TKOPEACENEWS
  3面 NO.5号/00.3.23発行

再処理施設運転再開反対全国集会


2000年3月11日(土)13時
水戸市文化福祉会館(6F)ホール

◆司  会   河野直践さん(茨城大助教授)
◆開会挨拶   丹野清秋さん(茨城大教授・反原子力茨城共同行動代表)
◆主催者挨拶  佐藤康英さん(原水爆禁止日本国民会議事務局長)
◆地元歓迎挨拶 相沢一正さん(脱原発とうかい塾・東海村会議員)
◆集会基調報告 根本がんさん(反原子力茨城共同行動)
◆講  演   西尾 漠さん(原子力資料情報室)
       「再処理施設運転再開反対・JCO完全撤退・新エネルギーへの転換」

◆各地からのアピール
◆決議(案)  川野広子さん(脱原発とうかい塾)
◆閉会挨拶   伴 英幸さん(原子力資料情報室) 
◆デモ行進指示 披田信一郎さん(反原子力茨城共同行動・竜ヶ崎市会議員)
 デモ行進コース 会場→泉町→南町→銀杏坂→三の丸ホテル前→左へ流れ解散
 デモ梯団順序  @全国代表 A労組・原水禁 B市民団体(地元含)
◆主  催   反原子力茨城共同行動
        動燃事故市民調査委員会
        原水爆禁止日本国民会議
        原子力資料情報室


東海再処理施設運転再開反対全国集会決議


 ちょうど3年前の3月11日午前10時頃、旧動燃再処理施設内のアスファルト固化処理施設で火災が発生、さらに同日夜8時頃には、火災処置の不十分さから爆発事故に至った。その2年前の95年12月には同じく旧動燃の高速増殖炉「もんじゅ」でのナトリウム漏れによる火災事故が発生している。そして、ついには昨年の東海村のJCO臨界事故と、日本国内だけでも2年ごとに原子力施設は大事故を起こしている。しかし、何度事故を経験しようとも、情報の遅れ、対応のまずさ、事故隠し、責任逃れと、失態が繰り返されるばかりで、事故の教訓が生かされることはない。
 先のJCO事故では周辺住民の避難が行われ、多数の被曝者とついには死者さえも出してしまった。立て続く事故はますます危険度を増しているのである。もはや局所的な安全対策や形だけの防災計画では、私たちの安心は得られない。推進一方の原子力政策そのものが、根本的に見直されなければならない。
 しかしながら、科学技術庁によるJCOの事業認可取り消し処分が決定した翌日の2月4日、旧動燃・核燃料サイクル開発機構は、再処理施設の運転再開、使用済み核燃料40トン処理、「もんじゅ」の運転再開に向けての安全審査申請などを盛り込んだ、新年度の事業基本計画を発表している。これはまさしく暴挙である。増え続ける放射性廃棄物の処分・管理にかかる費用と、ますます激しくなる安全対策にコストは押し上げられ、「核燃料サイクル」は安全を犠牲にしないかぎり経済的に割に合わない。安全性や経済性への疑問により、各国が原子力からの後退・撤退へと向かっているなか、原子力に固執・偏向したエネルギー政策は将来を過つものである。
 東海再処理施設は、17年間も臨界防止用検知器の故障を承知しながら、その欠陥を科技庁ともども放置、見逃していた。ズサンな安全管理をそのままに運転再開すれば、新たな危険と不安をもたらすことになる。あの動燃爆発事故とJCO臨界事故は、私たちへの最終警告なのである。旧動燃事故から3年目、ここ再処理施設運転再開反対全国集会に参加した私たちは、再処理施設の運転再開に断固反対し、「もんじゅ」の凍結、プルサーマル計画の中止、ひいては「核燃料サイクル」からの全面撤退を強く求めるものである。そのために、さしあたって下記のような行動を提起し、本集会の決議とする。

1.再処理施設運転再開阻止のため、様々な行動を展開すること。
2.「もんじゅ」の凍結、「核燃料サイクル」からの撤退のための行動を展開すること。
3.再処理施設爆発事故、JCO事故等における国・科技庁の監督責任を追求する運動を展開すること。

以上、決議し行動提起とする。
2000年3月11日
再処理施設運転再開反対全国集会 参加者一同


−旧動燃再処理施設事故3周年−
再処理施設運転再開反対全国集会へのメッセージ


全国消防職員協議会 事務局長 中村義彰

 本日の「旧動燃再処理施設事故3周年・再処理施設運転再開反対全国集会」が多くの方々の結集によって開催されましたことに、心から敬意を表明することろであります。この度は、私どもにもご案内を頂いたところでありますが、所用(三重県内への研修出張中)にて参加のご要請に応えられず申し訳ありません。再度の呼かけを心待ちしておりますので、宜しくお願いします。
 さて、3年前の動燃再処理施設における爆発事故、並びに昨年のJCOウラン加工施設の臨界事故と、記憶から消え去る間もなく原子力に起因する災害が相次いで発生しました。このことは、多くの住民に不安と被災を被らせ、かつまた「原子力の安全神話」が崩壊したことを物語っていると言えるでしょう。その最中に、本集会が開催されますことは、原子力施策の見直しへ強く一石を投じるに止まらず、安全が平穏な街づくりに寄与するものと確信します。
 私は、原子力に関して「安全な街づくり・災害への対応はどうあるべきか。」との視点をもって見続けています。考えるに、動燃再処理施設の爆破事故、並びにJCOウラン加工施設の臨界事故、それぞれの事故発生時の対応経過、とりわけ事業者からの消防機関などへの通報には的確さに欠けている共通点が存在していると見受けられます。
 その一例を上げれば、消防機関への通報があります。動燃での事故では、一度は「小火災が起きたようだが消えている。」として消防隊を帰し、その後の数時間後に同所で爆発事故を発生させています。一方、JCOでは「てんかんで人が倒れたようだ。」との通報内容で救急隊をも被爆を負わせています。如何に、事故現状の把握もされていない的確さに欠ける通報内容で、二次的な災害発生の起因となり、被災を大にしています。謂わば、動燃の事故をはじめとする幾多の原子力施設における事故などが教訓にされて来なかったことを物語っています。
 何れにせよ、原子力施設での事故発生時にはその現場とその周囲の人々に、何が起きているのか、放射線被爆の恐れはどうか、何を行うべきなのかなど、的確にかつ迅速にその情報が伝わらなくてはなりません。ですから、それぞれの地域における具体的な原子力防災対策は不可欠な要素です。私は今、原子力災害対策特別措置法は設けられたものの、これら防災施策のトップダウン形式による国一元化的な要素に危惧を抱いております。今後も、微力ながら原子力に関して防災を機軸に検証と提言を努めて行きたいと考えているところです。
 大変、雑駁に抽象的ですが、本集会へのメッセージに代えさせて頂きます。重ねて、本集会のご盛会を祈ります。

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