光州訪問記その2 ☆光州の市民活動と労働組合
第7話 光州広域市職員と交流
自治労音協事務局次長 小川典子
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光州広域市職員との交流風景
★キリスト教と市民活動
前回はキリスト教団体の民間人が老人福祉施設を運営しているお話を書きましたが、韓国では市民活動が宗教団体によって運営されています。特にキリスト教は政治組織としてもその影響力を持っています。軍事政権下での合法活動の拠点として、多くの市民がこれにかかわってこれまでの民主化闘争の基盤になってきました。
現在でもその運動の中心はこれらの組織から育った多くの市民活動家が担っています。5・18前夜祭の前段、その一組織のメンバーと交流し、市民が政治に関わる運動の原点は何か、自治体への要求運動の組織化、財政運営へのデータ分析による情報公開と議会への市民による働きかけなど多くの現実的な課題を取り組んでいる市民と出会うことが出来ました。
このメンバーは毎年、外国の市民活動を研究するチームを送っており、3年前にも日本の市民活動と交流のため訪日され、日野の環境基本条例策定経過や日の出の廃棄物処理施設の見学と現地の活動家との交流、川崎市の情報公開などお世話したことがありました。現在は市民による政治活動について研究されています。
同行のメンバーの地域社会における外国人との共生を多面的に取り組んでいる仲間から報告を行い、充実した時間を過ごしました。
★市役所職員協議会と交流
5月17日、呉先生のお弟子さんが働く光州市役所の職員協議会(労働組合を地方公務員は結成できない)という職員の組織と交流会をセッティングしていただきました。
ここでは、日本の公務員の現状と地方公務員の権利について質問され、公務員に剥奪されている労働三権のうち、スト権について特になぜ奪われているのか質問されました。
韓国では現在の民間組合における労資協議は頻繁にストライキまで発展、一方で公務員の組合化が教職員組合に及んでいる現状の中で、地方自治体の公務員の組合の結成が、深刻に受け止められています。
職員協議会という法的な制約の中での組織の現状では、労働者としての権利義務の遂行はまったくはかられていない状況が報告されました。一方で無能な管理職の評価・点検を職員協議会が行っていく手法について報告されました。ここでは議会制度との関わり、市民との連携の必要性が話し合われました。2002年5月、今年は、隔年で開催される光州広域市ビエンナーレの年です。5・18には世界から多くの人々が参加されるでしょう。ちょうど音楽祭とぶつかる時期ですが、参加希望の方は音協事務局まで御連絡ください。 (つづく)
●光州広域市国際協力室日本担当
連絡先/光州広域市東區鶏林洞五◯五ノ九◯◯(大韓民国)
TEL 062-228-6017、FAX 062-226-4448
市民グループのみなさんとサンギタンの会食会
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