人・部落解放同盟書記長は、
@石川さんの無実と部落差別が生んだ免罪の真相を訴える、
A全証拠開示を強く迫る、
Bさらに「住民の会」など草の根のとりくみを広げるなど、創意工夫しながら粘り強く闘うことを呼びかけた。
●北海道、沖縄などからも報告と決意
集会では、特徴的な取り組みが報告され、まず「狭山事件の再審を求める文化人の会」の庭山英雄・前専修大学教授が、昨日の朝日新聞に文化人の会の名
前で狭山事件の意見広告を掲載したことを報告。昨
晩から支援の言葉がたくさん届いており、大きな世論をつくるため今後もとりくむと決意を表明した。
つづいて部落解放大阪府民共闘会議の中原康夫さんが、「自治労で現業差別と闘ってきた。狭山事件との出会いが組織の強化と活性化につながっていった。狭山再審は自分自身の課題だ」とのべ、意見広告のカンパ活動や職場での活動を報告した。
また、「埼玉県南・石川一雄さんを支援する会」からは、浦和地方裁判所から日比谷野外音楽堂までマラソンをしながら訴え、この集会に参加したことなどが報告された。「狭山事件を考える札幌圏住民の会」からは、北見、二風谷、札幌で真相報告集会をひらいたとの報告がなされた。さらに、沖縄で「住民の会」結成に向け準備を進めている北村昌也さん(真常寺住職)は、この不当裁判の勝利なくして沖縄の差別もなくならないという思いの仲間もいるとのべ、今後連帯して頑張っていきたいと決意をのべ
た。
世界各国からの連帯のメッセージが紹介されたあと、石川一雄さんがアピール、全国各地で訴えてまわらせてもらっており、勝利まで頑張るのでご支援をと力強く訴えた。
最後に集会決議を京都地方共闘会議の広瀬光太郎議長が提案、満場の拍手で採択したあと、高裁前を通り芝公園までデモ行進をおこない都民にアピールした。
また集会の前日には、渋谷、新宿、池袋のターミナル駅頭で中央共闘加盟労働組合と部落解放同盟で大規模な街頭宣伝活動をおこなった。
集 会 決 議
石川一雄さんが狭山事件で不当に逮捕されて三十七年を迎えた。わたしたちは、三十七年というえん罪の歳月の長さとともに、今なお、石川さんの「見えない手錠」が解かれていないことを忘れてはならない。昨年の東京高裁第四刑事部・高木裁判長による再審棄却に対して、「えん罪を晴らすまで何十年かかっても闘い抜く」と延べた石川さんの決意を、わたしたち一人ひとりが胸にきざみ、怒りをあらたに棄却決定を糾弾しなければならない。
さる三月末に弁護団は、異議申立補充書、新証拠を提出し、東京高裁第五刑事部・高橋省吾裁判長に再審開始を強くせまった。補充書は、狭山事件が予断と偏見にみちた不当な捜査、部落差別にもとづくえん罪であることを明らかにするとともに、事実調べも証拠開示もおこなわず、刑事裁判の鉄則・再審の理念をふみにじった棄却決定を徹底して批判している。
さらに、提出された元鑑識課員による新証拠は、真犯人の犯行手順と作為を示すさまざまな痕跡を明らかにし、脅迫状は石川さんが書いたものではないことを立証している。筆跡の違い、指紋の不存在、自白の不自然さ・矛盾など、もはや、唯一の物証たる脅迫状と石川さんの結びつきは完全に絶たれた。東京高裁第五刑事部・高橋裁判長は、ただちに鑑定人尋問などの事実調べをおこない、狭山事件の再審を開始すべきである。わたしたちは、補充書、新証拠を武器に、原点にかえって、石川さんの無実と部落差別が生んだえん罪の真相を市民に訴えよう!
東京高検の担当検察官は、つみあげれば二メートルにもなる多数の未開示証拠と証拠リストを手元に持っていながら、いまだにまったく証拠開示に応じていない。わたしたちは、弁護側への証拠開示の保障を求めた一昨年の国連・規約人権委員会の勧告を活かし、検察官による証拠隠しの不当性を徹底して暴露し、全証拠開示をかちとるまで断固たる闘いの強化をはかなねばならない。
この間のあいついでいる警察の不祥事や誤認逮捕などは、今なおえん罪が跡を絶たないことや、国連が勧告した代用監獄の廃止、取調べの可視化、警察・検察・裁判官に対する人権教育の必要性をはっきりと示している。わたしたちは、証拠開示の確立など司法の民主的改革をめざす市民、学者、弁護士らの運動とも連携しがら狭山再審闘争おしすすめよう!
再審棄却を批判する声は大きく広がっている。狭山事件を考える文化人の会結成、意見広告の掲載は大きな力となって支援の輪を広げている。狭山を支援する住民の会の運動も北海道から沖縄までに広がり、世界各国から連帯のメッセージが寄せられている。さらに住民の会を広げ、意見広告やインターネットなどさまざまな手段、方法を活用し、工夫をこらして、石川さんの無実と狭山の真相をもっともっと多くの人に訴えよう!そして、広範な市民の声、国際的な連帯の輪をつなぎ、公正な裁判と狭山再審を求める声を大きくしていこう!
わたしたちは、不当・デタラメな再審棄却決定を断じて許さず、三十七年もの長きにわたって無実を叫びつづける石川一雄さん、弁護団と固く団結して、狭山事件の再審を実現し、石川さんの完全無罪を勝ちとるまで断固闘うものである。
右決議する。
2000年5月23日
石川一雄不当逮捕37カ年糾弾!狭山再審要求!異議審闘争勝利!
中央総決起集会 参加者一同
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