自治労音協通信

 4面  NO36号/99.11.15発行

☆道楽道

舞台裏から見続けた二十?年 第6話

芝居を見よう! Part 1 

NTT労組  常盤 数行

芸術の秋です。なぜか秋から冬にかけて芝居の公演が多くなります。もちろん一年中やっているのですが、この時期特に多くなる傾向があります。私も十一月十八〜二十日と十二月九〜十二日の二本芝居をかかえていて、時間を見ながら稽古場に通っております。
この秋二本の芝居を手がけますが、この二つの劇団が対象的なのでその内容について触れてみたいと思います。まず、芝居と演劇の違いですが、演劇という言葉は明治以降に普及したもので、それまでは芝居と言われていました。これは、寺院の庭(芝)に座って催しものを観たところからきています。
演劇に対する考え方は大きく二つの流れがあります。その一つは、まず俳優がいて、そのために脚本が書かれ、それが舞台で上演されるものを観客が観る。こういう状態でできる一つの世界を演劇という場合と、もう一つは、まず戯曲があってその内容を俳優が表現しそれを観客が観るという世界を演劇という場合です。
前者の俳優〜戯曲〜観客という形は、演劇の根本に演技を優先を土台においたもので、伝統芸能である歌舞伎のように座付作者が特定の俳優のために脚本を書き、上演される形で一つの例にあげられると思います。後者の戯曲〜俳優〜観客という考え方は、演劇の基本に文学を置くもので、その文学作品としての戯曲を俳優が演技して表現するもので、こんにちの演劇と言われるものは、この様な考え方の場合と言えると思います。十一月に公演する劇団は、まず脚本が出来て、脚本の中に登場する人物のキャラクターを考慮してキャストをきめて上演するという後者の考え方に基ずいています。また、十二月に公演する劇団は、まず、公演内容のイメージを先行させ、公演に参加する人達各々がそのイメージに基ずいて色々な角度からストーリーをとセリフを構成し、その構成されたものをつないでいって上演するといった、どちらかというと後者に近い考えかたに基ずいているといえるでしょう。稽古のやり方、進め方についても、おのずと違いが出てきます。前者は、脚本をよく読み込んで作家は何を言おうとしているか?何を訴えたいか感じとって、様々な表現手法の中からもっとも効果のあるものを探っていく大変さがあります。
また、後者については、上演に参加する人達がイメージを共有するまで何回となくディスカッションを繰り返していくやり方ですが、相当な時間とエネルギーが必要となります。どちらにしても、上演するまでは大変なエネルギーと時間を要することは間違い無いことです。
一方、演劇を観ることで僕自身が大切にしていることですが、基本的には、面白かったかどうかで、面白いという定義は、集中して演劇が観れたかといういわゆる舞台の緊張感が伝わったか、また、プレゼンテーションされている内容を感じ取れたかどうか、この二点が演劇を面白く観れたかどうかの判断になると思います。
音楽活動されている皆さんもここのところを、再度考えて音楽を生み出す事のなかに生かしてみたらいかがでしょう。演劇は必ず見る人がいる、音楽は必ず聞く人がいるのだ、見てくれる人聞いてくれる人の事を少し意識していけばいいのではないかと思います。そしてもう一つ、この秋一つでも多く劇場に足を運んでいただければと思います。以前から演劇人口(公演を観てくれる人含む)は、減りもしないし、増えもしていない、すなわち底辺の拡大は出来ていないとうことのようです。
質問とかがあれば、メールでもFaxでもかまいませんので送ってください。解る範囲で答えたいとおもいます。

Fax 0492・66・1561
メールアドレス kazuyuki.tokiwa@ssc.east.ntt.co.jp

よろしく!

音楽夜話
私とブルーグラス 第10話 
 
栃木県職労 松本 敏之

前回は大学で「ヒルサイド・トラヴェラーズ」というバンドを見つけてこれに加わった話まででしたが、少し早回りしすぎたようにも思います。私がヒルサイドに加わるのと前後して新入生(つまり、私と同年)が二人入りました。一人は女性で、本当はハードロックがやりたかったようでしたが、どうしたことかヒルサイド・ジュニア(と言ってもバンドが組めるようなメンバーはそろっていません)でギターを弾き初めていました。もう一人は男性で、カーペンターズが好きだとのことでした。たしか、ミック・テイラー(でよかったかな、後で調べておこ)時代のブルースブレーカーズのレコードを借りたこともあります(カーペンターズとどういう関係だ)。彼は、後々までベースなどで参加していたのではないかな。よく調べておきましょう。名前も思い出さないと。
あと、他大学の女性のヴァイオリン弾きも一時期練習に顔を出しました。しかし、この三人はあまり長続きしなかった、というのはそれほどブルーグラスが好きでなかったからでしょう。その後に加わったのが、前回も書いた市村くんで、大きなお腹の上にバンジョーをちょこんと乗せて弾いていました。それから、後に鈴木くんという、これまたデザイン系の専門学校に通っているギター弾きを迎えて、一応ヒルサイド・ジュニアあるいは第何代だか忘れましたがヒルサイド・トラヴェラーズが形ができたわけです。
鈴木くんは、ちょっとカーター・スンタンレーに似た渋い声の持ち主で、スタンレー・ブラザーズをこよなく愛していました。どんな曲をやったかというと、スタンダードな曲はともかく(というかあらゆる曲をやったような気もするし、先代のヒルサイドだったような気もするし、よくわかりませんので)、「オールド・ホーム・タウン」のような、ニュー・グラスではないけれども古典とも言えない、新しめのオーセンティックというところが多かったかと思います。それ以上に特徴だったのは、「ホンキー・トンク・ウィメン」「ドント・レット・ミー・ダウン」のブルーグラス・アレンジでした。ちなみに前者はローリング・ストーンズ、後者はビートルズのナンバーです。              

(つづく)

★北海道はど真ん中・上川町からのレター その3

ステージ探し☆行きつけのスナックで!

北海道本部上川町職労 籠味 正樹

さて、みなさんお元気ですか?北海道では十月十七日に初雪が降りました。いよいよ冬の訪れです。上川町ではこの時期から四月中旬まで、雪のある生活となります。
スキーシーズンを心待ちにしていた人にとっては、ワクワクする時期なのです。しかし、同時に冬の厳しさを実感するときでもあるんです。その一つは、雪です。特に大雪が降ったときは、早朝から雪ハネに追われます。さらに年に何回かは屋根の雪下ろしもしなくてはいけません。これがなかなかの重労働なんです。また、気温がマイナス二十度以下となる日もあります。外を歩くと、空気中がキラキラと輝く「ダイアモンドダスト」という現象が見れるのですが、これが体を刺すような寒さなんです。北海道の方言では寒いことを「しばれる」と言うのですが、まさにその言葉がしっくりときます。
前置きが長くなりましたが、今回はいきつけのスナックでの話題にしましょう…。私の家から歩いて三分の距離に「ロマンス」というスナックがあります。美人?母娘二人でやっている店です。ここは、上川町きってのミュージックスナックなんです。客層は、音楽好きの若者が多く、ママはバツグンの歌唱力を持ち、ジャズ、ポップスなどを軽く歌いこなしてしまいます。そして、娘の愛ちゃんは、私の大切なバンドパートナーです。前号で紹介した「上川スーパーバンド」とはちがうバンドです。年に数回、このスナックでライブをやらせてもらうんです。
私がギター、愛ちゃんがベース。ほかのパートはすべてコンピューターにプログラムしています。最近、iMACがヒット商品となっていますが、私のMACはかなり古い機種で、きげんをとりながら動かしている現状です。スナックでの演奏は、お酒が入るせいか、とても楽しい気分でリラックスした演奏ができるのです。オリジナル曲のほか、ポップスやニューミュージックのスタンダードも演奏します。ほとんどがインストルメンタルです。アドリブ中心の演奏のため、その場の雰囲気を吸収し、いかに感情を込めれるかが、成功のポイントです。
最近、ストリートも音楽発表の場になっていますが、工夫しだいでは、いきつけの店、またお茶の間などもステージになります。実際に、職場の先輩のお茶の間で押しかけライブをやったこともありました。みなさんも自分の身の回りでステージを探して見ませんか。     (つづく)

○メールアドレス RXR01420@nifty.ne.jp

写真は 演奏会の合間の仮装パーティーで、右が籠味さん

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