1 幸運の手紙?
この手紙を手に取って読んでくださる方がどのような人であるのか、私には様々な想像が浮かんできます。ある人は親愛なる友人であり、ある人は職場の仲間であり、ある人は学校でのクラスメートであり、ある人は未来の友人であるのかもしれません。
そうした人々を思い浮かべながら、どのように私が呼びかければいいのか、どうも適切な言葉が見つかりません。今は、見ず知らずの人がこの文章を読んだり、あるいはアルバムの音楽を耳にするかもしれないことを念頭に、CDにまつわることがらについて記してみようと思います。
手にした方にはまことにお気の毒ですが、これも何かの縁とあきらめてお付き合いのほどお願いします。
2 アルバムの誕生まで
ご存知の方もおられることと思いますが、私は5年前に「急いでベイビーズ」という自主製作アルバムを発表し、それ以降も細々と曲作りを続けています。「急いでベイビーズ」の翌年には「さよならのやくそく」という歌を作りました。この歌は、こどもたちの旅立ちのために作った曲ですが、五線譜に書かれただけでした。
当時、どうしようもなく忙しい日々、何もかもがあわだたしい時間の中に押し流されていく、そんな毎日が続いていました。ある冬の帰り道、こどもの声に教えられて見上げた空に輝いていた星の光、その星を見上げたとき、自分がこの惑星に生を受けこの一瞬を生きていることが実感となって心に押し寄せてきました。
昨年のことです。自治労音楽祭ではじめて「さよならのやくそく」を演奏しました。ある人から「私の買ったあなたのCD、この曲入っていないじゃない」と言われて、「はあ、次のアルバムで入れようと思ってます…」と答えてしまったことがきっかけになって、新CDは誕生しました。
誰にも日々の自分の仕事があり、生活があります。めまぐるしい時の流れは容赦なくすべてのものを押し流していきます。
平凡でありふれたような生活、そのありふれた毎日を生きていることの持つ意味、そうした一瞬の光の輝き、言葉にならない大切な想いを小さな版に閉じ込めてみよう、と取り組んだのがこのささやかなアルバム誕生の契機です。
3 こんなアルバムです
アルバム「惑星の空の下で」は七つの曲で構成されています。その中心となる曲は「さよならのやくそく」です。小さなこどもたちが保育園や幼稚園、小学校を巣立つときに、ともだちと一緒に大きな声で歌ってほしいという願いが曲に込められています。他の6曲にもそれぞれの想いはありますが、それはCDを聴いていただければと思います。
アルバムの誕生までには紆余曲折がありました。私事ながら、毎日の仕事と家庭、末っ娘の保育所への送り迎え、自分が続けている言語研究の合間を縫ってなんとかアルバムを完成させようと力を振り絞りました。ギターを弾く手はボロボロですし、声も出ません。集中力も気力もどこかへ行ってしまいました。
ただ、自分の心の中で「平凡でええやん、ありのままでやったらええやん」という声が響いて私の背中を押し続けました。そして、二〇〇一年のクリスマスにアルバムは完成しました。今思えば、このアルバムの誕生は、私が自分自身と交わした約束だったような気がします。
この幸運の手紙を最後まで読んでくれて感謝します。私のわがままな願いにこたえて、何の得にもならない伴奏を引き受けてサポートしてくれた友人たち、活動を支えてくれた友人たち、苦笑しながら付き合いで聴いてくれる友人たち、そしてはじめて聴いてくれるかもしれない未知なる友人たちに、心からの挨拶を送ります。
人生に歌を!音楽の調べを!幸運があなたの背中をトントンとさりげなくノックしますように!
(2002年2月)アルバムの宣伝です
宮本雄一郎Withパパフレンズ
新CD「惑星の空の下で」
レーベル名 パパレコード
品番 PAPA 0001
千八百円(税別)
*CDは次の店で取り扱っています 。どうぞよろしく!
☆取扱店(二〇〇二年3月から)全国の主要レコード店(店頭にない場合、注文してからの入手になります)
※タワーレコード各店、HMV各店、ウァージン各店などです。
☆直接申込も可 アドレス miyamotoyu@ma5.justnet.ne.jp へどうぞ
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