神奈川県警腐敗の背後にオウム関連巨大暗流 続:隠しマニュアル

続:神警不祥事隠しマニュアル読売記事全文ほか

1999.12.7.mail再録。

 私のmailが長文で困ると思う方は、見ないで遠慮なく「ゴミ箱」「削除」して下さい。現代の人類社会は、おそらく解決不可能なほど、情報洪水に押し流されています。E-mailの世界も例外ではありません。情報選択に関してタフになる以外には、当面の自分の頭の上の蠅を追うことすらできません。私自身は、手紙でもチラシでも、昔からテーマと相手による選別をして、見ないで捨てていますので、私のmailがポイと捨てられても、別に残念とも思いませんから、本当に、ご遠慮なく。

 昨日送った本件に関するmailで、朝日が翌日の1999.11.25.1面下のコラム、「天声人語」で触れたのみと記したのは、当の朝日新聞社広報室のデータベース確認ミスでした。本日、他紙の報道状況をコピーするために図書館に赴き、念のために朝日をも確認したところ、11.24.夕刊で、読売記事の10分の1程度の短い後追い報道をしていました。

 毎日、産経、東京も、同じく11.24.夕刊で、同程度の後追い報道をしており、毎日は朝日と同じく、翌日の1999.11.25.1面下のコラム、「余録」でも触れていました。しかし、読売以外の報道は、非常に短く、「B5判、13ペ-ジ」のマニュアルの全容と問題点を伝えるには、不十分極まりないものです。

 以下、読売の1999.11.24.朝夕刊報道の全文を紹介します。

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『読売新聞』(1999.11.24)

神奈川県警/対応マニュアル

不祥事/安易に公表するな
組織防衛を最優先
再就職斡旋に努力

百数十部/1991年作成

署長らに配布

 不祥事の相次ぐ神奈川県警が、不祥事を積極的には公表しないように指示する内容の内部マニュアルを作成していたことが23日、読売新聞社の調べでわかった。不祥事の対応にあたって「組織防衛を最優先」とした上で、公表して報道されることは「警察への信頼感と職員の上気を低下させるだけ」と明記、実質的に不祥事の隠ぺいを指示する内容となっている。警察の監察制度を巡っては、国会でも問題視する指摘が相次いでおり、今後の論議に影響を与えそうだ。(関連記事35面)

 マニュアルはB5判、13ペ-ジ。県警監察官室が1991年3月に百数十部作成し、「取り扱い注意」として県内全署長や県警本部の課長以上の所属長に配布した。「不祥事案などの措置要領」と題され、不祥事が発生した場合、所属長がいかに対応するかを8項目に分けて具体的に指示している。

「事案の真相の早期把握」「適切な処理方針の樹立」など、不祥事発生時の対応姿勢を示した後、第5項目で「適切な報道対策」に言及。「不祥事は、社会への影響の大きい場合を除き、積極的には公表すべきでない」と明示し、その理由について「一般市民の警察への信頼感と警察職員の士気を低下させるだけ」と説明。さらに「マスコミとの摩擦を恐れるというだけの安易な考えで公表することがあってはならない」と念押しまでしている。

「関係職員に対する適切な措置」では、不祥事を起した警察官の免職が決定した時、「職員が自暴自棄にらないよう細かい配慮をし、できる範囲での再就職斡旋に努め、その後、警察の目の中にいれておくことが必要」としており、身内をかばう体質が表われている。

 同県警では、1990年に、拾得物の財布から現金を抜き取った業務上横領事件や、ホテルで女性にいたずらした準強制わいせつ事件など警察官の不祥事が相次いだ。マニュアルは、こうした不祥事を受けて作成されたとみられる。

 監察官室は「誤解を招く表現があるのは確か」としたうえで、「この文書は執務資料として作られたもの。県警の内規では、執務資料の効力は1年しかなく、現在はこうした姿勢で不祥事対策をしていることはない」としているが、マニュアルが現在も署長室などに残り、引き継がれている可能性については否定していない。

 警察の監察制度については、同県警の渡辺泉郎元本部長らによる、元警察官の覚せい剤使用もみ消し事件を受けて、国会でも問題視する指摘が相次ぎ、今月16日には、保利耕輔・国家公安委員長が参院地方行政・警察委員会で、身内が身内の不正をチェックする現在の監察制度には問題があるとの見方を示している。

[35面]

神奈川県警マニュアル

秘密保持まず身内から

懲戒免職の理由/所属長にも知らせず

「組織防衛を最優先に考える」「不祥事は積極的には公表すべきでない]……不祥事をめぐる神奈川県警の隠ぺい体質を裏付ける内部マニュアルの存在が23日、明らかになった。県警は「現在は、そういう姿勢で不祥事対応をしていない」と弁明するが、マニュアルで指示された対応は、今年9月以降、次々と発覚した不祥事への県警の対応と見事に符合する。表紙に「取り扱い注意」と記された秘密文書は、まさに、同県警の不祥事隠しの“源流”だった。(本文記事1面)

組織防衛を最優先に考える

(第5項目「適切な報道対策」から)

 元警察官の覚せい剤使用もみ消し事件で、渡辺泉郎元本部長らは1996年12月、監察官室の主導で隠ぺい工作に走ることを承認した。覚せい剤乱用防止キャンペーン中で、渡辺元本部長は「現職警察官による覚せい剤使用が発覚すれば県警組織は大きなダメージを受けると判断した」と供述した。

 厚木署集団警ら隊の集団暴行事件と、相模原南署の元巡査長(43)(窃盗罪で起訴済み)が女子大生を脅迫する目的で押収フィルムを持ち出した事件では、県警が事実と異なる発表を繰り返した。県警幹部は取材に対し、「事実が明らかになると、県警のダメージは計り知れないと判断した」と証言した。

不祥事は積極的には公表すべきでない

(第5項目「適切な報道対策」から)

 組織防衛のため、県警はほとんどの不祥事を発表していなかった。マスコミ報道などで発覚した未発表の不祥事は、今年9月以降だけで17件を数える。この中には一線署の警察官による痴漢行為や万引き、警察手帳の紛失などのケースもあった。

知る者を最少人員に限定する

(第4項目「保秘の徹底」から)

 元巡査長の押収ネガ持ち出し事件では、県警は当初、事件化せず、懲戒免職処分だけで済ませていた。その際、監察官室では、所属長の相模原南署長に対し、「本人は辞めた。理由は聞かないでくれ」と話し、懲戒処分の事実さえ伝えなかった。当時の森和生監察官は「情報を広げない方がいいと判断した」。

免職した職員には、再就職斡旋に努め、警察の目の中に入れておくことが必要

(第7l項目「関係職員に対する適切な措置」から)

 覚せい剤け使用が尿検査で明らかになった元外事課警部補(37)(逮捕済み)を不倫を理由に諭旨免職とした1996年12月、県警は、再就職先として都内の警備会社を斡旋した。「警察の目の中に入れておく」のは不祥事が本人の口から漏れるのを防ぐためと見られ、元外事課警部捕のケースでも、県警は免職後の行動を把握していた。

交渉に当たる者に警察を名乗らせたくない場合には、十分な検討が必要

(第6項目「適切な相手方、関係者対策」から)

 加賀町署の巡査部長が1997年10月、酒を飲んで電車内で女性に痴漢行為をした時は、管轄の横須賀署が被害者に対して、巡査部長の職業を「大きな会杜の会社員」と説明していた。現職警察官であることを被害者に明らかにしたのは10日後だった。

[写真説明]:補奈川県警公表を避けることを指示する神奈川県警のマニュアル

[写真部分の内容]:

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5.適切な報道対策

 不祥事案は、一般社会への影響の大きい場合を除き、積極的には公表すべきでない。これは他の団体、組織の場合と同じであり、警察であるがゆえに、なんでも公表しなければならないというものではない。

 勿論、事案に対する内部措置は厳正なものでなければならない、報道されることにより、一般市民の警察への信頼と常に黙々と職務に精励する圧倒的多数のまじめな警察職員の士気を低下きせ、その家族の気持ちを滅入らせるだけで、警察運営の改善、発展につながらない場合もあり、マスコミとの摩擦をおそれるというだけの安易な考えで公表することがあってはならない。

 一方、前項4と関連するが、事案の発生や処理等の状況から、マスコ[ここで中断]

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公務員法違反の疑い

板倉宏・日大教授(刑法)の話

「不祥事を隠そうということは、以心伝心で引き継がれているとは思っていたが、マニュアルまでとは……。組織として犯罪を隠ぺいしようという確信犯的なもので信じ難い。公務員法や刑事訴訟法には、公務員が犯罪を認知した場合の届け出・告発の義務がうたわれ、マニュアル作成自体が公務員法違反に当たる疑いもある。警察が自ら法を破れといっているようなもので、あきれてしまう」

情報公開制度化必要

堀部政男・中央大教授(情報法)の話

 マニュアルが作成された1991年は、全国で情報公開条例の制定が相次ぎ、情報公開の議論が活発になっていた。時代に逆行していたとしか言いようがない。自らをより厳しく律する必要のある警察は、一連の不祥事も進んで公表するべきだったが、マニュアルが、それをさせなかった原因になづたと言える。隠ぺい体質を変えるには、各都道府県公安委員会で、自ら情報公開の制度化を検討していくことが必要だ」

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『読売新聞』(1999.11.24.夕刊)

神奈川県警
不祥事対応「誤解招く表現あった」

 神奈川県警が不祥事を積極的に公表しないよう指示する内容の内部マニュアルを作成していた問題で、同県警は24日、「一部に誤解を招く表現があった」として、このマニユアルを回収する方針を固めた。また一連の不祥事隠しの背景になったことも否定できないとして、同日、マニュアル作成にかかわった当時の監査官室長らから作成の経緯についての説明を受けた。

 マニュアルは、監察官室が「不祥事案などの措置要領」と題して、1991年3月に約二百部作成。「取り扱い注意」の執務資料として、県内の全署長や県警本部の課長以上の所属長などに配布した。「不祥事発生時の参考に」としているものの、不祥事発生時の対応として「組織防衛を最優先に考える」「積極的には公表すべきではない」などと明記、実質的に不祥事の隠ぺいを各所属長に指示する文面になっている。

 同県警の内規では、執務資料の効力は1年間とされているが、その後、表現を改めた新たなマニュアルなどは配布されていないため、このマニュアルがそのまま引き継がれている可能性もあるとして、回収の方針を固めた。

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 以上。


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