TKOPEACENEWS
  2面 NO.21/01.10.27発行

全国基地問題ネットワーク第5回総会

・2001年9月22日〜23日
・長崎県佐世保市


 9月11日、米国の世界貿易センタービルやペンタゴンなど中枢機能に対するテロ事件が発生してから10日間が経過した中で全国基地ネットの総会がもっとも緊張している地、長崎県佐世保市内で開催された。佐世保基地は横須賀米海軍基地と同様、極東における重要な拠点でもあります。強襲揚陸艦エセックスや原子力潜水艦などにより、これまでもベトナム戦争、湾岸戦争などに出撃し常に米国の戦争最前線基地となっています。この基地が今回も9月21日横須賀基地から空母キティホークが出撃したのに続いて、22日強襲揚陸艦エセックスが弾薬類などを搭載しインド洋に向かったとの報道がありました。また、港内には米原潜が「テロの対象となる恐れがあるとして」、日本政府や佐世保市に対して「無通告」で入港し停泊するなど、基地の町佐世保市は戦争の匂いがプンプンする町と化していました。
 テロ事件の発生から10日たち、米国はブッシュ大統領自身の口から「これは戦争だ」「ただちに報復だ」「奴らを皆殺しだ」などの非常に危険な発言が飛び交い米大統領の支持率も80%に跳ね上がるなど、米国は戦争に向かって猛烈な勢いで突き進んでいる状況になっています。
 日本においても小泉首相は「ブッシュ政権にいかなる協力も惜しまな」いとして、国会の承認や議論を無視して米国に出向き米国との公約をするなど、テロ事件に便乗した戦争支援法を国会に提起しています。

 こうした情勢のなかで開催された総会では基地ネット古川代表は横須賀から9月22日米空母キティホークが出撃した際に、海上自衛隊の護衛艦「はるゆき」と哨戒ヘリコプター2機が米艦艇を直接護衛するという、自衛隊の海外派兵や集団的自衛権に踏み込む行動をとったことにおおきな怒りを表明し、このどさくさに有事法制の導入など憲法改悪など絶対に認めない具体的な行動を全国各地で組織しようと呼びかけた。また、20世紀は戦争の世紀といわれたが、この戦争を阻止しなければまた21世紀も戦争の世紀になるとして戦争絶対反対の闘いを基地ネットも全力で闘うと決意を表明された。


■全国各地からの報告(米軍基地を中心とした)
☆沖縄平和運動センター

 米軍嘉手納基地では厳戒態勢がつづき、基地周辺では緊張感が漂い、基地内に入る日本人労働者に対して身体、車両など厳重なチェックが行われており、このため国道の渋滞がつづき会社や学校に多くの人々が遅刻するなどの市民生活に悪影響が出ています。
 米軍グリーンベレーの出撃、那覇軍港では対戦車ヘリの搭載した軍艦の出撃、ホワイトビーチにおいては原潜の無通告入港など、ベトナム戦争、湾岸戦争とおなじような米軍の動きが活発になっている。
 沖縄経済もテロ事件以降、沖縄米軍基地がテロの対象にあるとして厳重な警戒が続く中、修学旅行など7万人を越える観光客のキャンセルがあり、知事が急遽政府に改善を求めるなどの行動に出ています。

☆神奈川平和運動センター
 神奈川県相模原市には、米陸軍相模総合補給廠があるが第1ゲートで軍用車に取り付けた機関銃を町に向かって、市民に向けての警戒をしている。このゲート前は市道でありかなりの交通量があり、徒歩や自転車で通りすぎる人もあり非常に危険であるとして市民から直ちに撤去するようにと要望が出されているが米軍は全く無視している。

☆山口県平和運動センター
 米軍岩国基地もテロ事件発生後厳戒態勢が続いている。そのため基地周辺では市民生活に影響が出ている。山口では米軍の夜間飛行訓練をやらせない活動や、小泉首相の戦争協力7項目に反対する座り込み行動や、各自治体に7項目反対の決議を求めての活動も展開している。この戦争で県営埠頭を米軍に使用させないための活動も行っている。

☆神奈川県横須賀地区労
 横須賀は米海軍第7艦隊の基地でもあり、空母キティホークの出撃、それを日本の海上自衛隊の艦艇が護衛して出撃や原潜も無通告で入港するなど戦争にむけたあわただしい動きになっている。他の基地と同様に、基地周辺では厳重警戒のため国道が大渋滞になるなど市民生活に重大な支障を来たしている。市民は横須賀がテロの対象になるものとして不安が広まっている。

☆青森県平和運動センター
 県の太平洋側に米軍三沢基地がある、三沢基地の任務は、核攻撃基地として緊急戦争計画によりロシア、北朝鮮、中国を対象とした戦争マニアルがあり、そのマニアルにもとづいて戦争を行うのが三沢の任務といわれている。そのため、三沢市民は常に核の脅威に晒されている。また市から10キロ北には、核燃サイクル施設の六ヶ所村があり、米軍F16戦闘機がこの核燃サイクル施設に墜落するのか常に心配している。4/3米軍戦闘機の墜落などこれまで太平洋など海上にたびたび墜落している。1988年6月には米軍ヘリが愛媛県三方原発わずか1キロの地点に墜落事故を起こしている。もし、戦闘機が落下すれば下北半島が死に直面することになる。基地反対闘争とともに核燃サイクル施設撤去の闘いも行っている。
 今回の事件により厳戒態勢のため軍隊と市民は隔離されている状況で、民間機の乗り入れも中止されている。

☆長崎県平和運動センター
 9月11日以降の現状と今年に入ってからの米軍艦船の動きなどについて報告します。
 強襲揚陸艦ヘローウッドが老朽化したため新しい艦艇としてエセックス7艦を配備するなど基地の再編強化をしている。米軍艦の動きで9/20原潜の入港で今年16回これまでで173回の入港になっている。佐世保地区労は原潜の入港の際は抗議行動を組織している。1964年以降無通告で入港したのは3回あるがテロ事件後無通告入港するとの米軍の態度に日本政府や佐世保市長も同調しているので明日は抗議に市役所に出かける。原潜は原子力を積んでいるので、放射能の検査が必要であることを忘れてはならない。

 全国基地ネット全国総会の2日目は、佐世保地区労の役員の案内で米軍佐世保基地と日本の海上自衛隊基地の視察を船をチャーターして海上からを予定していたが、船会社から米軍基地が厳重警戒に入っているため船を大事ができないとして断りがあり、急遽、陸からバス3台に乗車しての視察になつた。佐世保港が一望できる丘の公園から眼下に広がる米軍基地と海上自衛隊の基地を見ながら、基地機能と停泊中の強襲揚陸艦などの軍艦の説明をうけ、この日は無通告で入港している原潜に参加者の多くは注視していた。そのご、米軍弾薬庫の視察、最後には原潜が停泊している港湾施設内で抗議集会と原潜は出ていけなどシュプレヒコールを行い第5回総会を終わりました。

写真準備中

▲主催者を代表して古川代表(北海道)のあいさつ
▲公園から見る佐世保米軍基地(中央)と海上自衛隊基地(左)
▲米原潜停泊の近くでの抗議集会
▲米原潜は出ていけのシュプレヒコール

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